接吻

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このタイトルにこのエンディングであることがどうも理解できないというか、私の思考が
ついていってないのかもしれない。と、書くとまるで面白くなかったように感じるかもし
れないが、非常に面白かった。真の恐さが何種類も描かれている。下手なホラーより
もかなり恐怖を感じるかもしれない。かなり奥の部分で。

いわゆる猟奇殺人であるのだが、惨劇そのものは描かれていない。が、女の子を引
きずりこむシーンは背筋が凍った。それに逮捕時の表情。徘徊しているときの雰囲気
この監督は人間が感じる恐怖というものを非常によくわかっているようだ。さらに、メイ
ンとなる京子の行動や思考。恐怖を演じたはずの逮捕時の表情が京子へつながると
いう演出も見事といえば見事。異常すぎる場面での共感、男女あったために愛のよう
にも見えるが、完全なる同士だ。共感についてはわからなくもないが、その後の行動
や思考についてはわかる気もする。といったレベルまでしか理解できない。それだけ
逸脱している。そこに正義や常識などの象徴として存在するかの弁護士。絶妙なバラ
ンスをもたらしているのは紛れもなく彼だ。

エンディングの凶行に関してはある程度、予測できたもののタイトルにつながる部分
に関しては冒頭にも書いたが理解できなかった。しかもこれがタイトルだと。で、ある
ならばずっと私はずれた視点で見てたのかもしれない。パープルローズさんが言って
るようにもう一度見返すべきかもしれないな。ちなみに私はあのシーンは毒殺だと瞬
時に思った。このあと弁護士はもがき倒れるはずだと。看守にとりあげられた小瓶は
なんだったのか。。。

どちらにしろ濃厚で見応えのある作品であることは間違いない。小池栄子は苦手な
タイプだが、演技が評価されたのもうなずける。

連続殺人事件の永山死刑囚。連合赤軍浅間山荘事件の坂口死刑囚。
どちらにも獄中結婚した女性が居たはずです。
死刑囚と獄中結婚する心理が理解出来ないし、不可思議に思って
いました。
小池栄子扮する遠藤京子はテレビニュースで見た殺人犯坂口の
不敵な笑みに魅せられ、どんどん彼に感情移入してゆきます。
それ程に不幸な生い立ちなのか、虐げられ、見下され、利用され
・・・という京子の主張が説得力ありませんね。
狂気で片付ければ簡単ですが・・・
演出と脚本は丁寧に京子の、法廷出席、差し入れ、面会、
そして坂口と言葉を交わし、遂には結婚に迄こぎつけます。
そして始めての金網を隔てない面会のその時、京子は突然の
行動に走るのです。
そして最後の接吻の相手が、事もあろうか彼では無い、別の彼でした。
突然の乱心。理解し難いです。
独占欲でしょうかね？

　基本的に地味な展開です。
　淡々と進んでいきます。

　――が、これがズシンときます。

　脚本の秀逸さ。台詞がいいんです。流れがいいんです。
　そして、小池栄子さんの演技がそれを更に引き立てているんです。あの演技は圧巻です。


　ラストシーンは見ごたえ充分です。
　あのラストは納得です。

　これはああ終わるのがやっぱりいいんです。

　素晴らしい作品でした。

まったく経験ありません！どんな味がするのですか？
おしえてください！

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バースデー・ソングはディアー何々さんと固有名詞のフレーズが入りますがこの映画では故意にそこを省略している。これは「ダレデモヨカッタ」ソングなのでしょうか？アンハッピーなデスソングを唄いながら犯される殺人。
さかさまになった世界のなかでは意味が欠落しているので「ダレデモヨカッタ」し、動機も「ナンデモヨカッタ」というわけでしょうか。坂口が無言なのは言葉が意味をもっているからかもしれない。
京子の、世間に対する宣戦布告というのは意味に対する無意味の側からの反乱とも受け取れます。
弁護士はまるで、センスレスな不思議の国に投げ込まれた少女アリスのように意味（センス）を追い求める。
何故？という質問に対するふてぶてしい笑み。
センスな右手とセンスレスな左手。
せっけん工場のベルトコンベアーの上のせっけんが○と×にみえる。
不可解なラストシーンの直後に浮かび上がる赤いタイトルはみごとでした。
京子は声（音）は聞きたかったけれど言葉（意味）は聞きたくなかったのかもしれません。
接吻は意味をさえぎるためのものなのか、とても奇妙な後味が残る作品。