君を想って海をゆく / ヴァンサン・ランドン
君を想って海をゆく
/フィリップ・リオレ
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全体の平均評価点: (5点満点)
(16)
解説・ストーリー
「パリ空港の人々」「灯台守の恋」のフィリップ・リオレ監督が移民問題を真正面から取り上げ、本国フランスで大ヒットしたヒューマン・ドラマ。ひょんなことから出会ったクルド難民の少年とフランス人中年男性が、次第に心を通わせ、絆を深めていく姿を真摯な眼差しで綴る。2008年12月。イラクの国籍を持つ17歳のクルド難民ビラルは、家族と共にロンドンに移住した恋人を追ってフランス北端の街カレへと辿り着く。しかし、ドーバー海峡を越えるべく密航を試みるも失敗に終わり、カレに足止めとなってしまう。ビラルは最後の手段として海峡を泳いで渡ることを決意、市民プールで出会った水泳コーチのフランス人シモンに泳ぎの指導を願い出るが…。 JAN:4988111840417
「パリ空港の人々」「灯台守の恋」のフィリップ・リオレ監督が移民問題を真正面から取り上げ、本国フランスで大ヒットしたヒューマン・ドラマ。ひょんなことから出会ったクルド難民の少年とフランス人中年男性が、次第に心を通わせ、絆を深めていく姿を真摯な眼差しで綴る。2008年12月。イラクの国籍を持つ17歳のクルド難民ビラルは、家族と共にロンドンに移住した恋人を追ってフランス北端の街カレへと辿り着く。しかし、ドーバー海峡を越えるべく密航を試みるも失敗に終わり、カレに足止めとなってしまう。ビラルは最後の手段として海峡を泳いで渡ることを決意、市民プールで出会った水泳コーチのフランス人シモンに泳ぎの指導を願い出るが…。 JAN:4988111840417
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「君を想って海をゆく」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
「パリ空港の人々」「灯台守の恋」のフィリップ・リオレ監督が移民問題を真正面から取り上げ、本国フランスで大ヒットしたヒューマン・ドラマ。ひょんなことから出会ったクルド難民の少年とフランス人中年男性が、次第に心を通わせ、絆を深めていく姿を真摯な眼差しで綴る。2008年12月。イラクの国籍を持つ17歳のクルド難民ビラルは、家族と共にロンドンに移住した恋人を追ってフランス北端の街カレへと辿り着く。しかし、ドーバー海峡を越えるべく密航を試みるも失敗に終わり、カレに足止めとなってしまう。ビラルは最後の手段として海峡を泳いで渡ることを決意、市民プールで出会った水泳コーチのフランス人シモンに泳ぎの指導を願い出るが…。 JAN:4988111840417
「君を想って海をゆく」 の作品情報
「君を想って海をゆく」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
君を想って海をゆくの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
110分 |
日 |
オリジナル:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DABR4041 |
2011年07月08日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
10枚
|
0人
|
0人
|
君を想って海をゆくの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
110分 |
日 |
オリジナル:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DABR4041 |
2011年07月08日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
10枚
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ユーザーレビュー:16件
海を越えたら
投稿日:2011/07/15
レビュアー:TOMY
海を越えたら、生まれ変われるはず。
その一心だ。
世の中が不条理の塊であることは百も承知だけれど、やりきれなかった。
フランスへ辿り着いたクルド難民の少年ビラルが、恋しい少女に会いたいがため、生活もままならないのに水泳のコーチを受け、ドーヴァー海峡を泳いで渡ることを目指す。
昔は有名な競泳選手だったシモンと知り合い、指南を受けるが…
シモンはまだ妻を愛しているが、彼女はシモンから気持ちが離れている。
当人は元々、難民問題にそれほど強い関心を持っているわけではないらしい。
日常が行き詰まっているせいか、妻へのあてつけのような気持ちから、勢いでビラルに近づいていくことになる。
この辺はちょっと笑えるシーンもあり。
人同士は、関われば、どうしても心のやりとりが生まれる。
意志があり、思いがあることをお互いに感じ、縁があれば距離が縮まる。
難民という過酷な運命を背負ったビラルに、シモンは、気づいたら心を重ねていた。
人生は一度きり。
この世は常に、すべてが流れ去っていく。
たった一度の人生、心から望んだことがどうしても手に入れられない立場に生まれてきたとしたら---?
息さえ思うようにできない人たちがこの世に存在していることに、頭では解っているつもりでも、日常にその意識はなくなってしまう。
やりきれない気持ちでいっぱいになった。
でも、心に何かが残る。
胸にガツンという印象を残して、映画を観終わりました。
このレビューは気に入りましたか?
5人の会員が気に入ったと投稿しています
社会問題提起映画ながら、このドラマチックな話・・・胸が痛い・・・
邦題から想像されるハートフルな話ではありません。
原題「Welcome」も相当な皮肉がこめられています。
イギリスに家族とともに渡った恋人に会うために
イラクからイギリスを目指すクルド人少年の物語。
これだけきくと、一途なラブストーリーでも想像しちゃってもおかしくないですが、
フランス政府の難民対策に一言申すような、社会問題提起映画です。
フランスのカレは海を挟んでイギリスに近いこともあり
難民問題が深刻化。
以前の難民に対する寛容な政策が犯罪増加を招いたとし、
この映画で描かれた頃は難民対策が厳重になったと・・・。
そんな背景の中、
クルド人の少年ビラルは
イラクから3ヶ月歩いてカレに到着。
あと一歩のところで足止めを食らう。
もう、海を泳いで渡ろう!と無謀とも思えることを考えた少年は
偶然知り合ったフランス人のシモンに水泳を習う。
ま−、無謀なこと・・・・って思うけど、
ビラルにとってはこれしか方法がなかったんですよね。
引き返すわけにもいかず、そこで留まるわけにもいかず・・・・
難民に手を貸すと、フランス国民であれど、厳しい処罰があるにもかかわらず、
シモンがなぜこの少年に手を貸したのか?とも思うだろうけど、
ちゃんと伏線というか理由付けがあるんですよね。
これは、シモンの離婚調停中の奥さんの存在があるんですよね。
こういう、2つの無謀とも思える決断が
淡々と語られる物語をドラマチックにしていますよねえ・・・。
もう、結末はなんともいえないですよ・・・・・
そんな予感はしてましたけどね・・・・・
仮にあの結末でなかったとして、あの少年はハッピーになれたのか考えても
やっぱり難しいだろうね・・・・・
クルド人少年の純粋な思い心打たれ、
冷酷なほどの難民対策の現状に気づかされるって感じかね。
見終わって改めて思う、「Welcome」ってものすごーーーーーーーーーい皮肉だね・・・・・
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
鼻息が不快
投稿日:2012/03/31
レビュアー:Kavi
いやぁ、いい映画と想いますよ。
フランスの政治家を巻き込んでの論争まで巻き起こしたんだから、
この映画の役割はほぼ果たしたようなもんでしょう。
フィクションは、手法を間違えなければ、ノンフィクションより
メッセージ色が強まり、広く届くの良い例という作品と思う。
不法滞在者に、普通の生活の中で、
親切にしたり、手助けしたりするだけで、逮捕されるなんて、バカげた法律だ。
“差別”というものが、どういう環境から生まれるのか、まったく理解していないのか?
と、いろいろ考えてしまうイイ映画です。
が!主演のオッサンの鼻息がうるさい。
屋内で興奮すると、鼻息でいっぱいになる。
警察で取調べを受けるシーンなんて、
警察のオッサンの鼻息もうるさくて、
鼻息の二重奏になってて、超不快。
なので★3つ。
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ビニール袋でドーバーを渡る
投稿日:2011/10/29
レビュアー:ひろぼう
イラク難民の少年のひたむきさが胸を打つ作品。真正面から難民問題に向き合わないのでやや物足りなさがあるが、少年のひたむきさに自らを重ねる初老の水泳トレーナーと妻とのエピソードによって、切なさを増し味わい深い物語となっている。
時に説明不足が筋運びに乱暴さを感じさせるが、少年と夫婦の表情をアップで捉え心中を覗かせる丁寧な描写があるので、作品の言いたいことは伝わってくるので見飽きることはない。
曇り空のカレーの海の情景、倉庫街、港町の寂れた風情を伝える映像は蒼く物悲しい。肝心のドーバー横断シーンは海流の激しさを感じさせる俯瞰映像で始まるので期待させらるが、大きな海のうねりに翻弄されるか弱き人としての心象シーンと成りえていないために、やや食い足りなさを感じる。
それもそのはず、実は本作は初老のトレーナー夫婦の物語であり、少年はトレーナーの心の投影役なのだから、と感じた。そう思えば、少年の普段の生活がバッサリ省かれ過去も詳細に語られないことにも納得がいく。
しかし、それが悪いわけではなく、少年のひたむきさと対照的に初老の男女の擦れ違いをやりきれなさ満載で描くので、強く心に響いてくるものがある。それに、決してただの引き立て役だけで少年を扱っているわけではなく、ビニール袋にまつわるエピソードで始まりそして終わる少年の逃避行には、彼の哀愁を見事に感じさせていた。
フランスでは認知度が高い問題なのであえての説明は省いたのかもしれず、不真面目な日本人の私には伝わりにくいシーンも多々あったが、トレーナーや妻の言葉と態度で難民との微妙な距離感を気付かせるのは上手い脚本だと思った。
少年を救済するわけではなく難民の現状を描写し問題提起のみで終わるのは、声高に難民の現状を叫びヒステリックに感じられるのを嫌ったためかもしれない。
これらにより本作は、ひたむきな少年をダシに使って夫婦の危機を描いた物語、ではなく、認知されてはいるが核心に気付かないフランス人に、真実を見つめさせる作品なのかもと思い直したのだった。★3+
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2人の会員が気に入ったと投稿しています
マリリンに逢いたい
投稿日:2011/07/05
レビュアー:よふかし
近頃のフランス映画はよく移民問題、不法入国者問題を扱っているが、これもその一本。フランス最北端カレの街にたどり着いたクルド難民の少年が、ロンドンに住む恋人の少女の会うため、泳いでドーヴァー海峡を渡ろうとする。彼を助けるフランス人水泳コーチは胸に孤独を抱えていて、妻とも離婚調停中で――。
寒そうでひなびたカレの街、海岸近くの倉庫街(?)でのボランティアによる炊き出しの風景が胸をうつ。しかし映画は難民問題やフランス政府の対処の問題を鋭くつくというよりは、クルド人青年の恋人へのひたむきな愛情と、人生を失いかけているフランス人コーチのおずおずとした交流に重きを置いているようだった。コーチを演じるのは『すべて彼女のために』のヴァンサン・サランドンで、投げやりな中年の諦念をいい感じに漂わせている。彼の覇気のなさが、たぶん妻との問題の根底にはあるのだが、その彼がクルド人少年の若さに接して眼を見開くというのは、ちょっと単純すぎるかなと思えた。
困難におかれて焦る少年の気持ちはまっすぐだが、彼がひとり大海原で泳ぎ、戦うシーンにあまり力がないのが残念だ。結局のところ、少年はフランス人コーチのことなど顧みなかった(その余裕もなかった)という感じが、ドラマを冷たいものにする。その冷たさが現実なのさ、ということだろうか。
感動的なお話だろうに、不思議と少しも感動できない作品であるのは、そのあたりに理由があるのではないかと思える。30点。
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ユーザーレビュー
海を越えたら
投稿日
2011/07/15
レビュアー
TOMY
海を越えたら、生まれ変われるはず。
その一心だ。
世の中が不条理の塊であることは百も承知だけれど、やりきれなかった。
フランスへ辿り着いたクルド難民の少年ビラルが、恋しい少女に会いたいがため、生活もままならないのに水泳のコーチを受け、ドーヴァー海峡を泳いで渡ることを目指す。
昔は有名な競泳選手だったシモンと知り合い、指南を受けるが…
シモンはまだ妻を愛しているが、彼女はシモンから気持ちが離れている。
当人は元々、難民問題にそれほど強い関心を持っているわけではないらしい。
日常が行き詰まっているせいか、妻へのあてつけのような気持ちから、勢いでビラルに近づいていくことになる。
この辺はちょっと笑えるシーンもあり。
人同士は、関われば、どうしても心のやりとりが生まれる。
意志があり、思いがあることをお互いに感じ、縁があれば距離が縮まる。
難民という過酷な運命を背負ったビラルに、シモンは、気づいたら心を重ねていた。
人生は一度きり。
この世は常に、すべてが流れ去っていく。
たった一度の人生、心から望んだことがどうしても手に入れられない立場に生まれてきたとしたら---?
息さえ思うようにできない人たちがこの世に存在していることに、頭では解っているつもりでも、日常にその意識はなくなってしまう。
やりきれない気持ちでいっぱいになった。
でも、心に何かが残る。
胸にガツンという印象を残して、映画を観終わりました。
社会問題提起映画ながら、このドラマチックな話・・・胸が痛い・・・
投稿日
2013/06/08
レビュアー
MM3
邦題から想像されるハートフルな話ではありません。
原題「Welcome」も相当な皮肉がこめられています。
イギリスに家族とともに渡った恋人に会うために
イラクからイギリスを目指すクルド人少年の物語。
これだけきくと、一途なラブストーリーでも想像しちゃってもおかしくないですが、
フランス政府の難民対策に一言申すような、社会問題提起映画です。
フランスのカレは海を挟んでイギリスに近いこともあり
難民問題が深刻化。
以前の難民に対する寛容な政策が犯罪増加を招いたとし、
この映画で描かれた頃は難民対策が厳重になったと・・・。
そんな背景の中、
クルド人の少年ビラルは
イラクから3ヶ月歩いてカレに到着。
あと一歩のところで足止めを食らう。
もう、海を泳いで渡ろう!と無謀とも思えることを考えた少年は
偶然知り合ったフランス人のシモンに水泳を習う。
ま−、無謀なこと・・・・って思うけど、
ビラルにとってはこれしか方法がなかったんですよね。
引き返すわけにもいかず、そこで留まるわけにもいかず・・・・
難民に手を貸すと、フランス国民であれど、厳しい処罰があるにもかかわらず、
シモンがなぜこの少年に手を貸したのか?とも思うだろうけど、
ちゃんと伏線というか理由付けがあるんですよね。
これは、シモンの離婚調停中の奥さんの存在があるんですよね。
こういう、2つの無謀とも思える決断が
淡々と語られる物語をドラマチックにしていますよねえ・・・。
もう、結末はなんともいえないですよ・・・・・
そんな予感はしてましたけどね・・・・・
仮にあの結末でなかったとして、あの少年はハッピーになれたのか考えても
やっぱり難しいだろうね・・・・・
クルド人少年の純粋な思い心打たれ、
冷酷なほどの難民対策の現状に気づかされるって感じかね。
見終わって改めて思う、「Welcome」ってものすごーーーーーーーーーい皮肉だね・・・・・
鼻息が不快
投稿日
2012/03/31
レビュアー
Kavi
いやぁ、いい映画と想いますよ。
フランスの政治家を巻き込んでの論争まで巻き起こしたんだから、
この映画の役割はほぼ果たしたようなもんでしょう。
フィクションは、手法を間違えなければ、ノンフィクションより
メッセージ色が強まり、広く届くの良い例という作品と思う。
不法滞在者に、普通の生活の中で、
親切にしたり、手助けしたりするだけで、逮捕されるなんて、バカげた法律だ。
“差別”というものが、どういう環境から生まれるのか、まったく理解していないのか?
と、いろいろ考えてしまうイイ映画です。
が!主演のオッサンの鼻息がうるさい。
屋内で興奮すると、鼻息でいっぱいになる。
警察で取調べを受けるシーンなんて、
警察のオッサンの鼻息もうるさくて、
鼻息の二重奏になってて、超不快。
なので★3つ。
ビニール袋でドーバーを渡る
投稿日
2011/10/29
レビュアー
ひろぼう
イラク難民の少年のひたむきさが胸を打つ作品。真正面から難民問題に向き合わないのでやや物足りなさがあるが、少年のひたむきさに自らを重ねる初老の水泳トレーナーと妻とのエピソードによって、切なさを増し味わい深い物語となっている。
時に説明不足が筋運びに乱暴さを感じさせるが、少年と夫婦の表情をアップで捉え心中を覗かせる丁寧な描写があるので、作品の言いたいことは伝わってくるので見飽きることはない。
曇り空のカレーの海の情景、倉庫街、港町の寂れた風情を伝える映像は蒼く物悲しい。肝心のドーバー横断シーンは海流の激しさを感じさせる俯瞰映像で始まるので期待させらるが、大きな海のうねりに翻弄されるか弱き人としての心象シーンと成りえていないために、やや食い足りなさを感じる。
それもそのはず、実は本作は初老のトレーナー夫婦の物語であり、少年はトレーナーの心の投影役なのだから、と感じた。そう思えば、少年の普段の生活がバッサリ省かれ過去も詳細に語られないことにも納得がいく。
しかし、それが悪いわけではなく、少年のひたむきさと対照的に初老の男女の擦れ違いをやりきれなさ満載で描くので、強く心に響いてくるものがある。それに、決してただの引き立て役だけで少年を扱っているわけではなく、ビニール袋にまつわるエピソードで始まりそして終わる少年の逃避行には、彼の哀愁を見事に感じさせていた。
フランスでは認知度が高い問題なのであえての説明は省いたのかもしれず、不真面目な日本人の私には伝わりにくいシーンも多々あったが、トレーナーや妻の言葉と態度で難民との微妙な距離感を気付かせるのは上手い脚本だと思った。
少年を救済するわけではなく難民の現状を描写し問題提起のみで終わるのは、声高に難民の現状を叫びヒステリックに感じられるのを嫌ったためかもしれない。
これらにより本作は、ひたむきな少年をダシに使って夫婦の危機を描いた物語、ではなく、認知されてはいるが核心に気付かないフランス人に、真実を見つめさせる作品なのかもと思い直したのだった。★3+
マリリンに逢いたい
投稿日
2011/07/05
レビュアー
よふかし
近頃のフランス映画はよく移民問題、不法入国者問題を扱っているが、これもその一本。フランス最北端カレの街にたどり着いたクルド難民の少年が、ロンドンに住む恋人の少女の会うため、泳いでドーヴァー海峡を渡ろうとする。彼を助けるフランス人水泳コーチは胸に孤独を抱えていて、妻とも離婚調停中で――。
寒そうでひなびたカレの街、海岸近くの倉庫街(?)でのボランティアによる炊き出しの風景が胸をうつ。しかし映画は難民問題やフランス政府の対処の問題を鋭くつくというよりは、クルド人青年の恋人へのひたむきな愛情と、人生を失いかけているフランス人コーチのおずおずとした交流に重きを置いているようだった。コーチを演じるのは『すべて彼女のために』のヴァンサン・サランドンで、投げやりな中年の諦念をいい感じに漂わせている。彼の覇気のなさが、たぶん妻との問題の根底にはあるのだが、その彼がクルド人少年の若さに接して眼を見開くというのは、ちょっと単純すぎるかなと思えた。
困難におかれて焦る少年の気持ちはまっすぐだが、彼がひとり大海原で泳ぎ、戦うシーンにあまり力がないのが残念だ。結局のところ、少年はフランス人コーチのことなど顧みなかった(その余裕もなかった)という感じが、ドラマを冷たいものにする。その冷たさが現実なのさ、ということだろうか。
感動的なお話だろうに、不思議と少しも感動できない作品であるのは、そのあたりに理由があるのではないかと思える。30点。
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