パリ、ジュテーム

全てが面白かったわけじゃないけど・・・コレは良いっすね！
なんつっても、世界の名だたる18の個性が、きっちりまとまっていないのがイイっす！

それぞれが、この映画の中の1篇としてではなくて、まるでもともと存在した作品であったかのような圧倒的な存在感があんのよねー！
なんつーの・・・この映画の枠を突き破ったろうと暴れまくっとるっつー感じ？

特に、ドイル、ナタリ、コーエンあたりは、（いい意味で）ふざけてて、ケンカ売っとんのか！って感じ（´艸｀）
（どう考えても、他の作品とのバランスとかなんて全く考えてないよなぁー、普通ドラキュラ出す？）
コレぐらいの遊び心（ケンカ心？）が無いと18篇もあったらオモロないわなー（´艸｀）

多分、プロデューサーは相当自由に撮らしたんやろね！（エライ）
変に作品をまとめようとシバリをつけて、作家性が失われたら全然おもしろなくなるもんね！
まぁ、最後はどうしてもまとまらんかって、2編はボツになったらしいけど・・・

□■□■□

みんな、それぞれ好きな作品は別れるやろけど、個人的に好きやったのは、この5編やねー

１、モンマルトル
２、セーヌ河岸
１２、お祭り広場
１６、フォブール・サ・ドニ
１８、14区

で、なんつっても、『14区』がスバラシーっす！

最後にこの作品が来ることで、バラバラやった18篇の作品に1本芯が通ってひとつの作品として成立しとるっす♪
エピローグは不要やったかもしれんって思えるぐらいやね〜
アレクサンダー・ペインって嫌いな監督やったんやけど、コレはほんま素晴らしかった！

□■□■□

最後に、この個性豊かな18篇の作品を観て思ったこと・・・

映画ってええね♪

満足度　75点

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立て続けに４回もリピート。わたし、パリがこんなに好きなんだ。大好きな街なのに、個人的に解決できていないイヤなことがあって、パリはそのことを思い出させるので遠ざけていた。相手が人間だから、このまま解決できずに終わるのかもしれない。でも、もう一度パリを歩きたい、メトロに乗ってあそこにここに行きたい気持ちが抑えきれなくなった。泣くもんかとがんばっても、ラストのジーナとビノシュの、人生のいろいろを乗り越えてきたけど、でも、やっぱり生きてるって素敵、という乾杯を掲げる手と、三拍子の歌が流れてくると、もう、涙がだーっと止まらなくなる。かっこ悪い。妊娠のせいだ（ハチローさん、ありがとう）。きっと、すごく自分は幸せなんだという再確認がこぼれてくるのだろう。

５区セーヌ左岸：この男の子すき。と眺めていたら、なんと。こんな日にこんなところでモンジュのモスクに再会するなんて！ここのクスクス、めっちゃおいしいのだ。クスクスといえばモンジュのモスク、モンジュのモスクといえばクスクス、ほんとに絶品。パリに行くと、もう絶対はずせない。うわあ、食べたい。と、思っているうちに、男の子もハッピーな展開に。

４区マレ地区：音も空気も乾燥している。ボーイ・ミーツ・ボーイ。こんな乾いた出会い、かっこいいなあ。ジャズにカート・コバーン。誰だこの子？と思いきや、ギャスパー・ウリエル。あんたの方がオーラあります。サプライズは。デブいおばちゃん、と思っていたその人が、マリアンヌ・フェイスフルだった。ぎゃふん。革のつなぎを素肌に着てあんなロッカーこんなロッカーと浮き名を流していた人が・・。時は残酷。

１区チュイルリー：ぶさいくブシェミの顔のどアップが左からぬっと出てきたところからノックアウト。コーエン兄弟笑わせてくれる。ミステリートレインの昔から、僕、困ってるんです、な役をさせたら右に出る人はいない。老貴婦人に手をひかれた、こまっちゃくれた男の子のパチンコ玉の強襲のツッコミが絶妙なタイミングで入ってくる。

２区ヴィクトワール広場：諏訪監督、幸せな時間だっただろうなあ。ビノシュとデフォーの競演だなんて。なんて贅沢。ビノシュも老けてしまったけど、最後に見せる安堵の横顔は、汚れた血で両腕を広げて走り出すシーンを思い出させた。

７区エッフェル塔：孤独なパントマイマーが奥さんと出逢い、幸せいっぱいに夜のエッフェル塔の足下を駆け巡る。パリの日中は琥珀いろ。パリの夜はオレンジいろ。そのオレンジ色にうっとりしたことを思い出す。足下がレレレのおじさんみたい。

３区デ・ザンファン・ルージュ地区：外国で、ふとした瞬間恋に堕ちそうになってる自分に気づく。このお話ではなく、わたしの経験。

１９区お祭り広場：ラストの、かたかた震えるコーヒー茶碗の空色が悲しい。

９区ピガール：恐らく、この脚本を読んだだけではわたしにはいまいち空気が分からないであろうお話を、２人の俳優が演じることによって見事に空気感、微妙な心持ちを伝えてくれる。オダギリジョー的な、アウトラインの分かりやすい役ならなんとかできます役者には、とうてい演じきれない。ことにファニー・アルダン。ピントがあっていないバーの奥からでも、目だけで強烈に誘ってくる。８人の女たちの存在感はこれだったのか。

１０区フォブール・サンドニ：ロマンチック。ナタリー・ポートマンはこんな普通の女の子もできるんだ。

８区マドレーヌ界隈：イライジャはこういう等身大の役のほうがいい。台詞なしで絵と音だけでひっぱっていく。５０年代サイレント映画のようなテイスト。

２０区ペール・ラシェイズ墓地：結婚を間近にひかえたアメリカ人カップルの婚前旅行でのこぜりあい。これ、エミリー・モーティマーの切れっぷりがなんかかわいい。

６区カルチェラタン：どこからどうみてもカサヴェテスへのオマージュ。長年妻として隣でみていただけあって、ジーナの脚本もカサヴェテス的。会話だけで夫婦の来し方と、長年連れ添ったからこその成熟した関係が読み取れる。真っ赤な口紅をひくことによってかろうじてそこが唇であると示す肉薄の唇も、ブロンドも高いヒールも濃いアイシャドウも、こわれゆく女の頃から変わらない。あんなスカーフの結び方をして許されるのは彼女だけだ。

１４区：地図を握りしめて自分の足で外国を歩いたことのあるひとなら、突然わき起こる、あの、なんとも表現しがたい感情がわかると思う。こんなの、よく映画にしてくれた。

こんなに入り込んでしまうとは思ってなかった。パリところどころもよかったけど。フランス語をたくさん聞きたいひとは、英語が多くて面食らうかも。

ＤＩＳＣＡＳ 様 の 今回の二枚組みは これと
“ アンリ・カルティエ = ブレッソン 瞬間の記憶 ” でした
Ｐａｒｉｓ の アルバムの様な この作品に
ブレッソン を カップリング ・・・
なかなか 粋な取り合わせだと思いませんか ？
先日 ワタクシは アラーキー を レヴューしたんですけど
アラーキー は 「 日本の 荒木・カルティエ = ブレッソン になる ！！ 」
と 宣言し 写真を撮り続けています
いやはや ・・・
今 ワタクシの頭の中には
フィルムの捩れのような ＤＮＡの配列のような
ベルトルッチの螺旋階段のような
うねりが生じています

三度も （？） いや 三度しか （！） 訪れたことのない Ｐａｒｉｓ
なのに ヴァンアパイアの 呼ぶ声がする ・・・

レンタル初日に観て、３回観てしまいました。私もお気に入り。
観る人それぞれにお気に入りのタイプが異なってくるのでしょうね。詳細にsautetさんが書き込みして下さってて、思い出しながらレビュー読ませて戴きました。ありがとう。好きな作品はちょっと違ってる感じですが、一つ一つにそれぞれのよさが感じられました。心がふわ〜っと暖かくなったり、胸に迫ったり、ちょっとびっくりしたり、にんまり笑えたり・・・これまた様々は感情を呼び覚ましてくれるショート、ショートでした。

この作品を観た後、BS放送で「パリところどころ」６５年の作品を観ましたが、こちらは６人の監督の１５分位のオムニバス。ちょっと視線が厳しいのと、あまり心が温かくなんなかったのは残念でした。時代の流れを痛感した１本でもあり。比較して見るのも面白いかもしれませんね。ロメール、ゴダール、シャブロル監督他でした。

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どこにでもある日常を切りとって
普通の恋人達に　焦点をあてる。
ありふれた　小さな恋物語が
急に活き活きと脈打ち
特別な恋になる。

未知のパリの街が、切り貼りしたみたいに画面に現れました。
Google Earthで見た地球が、焦点をどんどん絞り、特定の人々にまで焦点を絞っていったような、そんな錯覚に落ちました。
あるいは、望遠鏡で覗き見た、窓のむこうがわの風景。
視線（視点）を移す度、違った風景に出遭うのでしょう。
そう。同じようで同じでない。
ありふれているように見えても、彼と彼女にとってはとても意味のある、特別な瞬間。
視点の向こう側が幾とおりもあるように、見る人の感じ方も幾とおりもありそうです。

ちょっと、気味の悪いパントマイマー。
階段から落ちて死にそうな男を 吸血鬼として甦らせた、ヴァンパイアの女。
ヘジャブをかぶる女の子に心惹かれる青年。
盲目の男性と女優志願の女性のエピソード。
離婚を切り出すつもりが、妻の告白に動揺する男。
年齢差のある男女の、観る者を騙す会話。
腹を刺されて応急処置を受けながら、ナンパする黒人男性。
亡くした息子に恋焦がれる母。
自分は自立した女と言い聞かせながら、パリでふと彼女を襲った不思議な感覚。

今回お気に入りのエピソードでした。
でも、明日観なおしてみたら、ちがうストーリーに心が惹かれるかもしれません。
今まで気取った印象のパリでしたが、ちょっぴりパリの街の横顔を見た感じがしています。

（sautetさんの道案内のレビューに感謝。）