美しい夜、残酷な朝＜オリジナル完全版＞

美しい夜、残酷な朝・・・なにもかも闇に押し隠し優しく包み込む、そんな見えない世界はいっそ美しく、現実たる朝は時に何よりも残酷たる人間性を写し出す。そんな子どもの世界・・と、ゴリっとゴリ押しでイメージしてみました。どちらにしても、どの作品を観てもどこか夢、現実から一枚か二枚ほど浮き上がった世界のお話のようです。


■パク・チャヌク監督『ｃｕｔ』

日本映画で得意な（？）コミカルで残酷で生真面目な作風と通じる作品。コテコテに塗りたくられたメイクのピアニストの妻を侵入者に拘束された有名監督、彼は理不尽な（滑稽な）リクエストに答えていきます。断ると指を切られますから・・・・。

痛い〜痛い〜痛いよぉ〜〜〜（ーー；）

やりたい放題にドバドバ出血して・・思い切りの良い作品ですハイ。ハングルにも下品な発音と上品な発音があるのだと分かりますね。


■三池崇史監督『ｂｏｘ』

因習めいた淫靡で湿潤な見世物小屋で、ぐんにゃりと箱に入る芸を見せる双子の姉妹。その芸を披露するその小屋は日の光はまるで当たらず、まるで阿片窟の一場面のような淫靡な場所。中学に入るか入らないか・・そんな少女と大人の間に揺らぐ時期に、彼女たちは興行主の寵愛を競い、自ら闇へと落ちてゆく・・・

三池監督お得意の世界観です。醜くとても美しいのです。
ちょっと抑え気味。


■フルーツ・チャン監督『ｄｕｍｐｌｉｎｇｓ』

餃子って英語でｄｕｍｐｌｉｎｇｓって言うんですね。直訳だと茹で団子・・・何を？うううう・・・・うううう・・・下半身がゾワゾワして仕方が無いっ！だから女性の敵は案外女性だったりするんだってバ・・・胎児の食人の効能が、まことしやかに囁かれる中国ですが本当に映像化されると・・・ネタをぐちゃぐちゃと練る音、口に入れる音、噛みしだく音がね・・・うううう・・・当たり前のように『肉』なんでしょうねコレ。例えば、人間の耳の軟骨が、ある難病に効果があるからちょっと売ってよ？みたいなレベルではありません。うぇ・・・。

ん〜。。。
ビョンホンの方は理解は出来たけど、グロイです。
大画面で観なくて良かったなぁ、と思ったかな。
ハセキョーの方はストーリーの意味は分かったけど映像として暗すぎてダメでした。
最後のが一番理解できたし納得できたかな？
三つともホラーとしてはいいのだけれど、私的にはダメな映画でした。
三部作ではなくて短編集だと思えばいいのかな〜？
映画館で観たら具合が悪くなったかもしれません。

オムニバス形式で、わかりにくい表現もあるけど　心底不気味というか　好きな男に「振り向いてもらたい」という女の醜さ・・・
ちょっと蒸し餃子が食べられなくなりました。
グロテスクなのがお好きな人はどうぞ・・・。

３作の短編の、共通のテーマが何なのか・・・
無意識に考えながら見ようとしてしまって、
頭がついていけなかった。
３作品は、舞台や人物が変わるけど、何かどこかで続きになっているのか最後にはどこかで繋がるのか、ブラピの「バベル」のように入り組んだ絡み合ったものかと勝手に想像し、最後まで眉間のしわが取れませんでした。

まず最初に見るときは、
３作は別々のものとして、１作１作、頭を切り替えて観た方がよかった。

個人的には、グロテスクではあるが、最後の「餃子」は美しいと感じた。

英語のタイトルは「ＣＵＴ」なのに、何故こんなタイトルがついたのか・・・?
朝も夜も関係なかったような気がする。
この監督「ＪＳＡ」もそうだったが、今回も何でこんな理解しにくい映画を作るんだ・・・？
実際の事件か、映画なのか、子供は犯人の子か、車からいなくなった女性が愛人なのか、1度見ただけでは理解に苦しむ。
芸術的、つまりビジュアル的には、韓国編「ＣＵＴ」のダイスの床と妻を縛った線、日本編「ＢＯＸ」の双子のダンサーの写真や劇場シーンが印象的だが、ストーリー的には、「餃子」が愛と死の他、生も含まれていて、1番奥が深いと思った。
餃子を食べる女優さんも妙にチャーミングでそれがかえって恐ろしい。
狂気もどんどんエスカレートされていくだろうと思わせる終わり方だ。