アダム　−神の使い　悪魔の子−

子どもを亡くし絶望の淵に立たされた夫婦の前に、いかにも怪しげなデ・ニーロ登場。亡くなった子供とまったく同じのクローンを創ってあげますよ、と。なんとこの世にすばらしく善い人がいたものだ、と思ったがやはり、裏がありました。

途中までは面白いと思うのだが、最後がねえ・・・。
あれでは何も解決していないと思うのだが・・・。

ネタ的には今までも多く取り扱われているクローン物なんだけれど、そこに悪魔的潜在意識を刷り込んだ所が今までと少し違っていて何ともやるせない感じになっていました。愛する我が子を突然の事故で失う親の気持ちってのは分かるつもりでも根っこの部分までは理解できないだろうと思う。遺伝子学者にデニーロを起用しており内容に深みが増したように思いました。学者と最愛の息子を亡くした両親が、お互いの利害が一致して開けてはいけないパンドラの箱を開けるのだけれど学者には更に別の秘密があった・・って感じなんだけれど、最終的に少し疑問が残る感じで終わってしまったのが心残りでした。もう少し終わり方を工夫してくれたら更に良かったと思わせる作品でした。

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子供を亡くした夫婦のもとへ、
ある博士（R・デ・ニーロ）が話をもちかける…
クローンを作らないかと…。
迷ったあげく承諾した夫婦。
新たな環境、新たな命…
歳月は流れ、亡き息子の年齢となった時、
息子（クローン）の様子がおかしくなりだした！？
一体どうしてしまったのか？
息子に何が起こっているのか？？……

ナゾめいたストーリー展開。

きちんとナゾは解き明かされるし、
しっかりしたストーリー、
しっかりしたサスペンス……

でも、映像的な見応えが、あんま無い…。
ストーリーの割には、大して盛り上がらなかった気がする。


＊＊＊＊＊以下もろネタバレ＊＊＊＊＊
結局、
息子のクローンは、遺伝子操作されていた！！

博士の亡き息子の記憶と性格が、
遺伝子に組み込まれていた！？（すごい技術（笑））
そう、博士の目的は、我が息子ザカリーの再生！！
肉体的な再生は無理だったので、他人の子供を遺伝子操作で！！
ものスゴい、野望が解き明かされた。

ちなみに、ザカリー少年とは、とっても凶暴性のあった子供。
学校を焼き、我が母を殺し、自らも焼死。
よりにもよって、そんな性格と記憶なんて……。


ラスト、
再び、新たな環境へ引っ越した夫婦と息子（クローン）…
心機一転と思えたが、何かに、息子は捕まる……the end。
要するに、
ザカリーの人格に捕まってしまった…ってとこ？

一方、博士はと言うと、
新たな場所にて、死亡欄の記事を……
…きっと、同じような事を繰り返していくんだろう。
ザカリーの遺伝子を、他人のクローンに……
そして、凶暴な性格が、どんどん誕生……… (￣Д￣lll) ぞぉ〜

サイコ・サイエンス・ホラーって言うの？、全体にダルダルな感じなのは良しとしてもスリラー要素が中途半端で盛り上がりに欠ける印象。サイコチックな不条理感やサイエンス物特有のゾクゾクするような冷たい質感も感じられず、アダムの両親のしっくりこない夫婦関係と背後にたたずむ遺伝子学者ウェルズの奇妙な存在に首を傾げながらもラストに大どんでん返しを期待して見てました。

クローン技術なんて言っても科学的な講釈は非常に薄味で、サイコエッセンスを振りかけてゴマカシ気味に進んで行くお話から退屈度も加速して行くんです。突如、オカルト要素を取り除いた『オーメン』みたいな展開に身を乗り出してみたもののツッコミが弱くて尻すぼみ、余韻を残したラストなんて誉め過ぎのモヤモヤ感が作品を象徴してますね。

キャスティングも良いし、監督が『穴』のニック・ハム、結構楽しみにして見たんだけど弾け方が微妙で見どころが不鮮明。デ・ニーロが学者役って事でかなりのマッド振りをと期待しましたが持ち味発揮までには至らなかったようです。敢えて言えばレベッカ・ローミン＝ステイモスの美しさ、ヒステリックな母性表現も中々上手く演じてて"ミスティーク"脱却と思いきやしっかり『ファイナルディシジョン』にも出てました、今後要注目の女優さんですね。

結構酷評が多いようですが、私は面白かったです。
イントロにある通りの「禁断のクローン技術に・・・サスペンスホラー」でした。
クローンによりどこまでオリジナルの複製が出来るのか？
その記憶は？
そしてその遺伝情報を操作することは可能？
その時、出来た子供はどうなるの？
クローンに使われた時の細胞の年齢を過ぎた時、その子はどうなってしまうの？
多重人格になるのか、統合された人格になるのか
エバンゲリオンの綾波のようにそもそもクローンに魂は宿るの？
この映画はスピリチュアルな面からホラーの仕立てをしていますが、基本的な考えかたは生命を科学として捉えたものではないでしょうか？
あくまで理屈がついてきます。
結構深い作品、良かったです。
私はお勧めします。