わたしの可愛い人−シェリ

　この作品、少なくとも日本では“頑張る女性の恋を応援します！”的な宣伝文句を掲げていたようですが、全然、そういう趣旨の作品ではありません。
　そういうテンションで観たら、かえって打ちのめされちゃうかも。。ご注意ください。

　ミシェル・ファイファー演じるレアの、お世辞にも“美しい”とはいえない容姿。
　いや、もちろんこの御歳にしては素晴らしいんですよ。でも、あくまでも「この御歳にしては」なんです。
　数多の男を惑わせた伝説のココットも、大した器量でもない小娘相手に、やっぱりその輝くような“若さ”の前にはひれ伏すしかありません。

　結局、レアとシェリがどんなに愛し合っていたとしても、乗り越えられない障害。
　男性は割と年を取ってからでも結婚の夢を捨てるのは遅くない気がしますが（逆に最近では年の差婚さえ流行ってるし）、やっぱり女性には「子どもを産む」期限があります。
　「始めるのに遅すぎることはない（NEVER TOO LATE）」と言う言葉、私もすごく好きだけど、殊「子どもを産む」ことについては、残念ながら「遅すぎる」ことはあるんです。

　シェリが不意に戻ってきて、レアの仮面が崩れてしまう。ずっとプライドと理性の下に隠し続けていた、恋するひとりの女の素顔。
　まるで一面にぱぁっと花が咲いたかのような浮かれた高揚の後、シェリの心が決定的に離れたことを悟った時に見せた、彼女の淋しげな笑顔。
　哀しいけど、ようやく決着がついた、安堵の笑顔。

　この笑顔を観たとき、ミシェル・ファイファーはわざとシワを隠さずに若作りをし、わざと“老い”を滲ませていたのだということがはっきりわかりました。
　こんなことを女優にさせたスティーブン・フリアーズ監督もすごいけど、その酷な要求にしっかり応えたミシェル・ファイファーも大した女優だなあと感心させられました。

元高級娼婦（ココット）と、同じココットだった女の息子。
歳の離れた２人の、だらだらした、愛の話し…

ミシェル・ファイファーは、年齢を重ねた感が、場面からめちゃくちゃ出てて、痛々しいくらい。
若さ溢れる１９歳のシェリ、ルパート・フレンドはちょっと若さがなさ過ぎで、これまた「可愛いひと」というより、「しょうがない人」！
２人共、インタビュー映像の時のほうが、キレイでカッコいい♪

親子ほど歳の離れた男女が（それも女が年上）、一生の愛の相手、ってリアルやないけど、２人の気持ちは痛々しいほど、伝わる。
いつか離れなければいけない、と思いつつ６年も一緒にいてしまい、シェリは大人になり損ね、レアはいままでの恋愛遍歴を覆すほど、シェリを愛してしまう…

結末があんまりにも、プライドを持ってたココットの選ぶ最後やないな〜、と残念やったけど、若さって、やっぱ無敵、何にも変えがたい儚いものやな〜、と感じた。

　ミシェル・ファイファーのファンなので…。

　年はとりたくないですね。まして美貌の持ち主であればなおさらでしょう。

　面倒をみるつもりだけであった友人の息子にいつの間にか心奪われ、失いたくないのにその本心を知られたくなくて虚勢を張る。女は悶え苦しむけれど、男はいつまでも年下扱いされていると自尊心を傷つけられ（決してそうではないのに、哀しいかな、若さゆえに気付かない）、やはり苦しむ。

　よく似たストーリーは多々ありますが、主人公レアの心境を中心に物語は進んでいきます。レアが賢くなければ少しは楽だったろうにね。

　きれいな映像なので、やっぱりスクリーンで見ればよかった。

　女性向き。

いつの世も、美しい女に男は惹かれる　　　

しかし、いくら美しい女にも、老いという期限がある。

ストーリーのほとんどを通して、とても美しくほれぼれしてしまうレア　

ラストに近づくにつれ、あれあれと思うほおど　しわっぽくなり・・・

最後の鏡に映った容姿は、特殊メイクでしょうか

　主人公二人の年齢差が、この映画の重要な構成要素の一つだと思うのだが、１９歳のシェリを演じるのが、どう見ても３０過ぎの俳優というのが、何とも居心地が悪い。
　学園ドラマでもよくあることだが、これでは二人の年齢差を画面から読み取ることができない。
　また、レアのライバルのココットだったと言うシェリの母を演じるのがキャシー・ベイツというのも、悪いジョークとしか思えない。
　いくら歳を取って太った元ココットだからといって、こんな女優を使うのは、正気の沙汰ではない。
　美しい絵なのに、こんなに醜い二つの汚点が何とも残念である。