エグザイル／絆　スタンダード・エディション

キネマ旬報で８位だったので観とこと思ったので観たけど。
つまらなかったな。
この映画で、何を感じるのかな。
やたらと銃撃戦をやってるだけど、昔、製作を乱発してた東映映画のやくざ映画のほうが、よっぽど面白い。

数年間、レビューを書いて無かったのに、こんなレビューで再登場するとは、想定していなかったな。

レビューを書くのは、本当に久しぶりです、書かなかった間も好きな映画をいつも観続けていました。

いい映画がいっぱいありました、でもレビューを書かなっかった。

何のためのレビューを書いてるのか、と考えだして。

自分は、好きな映画を観て、それだけで満足していたのに、なんとなくレビューを書ていたら、勝手にレビューアーのランキングをされて、順位を付けられて、なんとなく、ランキングが上がればと思ってしまったことが、嫌になってしまたので、書くのを止めました。

でも、今は、また、思ったことを記録するつもりでレビューを再開します。

宜しく。

ラストシアター。

★

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あんたら、カッコよすぎだろ!!　ってくらい。
カッコつけるおじさんたちが見れます。

弾丸をよけようとせず、仁王立ちでの銃撃戦は。
男の子なら、テンション上がること間違いないです。

まして、戦う理由が。友情のためなので。燃えました。

ハーモニカが流れる中、歩き出す男たちを観ていると。
完全に酔いしれちゃいました。男の美学に。。

スローを多用した銃撃戦も素晴らしいと思いますが。
ひたすら、鞄を持って歩く姿は絵になっていて。熱いです。

けど、いかんせん。主人公たちが、行き当たりばったりで計画性がない。
何も考えてないじゃんと思っていたら。脚本がなく、アドリブなのね……。
それで、一本映画を作ってしまう香港映画のパワーは凄いです。

結構、退屈してしまった感もあったことは事実で。
おじさんたちが、子どものようなことをして。
はしゃいでいるのを観て、感慨深いものを感じれる人を楽しめる人ならいいと思いますが。
ボクとしては、何も感じることなく。
「アンソニー・ウォン、どんだけ撃たれてるんだ」とかしか思いませんでした。

とはいえ、
カッコいい映画だと思います。

なんとも思わせぶりな邦題、「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」を直近に見て、まずまずだったのでこちらも視聴。
監督独自の世界観丸出しで、この作品も似てますね（笑）。なので悪くはないです。

他に、「ザ・ミッション　非情の掟」を含めて３部作との事ですが、あくまで後付けで内容に関連はないのでどれから見ても正解でしょう。
しかし、こういった作品を見ればみるほど、「男たちの挽歌」がいかに秀逸で、いかに影響を与えたかを考えずにはいられません。

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最初のノックでフランシス・ンとロイ・チョン。
次のノックでアンソニー・ウォンとラム・シュ。
そこに現れるニック・チョン。
（『エレクション』でレンゲを砕いて囓ってたシーンが脳裏から離れません。）
この時点で私のミーハー・スイッチがＯＮになり。
この人達抜きには収まらない、サイモン・ヤムとラム・カートンも当然の登場で、一部の隙も無い完璧な陣容。
後はもう理屈抜き、ジョニー・トー監督の世界にどっぷりの１時間４０分です。

難しい社会情勢は分かりません。
辻褄の合わない事（例えば、この５人が幼馴染みという、ビジュアル年齢の不自然さ）には目を瞑りましょう。
カッコイイ男達の世界について行くだけです。

金塊強奪シーンは西部劇そのもの。
独り生き残る彼も、出番は少ないですが印象的で素敵です。

クライマックス、ウーの妻を突き放し、ドアを閉めるタイの覚悟の背中のその迫力、振り向いた彼のニッと笑ったその顔にシビレてしまう。
空き缶が宙を舞い、スローモーションの中、そこここに弾ける硝煙の白と血煙りの赤の美しさ。
身を隠す場所もない狭い空間に死を覚悟の男達の闘いは、凝縮された時間の中、楽しげにさえ見えます。

いつもに増して怖いサイモン・ヤムの嗤い顔。
ジョニー・ホーはエキゾチックで綺麗です。
ラム・カートンの影が薄かったのが、ちょっと残念かな。

子供の頃の５人の写真、きちんと並んだ７人の写真、弾けて絡んだ４人の写真。
最後にハラリと落ちる４人の顔が、みぞおちあたりにズンと哀しく響きます。
楽しい、哀しい、そし只々カッコイイ、本当に素敵な一本です。

大好きな１本です。もう３度見ました。
古き良き香港ノワールの男臭さと、ジョニー・トーらしい引締まった映像美。
サスペンスは『インファナル・アフェア』には及ばないかもしれないけど、
ひたすら画が、男が、カッコイイこの映画が僕は最高に好きです。

「静」を丁寧に描けばこそ、一瞬の「動」が生きる。
くすっと笑えるほほえましいユーモアがあるからこそ、
無愛想な男たちの命を賭した強い絆が伝わってくる。

黒社会の銃撃戦を描く映画ながら、鑑賞後には清々しささえ感じられます。

僕を香港ノワールの歴史へと誘ってくれた、思い入れのある映画です。