疑惑

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「自分の都合のいいように嘘をついてばかり」（台詞、律子）の大人たちの中で、唯一と言っていいほど、球磨子だけが終始本当のこと正しいことを発言行動していたと知ると、とことんまで憎めない人物でとても魅力的だとさえ感じました。自分を好きで正直にやり方を通そうとする態度は、最後の二人の女性の会話の場面で、律子も負けず劣らずに誇示するのですが、演技としても押しの強さでも桃井かおりのキャラクターが上等に見える〜そして相手から学べたと意識できたのは律子の方だけでしょうか、、、この人物を演じた岩下さんもまた、仕事の達成という目的意識が張り付いた冷静な横顔と表情を、一貫して表現しきったのはお見事だというしかない、こちらもまた上手（うわて）。

続けて二回観た、そのくらい面白かった。
「砂の器」とはうって変わって、音楽がほとんど使われずにいた、ということが終わってから気がつきました。そのくらい引き込まれる展開だったということですね。（いろいろ観てきた私が先入観を忘れてしまっていたというのが不思議です。）野村監督の揃えた豪華なキャストに大満足の作品です。

正直、私は桃井かおりさん＝女優っていうイメージは今まで持ってなく、ＳＫ�UのＣＭのイメージしかなかったけど、

大女優です。間違いない。

ＣＭのイメージが吹っ飛びました。

桃井かおりＶＳ岩下志麻の大女優のバトルは必見だと思う。

　タイトルに該当するのは、桃井さん演じる悪女『鬼塚球磨子』のことですが、とにかくものすごいの一言。正直言って内容よりも彼女の方が頭に残るくらい強烈なインパクトを頭に残す役でした。

　今まで私がミステリーとして見てきた『氷の微笑』、『ＢＯＤＹ』、『わるいやつら』などに出てくる悪女たちは目に見えない恐ろしさを身に付けていましたが、この映画に出てくる彼女は目に見える悪女・・・。（その意味でナンバーワン）

　目に見える悪女なだけにミステリーに出てくる悪女役としてはいまいちと言えるかもしれませんし、悪女として小物なのかもしれませんが、これはこれで映画の特徴が際立って面白かったです。（ただし、頭はかなり良いようです。）

　そして、肝心の内容ですが純粋な法廷ミステリーです。そして、イントロはこのＤＶＤに書いてあるぐらいのところで十分ではないかと言えると思います。

　また、この事件では清張作品としては珍しい明確なトリックが使われている点も特徴です。

　ＤＶＤのイントロに書いてあるように２人の対決を楽しむような内容ではありますが、彼女（球磨子）のヒステリーや頭の切れ味を楽しむような内容でもあります。（桃井さんの役者としての凄さを見たいならお勧めの一本。）

原作は弁護士が男で、映画で新聞記者を演じた柄本明の役が重要になっている。ラストも全然違って球磨子の復讐を恐れて精神的に追いつめられた彼が、当初はなめていた弁護士が実は有能であるのにあわてて被害を未然に防ぐ為に彼を抹殺する事を暗示する場面で終わっている。これはこれで大変面白かったが、本作は弁護士をきついキレ者の女性にする事で被告人の育ちのいやしい球磨子と対比させた事で別種の面白さと緊迫感が生まれた。又この２人の人選が大成功でお互いに得意とする役所なのでラスト、飲み屋の丁々発止のやり取りは大変見応えがあった。「事件」もそうだが野村芳太郎という監督は法廷ドラマを作ると別人の様なキレを見せる、証人に複数のベテランの役者を配する点も「事件」の成功を踏襲しているのがはっきり分かる。今回は山田五十鈴の役が抜群であり、渡瀬恒彦のポジションが鹿賀丈史にそのまま移行している。本作が余りに出来が良かったので松竹は球磨子で続篇の企画があったが流れた様で、この水準を維持するには相当脚本が練れてないと難しいだろう。

以前に見たことあるような気もしましたが、借りてしまいました。
以下、感想です。


桃井かおり・岩下志麻　の、女優２人を見る映画。
なかなか　対比　がはっきりしていて、面白い。
サスペンス　の部分は、古い映画だから、まあ、それなりかな。

でも、今の時代に見ると、
「球磨子」にしても「律子」にしても、それ程の　猛女　には見れない。
「球磨子」なんて、可愛いもんだと思ってしまった。


しかし、桃井かおりの「球磨子」は、はまり役　だなあ。
岩下志麻の「律子」は、高圧的で高ビーな所とか、いいんだけれど、
あまり、弁護士の役には、合っていない気がしたよ。
（気の強そうな　見た目　そのままだからね。）

あの、上から人を見下すような目線、、、たまらんね、ゾクゾクしたよ。

２人の女の個性をもっと描くために、２人の　濡れ場　なんかをもっと入れても良かったかも。
「律子」が、どんなセックスしてるかなんて、興味深深だー。


善人ぶっている、柄本明の新聞記者　が、どうも　糞　に見えて、しょうがなかった。
森田健作　も同上。

鹿賀丈史　のチンピラ役は、毎度のことながら、いいねー。