ボストン・リーガル

偏屈なデニーとアラン。
似てはいるが、大抵の場合、似た者同士というのは反発するものである。
しかし、この２人には不思議な絆がある。
本心からお互いの事を好いていて、気にかけているのだ。
特にデニーは、アランのいう事だけは素直に聞く。
この２人の友情が見ていて楽しい。

観たい洋画ＴＶドラマが新作しかなく、旧作になるまで代わりのドラマはないかとレンタルしたのがこのドラマ。
ボストンの高額所得者相手の法律事務所が舞台で、なんとコメディードラマとの事。どうりでくだらない内容。

…と、そこまで言うかのレビューとなってしまいましたが、本当に面白くない。下ネタ…それも悪くはないが下品すぎる。
同じ弁護士ドラマの下ネタでも『アリー・マイ・ラヴ』だったかな、あれは上品な下ネタとはちょっと言い難いですが、ボストンよりもスマート。

故に、２本目からはレンタルしないことにしました。それでも人それぞれに嗜好は異なるもの。観てからご判断下さい。

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今ディスクは最終話【アランの叫び】の１話のみの収録となっています。
テキサス州で８年前に起きた殺人事件。自白だけが証拠の殺人事件。
死刑執行を目前に控え、死刑を思いとどまらせる為にアランが立ち上がります。
状況証拠しかないのに死刑を決行しようとする裁判官達。
マサチューセッツ州との裁判の違いに目を見張りました。
はたして正義とは、州によって変わるものなのだろうか。
自白さえ取り下げれば状況が変わったかもしれない。そう思えば、もう少し手はあったのかもしれないと思えてならないのです。
死刑が決行されると決まった時、アランは被告に対して言いました。【死は苦しみもなく穏やかなものだというのは嘘だ。最後の瞬間まで抵抗しろ】と。
でもそれこそ苦しみを長引かせる行為。
そんな事をするくらいなら、なぜ汚い手を使ってでも自白を取り下げさせなかったのか。
神を信じ、神の意志に従って死刑を受け入れた被告。
状況を考えれば【無実なのにやったと言って死刑になったら地獄に堕ちる】くらい言っても罰は当たらない。
限りなく白に近いグレーで死刑になった者の事を考えると、やりきれないエピソードでした。

デニーの息子ドニーが再登場。
実の父親ではないと知ったドニーは腹いせにデニーと裁判で戦おうとします。
しかしそこは伝説の人（？）デニー！
ひよっこドニーでは太刀打ちも出来ません。
ま、自意識過剰のところは父親譲りだけど、実力が伴っていない。
ドニーの行動は、見ていてなんとも歯がゆい。
裏切られたという思いもあれど、やはりデニー・クレインの息子でありたいと思う心の葛藤。
いまだに【ドニー・クレイン】と決めゼリフを言うところは父親を慕う子供そのもの。
それでもデニー本人に対しては拒絶を前面押し出し、抵抗しているドニー。
【今でも息子として愛している】というデニーの言葉が心に残りました。

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今回の案件は、スーダンの民族浄化の現状に目を向かせる為に合衆国政府を訴えるというもの。
勝訴が目的ではなく、あくまでも人の目を向けさせる事。
しかしながら、結果は勝訴。
これには担当したローリー達も驚きます。
このエピソードはアメリカらしい【俺様主義】の言動とそれを皮肉ったセリフが登場するのです。
判決で判事は言いました。
【アメリカは世界中に注意を払うべき国】と。
いかにもアメリカらしい偉そうな態度。
それでいて、それを逆手に取った言動をしたのがローリー。勝訴はしたものの現状は変わらないだろうといったシュミットに対して、
【スーダンにアメリカに攻め込ませましょう。報復となればアメリカは盛り上がりますから】と言い放った。
クスリとさせられたシーンです。