ステキな金縛り

あらすじを書こうとすると　どこをいじってもネタバレになりそうで
それに　あらすじって必要？

面白さは保障するので　まず見てください
この作品を　つまらん！　と切って捨てるのはよほどの…
あ　法曹関係者に居るかもしれない

ポイントをいくつか

六兵衛さんがエミに確認してました
「これは　裁判員裁判なの？」　って
天正年間の幽霊が証言台に立つ　という設定からも
この確認作業からも
人が人を裁くことの危うさ　を発信です

幽霊が見える人
あまり順調な人生を過ごしていず
最近死を間近に感じ
シナモンを好む…
シナモンはまあさておき

裁判に勝って仕事が軌道に乗りそうなエミは
もう六兵衛さんが見えません
痛みを感じているうちだけ
幽霊が見えるんですね

順風満帆の人には
陰や影は目に入らない　ということですか
三谷監督　順風満帆だと思うんですが　
離婚以外は　か

見える物だけが世界じゃない
死後の世界だって　世界だよ
ポイントさえうまく使えば　行ったり来たりもできるしね
と　なんだか気が楽になるメッセージもあります

でもねえ
面白かったり　きれいだったり
こちらの都合の良い幽霊ばかりじゃなさそうだし
やっぱり　幽霊　見えなくていいや

生瀬さんをはじめ
贅沢な短時間出演の俳優陣
作りこんだ感じのセットは
マジックアワーに勝るとも劣らぬ厚み
笑いの回数はここ数年で最高レベルでした

皆さん、金縛りにステキな思い出がありますでしょうか？

わたし、生まれて初めて金縛りにあった時のこと、ついさっきのことのように思い出せます。
あれは中学生の試験勉強で疲れ果てた夜でした。
突然目が覚めたと思ったら、体が動かない。声が出ない。みぞおちあたりが、重い。
勇気を出して目を開けてみると、

”落ち武者の格好をした武田鉄也がわたしにまたがっているではないか！！！！”
”しかも、めっちゃ強風にあおられているではないか！！！！！”

こんな、わたしの金縛りロストヴァージン、すてきでしょ？

で、この作品には運命を感じずにはいられないでしょ？そうでしょ？


『ＴＨＥ有頂天ホテル』は劇場で観てずっと爆笑で、毎年年末に観たくなるくらいだいすきな作品なんですが、『ザ・マジックアワー』は、どうしても「イラッ。」っとしちゃってダメだったんです。
さて、今回はどっちに転ぶか、ちょっと不安でちょっとわくわくしてました。
たしかに！たしかに！たしかに！
かぶせていきますけど、KASPARさんとパープルローズさんの言うとおり、映画館で観たらきっと断然よかったんだろうなって思いました。
飽きずに観れたしおもしろかったんですけど、ぜったい映画館でわいわい観るべきのステキな映画なんですよね。
だって、『有頂天ホテル』も映画館で友達といっしょにお腹かかえて笑いましたもん。

”映画館でお腹をかかえて笑う。”

これって、とびきりしあわせな出来事だと思いませんか？

それができる三谷ワールドはやっぱりだいすきです。

しあわせを運ぶ、三谷のステキな世界。

次回はぜったい！！！映画館！！！

この言葉を初めて目にした人は決していいイメージを抱かないと思います。
でも、私はこの言葉がとても好きです。
親が危篤と聞いても、笑って舞台に立つ、その意気。
私にとって、そういう生業にすべてを捧げた覚悟が沁みるのです。

だから、
また、阿部寛氏。そして、中井貴一氏。
私が興味をもった作品にかなりの確率でご出演なされている。
神経に触るせいか、何にでも出てくる気がして、ゲンナリしてしまうのです。
とにかくお二方とも、何の役をしても同一人物にしか見えない。
口からピンポン球を次から次へと出すのが役作りですかー？

気に入らないなら観るなよって話ですが、
作品への興味のほうが上回るので観てしまう。
そして、作品を楽しめれば楽しめるほど、
こんな方々がこんなにいい作品に出演できるなんて、
と、少しだけですが、納得しきれない感が残ってしまいます。
などとクドクド書きましたが、お二方とも厳しい世界でここまでご活躍されているということは、
私などには理解できない魅力があるのでしょうね。きっと。

作品自体は、私にとってあまり好ましくない２人と、
好ましい２人、深津さん・西田さんが主軸で展開するので、
プラスマイナスゼロのはずですが、かなりプラスでした。とても楽しかったです。
贅沢をいうなら、終盤失速感があったのが残念でしたが、
１４０分という長さを感じさせられませんでした。
それは、楽しめたから、に他ならないです。
発想・設定・脚本と、深津さん・西田さんの演戯力が
前述２人のゲンナリイメージを凌駕したのだと思います。

それから、やたらキャストが豪華です。
主要キャスト以外は顔見せ程度の友情出演かと思うほどのチョイ役ながら、
やっつけ仕事とはとても思えない演戯をみせてくれています。
これも、プラス要素だった気がします。
エンドロールのキャストの順番が、登場順だったのは
全員主役で、全員脇役という意味でしょうか。
なんだかいいなーと思いました。

舞台にはあまり縁のないわたしですが、三谷作品の映画はほとんど全部見ています。
前作の「ザ・マジックアワー」では、ギャングのボス役で、喜劇役者としての才能を封印されていましたが、
今回は落ち武者幽霊更級六兵衛役で、画面いっぱいにはじけています。
現在活躍する日本最高の喜劇役者さんではないでしょうか。
おもしろすぎて、自分の中の笑いのツボのボタンがおかしくなってしまい、映画が終わるまで腹が引きつるほど、笑いっぱなしとあいなってしまいました。

それにしても、豪華な出演陣。
三谷作品にはおなじみの面々あり、あっと驚く配役あり、これまでの三谷作品を観た人なら、フフフとほくそ笑む配役など、
いろんなツボがあります。
中井貴一さんは、申し上げるのも恥ずかしいくらい素晴らしい俳優さんですが、この作品でもさすがですね。
インテリな嫌味野郎がなんとはまること。
三谷映画の新しいミューズになりつつある、深津さんもかわいいし、彼女と主要メンバーで歌う主題歌がとても好きです。

わたしは、初見が映画館ですが、映画館で見る方が楽しいと感じる映画のようです。
ご自宅でみるなら、大人数で笑いを冗長させながら見るのがよいでしょう。
いくら金縛りの映画だからと言って、夜中に小さな音で見ても、これっぽっちもおもしろくありません。

やっぱり
ひょろひょろ阿部ちゃんのキモさと、おハゲの生瀬さんが、即効ツボゲット！！♪

幽霊がまさかの法廷にっ！！っていう
奇想天外な展開を、どこまでもどこまでも、追及して
見えるあなたも
見えないあなたも
さぁ、ご一緒に
金縛りなんて怖くない♪

気が付けば裁判長目線で
「で、で、どーなのよっ！？」って、思いっきり興味津々だったわけですが
肝心の、事件の真相ってのが
いまいちパンチ不足で、終盤失速気味だったかな・・・

でも
ご先祖様はどこかにいるっていう、心温まるエピソードが十二分に活かされて
どこか優しい気持ちになれたのも事実です♪

そして
中井貴一さんは、紳士。である。



これを観て思い出した、どーでもいい思い出を１つ・・・
娘のプール教室で、ママ友が、ちょっとおハゲの人と、髪の長い人を連れて来てたので
「あっ、今日は、爺ちゃん婆ちゃんも来たんだね〜」
なんて言ってたら、ママ友爆笑・・・
そして
「あれ、うちのダンナと、ダンナの友達！」
ガビ〜ン！！
おハゲの人は、ダンナ様だった・・・
見かけで判断してはならぬ・・・
入る穴を必死で探した・・・

っていう、どーでもいい思い出で・し・た♪