エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

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かなりゴチャっとした作品でした。
展開が巡るましく変わり、目を離すことができませんでした。
この点は良かったと思います。
ただタイトルにも書きましたが、ソーセージの指とかお尻にピーとかの表現があり、実写で良かったのか？
むしろコミックで描いた方がもっといろいろな表現ができて良かった気がします。

まあ、実写でここまで踏み込んで描いた勇気や、自由奔放に作りこんだ姿勢は称賛にあたいすると思います。

作品としては、かなり好き嫌いがでると思います。
わたくし的には、まあまあという評価です。

コメディ要素？を入れたせいか、むしろ中途半端な印象になってしまった印象です。
よくあるいろいろな詰め込みすぎた結果だと思います。

わたくし的には、コメディ要素を外し、もっとサスペンス要素を強くした方が良かったと感じます。
エンディングもスケールの割に小ぶりで勿体ない気がしました。
まとまっていると言えばまとまっていますが・・・惜しかったです。

まあ、それなりに楽しむことができました。

潰れかけたコインランドリーのオカミ、エヴリン（ミシェル・ヨー、「グリーンデスティニー」）とさえない夫、ウェイモンド（キー・ホイ・クァン、「グーニーズ」）、そしてガールフレンドがいるちょい太め（失礼）の娘、ジョイ・ワン（ステファニー・スー）が現実とマルチバース（並行宇宙）との間をめまぐるしく行ったり来たりするのであるが、行ったり来たりのルールがあるのかないのかしっちゃかめっちゃかだし、最後までついていけず消化不良のまま見終わった。
向こうの世界では、みんなカンフーの達人になって、ウェイモンドなんかは石のつまったウェストポーチを武器として戦うのであるが、作中では「ベリーバッグ（腹ばっぐ）」と言っているようだった。ウェストポーチは和製英語だったのか？ネイティブと話す時は気をつけよう。そういう機会はないと思うけど。

25と23の娘2人と観てましたが、何が言いたいのか
何を伝えたいのか
どういう映画なのか
最後まで観ても分かりませんでした。

いろいろな出来事がてんこ盛りで、面白かったです。ただ、140分、ちょっと長いかな？

昔の香港映画に「Mr.BOO」があったけど、久しぶりにマイケル・ホイに会えた気分です。
個人的には好きな映画ですが、本当にアカデミー賞の作品賞を受賞したのですかね？
ジブリ作品がアカデミー賞の有力候補だったのに、ディズニー作品が受賞したことを思い出しました。
莫大なチャイナマネーなら、アカデミー賞って買えるのですかね？

カンフー映画じゃないけど、やってる内容はカンフー映画っていう映画が結構たくさんあって、最近の映画だと具体的にあまり名前が出てこないんだけど、昔の映画で言うとチャイニーズゴーストストーリーとか、風雲ストームライダーズとか、題材的にはぜんぜんカンフーとは関係ないのに無理矢理カンフーにしちゃう映画というものがある。
単にそのシリーズで「SFの並行世界をカンフー的に解釈してみた」というのがこの映画です。
ブルースリーとかジャッキーチェンとかと考えてることはまったく同じです。一番近いのはベストキッドかな。
ストーリーの骨格としては「いろんなことをしてカンフー強くなる」という香港映画ではメチャクチャありがちな内容で、要するに楽屋落ち。
「どこまで無関係な内容でカンフー映画を作れるか」っていうギャグなんですよ。
並行世界が出てきた時点でこの映画の使命は終わってます。
そういう意味で面白いんだけど、「カンフー映画がぜんぜん好きじゃないです」って人には響かないだろうなあ。
プロジェクトXとかジャッキーチェンの映画と連続で観たら、コンテクストがわかると思います。
(わかったところで、映画がすごく面白くなるわけではないけれど)
コンテクストがわかっていれば、一発ギャグとして面白いし、カンフー映画好きな人にはまあまあ楽しめるのでは。
変なことをすると別の並行世界に飛べるアイデアはジャッキーチェンっぽいような気もしてきます。
カンヌとかの映画賞の審査員もカンフー映画好きな人が結構いるんじゃないかな。ちょっとニコニコしちゃう気持ちはわかる。