アメリカン・アニマルズ

「実話ベースでなく…」とハッタリかましてスタートする作品。さらに冒頭から腕に酔ったような技巧的な映像をブチ込んでくる。やりすぎじゃねーのなんて思っていたら、さらに俳優再現映画部と実話本人インタビューを混合し始めるという自由奔放。

あまりの変則に拒絶反応が出そうになったんだけど、これがどうしてどんどん引き込まれていく。ハッキリと上手い。途中にちょいとアクセント入れ込んで最後に回収する小技表現なんかはほんと感心。

「なぜ普通の大学生が？」なんてテーマは正直映画として大して面白くもないので、この映画の表現方法だからこそ、ここまで面白く鑑賞できたように思います。

監督デビュー作だそうなので、次回作が技巧で来るのか王道展開で来るのかまで含め楽しみです。

本人たちが出ているので驚いたけどとても犯罪を起こすような感じではなかったので驚きました。
ドキュメンタリーで見ていたので知ってはいたけどやはり映画やドラマと違って現実に犯罪を犯すのは難しいことなんだなと改めて思いました。

な犯罪にあきれた

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自宅だと、どうしても中断して何回かに分けて数日で観ることが多いのだが、本作はこの犯罪グループが逮捕される結果は分かっているが、どういうオチをつけるのか興味深々となって結局ラストまで一気観みしてしまった。中々こういう作品に最近遭遇しなかったのでそれだけ緊張感を持続させた監督、脚本が上手かったのだろう。その手際に感心した。実際にあった図書館の高価書物強奪事件との事でユニークなのが刑期を終え出所している4人の犯人各本人、その家族、更に被害者の図書館の司書のおばさんまで画面に登場してストーリーの合間合間にその心境をコメントさせるやり方に、成程上手い事言考えたなと感心した。しかも、犯人役の役者が行動中の画面に、犯人本人が同じ画面で状況を見つめている映像の遊びがあったりして面白いアイディアだ。犯人グループ４人に同情の余地など全くないが人間の愚かさを見せつけている様でこういう映画もあっていいと思う。前半こいつらが犯行を計画している描写では一体どういう戦略で実行するのかと興味があったのだが実際犯行時のシーンになったら確実性の薄い行き当たりばったりにほぼ近い愚かで無様なド素人の犯行を晒してしまう。この主犯の男役の役者が「IFもしも」「時計じかけのオレンジ」の頃のマルコム・マクダウェルによく似ているのだ。(相方の主犯の男優はどこかで見た顔で何だったかなと観ていてそれが気になってしまい途中でそうか、クリストファー・ノーランの「ダンケルク」で救助に向かう英国の漁船に乗っていた親子の運悪く死んでしまった不幸な息子役の男の子だと気づき楽になって映画に集中出来た。)　この監督がどういう経歴か知らないがおそらく若手なのだろう。本作はアイディアの勝利だが次回作が地力が本当にあるのか勝負となる。「シックス・センス」のMナイト・シャマランみたいにならない事を願う。