私のように美しい娘

コメディ。教授、歌手、害虫駆除人、夫、夫の母、そしてカミーユとみんながそれぞれの役目で見事な演技を見せている。笑わせようとして配置されたギャグはそれほど多くないが、それでもかなりの確率で笑った。全体にスピードがあり、ショット割りも秀逸。トリフォー映画の中でも最も見やすくて、エンターテイメントな作品だと思う。こういう作品をとっても見事な物が作れるという監督の奥深さを感じた。バンジョーの音楽もすばらしく、とにかくおすすめ。

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なにしろドタバタも喜劇も苦手なので、はじまってからしまった！と思いきや、トントンとテンポ良く進む話にあれよあれよと最後まで見てしまった。カミーユの場面はまさにドタバタしているのだが、秘書と教授の場面はなんだかシャラーンとおフランスっぽい空気が漂ってる。

逆境を跳ね除けひたすら強く前進する女カミーユがあっぱれ！生きる為には親父をも死に至らしめ、教授や害虫駆除屋さんを利用したりしてコケにする。夫や恋人など彼女にとっての邪魔者を排除する様は軽快で自分の行く手への懸けである。ひどく人を馬鹿にしたりする訳ではないし、ただただカミーユのバイタリティとくよくよしない陽気さに引き摺られていく。
コミカルで悪意が介在するのか否かはっきり示さない。何しろあの声と音程、見事な音痴で歌手になっちゃうとか、裸足で拾われた車の主と結婚してしまうとか！自分のためならとことん大胆に進む。とにかく小気味良いのが良かった。

うまく表現できないが、「ここでそれか！」「そういう表現もありか」のような、いい意味でハズス感じが絶妙。例えば、歌手が情事のときにかけるＦ１マシンが疾走する音のレコード。「そういう気分の時もあるかもしれない」とニヤッとさせる感じ。それからプレゼントの黄色い大きな手袋の野暮ったさといい、ドタバタ感が「こち亀」を思い出させ、妙に笑える。「映画に愛をこめて」でも感じたことだが、各キャラクター設定が緻密かつユニーク。酒びたりのマザコン、女性を知らない害虫駆除業者など、奇想天外のようで全体として調和している。トリュフォー作品をもっと見てみたい。

評価星4.0。

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この映画名、すごくないですか？（笑）
自信たっぷり（笑）
この悪女役のベルナデット・ラフォン、美人でスタイル抜群！
女性から見てもうらやましい限りです。
なんでも彼女はこの悪女のカミーユと少し似てるんでしょうか？
そんな自由奔放な個性の強い役者さんみたいですね。
DVDのインタビューでそんなことをちらっと言ってました。

こんな美人でグラマーな女性だったら、バカな男たちはだまされても仕方ないなぁって思いました（笑）
こういう女性ってたいてい男性には好かれますが、女性には嫌われますよね？（笑）
カミーユはまさにそんな感じでした（笑）
でも、映画を観てると最初はそう思いますが、途中から憎めないんですよね、不思議と。
なぜかって？
それは巧妙に男をだましていくタイプの悪女じゃないからです。
彼女自信も弁護士にだまされたりして、とても人間くさい悪女だからです。
そして、だまされる男たちも美男子ばかりではない（笑）
これも大きな要因の一つでしょう（笑）
だまされた男たちは、ひと癖もふた癖もあるような男たちばかりで、相手にしなくてもいいのにぃ！って思うような男も中にはいて、彼女の守備範囲の広さには、逆に恐れ入りました！って感じでした（笑）

彼女が憎めないところは、そういうところもあるけれど、一生懸命生きているってところにもあるのかもしれません。
今の時代の悪女は、好きでもない男からお金やブランド物を男から貢がせたりしたりしていますが、彼女は全然そうではないんですね。
生きるために、そして自分の恋のために、誘惑したり罠をはめたり。
そんな生きることに一生懸命な彼女だから、悪女でも憎めないのかもしれません。

わたしの好きなシーンで、彼女が刑務所から釈放されてステージで歌を歌うシーンがあるんですが、そこで歌うのがとってもこの彼女をよく表していて、お気に入りです。
歌詞はもちろん、彼女の歌い方もすべて彼女の生き方、性格をよく表していて、まさに憎めない悪女って感じでしたね。
この映画での彼女を象徴しているシーンだと思いました。

ベルナデット・ラフォン扮する奔放な悪女と、彼女に振り回されるイカれた男たちをコミカルに描いた作品です。
ベルナデット・ラフォンは、この映画では少しふけた感じですがスタイルは抜群です。（調べたら、当時３４才位のようです。)
男たちもタイプは違いますが、みな、どこかイカれているので、
彼女と男たちのハチャメチャな駆け引きは、見ていて結構楽しめます。

ちなみに、ベルナデット・ラフォンはトリュフォー監督の処女作でデビューしたそうです。DVDのおまけで知りました。
（若いときのテニスウェア姿がちょとだけ見れますｗ）