コンテイジョン

豪華キャスト勢揃い。
グウィネスクラスの女優をあっさり殺すあたりは容赦しない。
その夫にマット・デイモン、彼はあまりにも普通すぎて途中までマット似の俳優なのかと思っていたほどｗ
致死率２０％（四人に一人は死亡）の新型ウィルスが世界中にあっという間に広がってく様を、
いろいろな人間模様を交差させて描いていく。
構成としては面白かったけど、何せ登場人物が多すぎて整理しながら見るのが大変だった(^_^;)

命がけで特効薬を作りだす人もいれば、その裏でこれを機に大儲けをしようと画策する人
噂やネットに惑わされパニックになる人々の心理を巧みにを操る怪しげなジャーナリストや
特権を利用していち早く特効薬を手に入れる官僚たち
自分たちだけは助かろうと躍起になのは当然の人間心理だろう。
その一方で、感染する危険を犯してまでも、ウィルスと戦おうとする勇気ある人たちもいることを忘れてはいけない。

命の優先順位は誰が決めるのか？
難しい問題提起をして、何も解決されることなく物語は終わる。
終わりのないウィルスとの戦いは始まったばかりと言いたいのだろう。
娯楽性を追求した単なるパニック映画ではなく、社会派ドラマなので退屈する人も多いかもしれない。
でも、実際にこれは近い将来起こりうる現象ではないだろうか。
そう考えるとそら恐ろしい。
人間を攻撃することだけを目指して変異し、見えない兵器と化すウィルス。
いつも思うけど、もはや人間同士がいがみ合って戦っている場合ではないと思う。
力を合わせてウィルスと戦う準備をするべきだと思う。

香港出張から帰った女性が謎の死を遂げ、
世界各地でも同様の症状で死を遂げた人がちらほら・・・・

WHOが原因究明と対策に動き出し
同時にそれを嗅ぎつけたフリージャーナリストがメディアを通じて発信する。

これ感染パニック映画ではありますが、
原因の分からない病気の伝染はもちろん、
怖いのはより所の無い人々が不確かな情報に左右されパニックになること。

豪華キャストっていうウリですが、
すべてが「一市民」の扱い。
職業がジャーナリストであったり、研究者であったりもするわけですが
みんなパニックの中の１部という位置づけ。
この豪華俳優の贅沢な起用方法はスゴイですね・・・・。
グウィネスパルトローなんてすぐ感染して亡くなっちゃいますし・・・・。

Day2からはじまり感染の元がわからないまま進んでいき、
最後にDay1を持ってきてすべてが繋がるという構成もウマイと思います♪

あと、感染の経路を観客も目で追っていける描写もなかなかです。
誰がどこに触れたか、そこをまた誰かが触って、また他の人と触れて
握手して、咳して・・・etc
感染病の広がり方を視覚に訴えてきます。

人々は情報不足でどうしていいかわからないまま。
情報が錯綜してるから正しい対処法が浸透せず
あらたな感染者を増やしていく・・・
そして街は荒れていく・・・・。


地味だという人もいるかもしれませんが、
リアルな感染パニックってこんな感じかもしれない・・・・と思うと
けっこう怖いですよ。ホラー映画なんかよりよっぽど。

この映画観たら、絶対手洗いうがいを忘れないように！！！って改めて思います。
で消毒の大切さを思い知らされます。

致死性ウイルスの感染爆発がスリリングに描かれている。
ただし、映画的なあざとい演出（患者に注射をしていたら、突然痙攣が起こり、誤って自分の指に針を刺してしまう、みたいなの）がないので、地味に感じる人もいるかもしれない。私的には、淡々とした展開に、むしろリアルな恐怖を感じた。

ウイルスと同時に起こる情報のパンデミックも恐ろしい。パニック映画で、こういう問題をここまで取り上げた作品て、ほかに無いんじゃないかな？
当然、現実に起こりうる事です。日本でも、あれ以降、怪しい噂や健康食品みたいなものが多く出回りましたもんね。思ったほど拡散しなかったのは、日本人の賢明さと冷静さの表れだと、本当に思います。
他の国で同じような事態が起こったら、もっと深刻なパニックになってる気がする。


≪ちょっとだけネタバレ≫
情報パンデミックの発信源となるのは、ジュード・ロウ演じるフリー・ジャーナリスト。とにかくこいつがヤな奴で、ウイルスに匹敵するくらい憎々しい。リアルな作品とはいえ、さすがに最後には騙された人に撃たれるとか、正義の鉄槌が下るだろうと思ったけど、しっかり生き残りましたね。このへん、ソダーバーグらしくとことん抑制が効いてるから、やっぱり詰まんない人もいるかもなぁ。

物語とは別の話ですが、現実にはジャーナリズムの視点ってやっぱり必要だとは思う。ジュード・ロウの場合は始めから動機が不純なのでオハナシにならないけど、各機関や政府系の発表が正しいものなのかを追求する存在もないと困る。
本当に大切なのは、そうした様々な角度の情報から、正しいものを選び取る個々のリテラシーである。なんて、分かっちゃいるけど、現実にはかなり難しいんですがね。

あまり面白くなかったです。淡々としたシミュレーションみたいな展開でしたね。

恐ろしい新種の病原菌が発生することはありうるし、そうなるとパニックや略奪、暴動が起こり、
ネット社会の今、昔よりもすごい勢いでデマが広まるでしょう。
こんなふうになるかもね…とは思うけれど、どうも甘くて、リアリティが足りなくて
そこまで緊迫感が感じられない。
かといって、娯楽性もないので、中途半端な感じ。

キャスティングが豪華で、主役級の人をたくさん使っています。
ここまでたくさん使わなくても、２人位にしておいて、後は演技のうまい無名の人がやってもよかったのでは。
スターがたくさんいて、そこに目が行ってしまう…それもリアリティに欠ける要因だったのではないかと思ってしまいました。

俳優たちはわりとさらっと力を抜いた演技だったように感じましたが、
グゥイネス・パルトロウの演技はすごかったですね＼(◎o◎)／！
元々、健康そうな感じはしない人だけど…

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致死率の高い未知の感染症が、瞬く間に世界に拡がる中、家族を愛する人を助けたい、自分が助かりたい…そんな当たり前の人の願望に絡み、妬み、裏切り、陰謀、商魂等々、未知のウイルスの拡がり同様に人間の本能の恐怖が伝染します。

冒頭、グウィネス・パルトロウの体当たり（?）の怪演にニヤリとしたものの、ホラーチックな方向に行くでもなく、展開は大人チックな流れで終始します。
本作は、そんな感染の顛末を、ドラマチックに盛り上げるでもなく、陰謀ウンヌンを暴くでもなく、あらゆる方向から淡々と描ききった作品となっています。

新型ウィルスの発生の可能性が、決して低くない現状への恐怖はもちろんですが、窮地に立たされた人間の行動が招く事象も同時に恐ろしい。
そしてその行動は、あらゆる情報によってなされるものでもあるのです。

昨今、Twitter、Fecebookやブログ等、誰でも何処でも情報入手できる世界。しかし、溢れる情報の真偽は受け取る側の判断に委ねられます。
作中、情報を開示しない国家や政府に対し、ネットを通じてあらゆる情報が飛び交います。
その情報に煽動されるように慌て、怒り、自制を失う人々…
今、この日本でも、東日本大震災後の放射能の恐怖に対し、全く情報開示しない政府、電力会社の存在と、真偽のハッキリしない情報の溢れたブログ等の存在があります。
ウィルスではありませんが、実はあまりにも状況が似ている事態。放射能にはヨウ素が効くというガセネタに煽動され、うがい薬が店頭から無くなった事実があります。
実際に放射能に効くクスリが発見されたら（絶対にありませんが）、日本でも暴動が起きる可能性もあるのです…

豪華な出演陣の中で、一際目をひくパルトロウの怪演ですが、個人的にはケイト・ウィンスレットを推したいかな。
年齢を重ねていい女優さんになってきたと思います。

面白い作品ではありません。
ただ淡々と、緊張感を持って、事の成り行きを見守りましょう。