羅生門 / 京マチ子
全体の平均評価点: (5点満点)
(90)
解説・ストーリー
芥川龍之介の短編「藪の中」をもとに映像化。都にほど近い山中で、貴族の女性と供回りの侍が山賊に襲われた。そして侍は死亡、事件は検非違使によって吟味される事になった。だが山賊と貴族の女性の言い分は真っ向から対立する。検非違使は霊媒師の口寄せによって侍の霊を呼び出し証言を得るが、その言葉もまた、二人の言い分とは異なっていた……。ヴェネチア国際映画祭でグランプリを受賞した、黒澤明の出世作。
芥川龍之介の短編「藪の中」をもとに映像化。都にほど近い山中で、貴族の女性と供回りの侍が山賊に襲われた。そして侍は死亡、事件は検非違使によって吟味される事になった。だが山賊と貴族の女性の言い分は真っ向から対立する。検非違使は霊媒師の口寄せによって侍の霊を呼び出し証言を得るが、その言葉もまた、二人の言い分とは異なっていた……。ヴェネチア国際映画祭でグランプリを受賞した、黒澤明の出世作。
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「羅生門」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
芥川龍之介の短編「藪の中」をもとに映像化。都にほど近い山中で、貴族の女性と供回りの侍が山賊に襲われた。そして侍は死亡、事件は検非違使によって吟味される事になった。だが山賊と貴族の女性の言い分は真っ向から対立する。検非違使は霊媒師の口寄せによって侍の霊を呼び出し証言を得るが、その言葉もまた、二人の言い分とは異なっていた……。ヴェネチア国際映画祭でグランプリを受賞した、黒澤明の出世作。
「羅生門」 の作品情報
「羅生門」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
羅生門の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
88分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DABR0031 |
2004年05月28日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
3枚
|
13人
|
4人
|
羅生門の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
88分 |
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1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DABR0031 |
2004年05月28日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
3枚
|
13人
|
4人
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ユーザーレビュー:90件
出会い 「羅生門」レビューその1(byくまげら)
芥川龍之介『藪の中』は『杜子春』や『河童』と共に、中学生の頃夢中になって読んだ。
『藪の中』は、厭世的で人間不信の芥川の寂寞とした虚しさが読後感に漂う、短編だが鋭い作品であり、そういう作品として私の中では完結していた。
生まれる前の1950年に黒澤明という人が製作した映画「羅生門」は、
私には興味も接点もないと思っていた。
そもそも、内実が「藪の中」である作品をなぜ「羅生門」とラベリングしたのか。
質量ともに「藪の中」が勝っているなら「藪の中」とタイトルすべきではないか。
それぞれ違う作品を一つの作品に(接ぎ木状態、あるいは入れ子状態)にする事を
芥川は墓の中でどう思っているのか。腑に落ちない事である。
この疑問というか反発は、意外にも1回見ただけで氷解した。(以下のレビューで書きます)
53年に溝口健二が、「蛇性の陰」と「浅茅が宿」を合体させて「雨月物語」とタイトルするのであるが、羅生門の前例があったからだろうか。
上田秋成は、少しムッとしたのではないかと私は邪推する。
さて、「羅生門」の第一印象は、三船敏郎という人の、何はともあれ、そのワイルドな魅力、
ライオンが放たれたような画面の躍動感だ。(こんな人だったのか・・)
女好きの盗賊という役柄ゆえ、その下品さも役作りであろうが、音質の悪いボレロのリズムに乗って、
画面を走り回るミフネ、戦後まだ数年、当時はロクな食料もない時代だと思うが
そのエネルギーたるや刮目させられる。驚いた・・!
もう一人、巫女役の本間文子さん、巫女さんてあんなに激しい動きをするのか、
その身の軽さ!(エナジードリンクもユンケルもない時代に!)
すごい、現代にいたらいいラッパーになったろうに。
そしてさらに驚いた事がある!!驚きのあまり、私はイスから転げ落ちた。
いや、呆れたというか監督何してくれちゃうの?
呆れて口を開けすぎて、アゴが外れるトコだった!
脚本は黒澤明と橋本忍の共作であるが、黒澤の付け足した部分に、橋本や助監督が抗議したというから、私の感覚も橋本に近いものがあるだろう。
しかし、一般常識を凌駕して新しい展開を示したところに黒澤の先見の明というか
映画監督としての才能があったのだ。
では次レビューに続きます。(いつもお目汚しな長文で、スマンです)
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わからない
高校の時だったか、教科書で一度読んだものの全くよくわからずに、そのままにしていました。映画を観て、どんな内容かを確認しようと思い観たのですが、たった今見たのによくわからないといった状況です。情けない話ですが、解説の本やHPをこれから読んでみようと思っています。
モノクロの映像で雨を表現するために墨汁を入れたという話は有名ですね。
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「雨の迫力」と「不思議な話」
投稿日:2022/06/08
レビュアー:趣味は洋画
羅生門(1950年、日本・大映、モノクロ、88分)
斬新な構成と、圧倒的な雨の迫力、‘カメラが初めて森に入った’ と評されたモノクロ映像の極致とも言うべき映像美。1951年にベネチア映画祭でグランプリを獲得した本作は、世界映画史上に初めて現れた日本映画です。最後まで殺人事件の真相が分からないという前衛的なシナリオの面白さに加え、大映専属の宮川一夫のカメラが果たした役割は非常に大きいと思います。
平安の乱世。京の都に近い山科の藪の中で、旅の侍、金沢武弘(森雅之)の死体が発見される。検非違使(けんびいし/今でいう警察官のような立場)は関係者である武士の妻・真砂(京マチ子)、及び、盗賊の多襄丸(三船敏郎)を取り調べ、巫女(本間文子)を使って武弘の霊からも証言を得るが、彼ら3人の陳述はすべて食い違っていた。薪を取りに行って事件を目撃した杣売り(志村喬)は、この様子を羅生門の下で、旅法師(千秋実)や下人(上田吉二郎)に語りながら、怖れおののき続けるが...。
...とまあ、ストーリーはよく知られていますが、当初は「羅生門」は難解な作品とされ、興行的に奮わなかったようです。ところが冒頭にも記したとおり、ベネチア映画祭でグランプリ(金獅子賞)を獲得、更にアカデミー賞では最優秀外国語映画賞(後述)も受賞し、一躍、‘世界のクロサワ’ が誕生したのでした。人間のエゴや不信感、不条理などを抉り出した心理ドラマは、欧米の映画ファンの心を掴んだのでしょう。これ以降、多くの日本映画が国際舞台で求められるきっかけとなったのは云うまでもありません。
上述の「最優秀外国語映画賞」ですが、かつては「特別賞」或いは、「名誉賞」という扱い(呼び名)でした。第29回(1956年度)から「外国語映画賞」の時代が続きましたが、第92回(2019年度)から「アカデミー国際長編映画賞」となっています。
さて、映画の面白さという観点から、個人的には「羅生門」は私見10位なのです。
黒澤作品の好きな順位は次のとおり。
@「天国と地獄」、A「七人の侍」、B「悪い奴ほどよく眠る」、C「用心棒」、D「蜘蛛巣城」、E「一番美しく」、F「赤ひげ」、G「生きる」、H「野良犬」、I「羅生門」。
勿論、これら以外の作品も観ていますし、レビュー未投稿の作品もあります。
80年代以降の作品はあまり興味がないので、今後も古い作品を追ってみたいと思います。
本作は出演者の表情がとても豊かでした。特に京マチ子と三船敏郎は「喜怒哀楽」がハッキリしています。大声で「笑い」、「怒り」、「泣き」ます。
ところが、セリフが聞き取り辛く、ボリュームをアップしても語尾がまったくダメでした。
邦画も字幕付きで観る習慣ですが、本作には字幕付機能がありませんでした。
素晴らしい映像を観られるだけでも幸せと思わなねばなりませんね。
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絶妙な作品
投稿日:2010/03/21
レビュアー:ひきむすび
朽ち果てた羅生門に打ち付ける雨
今日の糧もなく雨宿りをする3人の影
一人の僧侶が口火を切る
4つの切り口で語る一つの出来事
どれもこれもが それらしく どれもこれもが 食い違う
どうやら一つ本当のことは 誰も彼もが嘘をついている
人の浅はかさ 業の深さをあからさまにし落とし込んだところに
ひょっこりともたげた希望
人は罪深い、それでも良心を 情けを持つことができる
このストーリーテーリングが絶妙で飽きさせません。
とってつけたかのようなセリフと大仰な身振りは
舞踏の一幕のようで いいアクセントとなって面白い。
とてもよくできた作品だと思います。
ひとつ難を言えば 小声のセリフがとても聞き取りにくいこと。
ボリュームを上げては奇声に飛び退く、の繰り返しで
真夜中の鑑賞をあきらめ 子供と一緒の鑑賞でしたが
全く飽きずに食い付いて観ていたのが意外でした。
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絶望の中に射す光
投稿日:2008/04/19
レビュアー:高橋 幸二
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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芥川の原作では真相は文字通り「藪の中」で、読者に明かされていない。芥川にとって真相など問題ではなく、自己の都合で嘘をつく人間の業の深さを訴えたかったのだと思う。それはこの映画においても、樵が「もう何もかも信じられねえ」と嘆いていることから、同様であろう。
だが黒澤は、原作にないラストシーンを用意していた。人の嘘の醜さを嘆く樵でさえ、嘘をついていたと下人は暴露するのである。凶器の小刀が現場から消失しているのは、樵が盗んだとしか考えられない。それどころか、彼が殺人犯である可能性すらあるのである。
そのとき、赤子の声が聞こえて来る。誰かが羅生門に子を捨てたのだ。乱れた世だからこそ、薄情な親がいる。下人は赤子を包んでいた着物を剥ぎ取って去ってしまう。彼はどこまでも自分に正直だ。自分の欲に従い、それを隠そうともせず、人の嘘を暴きたてる。登場人物の中で彼だけが、嘘をつかない人物である。
雨は上がり、羅生門に日差しが差して来る。樵は赤子を抱き「この子は俺が育てる」と言う。本当だろうか。人買いに売ったりしないだろうか。旅法師は、疑いもしなかった。疑うことからは、何も生まれてこないと知っていたからである。
朝廷の権威は失墜し、羅生門は崩れかかっているが、雨露を凌ぐ用をなしている。子を捨てるような薄情な親もまた、その子に高価な着物を着せてやるだけの慈しみはある。この世に完全なものなど、何もないではないか。樵は、嘘をつき、盗みを働くような自分でさえも、この小さな赤子を守ってやれる力があると気づかされたのだ。
崩れかかった羅生門を背景に、背中に夕日をいっぱいに浴びながら、赤子を抱いて家路につく樵の笑顔の、何と晴れ晴れしたことか。いつまでも降り続く雨がないように、いつまでも続く戦乱もない。いつの日か乱世は終わり、人の心にも救いの光が差すときが来るのだろう。
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ユーザーレビュー
出会い 「羅生門」レビューその1(byくまげら)
投稿日
2020/08/27
レビュアー
くまげらの森
芥川龍之介『藪の中』は『杜子春』や『河童』と共に、中学生の頃夢中になって読んだ。
『藪の中』は、厭世的で人間不信の芥川の寂寞とした虚しさが読後感に漂う、短編だが鋭い作品であり、そういう作品として私の中では完結していた。
生まれる前の1950年に黒澤明という人が製作した映画「羅生門」は、
私には興味も接点もないと思っていた。
そもそも、内実が「藪の中」である作品をなぜ「羅生門」とラベリングしたのか。
質量ともに「藪の中」が勝っているなら「藪の中」とタイトルすべきではないか。
それぞれ違う作品を一つの作品に(接ぎ木状態、あるいは入れ子状態)にする事を
芥川は墓の中でどう思っているのか。腑に落ちない事である。
この疑問というか反発は、意外にも1回見ただけで氷解した。(以下のレビューで書きます)
53年に溝口健二が、「蛇性の陰」と「浅茅が宿」を合体させて「雨月物語」とタイトルするのであるが、羅生門の前例があったからだろうか。
上田秋成は、少しムッとしたのではないかと私は邪推する。
さて、「羅生門」の第一印象は、三船敏郎という人の、何はともあれ、そのワイルドな魅力、
ライオンが放たれたような画面の躍動感だ。(こんな人だったのか・・)
女好きの盗賊という役柄ゆえ、その下品さも役作りであろうが、音質の悪いボレロのリズムに乗って、
画面を走り回るミフネ、戦後まだ数年、当時はロクな食料もない時代だと思うが
そのエネルギーたるや刮目させられる。驚いた・・!
もう一人、巫女役の本間文子さん、巫女さんてあんなに激しい動きをするのか、
その身の軽さ!(エナジードリンクもユンケルもない時代に!)
すごい、現代にいたらいいラッパーになったろうに。
そしてさらに驚いた事がある!!驚きのあまり、私はイスから転げ落ちた。
いや、呆れたというか監督何してくれちゃうの?
呆れて口を開けすぎて、アゴが外れるトコだった!
脚本は黒澤明と橋本忍の共作であるが、黒澤の付け足した部分に、橋本や助監督が抗議したというから、私の感覚も橋本に近いものがあるだろう。
しかし、一般常識を凌駕して新しい展開を示したところに黒澤の先見の明というか
映画監督としての才能があったのだ。
では次レビューに続きます。(いつもお目汚しな長文で、スマンです)
わからない
投稿日
2004/05/31
レビュアー
SKY MESSAGE
高校の時だったか、教科書で一度読んだものの全くよくわからずに、そのままにしていました。映画を観て、どんな内容かを確認しようと思い観たのですが、たった今見たのによくわからないといった状況です。情けない話ですが、解説の本やHPをこれから読んでみようと思っています。
モノクロの映像で雨を表現するために墨汁を入れたという話は有名ですね。
「雨の迫力」と「不思議な話」
投稿日
2022/06/08
レビュアー
趣味は洋画
羅生門(1950年、日本・大映、モノクロ、88分)
斬新な構成と、圧倒的な雨の迫力、‘カメラが初めて森に入った’ と評されたモノクロ映像の極致とも言うべき映像美。1951年にベネチア映画祭でグランプリを獲得した本作は、世界映画史上に初めて現れた日本映画です。最後まで殺人事件の真相が分からないという前衛的なシナリオの面白さに加え、大映専属の宮川一夫のカメラが果たした役割は非常に大きいと思います。
平安の乱世。京の都に近い山科の藪の中で、旅の侍、金沢武弘(森雅之)の死体が発見される。検非違使(けんびいし/今でいう警察官のような立場)は関係者である武士の妻・真砂(京マチ子)、及び、盗賊の多襄丸(三船敏郎)を取り調べ、巫女(本間文子)を使って武弘の霊からも証言を得るが、彼ら3人の陳述はすべて食い違っていた。薪を取りに行って事件を目撃した杣売り(志村喬)は、この様子を羅生門の下で、旅法師(千秋実)や下人(上田吉二郎)に語りながら、怖れおののき続けるが...。
...とまあ、ストーリーはよく知られていますが、当初は「羅生門」は難解な作品とされ、興行的に奮わなかったようです。ところが冒頭にも記したとおり、ベネチア映画祭でグランプリ(金獅子賞)を獲得、更にアカデミー賞では最優秀外国語映画賞(後述)も受賞し、一躍、‘世界のクロサワ’ が誕生したのでした。人間のエゴや不信感、不条理などを抉り出した心理ドラマは、欧米の映画ファンの心を掴んだのでしょう。これ以降、多くの日本映画が国際舞台で求められるきっかけとなったのは云うまでもありません。
上述の「最優秀外国語映画賞」ですが、かつては「特別賞」或いは、「名誉賞」という扱い(呼び名)でした。第29回(1956年度)から「外国語映画賞」の時代が続きましたが、第92回(2019年度)から「アカデミー国際長編映画賞」となっています。
さて、映画の面白さという観点から、個人的には「羅生門」は私見10位なのです。
黒澤作品の好きな順位は次のとおり。
@「天国と地獄」、A「七人の侍」、B「悪い奴ほどよく眠る」、C「用心棒」、D「蜘蛛巣城」、E「一番美しく」、F「赤ひげ」、G「生きる」、H「野良犬」、I「羅生門」。
勿論、これら以外の作品も観ていますし、レビュー未投稿の作品もあります。
80年代以降の作品はあまり興味がないので、今後も古い作品を追ってみたいと思います。
本作は出演者の表情がとても豊かでした。特に京マチ子と三船敏郎は「喜怒哀楽」がハッキリしています。大声で「笑い」、「怒り」、「泣き」ます。
ところが、セリフが聞き取り辛く、ボリュームをアップしても語尾がまったくダメでした。
邦画も字幕付きで観る習慣ですが、本作には字幕付機能がありませんでした。
素晴らしい映像を観られるだけでも幸せと思わなねばなりませんね。
絶妙な作品
投稿日
2010/03/21
レビュアー
ひきむすび
朽ち果てた羅生門に打ち付ける雨
今日の糧もなく雨宿りをする3人の影
一人の僧侶が口火を切る
4つの切り口で語る一つの出来事
どれもこれもが それらしく どれもこれもが 食い違う
どうやら一つ本当のことは 誰も彼もが嘘をついている
人の浅はかさ 業の深さをあからさまにし落とし込んだところに
ひょっこりともたげた希望
人は罪深い、それでも良心を 情けを持つことができる
このストーリーテーリングが絶妙で飽きさせません。
とってつけたかのようなセリフと大仰な身振りは
舞踏の一幕のようで いいアクセントとなって面白い。
とてもよくできた作品だと思います。
ひとつ難を言えば 小声のセリフがとても聞き取りにくいこと。
ボリュームを上げては奇声に飛び退く、の繰り返しで
真夜中の鑑賞をあきらめ 子供と一緒の鑑賞でしたが
全く飽きずに食い付いて観ていたのが意外でした。
絶望の中に射す光
投稿日
2008/04/19
レビュアー
高橋 幸二
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芥川の原作では真相は文字通り「藪の中」で、読者に明かされていない。芥川にとって真相など問題ではなく、自己の都合で嘘をつく人間の業の深さを訴えたかったのだと思う。それはこの映画においても、樵が「もう何もかも信じられねえ」と嘆いていることから、同様であろう。
だが黒澤は、原作にないラストシーンを用意していた。人の嘘の醜さを嘆く樵でさえ、嘘をついていたと下人は暴露するのである。凶器の小刀が現場から消失しているのは、樵が盗んだとしか考えられない。それどころか、彼が殺人犯である可能性すらあるのである。
そのとき、赤子の声が聞こえて来る。誰かが羅生門に子を捨てたのだ。乱れた世だからこそ、薄情な親がいる。下人は赤子を包んでいた着物を剥ぎ取って去ってしまう。彼はどこまでも自分に正直だ。自分の欲に従い、それを隠そうともせず、人の嘘を暴きたてる。登場人物の中で彼だけが、嘘をつかない人物である。
雨は上がり、羅生門に日差しが差して来る。樵は赤子を抱き「この子は俺が育てる」と言う。本当だろうか。人買いに売ったりしないだろうか。旅法師は、疑いもしなかった。疑うことからは、何も生まれてこないと知っていたからである。
朝廷の権威は失墜し、羅生門は崩れかかっているが、雨露を凌ぐ用をなしている。子を捨てるような薄情な親もまた、その子に高価な着物を着せてやるだけの慈しみはある。この世に完全なものなど、何もないではないか。樵は、嘘をつき、盗みを働くような自分でさえも、この小さな赤子を守ってやれる力があると気づかされたのだ。
崩れかかった羅生門を背景に、背中に夕日をいっぱいに浴びながら、赤子を抱いて家路につく樵の笑顔の、何と晴れ晴れしたことか。いつまでも降り続く雨がないように、いつまでも続く戦乱もない。いつの日か乱世は終わり、人の心にも救いの光が差すときが来るのだろう。
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羅生門