蠅の王

すごい映画ですね。
見終わった後放心しました。
無人島に漂着した24人の少年たち。
正直もっとグロくて滅茶苦茶な映画だと思っていたら、意外と繊細な作りでびっくりしました。
そして、特別な説明もなく、徐々に歪んで行く少年たちの、荒削りな描写が、とても怖い。

青々と茂った木が燃えるシーン。
これからの心の荒廃を表している様です。
まわりの景色の美しさと、狂気に満ちていく子供たちの残酷さが恐ろしい。
二度と見たくないけれど、傑作だと思います。
サイモン・・・、とてもいい子でした。

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　なんとなく予想できたし、あり得る流れだと思う。
子供は結構、衝動で動いてしまうし、力に引き寄せられる。
そして、大人ぶった口を利かれると怒りを表すと思う。
　波乱だった中学時代に重なるストーリーで、ちょっと沁みるね。

　この作品で心揺さぶられた方は
『生きてこそ』も見て欲しいです。こちらは実話で、お薦めです。

かと思いきや、子供はこわ〜い！というお話。
ここは無人島。
とりあえず水もみつけた。
食糧もなんとかなりそうだ。
うるさい親もいないし、勉強もしなくていいとなったら、とことん自由を満喫しちゃえ、帰りたくな〜い。。と思っちゃった派と、みんなで一致団結して救助がくるように工夫しながら待とうよ派にわかれちゃった。
そして前者チームはどんどん過激になって後者チームを脅かしていく。
次第に人間らしい優しい心など失っていく彼ら。
それを何とか押しとどめようとする後者チームのリーダー、ラルフ。
そして起こる悲劇。

人間の醜い心の奥底を子供たちに見せてもらった。
自由を得た子供は怖い！というお話でした。

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たとえ子供でも、集団心理の中ではこうも簡単に狂気に走ってしまうのかと、現実にありえそうな話だけに心底ゾーっとする。いや、純粋な子供だからこそ、狂気への変貌に迷いがないのか…

変に墜落シーンとかを見せずに突然溺れる機長からスタートさせる構成もGOOD。
最後の最後は悪になり切れなかった双子？以外に天罰が下るのかと思いきやあっさり。
よって、見方によってはフラストレーションが溜まると言うか、後味が悪いと言うか…
気を引き締めていないと、簡単に鬱入ります。豚はちょっと可哀想だった。

いい作品だとは思うけど、おいそれとお勧め出来ない、そんな作品です。

原作の作者は、この作品を受賞対象作としてノーベル文学賞を受賞した作家で、この作品の内容が内容だけに何年もモメての受賞だったように記憶してますが、間違ってたらごめんなさい。
まあ、その経緯は理解出来ます。

原作では、イギリスの少年達が第三次世界大戦が起きて、疎開する途中に飛行機が事故にあって無人島に…で、始まってました。

「十五少年漂流記」などは、少年達が“光”を目指して進みますが、この「蠅の王」に登場する少年達は光明を見出す世界にはおらず、“闇”へと向かって殺し合います。
“光”を見ている者たちは生きようとし、“闇”を感じた者たちは殺し合う、という相反する世界を描き出しています。
老いも若きも“闇”の方向を見てるようなこの時代に痛烈な一撃を放った作品として、残酷さは認めたくないけれど評価したいと思います。