バロン

「ほら男爵の冒険」を軸にした奇天烈ファンタジー。
バカらしい表現が面白い！
特にお気に入りが、銃弾より速く走れる男が好きです。
工夫を凝らした特撮が好感もてる。

笑えるし、スカッとする。
ただ、さすがにカメラアングル等、古さを感じさせる点が散見されるのが残念だ。

８０点

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モンティパイソンのテリーギリアムによる少し毒の有るファンタジー。
基本は童話の「ホラ吹き男爵の冒険」だが、そのイマジネーションには「地球」は狭過ぎるらしく、遥か宇宙にまで飛び出してしまう。
まだ、売れてないロビンウィリアムスが面白い役で少しだけ登場する。
当時マシンガントークと言われていたのが今は懐かしい。
舞台は前回の冒険から数十年を経過しているらしく、登場人物が皆一応に晩年化している。
有る少女の願いでが、かつてのチームを再集結させる決心をする男爵。
しかし、「老い」は男爵の持つロマンスと一行の気力も能力もそいでしまっていた。
彼らはかつての輝く様な才能を新たな旅で取り戻す事が出来るのか？。
現実と虚構の中を物語は二転三転して、その行き着く先に待つものは？。
エンドは男爵の存在と同じで「許容せずにはいられない」ユーモアで締め括ってくれる。
人生にはユーモアと罪のない「嘘」は必要なエッセンスだと教えてくれる快作。
モンティパイソンが大丈夫な人なら十分に楽しめると思う。

この作品は受ける人には受けて受けない人には
全く受けないと思います。面白いと言えば面白いのですがね
（*￣∇￣*)内容の無い娯楽作品を楽しみたい方には
是非オススメです♪

当時、私は中学生でした。
今ほどファンタジー映画が大量生産されていなかった時代です。
とても期待した一作でした。
そして相当つまんなかった。
まだ十数年しか生きていなかった人生で初めての期待はずれ映画。
私にとって期待はずれの代表作といえばこれです。

でもたしか最後は爽快な終わり方でした。
ほんのちょっとだけ、観て良かったかなあと思いました。

「バロン」（1988、英国、カラー、127分）。監督はテリー・ギリアム（1940生）。監督作は14作あり、本作は６作目。すでに傑作「未来世紀ブラジル」（1985）、「バンデットQ」（1981）も作られている。本作の脚本はテリー・ギリアムとチャールズ・マッキーワン、撮影はジュゼッペ・ロトゥンノ、音楽はマイケル・ケイメン。
驚くのは、人間の胴体から首が離れ、それが円盤に乗って、自由に語ることだった。胴体も動いている。この監督らしい、現実から遊離し、次の現実へ誘導していく技術。それが積み重ねられると、複数に浮遊する現実の、どれが現実かが分からない。タマネギの赤茶色の皮を指で剥ぎ、そこに現れたものも、どこが美味しい部分かを知らない観客は、最後まで剥いて、空虚に到る。その直前がテリー・ギリアムの映画術。
18世紀後半、トルコ軍から激しい包囲砲撃を受け半壊した南ドイツの港町。負け戦の「ジャクソン参謀長」（ジョナサン・プライス）は、自分に逆らう部下を粛清していた。荒廃した町の劇場では、喜劇「ミュンヒハウゼン男爵の冒険」が興行されていたが、芝居の途中で、老人（ヘンリー・ネヴィル）が登壇し、自分こそ本物の「バロン」（ミュンヒハウゼン男爵）だと告白する。
誰もが「ほら話」と思うが、少女「サラ」（サラ・ポーリー）だけが信じた。「私は死んだのか」という老人の問いに、「サラ」は「生きて！」と言う。「長く生きてきたが、進歩、進歩の世の中に何の夢があろう」と老人が言う。「聞かせて！」という「サラ」の言葉に応じ、映画は一気に老人「バロン」の死ぬ間際の「IFF」の長い昔語りになる。（1秒が10万メートルのような、1メートルが100年に値するような、時空。）
「サラ」と「バロン」は気球で上昇し、頭と胴体が別の意志を持つ「月の王」（ロビン・ウィリアムズ）と「地底の神」（オリヴァー・リード→名演）の差配で、摩訶不思議な力を持った四人をそれぞれの縛りから解放し、仲間に加えていく。──途次、「地底の神」の妻「ヴィーナス」（ユマ・サーマン）を「バロン」が口説くが、これはご愛嬌。
●俊足かつ長距離走者「バートホールド」（エリック・アイドル）
●怪力の巨漢「アルブレヒト」（ウィンストン・デニス）
●鉄砲名手「アドルファス」（チャールズ・マッケオン）
●小柄だが抜群の肺活量とソナーをもつ「グスタヴァス」（ジャック・パーヴィス）
ドイツの港町に着いたついた６人（「バロン」「サラ」と●の４人）だったが、「バロン」は降伏する。しかし、●の４人は処刑寸前の「バロン」を救出。───それは老人の夢だった。再び、劇場の場面に戻り、「ジャクソン参謀長」が捕縛に来るが、暴動が起こり、「バロン」は息絶える。
この虚無に満ちた世界を、夢が現実か、現実が夢かを、誰も判断できない。分からない。それでいい。タマネギの焦茶色の皮を指で剥ぎ、現れたものを、どこが美味しい部分かを知った観客は、空虚を予測し回避しながら味わうだろう。それがテリー・ギリアムの映画。