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バベル / ブラッド・ピット

バベル /アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

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DVD

映画賞受賞作品

旧作

お届け率:100%

解説・ストーリー

 「アモーレス・ペロス」「21グラム」の俊英アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が、旧約聖書の“バベルの塔”をモチーフに描き出す衝撃のヒューマン・ドラマ。モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本、それぞれの場所で孤独な魂どうしが織りなす愛と哀しみ、再生への希望の物語が同時並行で鮮やかに綴られていく。日本から役所広司とともに参加した菊地凛子が各国の映画賞レースを賑わせ日本でも大きな話題となる。

作品情報

製作年:

2006年

製作国:

メキシコ

原題:

BABEL

受賞記録:

2006年 アカデミー賞 作曲賞
2006年 カンヌ国際映画祭 監督賞
2006年 ゴールデン・グローブ 作品賞(ドラマ)

DVD

映画賞受賞作品

旧作

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ジャンル :

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「バベル」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

 「アモーレス・ペロス」「21グラム」の俊英アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が、旧約聖書の“バベルの塔”をモチーフに描き出す衝撃のヒューマン・ドラマ。モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本、それぞれの場所で孤独な魂どうしが織りなす愛と哀しみ、再生への希望の物語が同時並行で鮮やかに綴られていく。日本から役所広司とともに参加した菊地凛子が各国の映画賞レースを賑わせ日本でも大きな話題となる。

「バベル」 の作品情報

作品情報

製作年:

2006年

製作国:

メキシコ

原題:

BABEL

受賞記録:

2006年 アカデミー賞 作曲賞
2006年 カンヌ国際映画祭 監督賞
2006年 ゴールデン・グローブ 作品賞(ドラマ)

「バベル」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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洋画・邦画

35,500
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国内・海外ドラマ

5,400
タイトル以上

アニメ

9,200
タイトル以上

R-18

210,000
タイトル以上

CD

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レイニーデイ・イン・ニューヨーク

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11〜 15件 / 全412件

私に映画の新境地をあたえてくれた作品です

投稿日:2007/10/01 レビュアー:ムーミンママ

このレビューは気に入りましたか? 13人の会員が気に入ったと投稿しています

★★★★☆ 伝わらぬ思い、そして絶望の向こうに何を見る ネタバレ

投稿日:2007/10/01 レビュアー:ガラリーナ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

「バベルの塔」の物語は、本来同じ言葉を持つ人間が神に近づこうとして裁きを受け、異なる言語を持たされてしまったということだが、この「バベル」では現代人のディスコミュニケーションは単なる言語の壁だけによるのではない、ということを訴えているように思う。その最もシンボリックな存在が菊池凜子演じるチエコだ。なぜなら、チエコは聾唖であり、言語を持たないからだ。

アメリカ人のリチャードがモロッコ人に助けを求めて叫ぶ。メキシコ人のベビーシッターがアメリカの警察に子どもたちを助けようとしたのだと訴える。共にその願いは聞き入れられることはないが、ふたりは語りかける言語を持っている。ところがチエコの存在はこの両者とは違う。どんなに思いが強かろうと、訴える言語を彼女は持たない。そして、言葉を発することができないからこそ、さらに膨れあがる彼女の「誰かと繋がりたい」という強い衝動が胸を打つ。その痛々しい姿こそが、言語という壁よりもさらに深い溝を抱えている現代人の絶望のシンボルにも見える。

よって、私はモロッコの事件も、メキシコの事件も、まるで、チエコの絶望という主旋律を際だたせるために存在する副旋律なのか、とすら思えたほどだった。つまり、この映画の主人公はチエコではないのか、と。一糸まとわぬ彼女が父親に抱きしめられるラストシーンを観て、ますますその思いは強くなった。なぜならこのシーンは救済を連想させるからだ。

もちろん、映画の見方はいろいろあって当然であり、私がこのように感じたのは、それだけ本作において菊池凜子に圧倒的な存在感があるからだ。前作「21g」でのナオミ・ワッツのように、菊池凜子は人間の内なる叫びを体の奥底から絞り出すようなすばらしい演技を見せている。本物の聾唖者を起用したいと考えていたと言う監督の意向に100%応える渾身の演技だったと思う。他者に受け入れられない絶望が彼女の表情からあふれ出し、私の心に突き刺さった。

それにしても、モロッコの物語も、メキシコの物語も観ていて感じるこの「はがゆさ」は何だろう。伝えられない、叶わないものたちに立ちはだかるのものは一体何か。もはや、それを言葉で乗り越えることはできない。この作品はその事実を痛烈に描いている。言葉を持たぬ者、チエコが救われ、言葉を持つ者はいつまでも理解しあうことはない。では、思いを伝えるために人間は一体どうすればいいのか。そんなことを考えずにはいられない。

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おもしろさがわかる人だけが見ればいい映画。 ネタバレ

投稿日:2007/11/03 レビュアー:パープルローズ

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レビューを書く前に再見しようと途中までみたのですが、今はどうしても役所広司の顔を見たくないので(理由:「象の背中」というとんでもなくムカつく映画をみてしまったので)、このままレビューを書くことにしました。

普通ならアート系の映画館でこっそりと上映されるであろうこの映画が、キャストの豪華さと話題性のおかげで大々的に上映されたことを始めは喜んでいました。ひとりでも多くの人が、イニャリトウの作品をみてくれるのは喜ばしいことです。
しかしながら、それは間違いだったようです。
私が一緒に見た友人は、途中でついてこれなくなって、見てる途中に関係のないことを話しはじめました。(お願い!映画に集中させて!!)
上映後のトイレの中は??マークでいっぱいの人であふれてました。
特段構成が複雑な映画ではないのですが、ラストに明確な答えを求める観客にとっては、「よく分からない」映画だったようです。
しかし、だからといって「わからない」「おもしろくない」という評判が伝わっていくことは、残念でなりません。
こんなにおもしろいのになあ。繰り返し見ても飽きないのになあ。

果てはクラブのシーンの「気分が悪くなる」騒動です。世界中でも日本だけの、しかも一部の地域の映画館だけでおこったことから考えて、普段こういう映画を見慣れていない人が、はてなマークでいっぱいになっていたところにあのシーンで、騒ぎ出したに違いないと私は思っています。この映画はおもしろさがわかる人だけのために、こっそり上映してくれればよかったのです。

天まで届く高い塔を作ろうとした人間の傲慢さを戒めるため、神は言葉を分かち意思疎通ができないようにしたという、聖書の「バベルの塔」のお話をモチーフに、コニュミケーション不全による混乱を描いています。
たとえ言葉は通じても、本当に相手を理解することは難しい。文化の違い、世代の違い、経済格差、さまざまな要因でおこるミスコミュニケーション。
中でも、耳がきこえないために周囲のコミュニケーションがうまく出来ず、想像を絶する怒りを抱えた少女チエコのエピソードは秀逸です。

モロッコの兄弟のエピソードは、「カインとアベル」の話を連想させられるし、メキシコの家政婦はアメリカという「楽園」を追放されたようにも見え、「バベルの塔」のお話だけではなく、この映画には聖書的な要素が多くあるのだと思います。ラストにチエコがたたずむ高層マンションはバベルの塔そのものなのでしょう。ただ、日本的な感覚からすると、全裸の娘を抱きしめたりするかなという気はしました。

舞台が世界に散らばってしまったために、「アモーレス・ペロス」に比べると散漫な印象は受けますが、私には充分おもしろい映画でした。

このレビューは気に入りましたか? 12人の会員が気に入ったと投稿しています

深い、あまりにも深い。秀作です。 ネタバレ

投稿日:2007/09/29 レビュアー:MonPetit

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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タイトルのバベル。バベルの塔からきているのでしょう。
神に近づこうしてバベルの塔を作り始めた人間に怒った神様は塔の上で働くものと
下で働くものの言葉を通じなくしてしまった。つまり言語のはじまりです。
そう、このバベル「言葉」がキーワードです。

話は4つの場面で展開していきます。
全てがどこかでつながっている、いわゆる群像劇なのですが、いままのでものと一味
違います。それは4つの場面をつなぐものが実は抽象的なものだるということ。
そう「言葉」です。他の群像劇はつながりをトリックのように解き明かすので見ていて
確かに「おーっ」「そういうことか!」となるわけですが、バベルは違います。
具体的にはライフルが物理的なつながりですが、これに重きをおいていません。

モロッコでの夫婦、誤って人をうってしまった少年の家族、その銃をモロッコのガイドに
プレゼントしていた男の娘との話。モロッコでの夫婦の子供を預かっているお手伝いさんの話
すべて言葉が
モロッコでの夫婦。
末っ子が死んだことにより仲が冷え切っていた夫婦。夫は修復を試みようと旅をして
いるのだが妻は心をなかなか開かない。イライラしてばかり。
バスで移動中、狙撃されてしまうのだがそこから生死の境目をさまよっている。
この夫婦は近くの村で手当てをし、救援をまっているのだが、国際情勢のために
なかなかこない。妻が死を実感し、夫に私が死んだら子供のことを頼むと。
ここで夫ははじめて「すまなかった」と。。。妻はこの言葉を待っていたんでしょうね。

少年の家族。
興味半分でライフルをうっていてバスをねらったときあたってしまった。
それから警察に追われることになるのだが、逃走中に警察にみつかり銃撃戦に。
兄がうたれ。
「アメリカ人を撃ったのは僕だ。あなたたちにむかって発泡したのも僕だ。父も兄も
何もしていない。だから兄を助けてくれ。お願いだから兄を助けてくれ」
心が熱くなりました。とても素直な言葉で真実を語っているんだけど、神様の声のように
きこえた。

聾唖者の娘をもち男。母親は銃で自殺しており、それ以来、娘は父親を憎んでいる
ようだ。この子はキーワードである「言葉」を発することはなく、懸命に自分の存在
意義を捜し求めてる。最後に刑事に渡した手紙、戻ってきた父親。

お手伝いさんの話。
何も悪いことをしていない。いや、不法就労してたわけだから悪いことをしていたと
いえばしていたのか。
国境を突破してしまい終われるはめに。
子供たちをおいて助けをもとめにいった人間。

しかももうひとつ重要なしかけが時間軸がズレているのだ。
たぶん、この作品はもういちど観る事になると思うが、この時間軸を意識してみて
みようと思う。

この作品、重くゆっくりと語りかけてきます。劇的な展開はありません。
つまり人によっては「意味がわからない」「盛り上がりにかける」というような声も
聞こえてきそうです。ですが、じっくりと見てみてださい。
深い、思いテーマがしっかりとこちらに語りかけてます。
言葉のもつ意味。言葉の影響。されには言葉を超越した気持ちや愛情。

素晴らしい映画でした。

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謎の答えは ネタバレ

投稿日:2008/01/09 レビュアー:kenon

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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チエコが刑事に渡した手紙。
あの手紙には、何が書かれていたのか。


映画では、手紙の内容には全くふれていません。
ただ、かなり長い文章が書かれていたのと、それを見た刑事がもの凄い衝撃を受けたのが分かります。


僕は手紙には、チエコと父との近親相姦関係を母が知った事により自殺したと言う事が書いてあったのではないかと思います。


こう考えると、チエコが、あんなにも自分自身を汚れた存在だと感じている事も理解出来ます。

飛び降り自殺だと嘘をついたり、
ラストでなぜ裸だったのかも、分かるような気がします。


この作品には性の表現が色々なシーンで描かれています。

しつこいほどに、違和感があるぐらいに。

間違いなくバベルのテーマは、人間の愚かさです。

でも、性も作品を形成している大切な要素です。
ある意味それは、当然な事でもあります。
人間を描くには必要な物です。
しかし、それでも意図的で、それにより見ている観客はスッキリしない位の感覚を持つのです。

その事からも、僕はこう感じます。


バスケが終わった更衣室で、チエコが友達に言う言葉も印象的です。


この考えが正しいのかは分かりません。
正直僕も、そうなんじゃないのかな ぐらいです。

ただそう考えると、ベランダでのラストシーンが、より深く心に入っていく気がします。

あるいは、それは人間の愚かさなのかもしれません。
高層マンションがバベルの塔につながるのも考えさせられます。


映画を見た皆さんはどう感じたでしょうか。

見終わった後に考えてほしい、そんな映画でした。




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11〜 15件 / 全412件

ユーザーレビュー

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ユーザーレビュー:412件

私に映画の新境地をあたえてくれた作品です

投稿日

2007/10/01

レビュアー

ムーミンママ

★★★★☆ 伝わらぬ思い、そして絶望の向こうに何を見る

投稿日

2007/10/01

レビュアー

ガラリーナ

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「バベルの塔」の物語は、本来同じ言葉を持つ人間が神に近づこうとして裁きを受け、異なる言語を持たされてしまったということだが、この「バベル」では現代人のディスコミュニケーションは単なる言語の壁だけによるのではない、ということを訴えているように思う。その最もシンボリックな存在が菊池凜子演じるチエコだ。なぜなら、チエコは聾唖であり、言語を持たないからだ。

アメリカ人のリチャードがモロッコ人に助けを求めて叫ぶ。メキシコ人のベビーシッターがアメリカの警察に子どもたちを助けようとしたのだと訴える。共にその願いは聞き入れられることはないが、ふたりは語りかける言語を持っている。ところがチエコの存在はこの両者とは違う。どんなに思いが強かろうと、訴える言語を彼女は持たない。そして、言葉を発することができないからこそ、さらに膨れあがる彼女の「誰かと繋がりたい」という強い衝動が胸を打つ。その痛々しい姿こそが、言語という壁よりもさらに深い溝を抱えている現代人の絶望のシンボルにも見える。

よって、私はモロッコの事件も、メキシコの事件も、まるで、チエコの絶望という主旋律を際だたせるために存在する副旋律なのか、とすら思えたほどだった。つまり、この映画の主人公はチエコではないのか、と。一糸まとわぬ彼女が父親に抱きしめられるラストシーンを観て、ますますその思いは強くなった。なぜならこのシーンは救済を連想させるからだ。

もちろん、映画の見方はいろいろあって当然であり、私がこのように感じたのは、それだけ本作において菊池凜子に圧倒的な存在感があるからだ。前作「21g」でのナオミ・ワッツのように、菊池凜子は人間の内なる叫びを体の奥底から絞り出すようなすばらしい演技を見せている。本物の聾唖者を起用したいと考えていたと言う監督の意向に100%応える渾身の演技だったと思う。他者に受け入れられない絶望が彼女の表情からあふれ出し、私の心に突き刺さった。

それにしても、モロッコの物語も、メキシコの物語も観ていて感じるこの「はがゆさ」は何だろう。伝えられない、叶わないものたちに立ちはだかるのものは一体何か。もはや、それを言葉で乗り越えることはできない。この作品はその事実を痛烈に描いている。言葉を持たぬ者、チエコが救われ、言葉を持つ者はいつまでも理解しあうことはない。では、思いを伝えるために人間は一体どうすればいいのか。そんなことを考えずにはいられない。

おもしろさがわかる人だけが見ればいい映画。

投稿日

2007/11/03

レビュアー

パープルローズ

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レビューを書く前に再見しようと途中までみたのですが、今はどうしても役所広司の顔を見たくないので(理由:「象の背中」というとんでもなくムカつく映画をみてしまったので)、このままレビューを書くことにしました。

普通ならアート系の映画館でこっそりと上映されるであろうこの映画が、キャストの豪華さと話題性のおかげで大々的に上映されたことを始めは喜んでいました。ひとりでも多くの人が、イニャリトウの作品をみてくれるのは喜ばしいことです。
しかしながら、それは間違いだったようです。
私が一緒に見た友人は、途中でついてこれなくなって、見てる途中に関係のないことを話しはじめました。(お願い!映画に集中させて!!)
上映後のトイレの中は??マークでいっぱいの人であふれてました。
特段構成が複雑な映画ではないのですが、ラストに明確な答えを求める観客にとっては、「よく分からない」映画だったようです。
しかし、だからといって「わからない」「おもしろくない」という評判が伝わっていくことは、残念でなりません。
こんなにおもしろいのになあ。繰り返し見ても飽きないのになあ。

果てはクラブのシーンの「気分が悪くなる」騒動です。世界中でも日本だけの、しかも一部の地域の映画館だけでおこったことから考えて、普段こういう映画を見慣れていない人が、はてなマークでいっぱいになっていたところにあのシーンで、騒ぎ出したに違いないと私は思っています。この映画はおもしろさがわかる人だけのために、こっそり上映してくれればよかったのです。

天まで届く高い塔を作ろうとした人間の傲慢さを戒めるため、神は言葉を分かち意思疎通ができないようにしたという、聖書の「バベルの塔」のお話をモチーフに、コニュミケーション不全による混乱を描いています。
たとえ言葉は通じても、本当に相手を理解することは難しい。文化の違い、世代の違い、経済格差、さまざまな要因でおこるミスコミュニケーション。
中でも、耳がきこえないために周囲のコミュニケーションがうまく出来ず、想像を絶する怒りを抱えた少女チエコのエピソードは秀逸です。

モロッコの兄弟のエピソードは、「カインとアベル」の話を連想させられるし、メキシコの家政婦はアメリカという「楽園」を追放されたようにも見え、「バベルの塔」のお話だけではなく、この映画には聖書的な要素が多くあるのだと思います。ラストにチエコがたたずむ高層マンションはバベルの塔そのものなのでしょう。ただ、日本的な感覚からすると、全裸の娘を抱きしめたりするかなという気はしました。

舞台が世界に散らばってしまったために、「アモーレス・ペロス」に比べると散漫な印象は受けますが、私には充分おもしろい映画でした。

深い、あまりにも深い。秀作です。

投稿日

2007/09/29

レビュアー

MonPetit

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タイトルのバベル。バベルの塔からきているのでしょう。
神に近づこうしてバベルの塔を作り始めた人間に怒った神様は塔の上で働くものと
下で働くものの言葉を通じなくしてしまった。つまり言語のはじまりです。
そう、このバベル「言葉」がキーワードです。

話は4つの場面で展開していきます。
全てがどこかでつながっている、いわゆる群像劇なのですが、いままのでものと一味
違います。それは4つの場面をつなぐものが実は抽象的なものだるということ。
そう「言葉」です。他の群像劇はつながりをトリックのように解き明かすので見ていて
確かに「おーっ」「そういうことか!」となるわけですが、バベルは違います。
具体的にはライフルが物理的なつながりですが、これに重きをおいていません。

モロッコでの夫婦、誤って人をうってしまった少年の家族、その銃をモロッコのガイドに
プレゼントしていた男の娘との話。モロッコでの夫婦の子供を預かっているお手伝いさんの話
すべて言葉が
モロッコでの夫婦。
末っ子が死んだことにより仲が冷え切っていた夫婦。夫は修復を試みようと旅をして
いるのだが妻は心をなかなか開かない。イライラしてばかり。
バスで移動中、狙撃されてしまうのだがそこから生死の境目をさまよっている。
この夫婦は近くの村で手当てをし、救援をまっているのだが、国際情勢のために
なかなかこない。妻が死を実感し、夫に私が死んだら子供のことを頼むと。
ここで夫ははじめて「すまなかった」と。。。妻はこの言葉を待っていたんでしょうね。

少年の家族。
興味半分でライフルをうっていてバスをねらったときあたってしまった。
それから警察に追われることになるのだが、逃走中に警察にみつかり銃撃戦に。
兄がうたれ。
「アメリカ人を撃ったのは僕だ。あなたたちにむかって発泡したのも僕だ。父も兄も
何もしていない。だから兄を助けてくれ。お願いだから兄を助けてくれ」
心が熱くなりました。とても素直な言葉で真実を語っているんだけど、神様の声のように
きこえた。

聾唖者の娘をもち男。母親は銃で自殺しており、それ以来、娘は父親を憎んでいる
ようだ。この子はキーワードである「言葉」を発することはなく、懸命に自分の存在
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何も悪いことをしていない。いや、不法就労してたわけだから悪いことをしていたと
いえばしていたのか。
国境を突破してしまい終われるはめに。
子供たちをおいて助けをもとめにいった人間。

しかももうひとつ重要なしかけが時間軸がズレているのだ。
たぶん、この作品はもういちど観る事になると思うが、この時間軸を意識してみて
みようと思う。

この作品、重くゆっくりと語りかけてきます。劇的な展開はありません。
つまり人によっては「意味がわからない」「盛り上がりにかける」というような声も
聞こえてきそうです。ですが、じっくりと見てみてださい。
深い、思いテーマがしっかりとこちらに語りかけてます。
言葉のもつ意味。言葉の影響。されには言葉を超越した気持ちや愛情。

素晴らしい映画でした。

謎の答えは

投稿日

2008/01/09

レビュアー

kenon

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チエコが刑事に渡した手紙。
あの手紙には、何が書かれていたのか。


映画では、手紙の内容には全くふれていません。
ただ、かなり長い文章が書かれていたのと、それを見た刑事がもの凄い衝撃を受けたのが分かります。


僕は手紙には、チエコと父との近親相姦関係を母が知った事により自殺したと言う事が書いてあったのではないかと思います。


こう考えると、チエコが、あんなにも自分自身を汚れた存在だと感じている事も理解出来ます。

飛び降り自殺だと嘘をついたり、
ラストでなぜ裸だったのかも、分かるような気がします。


この作品には性の表現が色々なシーンで描かれています。

しつこいほどに、違和感があるぐらいに。

間違いなくバベルのテーマは、人間の愚かさです。

でも、性も作品を形成している大切な要素です。
ある意味それは、当然な事でもあります。
人間を描くには必要な物です。
しかし、それでも意図的で、それにより見ている観客はスッキリしない位の感覚を持つのです。

その事からも、僕はこう感じます。


バスケが終わった更衣室で、チエコが友達に言う言葉も印象的です。


この考えが正しいのかは分かりません。
正直僕も、そうなんじゃないのかな ぐらいです。

ただそう考えると、ベランダでのラストシーンが、より深く心に入っていく気がします。

あるいは、それは人間の愚かさなのかもしれません。
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