スープ　〜生まれ変わりの物語〜

「親孝行、したいときに親は無し」
というフレーズを目にしたことのある方
たぶんいらっしゃると思いますが
これに続きがあることを知る方は
少ないのではないでしょうか
続編は
「さりとても、石に衣は着せられず」
と言います
親亡き後
どれほど孝行したくとも
墓石に着物を着せても仕方がない
という内容です

さてこの作品
あの世　（死後の世界）　を舞台に
生まれ変わり　（輪廻転生）　を使って
親子の愛情を描いた作品ですが
やっぱり
父と娘
なんですねえ
母と息子
父と息子では
こういったきれいなドラマにならない
葛藤が先に立ってしまう
というのは
自分の親子関係を顧みても　深くうなづけます

ともあれ
ユニークなキャラクターを随所に配し
楽しめる作品になっていたと思います

もし僕が生まれ変わるとしたら
石井さん　（松方弘樹）　の続世
瞳ちゃん　（広瀬アリス）　にものすごく惹かれます
男前の美形
いいなあ　

元の書籍は かなり怪しげなスピリチュアル本でしたが、
映画の方は 意外にも爽やかな良作でした。

娘を残して死んだ男が、現世の記憶を残したまま 来世に生まれ変わり、
もう一度 娘に会おうとするお話です。

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これ、すごくいい映画でした。
びっくり。
劇場にいくタイミングが合わずＤＶＤで観ましたが、結構深い。

突然死んだりして心残りがあるとやっぱいろいろあるよね。

これは死んだ側も生きている側も、生まれ変わってからもいろいろストーリーがしっかりしてて、キャラが立っているのがよいと思う。
生まれ変わったあとの高校生になった話もさわやかでよい。おすすめです。

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以前、原作本を読んでおり、素人レベルの文体に延々と同じ話を繰り返すスカスカな内容だったのでがっかり。全く期待しないで観ました。
キャストが豪華だったので、あんなしょうもない原作をどうやって映画にするつもりなのか怖いものみたさで。
これは、原作の『死後のスープ』というプロットだけを拝借した完全なオリジナルストーリーです。
原作者の名前を出す必要性は全く無く、大塚監督の作として公開しても良かった内容です。
先に原作を読んてしまった人は本作に対して先入観を持ったり観る気にならないと思われますから、
本作公開時に大した話題にならなかったのも原作がマイナスになっていたのだと想像出来ます。
ほとんどの男性は生瀬に、女性は小西に容易に感情移入出来る、否応にも感情移入させられる、
後悔と自責の念に嘖まれる頼りないキャラクターであり、その細やかな設定、脚本と演技力のレベルの高さに感心させられます。
なぜか出演者欄に記載がありませんが、松方弘樹が最重要キャラです。
本作をエンターテインメント性溢れる魅力的な作品に仕立てているのは彼の功績が大きい。
死後世界を現世と同様の空間にしてしまった点は強引な設定で、作品を平易にしてしまいましたが、
死後世界が物質世界の延長であるという理論を提案しているのでしょう。
映画は生まれ変わりというスピリチュアルな現象を扱っていつつも、スピリチュアル感で片付けるのではなく、
現実世界の記憶と場所を持ち込み、時系列を破綻させすがにリアルに進行させています。
どんどん先の読めない展開になって行き、時は流れて最終的にキャストが一新してしまいます。
“ぶつかった拍子に男女の心が入れ替わった学園ドラマ”みたいになってしまったのは本当にまさかの展開ですが、
再会と喪失のドラマにじんわりと心を打たれます。展開が早く速やかに心をつかむのが上手い脚本です。

記憶を持ったまま新しい人生を素直に受け入れる人なんているでしょうか?
そんな疑問を残した作品です。

生瀬勝久・小西真奈美・刈谷友衣子が出てるから観ようと。という動機で借りました。
でもシナリオ的には胡散臭さと価値観の押し付けがテンコ盛り? と思ってました。
しかし、そうでは無かったですね。
決して　押し付けがましい所はなく、淡々と粛々とそして堂々と作者と監督の世界観が表現されていたと思います。
良い役者の良い演技が随所にありました。
松方弘樹さん　若い頃から本当に遊びまくったんでしょうね。だから、クラブのシーンで、あんなに弾けた演技が出来るんでしょう。
良き時代を一流の役者として生きてきた人だからこその演技でした。
大後寿々花　『サユリ』の頃からの注目株でした。今回は、どこか暗いんです。何故か重いんです。その理由は、後半になると判ります。それをしっかりと演じ切ってました。
その他にも、主演の方々も含めて、個性的な役をちゃんと演じきっていましたね。
大作ではないですけど、作りこんだ名作だと思います。