ラスト、コーション

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ラスト、コーション / トニー・レオン

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「ラスト、コーション」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督が、一人の女スパイの愛の葛藤を描く官能サスペンス。日本軍占領下の上海と香港を舞台に、図らずも抗日運動に身を投じたヒロインが、祖国の裏切り者の男を暗殺すべく、色仕掛けで接近していく中で展開していく男と女のギリギリの心理戦がスリリングに綴られていく。1942年、日本軍占領下の上海。ごく普通の女子大生チアチーは、抗日運動に心血を注ぐクァンに秘かな恋心を抱き、彼と行動を共にする中で次第に感化されていく。やがてチアチーは、日本の傀儡政府に協力する特務機関のリーダー、イーに近づき暗殺する危険な任務を与えられるが…。

「ラスト、コーション」 の作品情報

作品情報

製作年: 2007年
製作国: アメリカ/中国/台湾/香港
原題: LUST, CAUTION/色・戒
受賞記録: 2007年 ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞

「ラスト、コーション」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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11〜 15件 / 全159件

タン・ウェイは素晴らしい。 ネタバレ

投稿日:2008/07/31 レビュアー:NBK

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二人の最初の性行為が非常に暴力的で過激である。それまでの流れとのあまりのギャップに息苦しさと場違いな感覚を覚え、つい目を背けたくなってしまうが、それほどまでに男(国家を裏切っている)は死の恐怖に怯え、人を疑いながら生きており、その方法でしか女を愛すことができない。

そして、男の歪んだ愛情を全身全霊で受け止める女は非常に官能的で、抑圧されるが故の激情に満ちた表情は、観る者に深い痛みのような感覚を与える。
愛すれば愛すほど死が近づくという矛盾。日本占領下の上海を舞台に、時代に翻弄されながらも、真摯に愛と向き合った男女が織り成す深紅色の物語。

監督の繊細さが作品の随所に散りばめられている。俳優の動き一つ一つに10行分ぐらいの意味合いを読み取れる美しい映像が印象的。また、あの憂いに満ちた音楽は実に素晴らしい。たった数秒の音色で私は1942年の上海に引きずり込まれた。

最後、死を選んだ女が、その瀬戸際でみせる眼差しがとてつもなく切なく、力強い。あの清廉な表情が忘れられない。 恐るべし、タン・ウェイ。

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観てよかった!!

投稿日:2008/11/11 レビュアー:忙中有閑

この作品、レビュアーとして敬愛するポッシュさんとBINさんのレビューとそこに寄せられた多数のコメントを読んで、早く自分も観たいと思っていたのですが、やっとさっき観終わりました。そんなわけで、大体どんな映画か分かったような気になっていましたし、ポッシュさんかBINさんのレビューに簡単にコメントとして感想を書くだけのつもりでいたのです。それが観てみたらどうも思いの外感動してしまって、これは自分のレビューを書きたいと思いました。同じ映画を観ても、どんなに感性が似ていると思っても、やはり感じ方は人それぞれですね(当然ですけど)。
あまり観ていないのに韓国、香港の映画を毛嫌いしていましたが、完全に先入観を覆されました(もっとも、アン・リー監督には「シビル・ガン」で多少注目していましたが)。全体に非常に丁寧な作りで、複雑な状況設定なのに冗長な説明をせず、役者の表情や場面設定で観客に状況を理解させる工夫が随所に見られて、全然クサくない。いつの間にか日本映画は香港に(少なくともアン・リーには)立ち遅れたと思いました(もしかして韓国にも?)。
従ってテーマも非常に解りやすい。それも既に使い古された感のある「愛とセックス」を敢えて取り上げて成功しているのは並々ならぬ手腕です。このテーマはあまりにも普遍的であるがゆえに、ありとあらゆる状況設定が試行されてきており、この作品と同様「極限状況」における「愛とセックス」を描いたのも数え切れないくらいですが、当り前のことですが「極限状況」の設定は大変難しく、ほとんどの場合その段階で安っぽくなったり、リアリティーを欠いたり、または状況設定に気を(カネを)使い過ぎて肝心の「愛とセックス」のほうが疎かになったりして、単なるポルノ、SF、ホラー、時にはコメディ、ロマンスになってしまうことが多いのです。
アン・リー監督は先ず舞台を(得意の)中国、それも第二次世界大戦末期の香港、上海に設定して、複雑で流動的な政治状況下、誰もが明日を予測出来ず、生命、財産を脅かされ、周囲の誰も信頼出来ない、ということが自明な状況を作ります。そしてその中で、頭脳明晰で若く多感で、且つ美しく、自分を演技する才能も持ち合わせているという「不安定そのもの」のヒロインと、占領国日本の傀儡政権の秘密警察のトップという地位を必死に保とうとしている、これまた「不安定そのもの」の中年男が恋に落ちる、というまさに「極限状況」を作り出すのです。しかもこのヒロインは初恋の男に抗日運動に引き込まれ、スパイ(暗殺者)として教育され(この過程で「訓練」として処女を失うというオマケも付いてます)、あろうことか暗殺の標的である主人公に暴力的に犯された時、初めて男への愛を自覚する、というオハナシに持っていくのです。
このように書いて説明すると、その「極限状況」はトンデモ無く荒唐無稽で不自然に感じられる(書いてる私がそう思う)のですが、脚本、セット、カメラ、役者の演技の全て(つまり演出)が完璧にこの不自然さを隠蔽してしまう。だからその状況の上で繰り広げられる過激なセックス描写は(私にとって)少しも神経に障るものでは無く、むしろ「愛とセックス」の不条理な関係性を一瞬納得しかけたほど、説得力がありました。
暗殺計画がまさに成功しかけた時、女が一言「逃げて」と男に告げ、瞬時に男は脱兎の如く逃げる。その逃げっぷりの好さについても私は全く違和感を感じませんでした。男のそれまでの「極限」的緊張と猜疑心に慣れきった生活、その中で唯一の例外としての女への愛、そしてその愛ゆえの全幅の信頼、それら全てをあの「走り」に凝縮させるのがアン・リー監督の演出と、トニー・レオンの演技の真骨頂だったように感じたのは、まんまと監督の意図にハマったということかもしれません。

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切なく悲しいずっしりときます・・・ ネタバレ

投稿日:2009/03/25 レビュアー:yorori

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性描写を大きく取り上げられた作品ですが官能サスペンスではありません
あのセックスシーンは心に痛くて
なければならない描写だと思います
トニー・レオンの固いが憂いのあるだんだん愛するものに弱さを見せていく男の役も今までにない大人っぽさ?雰囲気のある役どころで
新人女優だったヒロインのタン・ウェイも本当に目で語る演技が素晴らしく
姿勢良くその歩く姿がとてもきれいでした

なんでこんな事になったのか
ヒロインは愛国心の強いクァンを好きになっただけだったのに

思ってた男と違う
孤独で張りつめた自分を信じ愛す男を死なせたくなかった
初めて二人が関係した時のサディスティックさ冷酷さに対して
大粒のダイヤをつけて歩くのがこわいとチアチーが言った時
一緒にいるから大丈夫だと言ったイーの表情の優しいこと

死を覚悟して人力車に一人乗るチアチーは美しく人力車の運転手はやけに笑顔で
音楽も切なく胸にせまりました

最後泣き崩れる友達とは対象的ににチアチーとクァンの二人の毅然とした悔いのない顔

男泣きのラスト
10時の時計が鳴り終わりマイ夫人の部屋を振り返るイーの影
シーツの皺


私はエンドロールで泣きました

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境界線上の女 ネタバレ

投稿日:2008/11/08 レビュアー:ポッシュ

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 時代に翻弄された女の姿、っちゅうことかなぁ。

 スパイっていうのは常に境界線上に居なきゃいけないのですから、どこにも落ちつく場所がないのですなぁ。自分が忠誠を誓ってる組織はあるけれども、対立状態にある2つの組織のどっちかっていう危うい場所だから、そことて決して安住の地ではなく。

 ヒロインのチアチー嬢は、学生のお気楽なノリから、とんでもない世界に足を踏み入れてしまった訳で。なんとなく「いちご白書」(70)なんて作品を思い出したり。青い青い若者は恋愛も政治活動も同じレベルと言うか、好きなあの人が熱中している事に私も夢中になってみたぁい、なんて感じですかね。

 でも、も、どんどん彼女の人生は狂ってっちゃう。学生演劇の延長で始めたスパイごっこが、あれれ、標的の愛人にならなきゃいけない訳?えええ、好きでもない男で処女喪失しなきゃいけない訳?ってな具合にあらぬ方向に転がっていく。フツーの女の子が通る甘く切ないピンク色の恋愛街道とは全く違う、何やら死の臭いすらただよう暗くて黒ぉい忌まわしい道を通らざるを得なくなったチアチー。そして、第1部はあっけなく幕切れ。いや、もう、ここで彼女はカラッポになっちゃったんじゃないでしょうか。

 んで、数年後に第2幕ってことで再び活動再開となった時には、もう、抗日運動も好きだった先輩も関係なかったんじゃなかろうかと、私には思えた。思いは一つ。

「私の青春を返せ」
 
 あの時、女の、1度キリの、青春のひとときを無駄に捨て去ってしまった、あの忌まわしい人生の汚点が、もしかしたら報われるかも。もう失うものは何もないし。・・・そんな、ちょっと投げやりな思いと、あと、もしかしたらそれより重要かもしれない彼女の女優としての天性。学生演劇で成功した時に「演技は現実そのもの!」みたいなこと叫んで、キラッキラ目を輝かせてたんですよねぇ、彼女。「演じる」ことはチアチーにとって「生きる」こと、そのものだったのかも。だからスパイという職業(?)は彼女にとって天職だったのかもしれない。

 あとは、トニー・レオン演じるイーとチアチーの、なんとも緊張感に満ちた恋愛模様となっていきます。タイトルまんま。エロ・シーンについては、もう、いいや。確かにクドイし、イーさん乱暴だし。もっと優しくしてッ!・・・体の硬いわたしゃ、ありゃ無理だなぁ、なんてババ臭いこと思いながら見てました。

 そしてイーさんの逃げ足は本当に速かった。芸人さんのリアクション芸なみの、おいしい動きでありました。まぁ、そうやって生き抜いてきた男なんだねぇ、女にズルズルになっちゃうような男だったら、とっくに死んでる。一方のチアチーは、愛に殉ずる女を演じきったってことかなぁ。あれが彼女にとって本物の愛だったのかどうか、私には分からない。女ってさ、現実の世界でも、どこか演技して生きてるみたいなとこが、あるような気がしてならないんだよなぁ・・・。

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逃げ足の速い男 ネタバレ

投稿日:2008/10/28 レビュアー:BIN

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さぁ今日は観るぞ、いう日、
テレビのスマスマにトニー・レオンがゲスト出演。
黄緑色のパーカーにトレーナー姿のたれ目のおっちゃんって風貌。
カバー写真とはまるで別人。かなり体を絞ったのね。
直前にその姿を見てしまったので、
「女の操」(ニギさん参照)と黄緑色のパーカーが浮かんで、
頭から振り払うのが忙しかった。

どんな女スパイかと思ったら、
始まりは大学生の夏休みの冒険、みたいな思いつき。
チアチーも好きな学生に褒められたい、彼の役に立ちたい、
そんな思いから、やりましょう、出来に驚かないでね。
なんて軽い。
結局学生たちの底の浅い計画は、ホンマの抗日運動組織に利用され、
学生たちは深みに、後に引けなくなっていく。

誰も信用しない孤独なイーはいつしかチアチーに心許し、
チアチーもイーのうつろな心に愛という瑞々しい滴りを注ぐ。
そのために2人の心の移り変わりを見せる、
あのセックスシーンは重要なのですが、
ごめんなさい、笑ってしまいました。

あそこまでのシーンを撮るなら、性器まで見えなければウソですよ。
見せればボカシが入るでしょうから、ギリギリのところで見せない。
だから凄くウソ臭い。ちから入れてる割に白々しい。
私はいっそイーが不能ならいいのに、と思いました。
あれほど人が信じられず、絶えず緊張の強いられる任務に晒され、
日に日に憔悴して痩せてパサついていくリーが、
精力(性力?)絶倫なんて。

「君だけは信じる」なんて言葉を掛けられ、
指輪をもらったチアチーはイーへの愛に揺らぐ。
しかしですよ。「逃げて!」を聞いたイーの逃げ足の早いこと!
あっけに取られました。あんなオチが来るなんてさすがに私も。
驚きが醒めた頃には苦笑い。
「君だけは信じる」なんて安い言葉を吐く男なんて
一番信じられないことを実証しましたね。

信じた女くらい命をかけて守れよ。イーさんよぉ。
苦悩したふりの顔なんかするなよ。
チアチーには遅すぎた『戒め』でした。

トニー・レオンは長年のパートナーであるカリーナ・ラウと、
今年の夏に結婚しました。
こちらの愛を知ったので、あっちの愛もどきは忘れます。

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ラスト、コーション

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タン・ウェイは素晴らしい。

投稿日

2008/07/31

レビュアー

NBK

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二人の最初の性行為が非常に暴力的で過激である。それまでの流れとのあまりのギャップに息苦しさと場違いな感覚を覚え、つい目を背けたくなってしまうが、それほどまでに男(国家を裏切っている)は死の恐怖に怯え、人を疑いながら生きており、その方法でしか女を愛すことができない。

そして、男の歪んだ愛情を全身全霊で受け止める女は非常に官能的で、抑圧されるが故の激情に満ちた表情は、観る者に深い痛みのような感覚を与える。
愛すれば愛すほど死が近づくという矛盾。日本占領下の上海を舞台に、時代に翻弄されながらも、真摯に愛と向き合った男女が織り成す深紅色の物語。

監督の繊細さが作品の随所に散りばめられている。俳優の動き一つ一つに10行分ぐらいの意味合いを読み取れる美しい映像が印象的。また、あの憂いに満ちた音楽は実に素晴らしい。たった数秒の音色で私は1942年の上海に引きずり込まれた。

最後、死を選んだ女が、その瀬戸際でみせる眼差しがとてつもなく切なく、力強い。あの清廉な表情が忘れられない。 恐るべし、タン・ウェイ。

観てよかった!!

投稿日

2008/11/11

レビュアー

忙中有閑

この作品、レビュアーとして敬愛するポッシュさんとBINさんのレビューとそこに寄せられた多数のコメントを読んで、早く自分も観たいと思っていたのですが、やっとさっき観終わりました。そんなわけで、大体どんな映画か分かったような気になっていましたし、ポッシュさんかBINさんのレビューに簡単にコメントとして感想を書くだけのつもりでいたのです。それが観てみたらどうも思いの外感動してしまって、これは自分のレビューを書きたいと思いました。同じ映画を観ても、どんなに感性が似ていると思っても、やはり感じ方は人それぞれですね(当然ですけど)。
あまり観ていないのに韓国、香港の映画を毛嫌いしていましたが、完全に先入観を覆されました(もっとも、アン・リー監督には「シビル・ガン」で多少注目していましたが)。全体に非常に丁寧な作りで、複雑な状況設定なのに冗長な説明をせず、役者の表情や場面設定で観客に状況を理解させる工夫が随所に見られて、全然クサくない。いつの間にか日本映画は香港に(少なくともアン・リーには)立ち遅れたと思いました(もしかして韓国にも?)。
従ってテーマも非常に解りやすい。それも既に使い古された感のある「愛とセックス」を敢えて取り上げて成功しているのは並々ならぬ手腕です。このテーマはあまりにも普遍的であるがゆえに、ありとあらゆる状況設定が試行されてきており、この作品と同様「極限状況」における「愛とセックス」を描いたのも数え切れないくらいですが、当り前のことですが「極限状況」の設定は大変難しく、ほとんどの場合その段階で安っぽくなったり、リアリティーを欠いたり、または状況設定に気を(カネを)使い過ぎて肝心の「愛とセックス」のほうが疎かになったりして、単なるポルノ、SF、ホラー、時にはコメディ、ロマンスになってしまうことが多いのです。
アン・リー監督は先ず舞台を(得意の)中国、それも第二次世界大戦末期の香港、上海に設定して、複雑で流動的な政治状況下、誰もが明日を予測出来ず、生命、財産を脅かされ、周囲の誰も信頼出来ない、ということが自明な状況を作ります。そしてその中で、頭脳明晰で若く多感で、且つ美しく、自分を演技する才能も持ち合わせているという「不安定そのもの」のヒロインと、占領国日本の傀儡政権の秘密警察のトップという地位を必死に保とうとしている、これまた「不安定そのもの」の中年男が恋に落ちる、というまさに「極限状況」を作り出すのです。しかもこのヒロインは初恋の男に抗日運動に引き込まれ、スパイ(暗殺者)として教育され(この過程で「訓練」として処女を失うというオマケも付いてます)、あろうことか暗殺の標的である主人公に暴力的に犯された時、初めて男への愛を自覚する、というオハナシに持っていくのです。
このように書いて説明すると、その「極限状況」はトンデモ無く荒唐無稽で不自然に感じられる(書いてる私がそう思う)のですが、脚本、セット、カメラ、役者の演技の全て(つまり演出)が完璧にこの不自然さを隠蔽してしまう。だからその状況の上で繰り広げられる過激なセックス描写は(私にとって)少しも神経に障るものでは無く、むしろ「愛とセックス」の不条理な関係性を一瞬納得しかけたほど、説得力がありました。
暗殺計画がまさに成功しかけた時、女が一言「逃げて」と男に告げ、瞬時に男は脱兎の如く逃げる。その逃げっぷりの好さについても私は全く違和感を感じませんでした。男のそれまでの「極限」的緊張と猜疑心に慣れきった生活、その中で唯一の例外としての女への愛、そしてその愛ゆえの全幅の信頼、それら全てをあの「走り」に凝縮させるのがアン・リー監督の演出と、トニー・レオンの演技の真骨頂だったように感じたのは、まんまと監督の意図にハマったということかもしれません。

切なく悲しいずっしりときます・・・

投稿日

2009/03/25

レビュアー

yorori

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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性描写を大きく取り上げられた作品ですが官能サスペンスではありません
あのセックスシーンは心に痛くて
なければならない描写だと思います
トニー・レオンの固いが憂いのあるだんだん愛するものに弱さを見せていく男の役も今までにない大人っぽさ?雰囲気のある役どころで
新人女優だったヒロインのタン・ウェイも本当に目で語る演技が素晴らしく
姿勢良くその歩く姿がとてもきれいでした

なんでこんな事になったのか
ヒロインは愛国心の強いクァンを好きになっただけだったのに

思ってた男と違う
孤独で張りつめた自分を信じ愛す男を死なせたくなかった
初めて二人が関係した時のサディスティックさ冷酷さに対して
大粒のダイヤをつけて歩くのがこわいとチアチーが言った時
一緒にいるから大丈夫だと言ったイーの表情の優しいこと

死を覚悟して人力車に一人乗るチアチーは美しく人力車の運転手はやけに笑顔で
音楽も切なく胸にせまりました

最後泣き崩れる友達とは対象的ににチアチーとクァンの二人の毅然とした悔いのない顔

男泣きのラスト
10時の時計が鳴り終わりマイ夫人の部屋を振り返るイーの影
シーツの皺


私はエンドロールで泣きました

境界線上の女

投稿日

2008/11/08

レビュアー

ポッシュ

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 時代に翻弄された女の姿、っちゅうことかなぁ。

 スパイっていうのは常に境界線上に居なきゃいけないのですから、どこにも落ちつく場所がないのですなぁ。自分が忠誠を誓ってる組織はあるけれども、対立状態にある2つの組織のどっちかっていう危うい場所だから、そことて決して安住の地ではなく。

 ヒロインのチアチー嬢は、学生のお気楽なノリから、とんでもない世界に足を踏み入れてしまった訳で。なんとなく「いちご白書」(70)なんて作品を思い出したり。青い青い若者は恋愛も政治活動も同じレベルと言うか、好きなあの人が熱中している事に私も夢中になってみたぁい、なんて感じですかね。

 でも、も、どんどん彼女の人生は狂ってっちゃう。学生演劇の延長で始めたスパイごっこが、あれれ、標的の愛人にならなきゃいけない訳?えええ、好きでもない男で処女喪失しなきゃいけない訳?ってな具合にあらぬ方向に転がっていく。フツーの女の子が通る甘く切ないピンク色の恋愛街道とは全く違う、何やら死の臭いすらただよう暗くて黒ぉい忌まわしい道を通らざるを得なくなったチアチー。そして、第1部はあっけなく幕切れ。いや、もう、ここで彼女はカラッポになっちゃったんじゃないでしょうか。

 んで、数年後に第2幕ってことで再び活動再開となった時には、もう、抗日運動も好きだった先輩も関係なかったんじゃなかろうかと、私には思えた。思いは一つ。

「私の青春を返せ」
 
 あの時、女の、1度キリの、青春のひとときを無駄に捨て去ってしまった、あの忌まわしい人生の汚点が、もしかしたら報われるかも。もう失うものは何もないし。・・・そんな、ちょっと投げやりな思いと、あと、もしかしたらそれより重要かもしれない彼女の女優としての天性。学生演劇で成功した時に「演技は現実そのもの!」みたいなこと叫んで、キラッキラ目を輝かせてたんですよねぇ、彼女。「演じる」ことはチアチーにとって「生きる」こと、そのものだったのかも。だからスパイという職業(?)は彼女にとって天職だったのかもしれない。

 あとは、トニー・レオン演じるイーとチアチーの、なんとも緊張感に満ちた恋愛模様となっていきます。タイトルまんま。エロ・シーンについては、もう、いいや。確かにクドイし、イーさん乱暴だし。もっと優しくしてッ!・・・体の硬いわたしゃ、ありゃ無理だなぁ、なんてババ臭いこと思いながら見てました。

 そしてイーさんの逃げ足は本当に速かった。芸人さんのリアクション芸なみの、おいしい動きでありました。まぁ、そうやって生き抜いてきた男なんだねぇ、女にズルズルになっちゃうような男だったら、とっくに死んでる。一方のチアチーは、愛に殉ずる女を演じきったってことかなぁ。あれが彼女にとって本物の愛だったのかどうか、私には分からない。女ってさ、現実の世界でも、どこか演技して生きてるみたいなとこが、あるような気がしてならないんだよなぁ・・・。

逃げ足の速い男

投稿日

2008/10/28

レビュアー

BIN

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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さぁ今日は観るぞ、いう日、
テレビのスマスマにトニー・レオンがゲスト出演。
黄緑色のパーカーにトレーナー姿のたれ目のおっちゃんって風貌。
カバー写真とはまるで別人。かなり体を絞ったのね。
直前にその姿を見てしまったので、
「女の操」(ニギさん参照)と黄緑色のパーカーが浮かんで、
頭から振り払うのが忙しかった。

どんな女スパイかと思ったら、
始まりは大学生の夏休みの冒険、みたいな思いつき。
チアチーも好きな学生に褒められたい、彼の役に立ちたい、
そんな思いから、やりましょう、出来に驚かないでね。
なんて軽い。
結局学生たちの底の浅い計画は、ホンマの抗日運動組織に利用され、
学生たちは深みに、後に引けなくなっていく。

誰も信用しない孤独なイーはいつしかチアチーに心許し、
チアチーもイーのうつろな心に愛という瑞々しい滴りを注ぐ。
そのために2人の心の移り変わりを見せる、
あのセックスシーンは重要なのですが、
ごめんなさい、笑ってしまいました。

あそこまでのシーンを撮るなら、性器まで見えなければウソですよ。
見せればボカシが入るでしょうから、ギリギリのところで見せない。
だから凄くウソ臭い。ちから入れてる割に白々しい。
私はいっそイーが不能ならいいのに、と思いました。
あれほど人が信じられず、絶えず緊張の強いられる任務に晒され、
日に日に憔悴して痩せてパサついていくリーが、
精力(性力?)絶倫なんて。

「君だけは信じる」なんて言葉を掛けられ、
指輪をもらったチアチーはイーへの愛に揺らぐ。
しかしですよ。「逃げて!」を聞いたイーの逃げ足の早いこと!
あっけに取られました。あんなオチが来るなんてさすがに私も。
驚きが醒めた頃には苦笑い。
「君だけは信じる」なんて安い言葉を吐く男なんて
一番信じられないことを実証しましたね。

信じた女くらい命をかけて守れよ。イーさんよぉ。
苦悩したふりの顔なんかするなよ。
チアチーには遅すぎた『戒め』でした。

トニー・レオンは長年のパートナーであるカリーナ・ラウと、
今年の夏に結婚しました。
こちらの愛を知ったので、あっちの愛もどきは忘れます。

11〜 15件 / 全159件