セント・エルモス・ファイアー

この物語は日本のドラマ「男女七人夏物語」の草案になったとか、野島シンジの「愛と言う名のもとに」の原案と言われていますが、本質的なニュアンスは異なってます。

ストーリーとしては大学を卒業したものの現実社会の中で苦悩し、順応しきれない男女の話しであり、途中途中の軽はずみな仲間内での男女の行動の数々が一般的なシンパシーを得られない原因となりがちですが、本当に彼らの根幹にあるものは排他的とも言える純粋な仲間意識にあるのではないかと。

一般に欧米人は他者とのコミュニケーションにおいて優れていると思われがちですが、この物語の登場人物達に限って言えば、そのような幻想はなく、儚いほど弱い自意識が見て取れます。
そのように考えると、唯一心を許せる仲間の中で男女の関係が進行してしまったりするのも、ある意味許容されてもしかるべきかと・・。

デミムーア演じるジュールズが自己管理の甘さから破産してしまい自暴自棄になった時、最も心を許したのが、仲間の中でいつもいい加減で愛すべき迷惑ものであったロブロウであったのも、本質的には、枠に捉われない彼の奔放さに憧憬とシンパシーを感じていたからと思われ、現実社会に染まりきらない彼が仲間である事が心の中では誇りであったかも知れません。
同じく、ロブロウが自身の不甲斐無さを引き合いに、ジュールズを励ますシーンは幻想的でありながら、説教クサさは微塵もなく、そして人生の本質をついていて、少し喩えようの無い何かが感じられるかと。

いわゆる人間的な弱さを許容出来ない人には、歯がゆいストーリーですが、物語の本質として、誰もが手を伸ばして届かない何かを象徴する灯火。物語に登場するパブ「セントエルモスファイアー」はそんな拠り所として存在し、最終的にそこから決別した時新たな一歩が始まる・・・そんな余韻を残し結ばれる物語ではないでしょうか。

大好きな作品。高校卒業の年に見ました。胸が苦しくなって、何故か涙が出たのを覚えています。別にお涙頂戴映画ではないのに。

豪華なキャストもさることながら、ストーリーにも共感する要素が多々あって、あの頃は自分も若かったせいからか、青春物の映画を好んで観た時期がありました。ちなみに、僕はエミリオ・エステヴェスとジャド・ネルソンが好きだったので、他には「ブレックファスト・クラブ」と言う映画もありますが、こちらもお薦めします。この手の映画を観ると、やっぱり親友とか友情とかって大事だなと思い起こさせてくれる気がします。

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かなり前ですが、江口洋介主演のドラマ「愛という名のもとに」
の元ネタになった青春群像ドラマです、って言えばわかりますか？
仲良しグループの男女7人の若者たちが楽しい学生時代に別れを告げ、新社会人となって厳しい現実と向き合うというお話です。
仕事の悩み、恋の悩み、自己嫌悪に陥って、思い描いていた未来はこんなはずじゃあ…というそれぞれの苦悩がリアルです。
う〜ん、青春！

中身はなし。若いっていいね、という話です。でもおそらくは、今の若い子はこんな感じの恋愛や日常はないんだろうな。

時代を感じさせます。日本のトレンデイドラマってこんな感じだったかな。みんなでわいわいの愛憎劇。まあ、いいんじゃないの。