マンディンゴ / ジェームズ・メイソン
マンディンゴ
/リチャード・フライシャー
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全体の平均評価点: (5点満点)
(13)
解説・ストーリー
19世紀半ばのルイジアナの大農園を舞台に、奴隷問題にメスを入れたK・オンストットのベストセラーを映画化。牧場のように黒人奴隷を育て売買する農園主マクスウェルとその息子ハモンド。ハモンドは名門の娘ブランチと結婚するが、彼女が処女でなかったために怒り狂い、愛情を美しい黒人女に注いでいた。そしてブランチは、夫のお気に入りである“マンディンゴ”と呼ばれる優良種のミードを寝室に引き入れる。やがて黒人女はハモンドの子をみごもり、ブランチは黒い赤ん坊を産み落とす……。
19世紀半ばのルイジアナの大農園を舞台に、奴隷問題にメスを入れたK・オンストットのベストセラーを映画化。牧場のように黒人奴隷を育て売買する農園主マクスウェルとその息子ハモンド。ハモンドは名門の娘ブランチと結婚するが、彼女が処女でなかったために怒り狂い、愛情を美しい黒人女に注いでいた。そしてブランチは、夫のお気に入りである“マンディンゴ”と呼ばれる優良種のミードを寝室に引き入れる。やがて黒人女はハモンドの子をみごもり、ブランチは黒い赤ん坊を産み落とす……。
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「マンディンゴ」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
19世紀半ばのルイジアナの大農園を舞台に、奴隷問題にメスを入れたK・オンストットのベストセラーを映画化。牧場のように黒人奴隷を育て売買する農園主マクスウェルとその息子ハモンド。ハモンドは名門の娘ブランチと結婚するが、彼女が処女でなかったために怒り狂い、愛情を美しい黒人女に注いでいた。そしてブランチは、夫のお気に入りである“マンディンゴ”と呼ばれる優良種のミードを寝室に引き入れる。やがて黒人女はハモンドの子をみごもり、ブランチは黒い赤ん坊を産み落とす……。
「マンディンゴ」 の作品情報
「マンディンゴ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
マンディンゴの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
123分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
IVCF5437R |
2012年04月03日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
9枚
|
0人
|
0人
|
マンディンゴの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
123分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
IVCF5437R |
2012年04月03日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
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0人
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ユーザーレビュー:13件
僕の素晴らしい映画 その96
投稿日:2012/05/06
レビュアー:よふかし
どうしてもキワモノ的な見方をされてしまうと予想しますが、あらためてdvdで観直してみると、やはりこれは傑作です。これも町山智弘「トラウマ映画館」に取り上げられていますが、テレビでもよく放映されたし、ビデオも出ていたので、何度も観た作品。前掲書によると大ヒットしたテレビドラマ『ルーツ』の前年であったそうで、便乗企画というわけでもなさそうです。
製作のディノ・デ・ラウレンティスはこの頃、『キングコング』や『バラキ』や『狼よさらば』で世界マーケットを席巻(?)していた印象。ジャンル映画に巨費を投じて大作にする、あるいは大作に見せかけるという山師的なところがあるプロデューサーでした。
『風と共に去りぬ』の小奇麗な南部プランテーションの真実はこれだ! というリアル路線を標榜しながら、その実、セックスと暴力に満ちたエクスプロテーション映画になっているところが面白いです。
黒人奴隷の娘の処女権は主人である白人男性にあるとか、生ませた子をすぐに売っぱらうとか、純血種(マンディンゴ)同士なら交配させればいい子ができるとか、実はそれは兄妹だからまずいんじゃないかと言われると「牛や馬なら大丈夫だ、奇形が生まれたら殺せばいい」などと言ってのける、つまり家畜扱いもいいところ。
前掲書によるとジェームズ・メイスンの文法を無視したひどい南部なまりと、知性のある黒人奴隷アガメムノンのきれいな言葉づかいの対比が面白いそうです。そこまではあまり分かりませんでしたが、メイスンの非道な(というか当時は普通の)農園主ぶりや、口元からして下世話な感じがするスーザン・ジョージ、奴隷制度の変革期に生まれ父親に対する反抗心に揺れるペリー・キングなど、出演者は素晴らしいです。屈強なマンディンゴを演じるケン・ノートンは言わずと知れたプロボクシングの元ヘビー級王者ですが、格闘シーンなどはさすが迫力がありますし、朴訥そうな人柄も感じさせて、スティーブ・カーヴァーの姉妹編『ドラム』に主演したほど(こちらも面白かった記憶があります)。
農場主の息子ペリー・キングは落馬事故で片脚を引きずっているのですが、白人側の肉体的な劣勢を強調しています。フライシャーの演出はやはり見事で、dvdに収録された解説にはその丁寧で老練な映画作りの冴えが指摘されています。印象的な場面はいくつもありますが、たとえば、スーザン・ジョージ演じるブランチが、夫の子を身ごもった黒人娘エレンを階段から突き落とすシーンの演出・編集の的確さ、ふたりが走り抜ける廊下の構図の見事さにはうなります。人物の動きに合わせた手持ちカメラや、斜めにかしいだ構図、やや安定を欠いたドリーでの動きすら、フライシャーの手にかかると過不足なく映画の美しいピースの一片になるから驚きです。85点。
(その97はドライヤー『ヴァンパイア』です)
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6人の会員が気に入ったと投稿しています
トラウマ映画
町山智浩氏の「トラウマ映画館」という本でとりあげられていたので、借りてみました。
確かにこれは「トラウマ映画」ですね。
一見、何をしているところなのかわからない、ジャケットの写真が全てを物語っています。
リウマチの激痛に苦しむ農園主が、奴隷の子供のお腹に自分の足を乗せて、その痛みを子供に移そうとしているのです。
南北戦争前の南部の農園で、奴隷たちがどんな扱いを受けていたのかが、これでもかというほど描かれています。
まるで飼い犬に命令するように、「fetch!」と声をかけて枝切れを取りにいかせる。
黒人を診察するのは「doctor」ではなく、「veterinarian」。
公開の際のポスターは、奴隷制度の実態はあんなものではなかったという皮肉をこめて、「風と共に去りぬ」を意識したものが作られたとか。最近観た「ヘルプ」なんかも、時代が違うとはいえ,
きれいごとなのかもと思ってしまいました。
(以下ネタばれしますが、上のイントロダクションがすでにネタばれなので)
「マンディンゴ」というのは純血種の奴隷を指す言葉のようで、奴隷市場で素晴らしいマンディンゴの男を手に入れた農園主の息子ハモンドは、 自分が所有する女の奴隷との間に子供を作らせようと考える。まるで犬とか猫をブリードする感覚です。
一方で、跡取りが必要なハモンドは、いとこの白人女性ブランチと結婚しますが、彼女が処女でなかったことに腹をたててブランチを遠ざけ、奴隷のエレンを妊娠させます。
奴隷をあれほど蔑んでいるくせに、関係を持つことはOK。自分の血を引いた子供なのに、母親が奴隷ならその子供を簡単に売ってしまう。このへんの矛盾した感覚が全く理解できません。
夫に無視され続けたブランチは、マンディンゴのミードを寝室に引き入れ、ついにその子供を出産します。
この映画が作られたのは1975年。まだまだ黒人差別が残っていた頃です。奴隷が受けていた酷い扱いよりも、ブランチが産み落とした子供の肌の色こそが、多くのアメリカ人にとっては目を背けたいものだったのかもしれないなと思いました。
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リチャード・フライシャーの才能に敬服
投稿日:2022/02/22
レビュアー:趣味は洋画
マンディンゴ(1975年・アメリカ、カラー、123分)
題名の「マンディンゴ」とは、美男で頑強な肉体を持つマンディンゴ族のことで、黒人奴隷のなかで最も高価な値で取引されたという。
この一行を目にしただけで嫌悪感を抱く人もいると思いますし、アメリカの有力紙や著名人の一部では悪評のオンパレード。しかし ‘あの’ リチャード・フライシャー監督は敢えてタブーに挑んでいます。
個人的にはよく出来た映画だと思いますので、以下、ストーリーの一部をご紹介したいと思います。
南北戦争から遡ること20年。ルイジアナ州有数のファルコンハースト大農園は、綿花や農作物の収穫は勿論のこと、事業の中心は血統の良い奴隷を買い集めて育て、売買するという計画的な奴隷牧場であった。老当主ウォーレン・マクスウェル(ジェームス・メイスン)は一人息子のハモンド(ペリー・キング)に実質的な経営を任せていたが、息子が早く白人娘を嫁にもらうことで、将来のあと取りまでを確認したかった。そんな折、遠縁の大地主から5千ドルの借金の申し入れがあったが、ウォーレンは大地主の娘ブランチ(スーザン・ジョージ)とハモンドを見合いさせることで、借金を帳消しにした。ハモンドはブランチの美貌に感動したが、旅の途中で見た黒人娘エレン(ブレンダ・サイクス)の憂いを含んだ瞳に魅せられた。ハモンドはブランチと結婚してハネムーンに出発後、ニューオリンズの奴隷市場でミード(ケン・ノートン)という逞しい肉体をもった黒人をせり落とした。新婚初夜、ハモンドはブランチが処女でなかったことに大きな衝撃を受ける。結婚を呪い、帰路にはエレンを引き取り、ブランチ共々農園に帰った。ハモンドは妻に対する異常な怒りを、従順なミードにぶつけ、エレンを夜ごと抱くことで発散させた。一方、嫉妬に狂ったブランチはエレンにムチを浴びせ、夫の留守中にミードを誘惑した。やがて一家に、予想だにしない大事件が起こる...。
リチャード・フライシャー監督...なぜに、これほどまでジャンルの異なる作品を撮れるのでしょうか。66年「ミクロの決死圏」、68年「絞殺魔」、70年「トラ・トラ・トラ!」、71年「10番街の殺人」、72年「ソイレント・グリーン」等々。彼は生涯62本の作品を監督しているのですが、私が観たのは13本。まだ2割程度なのです。この「マンディンゴ」も異色といえば異色ですが、奴隷制度に正面から向き合い、暗部を抉り出すことをいとわないフライシャー監督、あらためてみ直しました。
脚本は「セルピコ」のノーマン・ウェクスラー、撮影は「アンドロメダ...」、「白いドレスの女」等のリチャード・H・クライン、音楽はヒットメーカーのモーリス・ジャール、編集は「パリの恋人」、「ネバダ・スミス」のフランク・ブラクト、衣装は女帝アン・ロス女史、そしてプロデューサーがディノ・デ・ラウレンティスときてますから、スタッフは一流どころが揃っています。
主演は性格俳優のジェームズ・メイスンですが、男優・女優とも共演の黒人俳優の好演が際立っています。また、スーザン・ジョージの体当たり演技も見もので、おもわず71年「わらの犬」を思い出しました。本当は74年「ダーティ・メリー・クレイジー・ラリー」が1番よく似合うと思うのですが。
因みにミードを演じたケン・ノートンはヘビー級のボクサーで、モハメド・アリと戦ったこともあるようです。
映画鑑賞に仰々しさは不要だと思いますが、アメリカの歴史の一端を観る「小さな覚悟」は必要かもしれません。
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3人の会員が気に入ったと投稿しています
8/10点
アメリカにおける奴隷制度の現実を、
ショッキングなまでに映し出した歴史的問題作なんですけど、
今の感覚で観るとおよそ人と人の間で繰り広げられてきた行為だとは信じがたい、
悪魔、鬼畜の所業であり、ホントに胸クソが悪くなってしまうんですけど、
同時にそれをあたりまえとして育ってきた人間の無自覚で無責任で無神経な残酷さは、
驚くほどリアルで恐ろしくて悲しいです。
フライシャー監督による意図的にデコレーションされた演出が効いていましたよね。
このレビューは気に入りましたか?
1人の会員が気に入ったと投稿しています
奴隷制度について何をか言わんや
まず、この映画が1975年に製作されたって事がすごい事ですよね。
当時のまだ黒人差別が激しかった頃にこの映画の発表はそのものの存在がすごいインパクトだったでしょうね。
当然この作品は奴隷となって連れて来られたアフリカ大陸の黒人に対する白人の人とは思えない悪魔のような所業を描いているのだけれど、
実際には大農園の農園主となり搾取する側の人間と労働力以外は何も持っていない搾取される側の人間がいたようで、
白人でも奴隷状態の人はいたわけです、当然我々黄色人種の東洋人も・・・
当時のアメリカの奴隷制度は当然法制化されていて、彼ら農園主の行なっている行為は法律には全く触れていないのではないのでしょうか?
奴隷に対する日常的な暴力も当然法的には正当化されていたと思われます。
だから、彼らにはそんなに罪悪感があったとは思われません。
奴隷制というのは古来からあり、遠くローマ時代にはその制度が確立されていたそうです。
当然、4大文明の何処にもあった制度でしょうね。
日本は関係無いと思われている方が大半だと思われますが、
日本の戦国時代には戦に勝った勝利者が当然の如く負けた領民をさらい、人身売買をして、近くは国内、遠くは海外に売り払っていたようです。
このように、人間というのはそんなに崇高な生き物では無く、
基本的には自分さえ良ければ他人なんてどうでもいい、という際立った生物だと思われます。
現在生きているこの時代の価値観は奴隷制度を廃止しましょう、という事ですね。
しかし、この映画のあの時代にタイムスリップしたとして、我々はやはり農園主になりたい、と思うのもまた人間本来の姿です。
そういう意味でこの映画は我々全員を含め、人間本来の持っている残忍性というものに対峙させてくれる、そんな作品だと思います。
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ユーザーレビュー
僕の素晴らしい映画 その96
投稿日
2012/05/06
レビュアー
よふかし
どうしてもキワモノ的な見方をされてしまうと予想しますが、あらためてdvdで観直してみると、やはりこれは傑作です。これも町山智弘「トラウマ映画館」に取り上げられていますが、テレビでもよく放映されたし、ビデオも出ていたので、何度も観た作品。前掲書によると大ヒットしたテレビドラマ『ルーツ』の前年であったそうで、便乗企画というわけでもなさそうです。
製作のディノ・デ・ラウレンティスはこの頃、『キングコング』や『バラキ』や『狼よさらば』で世界マーケットを席巻(?)していた印象。ジャンル映画に巨費を投じて大作にする、あるいは大作に見せかけるという山師的なところがあるプロデューサーでした。
『風と共に去りぬ』の小奇麗な南部プランテーションの真実はこれだ! というリアル路線を標榜しながら、その実、セックスと暴力に満ちたエクスプロテーション映画になっているところが面白いです。
黒人奴隷の娘の処女権は主人である白人男性にあるとか、生ませた子をすぐに売っぱらうとか、純血種(マンディンゴ)同士なら交配させればいい子ができるとか、実はそれは兄妹だからまずいんじゃないかと言われると「牛や馬なら大丈夫だ、奇形が生まれたら殺せばいい」などと言ってのける、つまり家畜扱いもいいところ。
前掲書によるとジェームズ・メイスンの文法を無視したひどい南部なまりと、知性のある黒人奴隷アガメムノンのきれいな言葉づかいの対比が面白いそうです。そこまではあまり分かりませんでしたが、メイスンの非道な(というか当時は普通の)農園主ぶりや、口元からして下世話な感じがするスーザン・ジョージ、奴隷制度の変革期に生まれ父親に対する反抗心に揺れるペリー・キングなど、出演者は素晴らしいです。屈強なマンディンゴを演じるケン・ノートンは言わずと知れたプロボクシングの元ヘビー級王者ですが、格闘シーンなどはさすが迫力がありますし、朴訥そうな人柄も感じさせて、スティーブ・カーヴァーの姉妹編『ドラム』に主演したほど(こちらも面白かった記憶があります)。
農場主の息子ペリー・キングは落馬事故で片脚を引きずっているのですが、白人側の肉体的な劣勢を強調しています。フライシャーの演出はやはり見事で、dvdに収録された解説にはその丁寧で老練な映画作りの冴えが指摘されています。印象的な場面はいくつもありますが、たとえば、スーザン・ジョージ演じるブランチが、夫の子を身ごもった黒人娘エレンを階段から突き落とすシーンの演出・編集の的確さ、ふたりが走り抜ける廊下の構図の見事さにはうなります。人物の動きに合わせた手持ちカメラや、斜めにかしいだ構図、やや安定を欠いたドリーでの動きすら、フライシャーの手にかかると過不足なく映画の美しいピースの一片になるから驚きです。85点。
(その97はドライヤー『ヴァンパイア』です)
トラウマ映画
投稿日
2012/04/07
レビュアー
パープルローズ
町山智浩氏の「トラウマ映画館」という本でとりあげられていたので、借りてみました。
確かにこれは「トラウマ映画」ですね。
一見、何をしているところなのかわからない、ジャケットの写真が全てを物語っています。
リウマチの激痛に苦しむ農園主が、奴隷の子供のお腹に自分の足を乗せて、その痛みを子供に移そうとしているのです。
南北戦争前の南部の農園で、奴隷たちがどんな扱いを受けていたのかが、これでもかというほど描かれています。
まるで飼い犬に命令するように、「fetch!」と声をかけて枝切れを取りにいかせる。
黒人を診察するのは「doctor」ではなく、「veterinarian」。
公開の際のポスターは、奴隷制度の実態はあんなものではなかったという皮肉をこめて、「風と共に去りぬ」を意識したものが作られたとか。最近観た「ヘルプ」なんかも、時代が違うとはいえ,
きれいごとなのかもと思ってしまいました。
(以下ネタばれしますが、上のイントロダクションがすでにネタばれなので)
「マンディンゴ」というのは純血種の奴隷を指す言葉のようで、奴隷市場で素晴らしいマンディンゴの男を手に入れた農園主の息子ハモンドは、 自分が所有する女の奴隷との間に子供を作らせようと考える。まるで犬とか猫をブリードする感覚です。
一方で、跡取りが必要なハモンドは、いとこの白人女性ブランチと結婚しますが、彼女が処女でなかったことに腹をたててブランチを遠ざけ、奴隷のエレンを妊娠させます。
奴隷をあれほど蔑んでいるくせに、関係を持つことはOK。自分の血を引いた子供なのに、母親が奴隷ならその子供を簡単に売ってしまう。このへんの矛盾した感覚が全く理解できません。
夫に無視され続けたブランチは、マンディンゴのミードを寝室に引き入れ、ついにその子供を出産します。
この映画が作られたのは1975年。まだまだ黒人差別が残っていた頃です。奴隷が受けていた酷い扱いよりも、ブランチが産み落とした子供の肌の色こそが、多くのアメリカ人にとっては目を背けたいものだったのかもしれないなと思いました。
リチャード・フライシャーの才能に敬服
投稿日
2022/02/22
レビュアー
趣味は洋画
マンディンゴ(1975年・アメリカ、カラー、123分)
題名の「マンディンゴ」とは、美男で頑強な肉体を持つマンディンゴ族のことで、黒人奴隷のなかで最も高価な値で取引されたという。
この一行を目にしただけで嫌悪感を抱く人もいると思いますし、アメリカの有力紙や著名人の一部では悪評のオンパレード。しかし ‘あの’ リチャード・フライシャー監督は敢えてタブーに挑んでいます。
個人的にはよく出来た映画だと思いますので、以下、ストーリーの一部をご紹介したいと思います。
南北戦争から遡ること20年。ルイジアナ州有数のファルコンハースト大農園は、綿花や農作物の収穫は勿論のこと、事業の中心は血統の良い奴隷を買い集めて育て、売買するという計画的な奴隷牧場であった。老当主ウォーレン・マクスウェル(ジェームス・メイスン)は一人息子のハモンド(ペリー・キング)に実質的な経営を任せていたが、息子が早く白人娘を嫁にもらうことで、将来のあと取りまでを確認したかった。そんな折、遠縁の大地主から5千ドルの借金の申し入れがあったが、ウォーレンは大地主の娘ブランチ(スーザン・ジョージ)とハモンドを見合いさせることで、借金を帳消しにした。ハモンドはブランチの美貌に感動したが、旅の途中で見た黒人娘エレン(ブレンダ・サイクス)の憂いを含んだ瞳に魅せられた。ハモンドはブランチと結婚してハネムーンに出発後、ニューオリンズの奴隷市場でミード(ケン・ノートン)という逞しい肉体をもった黒人をせり落とした。新婚初夜、ハモンドはブランチが処女でなかったことに大きな衝撃を受ける。結婚を呪い、帰路にはエレンを引き取り、ブランチ共々農園に帰った。ハモンドは妻に対する異常な怒りを、従順なミードにぶつけ、エレンを夜ごと抱くことで発散させた。一方、嫉妬に狂ったブランチはエレンにムチを浴びせ、夫の留守中にミードを誘惑した。やがて一家に、予想だにしない大事件が起こる...。
リチャード・フライシャー監督...なぜに、これほどまでジャンルの異なる作品を撮れるのでしょうか。66年「ミクロの決死圏」、68年「絞殺魔」、70年「トラ・トラ・トラ!」、71年「10番街の殺人」、72年「ソイレント・グリーン」等々。彼は生涯62本の作品を監督しているのですが、私が観たのは13本。まだ2割程度なのです。この「マンディンゴ」も異色といえば異色ですが、奴隷制度に正面から向き合い、暗部を抉り出すことをいとわないフライシャー監督、あらためてみ直しました。
脚本は「セルピコ」のノーマン・ウェクスラー、撮影は「アンドロメダ...」、「白いドレスの女」等のリチャード・H・クライン、音楽はヒットメーカーのモーリス・ジャール、編集は「パリの恋人」、「ネバダ・スミス」のフランク・ブラクト、衣装は女帝アン・ロス女史、そしてプロデューサーがディノ・デ・ラウレンティスときてますから、スタッフは一流どころが揃っています。
主演は性格俳優のジェームズ・メイスンですが、男優・女優とも共演の黒人俳優の好演が際立っています。また、スーザン・ジョージの体当たり演技も見もので、おもわず71年「わらの犬」を思い出しました。本当は74年「ダーティ・メリー・クレイジー・ラリー」が1番よく似合うと思うのですが。
因みにミードを演じたケン・ノートンはヘビー級のボクサーで、モハメド・アリと戦ったこともあるようです。
映画鑑賞に仰々しさは不要だと思いますが、アメリカの歴史の一端を観る「小さな覚悟」は必要かもしれません。
8/10点
投稿日
2014/05/05
レビュアー
スパイクロッド
アメリカにおける奴隷制度の現実を、
ショッキングなまでに映し出した歴史的問題作なんですけど、
今の感覚で観るとおよそ人と人の間で繰り広げられてきた行為だとは信じがたい、
悪魔、鬼畜の所業であり、ホントに胸クソが悪くなってしまうんですけど、
同時にそれをあたりまえとして育ってきた人間の無自覚で無責任で無神経な残酷さは、
驚くほどリアルで恐ろしくて悲しいです。
フライシャー監督による意図的にデコレーションされた演出が効いていましたよね。
奴隷制度について何をか言わんや
投稿日
2012/06/25
レビュアー
げんざむらい
まず、この映画が1975年に製作されたって事がすごい事ですよね。
当時のまだ黒人差別が激しかった頃にこの映画の発表はそのものの存在がすごいインパクトだったでしょうね。
当然この作品は奴隷となって連れて来られたアフリカ大陸の黒人に対する白人の人とは思えない悪魔のような所業を描いているのだけれど、
実際には大農園の農園主となり搾取する側の人間と労働力以外は何も持っていない搾取される側の人間がいたようで、
白人でも奴隷状態の人はいたわけです、当然我々黄色人種の東洋人も・・・
当時のアメリカの奴隷制度は当然法制化されていて、彼ら農園主の行なっている行為は法律には全く触れていないのではないのでしょうか?
奴隷に対する日常的な暴力も当然法的には正当化されていたと思われます。
だから、彼らにはそんなに罪悪感があったとは思われません。
奴隷制というのは古来からあり、遠くローマ時代にはその制度が確立されていたそうです。
当然、4大文明の何処にもあった制度でしょうね。
日本は関係無いと思われている方が大半だと思われますが、
日本の戦国時代には戦に勝った勝利者が当然の如く負けた領民をさらい、人身売買をして、近くは国内、遠くは海外に売り払っていたようです。
このように、人間というのはそんなに崇高な生き物では無く、
基本的には自分さえ良ければ他人なんてどうでもいい、という際立った生物だと思われます。
現在生きているこの時代の価値観は奴隷制度を廃止しましょう、という事ですね。
しかし、この映画のあの時代にタイムスリップしたとして、我々はやはり農園主になりたい、と思うのもまた人間本来の姿です。
そういう意味でこの映画は我々全員を含め、人間本来の持っている残忍性というものに対峙させてくれる、そんな作品だと思います。
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