未来世紀ブラジル

かつてこの映画をみて強烈な印象を受け、あのくり返し流れるララララララララーという「ブラジル」が耳について離れなかったものです。陽気な曲のはずが、暗澹たる未来を予感させる曲に暗転するラストシーン…。

「ブレードランナー」と「未来世紀ブラジル」は、SF映画を語るとき、はずせない2本です。ぜひ一見を。

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私はSFファンタジーは見ないんだけど、近未来ものは好き。近未来を描く作品って、やっぱり監督の描きたいものや考え方が最も如実に出るんじゃないかな、と思うから。時代をどう皮肉るかっていうのは、今のその監督の考え方そのものだし、未来に何を見いだすかってのはその監督の願望が込められていると思う。

そういう意味ではこの作品にはテリー・ギリアムのブラックユーモアがふんだんにあふれていて、彼がとことん笑い飛ばしたいものに共鳴できれば楽しめる。例えば「書類と手続き」だったり「女性の整形願望」だったり。美術も近未来を描く場合は、監督のオリジナリティが存分に発揮されるところで、今作ではタイプライターや旧式のエレベーターなどレトロなものが効果的に扱われていて、見ていて楽しい。

暖房器具のモグリの修理屋ロバート・デニーロの唐突な登場がおかしい。そして、私がいちばん気になったのは「ダクト」。近未来はなんでこんなにダクトだらけなの？あのね、実はうちの小学生の息子も未来の工場の絵なんかを描くとやたらとでかいダクトが出てるのね。なんかダクトって男性のハートをつかむアイテムなんだろうか（笑）。まあ、そういう奇妙なシンボルが示すシュールな世界観を楽しむのがこの作品の醍醐味でしょう。

ただ、全体的に冗長で143分は長い。特に夢のシーンは今見るととってもチープに感じて、退屈。昔見た時は、もっと過激な作品だと感じたはずなんだけどなあ。ラストシーンの驚きがなければ、この長さはつらかった。ラストシーンで救われました。

有名だけど見ようと思いつつなんとなく後回しになっていました。
が、しかしもっと早く観るんだった！
ひと昔前の近未来感、アナログ感があり単純に映像だけでも楽しめるとおもいます。
とはいえ万人受けはしないかも。
ジュネ＆ギャロの『デリカテッセン』『ロストチルドレン』またはリュックべッソンの『最後の戦い』あたりを楽しめる方には見ていただきたいです。

最初の10分程度で面白いと思えない人にとっては、おそらく苦痛の2時間20分という映画。管理社会をシニカル描いた映画ですが、ストーリーが云々とか分かる分からないの世界ではなくて、テリー・ギリアム監督が描く映像の世界に溶け込めるか拒絶反応を覚えるかがこの映画のすべてだと思います。

近未来を描いていますが、セットはレトロな雰囲気を漂わせていたり、登場する諸々の物がやたらにアナログに徹していたりと面白いです。事件の発端も、叩き落とされた一匹の虫がタイプライターに落ちたことによって、タイプミスが起こったというきわめてアナログ的な事柄です。突然憧れのヒーローとなる夢の世界に入り込んでしまったり、大魔神さながらの侍騎士と戦ったり、壁から突き出した一つの机を隣の部屋の人物と奪い合ったり…。笑えるというような物じゃないですが、情報省が管理する絶対的な管理社会の中で、生きているのは極めてアナログな人間なわけで、そのアンバランスさから管理社会のナンセンスさを感じるとでもいうようなものでしょうか。ラストシーン以外は、もしかしたらすべて夢の中の話かもしれないと感じてしまいました。

しかし、2時間20分はさすがに長いです。ストーリー的には気になる女性を救うために様々な困難を乗り越えていくわけですが、そんなに面白い話ではないので、いくら独特の雰囲気を漂わせる映像であっても、映像のイマジネーションだけでは少々中だるみを感じてしまいました。5段階評価は、3。

本作と「ブレードランナー」といばＳＦカルトの代表作と言われ、この二作品でよく上映されてたような記憶があります。ハマる人には、この上なく素晴らしい二本立てなんでしょうけど、ダメな方には苦痛の長時間ですよね（笑
私は、学生時代に「ブレードランナー」を観て馴染めず以来、つい観そびれて２０数年。中位にリストインしてましたが、配送されてしまったので（笑　とりあえずチャレンジしました。
物語は、情報至上主義の近未来社会を皮肉たっぷりに、ブラックユーモアを散りばめて描いたラブ妄想サスペンスといったところでしょうか。夢のシーンも世界観もかなり独特です。日本傘、武者などジャパニズム（笑　もチラホラ。翼の騎士なんてメイクも衣装も、いかにも監督らしい（笑
長い長い二時間半でしたが、きっとラストはいい感じで締めてくれるのかと思ってたら・・・唖然・・・
うーん、どう解釈すればいいのか。現実はどこから？　夢（妄想）はどこまで？　ええ・・？
ブルーな気分になりました（笑　マニアックな映画が好きな方にはオススメかと。ダメな方にはダメですね。