ルパン三世　カリオストロの城

現在では、中年から子供まで楽しめる大名作に！！　まだ宮崎さんが無名だったし、当時はヤマト、ガンダムとかＳＦアニメ全盛期だったから仕方がないか・・・

本作で一番好きなシーンは、銭形のとっちゃん率いる日本警察が結婚式に乱入してわざとらしい演技で伯爵の悪事をバラすところ。不二子ちゃんのおせっかいもＧood！　ですね。
インターポールって三ヶ国語話せれば誰でもなれるそうですが、とっちゃんって意外にインテリだったんですね。

ルパンのアクションって実際にありえないシーンも多くて突っ込み所もあるけど、インチキ臭さがまた♪面白いです。まだアニメの技術が今より劣っていたはずなのに、スピード感の描写は凄いですね。

　１９８０年代初め、映画館で見逃した映画はＴＶ放映を待つしかなかった時代。たまにＴＶで放映される『カリオストロの城』は所定の放送時間内に収めるために本編の一部をカットして放映されていました。そして、それがオレにとっての『カリ城』だった。
　それが、記憶に間違いがなければ、『風の谷のナウシカ』の大ヒットで宮崎駿が社会的に認知されたことの恩恵（もしくは公開に先駆けて）で、ついにノーカット版が放映されることになった時、宮崎駿へのインタビューか何かで、聞き手との“それじゃあ、あのコブラツイストの場面も戻ってくるんですね。あの場面大好きなんですよ”みたいなやり取りを読んだのをうっすらと憶えています。
　今でこそ、宮崎作品はノーカット放映が当たり前ですが、そんな時代もあったわけです。
　そんなこんなで初めて観た、次元がひとり物思いにふけるルパンにいきなりコブラツイストをかけ、“言えっ”と迫る場面は感動ひとしおでした。だから、今でも『カリ城』で一番好きな場面はこのコブラツイストだったりするんです。
　ついでに言わしてもらえば、アニメ主題歌マイベスト１は本作の「炎のたからもの」です。何度聴いても浸ってしまいます。

ルパンはTVシリーズに始まって、いくつもの劇場版もありますが、なぜこのカリオストロだけが、名作と言われるのでしょう。
理由は簡単です。本作の制作において、ごまかしや、いい加減な事や、不誠実な事を、やっていないだけだからです。
そういった制作上のいろいろ流されてしまうような状況に負けずに、今日までにいたるような、「たくさんの人たちが本作を見てくれる」事に対してしっかりと向き合いながら、常に背筋を伸ばし作り続けた結果なのです。多分。
ようは、お客さんをバカにしてないのだと思います。
また、アニメにつきものの、制作者の内輪受けや、おたくな(自分勝手な)干渉がないと思います。
また、ぶっちゃけますが、もうルパンであろうとなかろうと、どうでもいい程の、しっかりとした映画に、物語に、なっています。
見てない人はいますか？
なんで見てないの？

いうまでもなく、宮崎ワールドが唯一、他のキャラものと融合できた記念すべき最初で最後（だろうなぁ・・・）の作品。
何度見ても、みんなかっこいいんだよね。
声優山田さんと永遠の名作に乾杯・・・あらあらあら、とっつあぁーん、気取っちゃってまあ、かーらだに毒だぜぇぇーー。

４０年前のアニメ。今さらとは思ったが、金曜ロードショウでやってたので録画して観た。
なかなか面白かった。
ただ、作画がジブリレベルには遠くおよばず、お粗末。その作画を担当したのはテレコムという会社だったのだが、まだ会社を立ち上げて間もない頃で、作画スタッフは全員がアニメについてはド素人だったらしい。「リトル・ニモ」という作品をハリウッド映画としてつくることとなり、その本番に向けての実地訓練としてつくられたのがこの作品らしい。そのせいなのか、制作期間も６ヶ月しかなく、通常の半分。
「未来少年コナン」で監督デビューしていた宮崎駿はこのとき38歳。作画スタッフの未熟な技量を演出でカバーしつつ、娯楽性を維持しながら宮崎流のおっさん魂を描いた。ちなみに、その絵コンテは後にアニメ制作の教科書として崇められたそうだ。

ストーリーはいまさら説明するのもなんだが、簡単に言うと、中年期に入ったルパンが若かりし頃に出会った少女を救出する話。少女はすでにオトナになっていたが、まだウイウイしい。で、これはカリオストロ公国という小さな独立国のお姫様。両親はすでに亡くなっており、その王家を継がねばならないのだが、その王家を維持するために暗殺と謀略をくり返してきた伯爵がおり、これが国を乗っ取った形になっていて、お姫様を幽閉し、これと結婚しようとしていた・・という感じ。で、そのお姫様の声を演じているのがナウシカの声を演じた島本須美。その声を聞いただけでググッと引き込まれた。

尚、この作品は、ウィキによれば制作費５億円で興行収入が6億1000万円（推定）。赤字みたいなものだったらしい。で、宮崎監督はこの後５年間ほどまったく仕事がもらえなくなったらしい。一番油が乗っていた40代前半を棒に振ったことは宮崎監督にとっても不幸なことだったが、我々にとっても不幸なことだったと思う。
なぜ当たらなかったのか・・？
ルパンがルパンらしくない・・・という評価が多いようだ。ドタバタしながら脳天気にドンチャン騒ぎをして、お色気エピソードもしっかりあって、最後は峰不二子にいっぱい食わされる・・というパターンがなかったからかもしれないが、微妙にオトナ向けにつくってある部分が子どもにはウケなかったのかも。