５デイズ

これがグルジア侵攻の事実とすればロシアは戦争犯罪を犯している！アメリカ兵のタリバン兵に放尿なんて可愛いものだ！

戦争ドキュメンタリー風の真面目な映画にしたいのか、アクション路線のエンタメ映画にしたいのかよく分からない中途半端な作品。

序盤は真面目な戦争映画風だが、中盤あたりから突然エンタメ路線に。
ロシアに雇われた傭兵部隊なのか南オセチアの民兵組織なのかよく分からんが、とにかくロシア側の軍隊がグルジアの民間人を虐殺している場面を主人公たちが目撃する。で、その虐殺シーンを収めたメモリーカードを狙ってロシア軍が主人公たちを追ってくる・・・
というストーリーは「エネミーライン」風で結構面白い・・・途中までは。

主人公は戦場ジャーナリストなので自分は戦えない。だから逃げる・隠れる、それだけ。戦闘はグルジア軍任せなんだけど、こいつらが弱いのなんの・・。戦闘ヘリや戦車は結構な数が登場するけど全部ロシア軍。グルジア軍はライフルやバズーカで応戦・・ショボっ。ドッカンバッカン花火は上がるが一方的な戦いは面白くもなんともない。

ドキュメンタリー映画ならこれでもいいが、いくつかご都合主義的に助けが来る場面があるのでリアリティもまるで無し。

そして最悪のクライマックス・・・。負傷者を抱え少数の兵とともに前線で孤立する主人公達。ロシア軍に取り囲まれて絶体絶命のピンチ。さあどうやってこの絶望的な状況を切り抜けるのか！！と最高に盛り上がったところでありえない結末が・・。吉本新喜劇並にズッコケてしまった・・・。

ラストは実際にロシア軍に家族を殺された人たち？の恨み節インタビュー。確かに気の毒だが思いっきりテンション下がる。こういうのは真面目なニュース番組でやってほしい。半分娯楽みたいな映画にはそぐわないです。

戦争映画はやっぱり苦手です。

戦場は悲惨です。

一般人も巻き込まれます・・・。

目を背けてはいけないんでしょうけど・・・・。

口直しに楽しい映画が見たくなりました。

どうしてもこの映画のグルジアが今のウクライナと重なって見えます。ただニュースの映像を見る限りではグルジアと違って少なくともクリミア半島に関する限りはロシア系住民が７割を超えロシア軍も歓迎されているようですがこれは本当でしょうか？唯一つ反対側の映像として抗議する少数のウクライナ系住民がロシア系住民にボコボコにされ血だらけになってる映像が強く印象に残っています。
それとウクライナのキエフで起きた反政府デモで２００人近い犠牲者が出た時の様子がCNNで報道されました。これらの生の報道により親ロの前ウクライナ政権に対する国民の強い反感があることなどを知りました。
ソ連崩壊によって火のついた民族主義は止めようもなく東欧に広がったように見えますがここへきて逆に強い旧ソ連の夢よもう一度という反動が一方にあります。
そのような感想を持てるのも報道あってこそです。
多くの死を見てきた戦場ジャーナリストの目には虚無の影が射しています。そして今も世界の戦場で多くのジャーナリスト自身が犠牲になっています。戦場の映像は彼らの血で作られていると改めて思いました。

ドキュメンタリー風の戦争映画ですが、内容もシンプルでアクション？という表現は相応しくないと思いますが、退屈なく見れるかと思います。
私は戦争系の映画は男臭くてあまり好きじゃないのですが、この映画なら若い子や女性が見ても面白いと思います。
面白いという表現もちょっと失言かと思いますが、色々と考えさせられる映画だし、見てよかったです。

迫力ある映像で、期待以上の派手な出来栄えでした☆
オススメです☆ぜひご覧ください。