ペーパーボーイ　真夏の引力

ニコール・キッドマンの超ビッチぶりといい
マシュー・マコノヒーの隠れた変態ぶりといい、演技に凄みがあってドキドキしました。
そしてザック・エフロンはもうアイドル役者は卒業でしょう。
何より、ジョン・キューザックの怪演ぶりは、キモイ、キタナイ、キジルシの３Kで、怖いくらいの演技でした。
私の大好きだったジョンはもうここにはいません。
こんな怖くてキモイ男、ごめんです。

真実は何処にあるのか、何だったのかはあまり重要ではありません。
人間の奥底に見え隠れするドロドロとした欲望、
それは出世欲であったり、名誉欲であったり、名声欲であったり、性欲であったりするのです。
そんな人間の欲を演じる役者陣の体当たり演技には、思わず目が離せなくなる映画でした。

映画を見た後に頭に浮かんだ言葉は「陰惨」
豪華キャストの演技は必見だけど、楽しくなる映画ではありません。
見るのにはある程度の覚悟が必要です。
それぞれ役者さん達の気合いの入れ方が半端なくて、なんでここまで！？と思うほどでした。

特にニコール・キッドマン。
あんなことまでやるとは・・。
それなのに無理してる感がないのがさすがです。

そしてザックはやっぱりこういう若造役がよく似合う。
前の無理して大人路線を狙ったのよりよっぽどいい。
いつか大人な役が似合う日も来るだろうから、青臭い役が出来るうちにやっといていいと思う。
ブリーフ姿がなんともいえません・・。

暑い日に見たので、ますますあの沼地のべっとりした雰囲気がリアルに感じられました。
結構グロい場面も多いので、苦手な方は要注意です。

かなり前にハルベリー出演の「チョコレート」という映画を見て
セックス描写のリアルさと必然性に感動したが
その製作者が監督したこの作品も、基本的には同じ印象である。

とにかく色々な形で欲望=性欲をむき出しにした人々が
それぞれのやり方で自分のはらわたを提示する映画
（暗示的に、劇中でワニの腹を裂くシーンが出でくる）

チョコレートでは主役2人の生が
セックスの中でとてもリアルに表現されてて
感動的な作品のコアとなってたけど、
この映画ではハードなシーンも、
ただの露悪趣味にしか思えなかった。

結局延々と内臓を見せられただけで、
見終わっても、何も残るものがなかった。

役者の熱演っぶりが評価されてるけど、
自分はむしろ、その技巧が鼻についた。
二コールキッドマンは「誘う女」の方がはるかに悪女で、
今回はただのバカなピッチ。
でもその分哀愁があるのは、狙い通りなのかもしれないけどね。

それぞれの役者が汚れ役を熱演する姿を、それぞれのファンが楽しむ映画と思います。

ぬかるみって
汚れたくないから
足場を確かめて
慎重に足を進めます
安定する位置を確保
そこに立ちます
グラグラしない
割と安定
でも、安定してるからって油断して
立ち尽くしてると
いつのまにか
安定したまま沈んでます
知らない間に
静かに沈んでます
汚れてます
この物語にはそんなイメージを持ちました。
それが面白い、面白くないは別として
そして、面白くないです。
ちっとも面白くないです。
これでは
無駄に豪華だねっていう
キャスティングいじりをしてしまいたくなる
こうなってくると
その若さがアダとなって
もう少し年齢を重ねたら
美貌のアンバランス感が出てくるのでは？
と、心配になるザック・白ブリ・エフロン
存在感あるのかないのかイマイチ掴みどころがなかった
マシュー・プリ尻・マコノヒー
その曲線がアンビリーバボーにアーティスティックで
一目で「犯罪者」と断定できるヘアーだった
ジョン・外ハネ・キューザック
はい、存在がエロバービーだった
ニコール・ビッチ・キッドマン
濃い〜〜〜〜ですが
なんか焦点ボヤけててノリ切れず
それにしても南部の夏のって
けだるさが似合います。
似合いすぎます。
沼地の湿気と閉塞感
それなのに足を踏み入れたくなる誘惑感
おかしくもなるよなぁ・・

……ん？
結構前評判、よくなかったっけ？

キャラクターのクセ者っぷりが見事で、確かにぐいぐい引き込まれるものの、
ラストに向かうにつれ、肩すかし感満載に……

ニコール・キッドマンのビッチっぷりは噂通りよかったけど、彼女のキャラが意外なほど浅かった。あ、あれ？って感じ。
マシュー・マコノヒーはすっかり気持ち悪い男になっちゃって、怪演と言える。