レジェンド　狂気の美学

なんかこう…もっと暴力的で血生臭い演出盛りだくさんなのかなと
思ったんだけど…なんだかシリアスな場面も
ちょっとコミカルにさえ感じてしまうという…ノリの軽さ。
そして恋愛映画だっけ？っていうような展開が目立つ。
まあ恋人の目線で物語が進むせいもあるかもね。

しかしですね、何が恐ろしいって
トム・ハーディーの格好良さですよ！！もちろんレジーの方。
心鷲掴みされちゃうでしょ〜あの表情あの声色は。
ロンとの演じ分けが凄いけど、レジーの方がトム・ハーディーっぽくて
そっちに目が言っちゃう。ほんと格好いい！！

ギャング映画としては迫力不足だけど、話の展開は飽きさせない内容だし
トム・ハーディーだけで十分楽しめたので満足。

1960年代イギリス、ロンドンを暴力で制圧していた実在のギャング双子のレジー、ロン・クレイ兄弟を描いた実録物でトム・ハーディーが一人二役を演じている。
頭脳派で表のビジネスにも長けているレジー、しかし組織を支配しているのは狂気以外のなにものでもない。
ヘマをした手下に笑顔を向け、途端に豹変してパンチを叩きこむ、彼は政治家やセレブ層を取り込み、アメリカンマフィアとも手を握って勢力を拡大してゆく。
いわゆるやりたい放題である。
そんな彼が部下の妹フランシスに一目惚れ、遊びのつもりで手をだしたのかと思いきや意外に真剣、日本の極道社会では親分の妻は「姐さん」と奉られ、贅沢三昧をしながら親分を支えるのが一般的のようではあるが、フランシスはレジーに表のビジネスだけに専念するように切望する。
一方のロンは自ら同性愛者だと公言し、誰にもとめられない不安定な感情を突然爆発させ組織をピンチに追い込んで行く。
フランシスとの約束を守りたいレジーではあるものの兄弟であるロンとの絆を断ち切ることはできない。
すれ違って行く二人の愛、死ぬほどレジーを愛しているフランシスだがやはり普通の夫になり切れない彼とのどうしようもない距離に悩みクスリに逃げ場を求めてしまう。
ロンとレジーとの間に生じた亀裂はついに組織を滅亡の道へと導いてゆくことになる。
狂気の美学で築いた繁栄が狂気の暴発で崩れ去って行くのはギャングのボスの末路というものだろう。
ちよっと変わった視点で捕らえているギャングストーリー。

ギャング映画っていうのはこういう事だったっけ。という映画。
若い無軌道なギャングが肝っ玉と向こう気でのし上がっていって、
裏切りや油断から破綻するまでを描いたという意味でならギャング映画。
教科書通りなのにもう一つ面白くない、問題はキャラクターが活かされていない事か。
スマートな兄と粗暴な弟のコンビは設定自体は優れたキャラクターで、
外れのない映画になることを期待させるが、製作者も期待しすぎたようで、
時系列に出来事を並べただけの内容。面白いシークエンスは二つか三つ。
一人二役は見事だったけれど、そんなんいいから面白いのを頼むよ。

1950年代にロンドンを牛耳っていた双子のクレイ兄弟。
実際には、映画以上にエゲツナイことをしていたようです。
また、ファッションリーダーというか、セレブのようにロンドン中から
一挙手一投足に注目があつまり、
著名人との交流も深かったと記録がある。
簡単に言うと、チヤホヤされてたギャング。

弟ロンのいかれっぷりがすさまじく、
その狂気にひっぱられたカタチになった兄レジーと映画で描いているけど、
結局はどっこいどっこいだったと思う。一卵性双生児だから。

妻の視点から映画いているのがおもしろいのと
双子役をトム・ハーデイーがちゃんと演じ分けているのがおもしろい。

ギャングの話なので、内容はまあありきたりかなとは思いましたが、トム・ハーディの色気がすごくて、めっちゃかっこよかった。