引っ越し大名！

星野源主演「引っ越し大名」を見ました。共演高橋一生、高畑充希、及川光博、松重豊、西村雅彦、なぁんとピエール瀧も出てましたよ

姫路城藩主松平直矩。いきなり日田藩と７万石の減俸（？）を命じられる
引っ越しは莫大な費用もかかり、家臣もリストラしなくてはいけない

ひょんなことから引きこもりの片桐春之助が、引っ越し奉行に命じられるが。。

国替えの苦労、様子が描かれていますが、まあ、そこそこ面白いエンターティメントです

最後まで藩士を見捨てないとかいう要素も描かれていましたが、誰がよかったって、やっぱり高橋一生君でしょう
彼の最後のノリノリ殺陣とか、おおらかなキャラクター、それがあったからこそ、春之助も立派な引っ越し奉行を務められたんだと思わせる描き方でした

マジ、一生君はハンサムなだけじゃないぞ！！（大河ドラマでまじほれちまったぜ笑）

終始、前向きで明るく作ってあって、ラストのほうは引っ越しその後を描いてますが、
春之助が人として、藩士として、成長したというエピソードなんですね

まあ正直、途中の歌はいらんかな（コレコレ

キャストも豪華ですし、まあ、そこそこ面白いエンターティメントですよ。（時代考証がなかったような気がする）

をおもしろおかしく描く。星野源自身が武士らしくないのがいい。最後はお涙頂戴。

引っ越し大名に選ばれた片桐がどうして良いか分からずウジウジするシーンが序盤続いて観るに堪えないけど、よーし！やるぞ！となってからの展開が気持ちがいい。
藩主はじめ、気持ちの温かい人達が多く出てくるのでラストシーンでは、この映画を観て良かった！！！！と胸が熱くなる。

鷹村の役は本来であれば長身でゴツゴツしている所謂パワー系の外見が合うところを、中性的な魅力の高橋一生が演じているところがミスマッチでそこがまた良かった。

本格的な時代劇より現代風にアレンジしたエンタメ時代劇が多くなってきた最近の傾向だが本作も大名の国替えに伴う引っ越しを題材にしたお話で参勤交代よりもスケールは大きい。
モデルになっているのは実在の大名、松平直矩で時代は将軍家綱の御代であろう、後に将軍綱吉の代になって巨大な権力を手中にする柳沢吉保のお誘いを断ったことから理不尽にも兵庫、姫路から九州大分へ減俸のうえ国替えを命じられることに。
この途方もない費えを必要とする一大プロジェクトを誰が差配するのかで議論百出、誰も手を挙げない。
武芸自慢の高村源右衛門の推薦で書庫番である片岡春之助がなんと「引っ越し奉行」に任命されることに。
日の当たらない書庫で毎日本を読んでいる春之助は「かたつむり」と揶揄されている気の小さな男、人前ではロクに口もきけない性格ながら、断れば不忠者として腹を切れと迫られる。
現代で言う「サラリーマン残酷物語」である。
達成困難な仕事を無理やり押し付けられ失敗すれば責任を全て背負わなければならない、でも腹をくくった春之助は強い、前奉行の娘の助も借りてプロジェクトへ取り組む。
「金策」「家財減らし」そして「人べらし」に経費削減が当面の課題、ここから春之助の人としての魅力が船を進める。
「武士」が偉い、「男尊女卑」が当たり前という意識を捨て、町人の前でも素直に頭を下げたり女性の意見を重宝する、なかなか出来ることではなかろうが自然にそれが出来るのが彼の魅力、最初はオドオドしていた彼がだんだんと自信をつけ強くなってゆくところが面白い。
一番やつかいなのが「人べらし」リストラ宣告なのである。
止む無くリストラを告げる人事部長の心境と同じなのだろうが、再雇用を待つまで百姓をしろという説得、刀を捨てて鍬を持つことなど武士のプライドが許さないところを心をこめた春之助の説得が続く。
今まであまり触れられたことのない題材の面白さと、全体を通じてほのぼのとした心地よさ、ほどよく笑いを誘うコメディー感なんかがが良く出た作品である。

出演者の人達の演技が良かったです。高橋一生さんがいつもの感じの役柄と違ってはじけてる演技が新鮮でした。
時代小説は母が好きでよく借りて読むけど結構面白くて好きです。
引越しって一家だけでも大変なのに国ごとだとどれだけの大変さだったんだろうと想像もつかなかったです。
その大変さを知れて面白く描かれてるのが良かったです。