ミュンヘン

歴史の勉強ってとこです。観て勉強になりました。しかし僕はなんといっても中東問題とか兎に角あそこらへんのお国の事情に疎いのでなにがなんだかサッパリでした。国と国との関係や国の位置がサッパリなので登場人物が一体どっち側の人なんだろうと？になることもしばしばあり、大変苦戦しました。無宗教な僕には宗教問題や民族問題でなにをあんなに争うのかがわかりません。僕にしたらどうでもいいことです。世間に認めさせなければならないのかな？そんなのどうでも良くないですか？目には目を的な教えも納得できないし、それで平和を唱えられても正直賛同できないです。だから事実をただ観るという感じであまり感情移入しませんでした。でも主人公が電話越しに子供の声を聞いて一瞬で泣いたとことか、任務を終えて精神的にボロボロで帰ってきた夫を支える妻の「愛してるわ」という言葉に計り知れない愛情の深さを感じて切なくなりました。人は人を殺すようにはできていないハズなんです。
だからこの争いの無意味さに悲しくなります。すくなくとも僕にとっては無意味です。英雄でもなんでもないです。戦争で人を殺したらなんで英雄なんだろう？もっとなんとかならないのかなぁ。笑いがたりないなぁ、あそこらへんの国は。

ちょっと見ていてきついですな。
いつになったらイスラムとユダヤは同じ地球人として仲良くなれるのでしょうか。
ミュンヘン事件を軽く調べてから見たほうが判りやすいですよ。
人の命を殺める行為は、たとえスパイといえども、苦悩するということでしょうか。果たして本当に？

2005年。スティーブン・スピルバーグ監督。

1972年ミュンヘンオリンピック選手村で起きた実際の事件に基づく映画です。
徹頭徹尾、血生臭い映画だった。
イスラエル選手11名を虐殺したパレスチナ人「黒い9月」メンバーを、イスラエル政府のモサドは世界の果てまで追って行き、一人また一人と殺して行く。
どっちが極悪非道なのか？分からなくなる映画。
パレスチナ人にはパレスチナ人の言い訳があり、憎むイスラエル人には、イスラエル人の言い分がある。
確かなことは報復は連鎖し憎しみは憎しみを重ねる。
スピルバーグ監督の心の奥にはアメリカ同時多発テロ事件の深い傷と虚しさが色濃い。

周辺の歴史的史実を除いて物語単体で見ると、さほどというか、むしろありきたりの工作員劇。つまりは、本作は史実という１点のみで持っているにすぎない。題名がミュンヘンじゃなくて、史実といわなければどれほど物語として魅力があるんだろうか。正直見ながら退屈してた。

テロ、国家間の抗争、戦争と、いまだ目の前にある悲惨で陰惨な事件というのはたくさんあって、それらは紛れもない事実です。とすれば、その事実に対して、そこにどういった人類の物語をよみとっていくのか。これが肝心だと思うんですね。ドキュメンタリーのようにそのままを伝える方法も重要ですが、人間が関係している以上、そこには何かしらの人間としての思いがあるわけで、そこをどう表現していくのか。日本人としての表現、アメリカ人としての表現、ユダヤ人としての表現、政治家の表現、作家の表現、音楽家の表現、親としての表現…いろいろな立場を超えて表現手法はあると思います。
では、映画監督の表現ってどうなんでしょう。この映画は史実に基づいてます！って高らかに謳えばそれでいいんでしょうか？

ドキュメンタリーならそれに徹すればいい、エンターテイメントならそれに徹すればいい、そうでないのであれば、テーマに対してもっと深堀すべきでしょう。水戸黄門さまの印籠のように「皆の者ひかえおろう！本作は史実であるぞ！頭が高い！」観客はハハーーとひれ伏すといまだ思ってんだろうか？（そういう僕は結構ひれふすほうです笑）

映画監督としての表現が見えないんだよねぇ。何も伝わってこなかった。

彼ぐらいのメジャーになれば、強い影響力も持っているのだから、もっと自覚と責任をもってやってほしい。それが嫌なのなら、僕が大好きな、何にも考えなくていい楽しい映画に徹してほしいぞ（笑）

　この映画は公開時に見ることができず、気になっていた作品でした。昨日、ようやく見ました。見ておいてよかった。もし見ないまま人生を過ごしたら、自分で自分に幻滅したところです。
　監督の意図以上に日本人が共感しすぎてしまうところもあり、アレルギーを起こしてしまうだろう部分もあります。一見、我々の生活と関係ない事件のように感じる方もおられるでしょうが、第二次世界大戦前のパワーバランスから9.11後の現況まで、すべてが一連の事件なのですよ。それは作中のいくつかのモチーフが明らかにしています。

　例えばモサドが訓練を受けたひとりだけを現地に送り込み、計画も物資調達も実行もすべて現地人のグループに成させ、連絡を極めて限定する、というシーンがあります。これは“細胞”などと呼ばれるテロ手法だそうで、最近、日本にもアルカイダの２０人ほどが潜入しているとみられるって、ニュースで流れたでしょう？また、おととしくらいには振り込め詐欺のグループが、話題でしたよね。ここでは何度も、“店”と呼ばれる全体像を知らない小さなグループがたくさんあって、それらが別個に活動しているので、資金の流れも首謀者もつかめないって、レポートされていたでしょう？構造が似ていませんか？詐欺が話題になりはじめた当初、一部の政治家が『おかしな事件』という表現で、やんわりと経済テロの可能性に触れています。

　イスラエルとアラブとの関係も、大きな流れの一部です。アメリカの大新聞や基幹銀行はユダヤ資本で、第二次世界大戦時、アラブの協力に助けられながらも、政治的にイスラエルシンパにならざるをえなかった。イギリスのイスラエルにおける二枚舌外交は中学校の教科書に載っているでしょう？世界的な嘘と欺瞞が集約している地域のひとつなのです。沈黙したほうが世界から黙殺されてきた歴史もあります。パレスチナはもともとイスラエルへのユダヤ人移住前にエルサレム周辺に生活していたアラブ人の難民です。なんの発言権もなく居住地から追い立てられ、同じアラブ人からもさげすまれていたそうです。映画でもそんな会話がなされていましたよね。結局難民に教育と食事を与えているのは“ファタハ”をはじめとするテロリストたちです。今でもね。

　『負の連鎖』なんて、日本の勉強していない学校の先生が言いそうなことを、あなたたちは言いなさんな。日常的に流れる情報に聞き耳をたてて理解しようと努力しているだけで、この映画をちゃんと見るために必要な知識がだんだんにたまっていきます。ここを読んでいる人は、映画という名の知識に貪欲で、しかもパソコンの技術も持っているはずでしょう。

　この映画はがんじがらめになったイスラエルとパレスチナについて、その固まった結び目を衆目の目にさらしながら語っているものです。「ミュンヘン」は理解するのに困難が伴う映画です。しかし世界の流れと日本の現在位置をちゃんと確認するために、たとえ１０年かかっても見切って欲しい。