夏への扉　―キミのいる未来へ―

タイムトラベルものって、もうネタは尽きただろうとおもいきや、
「ああ！今度はそうくるのかー！」
と際限なくバリエーションが出てくる。

みる側もそのへんは目が肥えていて、ちょっとやそっとの筋だてじゃ驚かない。

「それって、『ターミネーター』と『戦国自衛隊』を足して、『JIN-仁-』で割って（ジンだけに笑）、『東京卍リベンジャーズ』をかけたような作品ですか？」（そんな作品あったら観てみたい気もする笑）

とか、いろんなタイムトラベルもののバリエーションで組み立て可能だったりする。

なので、今回の映画化で「夏への扉」の物語を初めて知る方からすると、なんか新鮮味の無い作品にみえてしまうかもしれないが無理もない。

原作は半世紀以上前に出版されたタイムトラベル小説の古典であり、元祖にしてバイブル。この作品以降、時間旅行をネタとした小説、映画、ドラマなどは多かれ少なかれこの本の影響を受けているといっても過言ではない。DNAみたく、あらゆる作品のエッセンスに「夏への扉」がちょっとずつ溶け込んでいるのだ。

さて物語は未来へはコールドスリープ、過去へはタイムマシンといったハイブリッド型。

映画化でアレンジはされているものの、無人自動タクシーなど未来のギミックも想定内。原作と違い、作り手の視界の範囲で収めることができる年代は、みているこちら側も想像が掻き立てられない。

予算の都合や、描こうとしたテーマや狙いの違いがあったかもしれないが、タイムマシン食傷気味の時代においては、もっと振り切った原作の再構築が必要かと思う。

ガラスの仮面の紫のバラの人を小ネタに挟み込んだり健闘はしていたけど。。。

唯一、特筆すべきは会社の受付嬢ロボットを好演した中島亜梨沙の演技。ロボットの動きを非常に研究していて、特撮じゃないかと思うぐらい凄かった。そのうち、ハリウッドからスカウトが舞い込むかもしれない。

ーー（余談）ーー

・原作の小説を最初に手に取ったとき、本のカバーもタイトルもなんかおしゃれな恋愛小説のようだったので、中身がタイムトラベルものと知って「まさかやー！」と驚いた記憶がある。

以来、そのタイトルのせいか、夏になるとなぜか読みたくなり（単純ね笑）新装版とか翻訳が変るたびにそのバージョンを読んでいる。

・『過去』へのタイムトラベルは特殊な『録画ビデオ』と考えるとわかりやすいかもしれない。
仮に自分の一生をビデオに録画できたとする。そこには生まれたての自分から、棺おけに入るまでの自分の一生がもろもろ録画されている。いつの時代に巻き戻しても自分がいる。

例えばそのビデオで、中学１年生の頃の顔を編集アプリでニコちゃんマークに整形してみたとする（笑）

編集後、早送りして中学２年生の顔をみてみると、

　「あ！顔がニコちゃんマークじゃない！！」

とびっくりする（はず笑）。

辻褄を合わせるには、編集以降の全ての顔をニコちゃんマークにしなければならない。
これは大変な作業。

けれどそうすると、ニコちゃんマークの顔だと、もしかしたら高校で彼女はできなかったかもしれない、とか、もしかしたら暗殺教室のキャスティングとしてスカウトされ会社員じゃなくて俳優デビューしていたかも、とか、一事が万事いろんなところへの波及効果を考えなくちゃならなくて、わけわからなくなる。

そういうふうに過去を変えると辻褄合わせがとても大変になるので、タイムトラベルの不文律として、

＜過去を変えては駄目。変えると未来が変わってしまうから＞

という暗黙の了解がでてくる。

この暗黙の了解を問答無用で陽気に破って大ヒットしたのが

　「バック・トウ・ザ・フューチャー」

過去を変え、残念な現在を良い現在に変えた。

だけど、そのオキテ破りをもっと先にやってた作品がある。

そう、それが本作「夏への扉」

過去をいじって暗い未来を明るく変えた。
明るい未来への扉を開いたというわけだ。

これは連続ドラマにしたほうがよかったのでは。
連ドラで丁寧に細かく描くの。

映画を見たのは1週間前。そこから扉は開かないままだった。

開けようじゃないか。記憶の扉を。

まず言いたいのは、これ自己満足映画だろ、ってこと。 バックトゥザフューチャー好きなのはわかるけど、わからない人には何これ？な小ネタが多すぎる。

ストーリーも複雑すぎる。バックトゥザフューチャーは偉大だ。複雑だけど面白さで乗り切ったのと違い、本作は面白さはなくただただ無風。 ただただネタをぶっ込んだだけで、風は起きない。

ピートのくだりもあまり意味がないのもマイナス。藤木直人はギャグ要員か。

☆2つ。 LiSAの曲は良かった。

清原果耶目当てで見たのですが、面白かったです。
1957年に書かれた原作で、2025年の世界が描かれています。車の自動運転やAIロボットの進出は進みつつあるけど、さすがに紙幣が無くなり、全てスマホ決済になるのは、当分先になりそうですね。
タイムマシーンで時空を超え、過去に戻ることが出来るけど、未来へ行くには、冷凍睡眠なのですね。

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