それから / 松田優作
全体の平均評価点: (5点満点)
(22)
解説・ストーリー
明治後期の東京を舞台に、親友の妻への愛に悩む主人公の姿を描いた夏目漱石の同名小説を、森田芳光監督が映画化。明治後期の東京。裕福な家庭に育った長井大助は30歳になっても定職を持たず、読書や思索にふける気ままな毎日を送る。そんなある日、親友の平岡が会社を辞め、妻・三千代とともに3年ぶりに東京へ帰ってきた。大助はかつて三千代に恋心を抱いていたものの、同じく三千代に惹かれる平岡のために自ら身を引いたのだった。数年の間に3人の心は微妙な変化を見せていた……。
明治後期の東京を舞台に、親友の妻への愛に悩む主人公の姿を描いた夏目漱石の同名小説を、森田芳光監督が映画化。明治後期の東京。裕福な家庭に育った長井大助は30歳になっても定職を持たず、読書や思索にふける気ままな毎日を送る。そんなある日、親友の平岡が会社を辞め、妻・三千代とともに3年ぶりに東京へ帰ってきた。大助はかつて三千代に恋心を抱いていたものの、同じく三千代に惹かれる平岡のために自ら身を引いたのだった。数年の間に3人の心は微妙な変化を見せていた……。
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「それから」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
明治後期の東京を舞台に、親友の妻への愛に悩む主人公の姿を描いた夏目漱石の同名小説を、森田芳光監督が映画化。明治後期の東京。裕福な家庭に育った長井大助は30歳になっても定職を持たず、読書や思索にふける気ままな毎日を送る。そんなある日、親友の平岡が会社を辞め、妻・三千代とともに3年ぶりに東京へ帰ってきた。大助はかつて三千代に恋心を抱いていたものの、同じく三千代に惹かれる平岡のために自ら身を引いたのだった。数年の間に3人の心は微妙な変化を見せていた……。
「それから」 の作品情報
「それから」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
それからの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
130分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DRTD02499 |
2006年01月13日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
1枚
|
0人
|
0人
|
それからの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
130分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DRTD02499 |
2006年01月13日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
1枚
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ユーザーレビュー:22件
いい映画なんだけどなあ
いい映画ではあるのですが、
そこココに役者、監督、脚本、カメラワークなどに
各分野の「欲求不満」を感じます。
松田優作にしてもたま〜に「怒り」の演技がでちゃって、
「あれあれ?そう言う人じゃないだろう、ダイスケは?」って感じる。
もっとエゴむき出しの人々だと思うのだが、
露骨にエゴを出しているのは藤谷だけのような気がした。
明治時代をそのままのテイストで表すのか、
現代的に表すのか。
現代と言っても今から(2007年)から20年以上前なわけなのでこれでいいのか。
いろんな意味で過渡期だったのかな。
藤谷だけ先に進んでいた気分だ。
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
「それから」その二 人生が急転回するときの色 接続詞
原作の「長井代助」は、「その一」で書きましたが、高踏遊民です。
英語に堪能で、原書を読み、日本の社会についても、一言をもっています。
明治維新以降、無理な成長を目指すあまり、社会にヒズミ(歪)が出てきていると。
代助は、作者・漱石の分身であろうが、彼に社会を云々する資格はない、と考えるのが、
「平岡常次郎」です。
親友であれ、その女房を奪うことは、「姦通罪」(1982〜1947)で訴えられる時代でした。
代助は、三千代を奪うことを決意します。
原作では、長く書かれていた父や兄との決別も、同時に短時にまとめられていています。
ここで、父(笠智衆)の存在が上がります。(原作では、ただ頑迷なだけの男)
兄(中村嘉葎雄)は、おっとりした男のイメージがあり、映画でも、兄弟で酒を飲む場面は実にいいと思いますが、
最後にこんな甲高い激昂はすまいと思いました。
原作は、淡々と書かれていて、長編ですが、映画も、どこが削れらたか分からないほど、見事に、時代と人間を描いています。
原作では、最後の場面は、次の文章です。
============================================
飯田橋へ来て電車に乗つた。電車は真直に走り出した。代助は車のなかで、
「あゝ動く。世の中が動く」と傍(はた)の人に聞える様に云(い)つた。彼の頭は電車の速力を以(も)って回転し出した。回転するに従つて火の様に焙(ほて)つて
来た。是(これ)で半日乗り続つゞけたら焼き尽(つく)す事が出来るだらうと思つた。
忽(たちま)ち赤い郵便筒が眼に付いた。すると其(その)赤い色が忽ち代助の頭(あたま)の中に飛び込んで、くる/\と回転し始めた。傘屋の看板に、赤い蝙蝠傘
(こうもりがさ)を四つ重ねて高く釣るしてあつた。傘の色が、又(また)、代助の頭に飛び込んで、くる/\と渦(うず)を捲(ま)いた。
四つ角(かど)に、大きい真赤な風船玉を売つてるものがあつた。電車が急に角(かど)を曲るとき、風船玉は追懸(おつかけ)て来て、代助の頭(あたま)に飛び付ついた。
小包(こづみみ)郵便を載せた赤い車がはつと電車と摺(す)れ違うとき、又(また)代助の頭のなかに吸ひ込まれた。烟草屋(たばこや)の暖簾が赤かつた。
売出しの旗も赤かつた。電柱が赤かつた。赤ペンキの看板がそれから、それへと続つゞいた。仕舞(しまい)には世の中が真赤になつた。さうして、代助の頭あたまを中心
としてくるり/\と焔(ほのお)の息(いき)を吹いて回転した。代助は自分の頭が焼け尽きる迄(まで)電車に乗つて行かうと決心した。
============================================
原作の代助の眼には、赤いひかりが見えていた。血です。
森田芳光の「それから」では、前から来る光で、代助の後ろ姿の輪郭線を浮かび上がらせ、エンドロールになります。
実に、優れた映画です。原作の骨格は、すべて捉えられています。
監督の早逝が残念ですが、「それから」は、後ろを記憶しあたあと、前へ進む接続詞です。
「しかし」という逆接、つまり、たとえば、という要約・補足でもないです、
「それから」どう生きていこうか……。
このレビューは気に入りましたか?
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「それから」その一 藤谷美和子の美しさ 雨
夏目漱石(1867年〜1916年)の小説「それから」(1909)。最近、この長編小説を初めて聴きました。
「ことのは出版」という東京の朗読を専門にしている会社があって、ここから、原作をノーカット朗読しているCDがもの出ています。
CD14枚組、渡部龍朗(わたなべたつお)の朗読。俳優の渡部篤郎(わたべあつろう)とは別人です。
公共図書館で借りて、最近、7日間、就寝前の時間で聴き終えました。
新潮文庫の一冊本、300ページほどですから、順当な時間です。
漱石の小説は、若いころは読まなかったのですが、今、少し分かるようになってきました。
「門」「こころ」「三四郎」「それから」を聴くと、言葉が、睡眠前の渇いた自分のからだに浸透してくるのです。
聴くからかもしれません。
年をとって、野心が消え、諦めを知り、受容的になってきたからと思います。
漱石の中期以降の小説のテーマは、やはり、男女の三角関係と、金銭問題と思います。「それから」も、そうでした。
森田芳光監督(1950〜2011)の映画(1985、東映、カラー、130分)。
原作の長編を、よく、ここまで映画化したと感心します。原作は、そのまま朗読すれば、70分×14枚=980分=約16時間。
これを、2時間10分に要約することは至難の業です。
漱石の原作が、平成のエンタテインメント小説と異なるところは、作者の考えが、登場人物の言動を補足をするように、無粋に長く入ってくるところ。
重要な部分ですが、あまりにも漱石がくどいので、参ってしまいます。
「それから」のころの漱石は、長編作家として、たぶん上手ではありません。作中人物に十二分に語らせることはできず、その前後に作者の考えを書いてしまいます。
近代文学の研究者には、この補足が面白いと思いますが、小説の読者は、「早く、先に行ってよ! 代助はどうするの?」と思ってしまいます。
この作者の解説部分をばっさり切り捨てたら、半分くらいの時間(8時間)になるでしょう。
そして、不眠症になった「代助」の夢と、行動の逡巡(迷い)の部分も、映画としては、かなり、要約することができるでしょう。
筒井ともみ(1948生)の脚本は、ここから、慎重かつ大胆に刈り込んでいきます。
原作の三角関係にだけ絞れば、と思うのですが、「大家族」「経済」という問題があり、代助の父、兄、兄嫁を描かざるを得ません。
=============================================
長井代助(松田優作)は、明治時代初期の30歳の高踏遊民である。定職はなく仕事をせず、親から離れた一戸建ての家に住み、親からもらう多額の生活費で、書生の門野
(羽賀健二)と「婆さん」を雇い、英語の原書を取り寄せ、その多くは「つまらん」と考え、神経症を病み、遊興をしたりしている。
代助の父・長井得(笠智衆)は、幕末維新に功績があり、東京に土地を得て、事業を始め、かなりの財産を築いた。亡妻なきあと、若妾を囲っている。
長男で、代助の兄・長井誠吾(中村嘉葎雄)は、父と同居し、父の事業を継いでいる。忙しい実業家。家にいる時間がほとんどない。
「空業」で「熱意」がない代助は、父と対立しがちだが、兄は黙許し、その嫁・梅子(草笛光子)は、代助と何かウマが合う。代助には姪・甥にあたる子供らもなついている。
代助の学友であった平岡常次郎(小林薫)は、卒業後、関西の銀行に就職していたが、上司の使い込みへの連座を疑われ、多額の借金を背負い、東京に舞い戻った。
それから、代助に援助を求める。
平岡の妻・三千代(藤谷美和子)は、代助の親友・菅沼(風間杜夫)の妹だった。菅沼は、妹と代助を親しくさせたいようだったが、流行病で早逝する。
代助と三千代は相思相愛だった。しかし、優柔不断の代助は、「経済」に不安があり、平岡の頼みを断れず、彼と三千代の間を取り持ってしまったのだ。
平岡は、新聞社に就職をするが、遊興の癖が抜け切れず、家に帰らず、帰ったときは暴力を振るう。三千代は心臓の持病を再発する。
代助は、平岡に金銭の援助を行うが、父から資産がらみの見合いを進められる。
それから、代助は、三千代と、一緒に生きていこうと決意する。
二人は、水仙を境に、対話をする。
優れた恋愛場面である。
=============================================
「ピアノ」や園遊会、「歌舞伎」見物の場面は、カットされています。
以下、「その二」に続きます。
このレビューは気に入りましたか?
1人の会員が気に入ったと投稿しています
和服の松田優作もかっこいい
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
夏目漱石の小説が原作。
この映画の松田優作に「蘇える金狼」の様な
アクションを期待してはいけない。
主人公(松田優作)はいい歳をして定職にもつかず、
親の仕送りで書生やお手伝いさんを雇う裕福な生活を送っている。
そんな主人公が友人の妻と不倫関係(主人公と友人の妻は
学生時代にお互い引かれあっていたが何故か結婚はしなかった)
となっていくお話。
不倫が恥ずべき行為とされていた時代なので
やがて、親から絶縁されてしまう主人公。
元々、「三四郎」「それから」「門」という
3部作なので作者が何を言いたいのかを「それから」だけで
完全に理解するのは難しいがそれでも映画としては
そこそこ楽しめる。
映像美は(当時としては)かなり綺麗な方であったし
音楽もナカナカ個性的である。
当時の和洋折衷のファッションもおもしろい。
スーツや革ジャンの松田優作もいいが、和服もまた良く似合う。
多分、松田優作はこういう普通の役(アクションではなく)
をもっと多く演じたかったのではないだろうか。
優作ファンでも評価が大きく分かれると思うが
ストライクゾーンの広い方は是非、視聴してほしいと思う。
私の評価は
Aプラス
Aマイナス
Bプラス
Bマイナス
Cプラス
Cマイナス
Dプラス
Dマイナスの6段階で
Bマイナスです。
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1人の会員が気に入ったと投稿しています
原作を読んだほうが良いといわざるを得ません。
昔2、3度読みましたが、映画では、やはりその時の印象とかなり違ったテイストになってしまい、もう一度原作を読んだほうが良いなと思った次第です。
この手の原作の映画化は、難しいと思います。(やや期待して借りてしまいましたが)
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1人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
いい映画なんだけどなあ
投稿日
2007/08/08
レビュアー
大岡川四十郎
いい映画ではあるのですが、
そこココに役者、監督、脚本、カメラワークなどに
各分野の「欲求不満」を感じます。
松田優作にしてもたま〜に「怒り」の演技がでちゃって、
「あれあれ?そう言う人じゃないだろう、ダイスケは?」って感じる。
もっとエゴむき出しの人々だと思うのだが、
露骨にエゴを出しているのは藤谷だけのような気がした。
明治時代をそのままのテイストで表すのか、
現代的に表すのか。
現代と言っても今から(2007年)から20年以上前なわけなのでこれでいいのか。
いろんな意味で過渡期だったのかな。
藤谷だけ先に進んでいた気分だ。
「それから」その二 人生が急転回するときの色 接続詞
投稿日
2016/06/03
レビュアー
ちゅく
原作の「長井代助」は、「その一」で書きましたが、高踏遊民です。
英語に堪能で、原書を読み、日本の社会についても、一言をもっています。
明治維新以降、無理な成長を目指すあまり、社会にヒズミ(歪)が出てきていると。
代助は、作者・漱石の分身であろうが、彼に社会を云々する資格はない、と考えるのが、
「平岡常次郎」です。
親友であれ、その女房を奪うことは、「姦通罪」(1982〜1947)で訴えられる時代でした。
代助は、三千代を奪うことを決意します。
原作では、長く書かれていた父や兄との決別も、同時に短時にまとめられていています。
ここで、父(笠智衆)の存在が上がります。(原作では、ただ頑迷なだけの男)
兄(中村嘉葎雄)は、おっとりした男のイメージがあり、映画でも、兄弟で酒を飲む場面は実にいいと思いますが、
最後にこんな甲高い激昂はすまいと思いました。
原作は、淡々と書かれていて、長編ですが、映画も、どこが削れらたか分からないほど、見事に、時代と人間を描いています。
原作では、最後の場面は、次の文章です。
============================================
飯田橋へ来て電車に乗つた。電車は真直に走り出した。代助は車のなかで、
「あゝ動く。世の中が動く」と傍(はた)の人に聞える様に云(い)つた。彼の頭は電車の速力を以(も)って回転し出した。回転するに従つて火の様に焙(ほて)つて
来た。是(これ)で半日乗り続つゞけたら焼き尽(つく)す事が出来るだらうと思つた。
忽(たちま)ち赤い郵便筒が眼に付いた。すると其(その)赤い色が忽ち代助の頭(あたま)の中に飛び込んで、くる/\と回転し始めた。傘屋の看板に、赤い蝙蝠傘
(こうもりがさ)を四つ重ねて高く釣るしてあつた。傘の色が、又(また)、代助の頭に飛び込んで、くる/\と渦(うず)を捲(ま)いた。
四つ角(かど)に、大きい真赤な風船玉を売つてるものがあつた。電車が急に角(かど)を曲るとき、風船玉は追懸(おつかけ)て来て、代助の頭(あたま)に飛び付ついた。
小包(こづみみ)郵便を載せた赤い車がはつと電車と摺(す)れ違うとき、又(また)代助の頭のなかに吸ひ込まれた。烟草屋(たばこや)の暖簾が赤かつた。
売出しの旗も赤かつた。電柱が赤かつた。赤ペンキの看板がそれから、それへと続つゞいた。仕舞(しまい)には世の中が真赤になつた。さうして、代助の頭あたまを中心
としてくるり/\と焔(ほのお)の息(いき)を吹いて回転した。代助は自分の頭が焼け尽きる迄(まで)電車に乗つて行かうと決心した。
============================================
原作の代助の眼には、赤いひかりが見えていた。血です。
森田芳光の「それから」では、前から来る光で、代助の後ろ姿の輪郭線を浮かび上がらせ、エンドロールになります。
実に、優れた映画です。原作の骨格は、すべて捉えられています。
監督の早逝が残念ですが、「それから」は、後ろを記憶しあたあと、前へ進む接続詞です。
「しかし」という逆接、つまり、たとえば、という要約・補足でもないです、
「それから」どう生きていこうか……。
「それから」その一 藤谷美和子の美しさ 雨
投稿日
2016/06/03
レビュアー
ちゅく
夏目漱石(1867年〜1916年)の小説「それから」(1909)。最近、この長編小説を初めて聴きました。
「ことのは出版」という東京の朗読を専門にしている会社があって、ここから、原作をノーカット朗読しているCDがもの出ています。
CD14枚組、渡部龍朗(わたなべたつお)の朗読。俳優の渡部篤郎(わたべあつろう)とは別人です。
公共図書館で借りて、最近、7日間、就寝前の時間で聴き終えました。
新潮文庫の一冊本、300ページほどですから、順当な時間です。
漱石の小説は、若いころは読まなかったのですが、今、少し分かるようになってきました。
「門」「こころ」「三四郎」「それから」を聴くと、言葉が、睡眠前の渇いた自分のからだに浸透してくるのです。
聴くからかもしれません。
年をとって、野心が消え、諦めを知り、受容的になってきたからと思います。
漱石の中期以降の小説のテーマは、やはり、男女の三角関係と、金銭問題と思います。「それから」も、そうでした。
森田芳光監督(1950〜2011)の映画(1985、東映、カラー、130分)。
原作の長編を、よく、ここまで映画化したと感心します。原作は、そのまま朗読すれば、70分×14枚=980分=約16時間。
これを、2時間10分に要約することは至難の業です。
漱石の原作が、平成のエンタテインメント小説と異なるところは、作者の考えが、登場人物の言動を補足をするように、無粋に長く入ってくるところ。
重要な部分ですが、あまりにも漱石がくどいので、参ってしまいます。
「それから」のころの漱石は、長編作家として、たぶん上手ではありません。作中人物に十二分に語らせることはできず、その前後に作者の考えを書いてしまいます。
近代文学の研究者には、この補足が面白いと思いますが、小説の読者は、「早く、先に行ってよ! 代助はどうするの?」と思ってしまいます。
この作者の解説部分をばっさり切り捨てたら、半分くらいの時間(8時間)になるでしょう。
そして、不眠症になった「代助」の夢と、行動の逡巡(迷い)の部分も、映画としては、かなり、要約することができるでしょう。
筒井ともみ(1948生)の脚本は、ここから、慎重かつ大胆に刈り込んでいきます。
原作の三角関係にだけ絞れば、と思うのですが、「大家族」「経済」という問題があり、代助の父、兄、兄嫁を描かざるを得ません。
=============================================
長井代助(松田優作)は、明治時代初期の30歳の高踏遊民である。定職はなく仕事をせず、親から離れた一戸建ての家に住み、親からもらう多額の生活費で、書生の門野
(羽賀健二)と「婆さん」を雇い、英語の原書を取り寄せ、その多くは「つまらん」と考え、神経症を病み、遊興をしたりしている。
代助の父・長井得(笠智衆)は、幕末維新に功績があり、東京に土地を得て、事業を始め、かなりの財産を築いた。亡妻なきあと、若妾を囲っている。
長男で、代助の兄・長井誠吾(中村嘉葎雄)は、父と同居し、父の事業を継いでいる。忙しい実業家。家にいる時間がほとんどない。
「空業」で「熱意」がない代助は、父と対立しがちだが、兄は黙許し、その嫁・梅子(草笛光子)は、代助と何かウマが合う。代助には姪・甥にあたる子供らもなついている。
代助の学友であった平岡常次郎(小林薫)は、卒業後、関西の銀行に就職していたが、上司の使い込みへの連座を疑われ、多額の借金を背負い、東京に舞い戻った。
それから、代助に援助を求める。
平岡の妻・三千代(藤谷美和子)は、代助の親友・菅沼(風間杜夫)の妹だった。菅沼は、妹と代助を親しくさせたいようだったが、流行病で早逝する。
代助と三千代は相思相愛だった。しかし、優柔不断の代助は、「経済」に不安があり、平岡の頼みを断れず、彼と三千代の間を取り持ってしまったのだ。
平岡は、新聞社に就職をするが、遊興の癖が抜け切れず、家に帰らず、帰ったときは暴力を振るう。三千代は心臓の持病を再発する。
代助は、平岡に金銭の援助を行うが、父から資産がらみの見合いを進められる。
それから、代助は、三千代と、一緒に生きていこうと決意する。
二人は、水仙を境に、対話をする。
優れた恋愛場面である。
=============================================
「ピアノ」や園遊会、「歌舞伎」見物の場面は、カットされています。
以下、「その二」に続きます。
和服の松田優作もかっこいい
投稿日
2010/01/10
レビュアー
昼間ねむいの
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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夏目漱石の小説が原作。
この映画の松田優作に「蘇える金狼」の様な
アクションを期待してはいけない。
主人公(松田優作)はいい歳をして定職にもつかず、
親の仕送りで書生やお手伝いさんを雇う裕福な生活を送っている。
そんな主人公が友人の妻と不倫関係(主人公と友人の妻は
学生時代にお互い引かれあっていたが何故か結婚はしなかった)
となっていくお話。
不倫が恥ずべき行為とされていた時代なので
やがて、親から絶縁されてしまう主人公。
元々、「三四郎」「それから」「門」という
3部作なので作者が何を言いたいのかを「それから」だけで
完全に理解するのは難しいがそれでも映画としては
そこそこ楽しめる。
映像美は(当時としては)かなり綺麗な方であったし
音楽もナカナカ個性的である。
当時の和洋折衷のファッションもおもしろい。
スーツや革ジャンの松田優作もいいが、和服もまた良く似合う。
多分、松田優作はこういう普通の役(アクションではなく)
をもっと多く演じたかったのではないだろうか。
優作ファンでも評価が大きく分かれると思うが
ストライクゾーンの広い方は是非、視聴してほしいと思う。
私の評価は
Aプラス
Aマイナス
Bプラス
Bマイナス
Cプラス
Cマイナス
Dプラス
Dマイナスの6段階で
Bマイナスです。
原作を読んだほうが良いといわざるを得ません。
投稿日
2008/09/09
レビュアー
53285319
昔2、3度読みましたが、映画では、やはりその時の印象とかなり違ったテイストになってしまい、もう一度原作を読んだほうが良いなと思った次第です。
この手の原作の映画化は、難しいと思います。(やや期待して借りてしまいましたが)
新規登録で
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