赤ちゃん泥棒

フサフサ髪のニコラス・ケイジ主演、コーエン兄弟監督の作品。
(フサフサ髪と言っても少しきてる感じはありますが…)

元強盗と元婦人警官の夫婦が、子供欲しさに誘拐してしまう。
そこに、被害者の社長や同僚(上司)夫婦、刑務所仲間や、
意味不明な風貌のライダー(ハンター？)が、絶妙に絡み合う。
原題は『ＲＡＩＳＩＮＧ　ＡＲＩＺＯＮＡ』ですが、『赤ちゃん泥棒』という
何の捻りもない、分かり安すぎる邦題の映画。
(20年以上前の映画ですから、その辺は目をつぶります)

そんなドタバタコメディーが、何故かこのタイミングでBlu-ray化。
なんか懐かしくて、とりあえず観ちゃいました。

テンポのいい冒頭は、何度観てもグッと引き込まれてしまいます。
またそれぞれのアクの強いキャラたちの絡みは、コーエン兄弟っぽいと言えばぽい、独特の感じです。
絵に描いたようなドタバタコメディーで、今見ても楽しめます。
ラストも少し説教臭くはありますが、ホンワカした感じになれます。

あ、Blu-rayっていっても画質の方は、まあ20年前の作品ですから…

アリゾナの新婚夫婦が、赤ちゃんを誘拐
そこからのドタバタを描いた、コーエン兄弟の軽快コメディ♪

まずこの夫婦がニコラス・ケイジとホリー・ハンター(めちゃ可愛い！！)
投獄２回の犯罪者と表彰２回の警官って・・・、ほんとこれで±０ｗｗｗ
二人の出会いから、誘拐に至るまで
アップテンポでコミカルで、アリゾナの夕焼けも美しい
一気に引き込まれますね〜♪

刑務所仲間のジョン・グッドマンを始め
コーエン兄弟はキャラの肉付け＆お化粧がお上手☆
脱獄の相方が、逆子で出てきたのには爆笑！でした(赤ちゃんネタだけにねｗ)

赤ちゃんの利権をめぐる大人たちの熾烈な争いをよそに
当の赤ちゃんは無垢な笑顔キラリン☆
犯罪に手を染める男達とは正反対の存在、かわいい未知の生物に極悪人もアワワ・・・♪
あっ、悪人と赤ちゃんで、ここでも綺麗に±０ですねｗｗ

毒気少なめで、スウィートホームなドタバタコメディ☆満足です！

普通に観てもとってもおもしろいんだけど、
「映画好き」がニヤリとする映画なんですよ。

もう、オープニングからタイトルが出るまでのあの展開ね。
すばらしいの一言。

オチはアメリカ人ならではのモノなんでしょうか。
日本でやるとすれば、
「向上心が強くて、集団ヒステリーで、選民意識丸出しで…新宿区信濃町？」
みたいなカンジかしらん。

ニコラス・ケイジの出演作を見るといつも思うことだが、この人はさほど演技がうまいわけでもなく、かといってヘタとも言えない。また、どちらかというと助演俳優タイプかなと思うけど、主演がダメというわけでもない、まことに捉えどころのない人だ。
そうしたキャラクターのせいか、この人の出演作には真の大作がないように思う。
さてこの作品、よくこのタイトルを耳にするので観てみたのだが、やはりそれなりの小品ですかね。
最初からダラダラと回顧のナレーションが長く続く．．．こういう作品にはまず優れたものはない。
最後はちょっと泣かせる部分があるけど、脚本を練り直すだけでもっといい作品になるように思えて、残念ですね。
心に強く残ったのはアリゾナのサボテンかな。そこに住む人間は乾ききってるようだね。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

コーエン兄弟を再評価しなけりゃイケナイとかなり前から思っていました。正直どこがイイのか全く分からんのですが、私のお気に入りレビュアーの方々が皆さんイイと仰るんで、かなり不安に苛まれておったワケです。で、たまたまこの作品はコーエン兄弟作品とは全く知らなかったけど印象は良かったし、私の贔屓女優の中ではかなりの古顔のホリー・ハンターがジョエル・コーエンの奥さんだという話を聞いて、先ずこの作品から始めることにしました。
う〜ん。やっぱりよく分からん（笑）。初見の時とほとんど印象は変わりませんでしたねぇ。確かに所々笑えるし、ニコラス・ケイジ、ジョン・グッドマンはいい味出してるし、何と言ってもホリー・ハンターの可愛らしさは格別でしたが、それ以外には特に心に残るもの、引っ掛かるものも無く観終えてしまいました。
だいたい私は赤ちゃんとか子供とかペットとかボケ老人とか心身障害者とか「そこにいるだけで」観る者の気持をかき乱す存在を登場させる映画が嫌いです。物言わぬ（言えぬ）者の気持を慮ることを観客に強要することが「思わせぶり」の最たるものだと思うのですね。無論彼らの気持を慮る周囲の人間たちが何を感じ、どう行動するかがドラマを生み出す、という意味ではアリだとは思いますが。この映画は少なくともそこはちゃんと押さえてあって、それが悪印象を残さなかった理由でもあるんですが、やっぱり「他人の子供を盗む」と言うオハナシはいくらコメディでも、いやコメディであるがゆえに、ストーリー上かなりの「必然性」が必要です。この映画、そこが弱いですね。ホリーが可愛い女だけど不妊症で可哀想なんでニコラスが思い遣る、と簡単に片づけてるところが「ドラマ」の芯を弱くしちゃって、ドタバタ劇自体も面白くないものにしてるように思えます。ホリーの演技（もしかしたら生来のキャラ？）がかなりその「弱さ」を救ってるんですけど、ニコラスやジョンはただのアホでしかなくなっちゃってる。いい味出してるのに。つまり脚本が「残念」という気がします。
次は「バーバー」を再見するつもりです。う〜ん。まだ「不安」が解消されるところまでは行かないなぁ。