アラモ

ここまでに見たジョン・ウェインの映画の２作はハッピーエンドで終わったが、
この映画のラストは史実に基づいている。
歴史的な背景に特段思い入れがない自分にとり、感慨深い印象は持てなかった。
物凄い数の敵に砦の中で良く立ち向かって戦ったという感想。
壮大なスケールの映画が必ずしも印象に残るものでもない。
ジョン・ウエインの思い入れが分かるように、歴史的背景を勉強してから見た方が楽しめるかもしれない。

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Overture(序曲)から始まり、Intermission（休憩）/Evtrs' Acte（間奏曲）を挟み、Exit Music（終曲）で終わる3時間20分の大作。監督は製作・主演を兼ねたジョン・ウェインの初監督作品。前半は、指揮官として冷静・沈着なトラビス、感情的だが仲間からの信頼が厚いボウイ、包容力と指導力のあるクロケットの 3大佐の人となりを個性豊かに描き、後半は、13日間に及ぶアラモの戦いをじっくりと描いている。

西部開拓史上に有名な「アラモ砦の戦い」は、圧倒的な兵力差によりアメリカ側の玉砕に終わったが、その1ケ月半後、"Remember Alamo" を合言葉に再度メキシコ軍と戦い、アメリカはテキサスの独立をかち取っている。この"Remember Alamo" が、後の "Remember Pearl Harbor" や "Remember 9/11" へ引き継がれている。

当時テキサス州はメキシコ領であり、メキシコ側からみれば勝手に入植してきた「侵略者」だが、アメリカ側からみれば「自由と独立」の戦いという いつもの論理だ。

1836年といえば、日本では第11代将軍・徳川家斉の時代で、この年に篤姫と坂本龍馬が産まれている。174年も前だけに、人々は義理・人情に厚く、騎士道精神もまだ残っていた。戦闘の前には「婦人・子供は外に出るよう」使者をよこしたり、延々と楽団が演奏したり、簡単に夜襲が成功してしまうなど、今とは違ってのんびりした戦いの様子も伺える。

映画を観る前は、『アラモ』は勝手に西部劇と思っていたが、史実を扱った戦争映画でもあった。この戦争西部劇というジャンルは、後にメキシコ革命を背景にしたペキンパーの『ワイルドバンチ』（69年）へ影響を与えている。タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』（09年）にも「遥かなるアラモ」が使用され、この映画へのオマージュがみられる。戦闘の前夜に流れる混声合唱による「遥かなるアラモ」（原曲はロシア民謡）は、今聞いても本当に素晴らしい。

アメリカの歴史は良く知らないが、歴史的価値のある戦争だったんだと思います。