ひまわり

初めて見たのは中学生のとき。号泣でした。
（中学生の時に見た映画号泣NO.3に入ります。）
今、大人になって改めて見ても、素晴らしい作品だと思います。
ソフィア・ローレンは決して美人ではないけど、とてもきれいに見えます。一面のひまわりとマッチして、とてつもなく切ない気持ちにさせられます。
何度みてもラストは号泣な私です。。。

　戦争で引き裂かれた夫婦……悲しいのですが、ひそかに咲いたもうひとつの愛、不安げに夫を見つめるシベリアの妻もまた花のように可憐で愛らしく、力強く陽気に夫を愛し、奪われて荒れ狂うナポリの女と対象をなし、この二人の女優のどちらにも、観客は感情移入をし、戦争の残した運命に唸ってしまうことでしょう。
夫の苦悩や葛藤、元妻に対する未練も見事に描写され、様々な愛情の中で、あのテーマソングが流れ胸がいっぱいになります。

こういう映画こそ名作というものでしょう。

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愛に障害は付き物だけど、それが戦争っていうのは、やっぱり一番胸が痛む

ひまわりは、絶対に、太陽に背を向けない
どこまでも続く大輪のひまわり
戦没者の化身
眩しいくらいの黄色い発色が、鮮烈な反戦のメッセージを放って
脳裏に焼きついて離れなくなった

ソフィア・ローレンの
毅然とした態度、凛とした表情
彼女演じるジョバンナの、一つの固い意志の基に成り立った強い表情が
夫を亡くしたかもしれないという不安と恐怖で
いつ、崩れ去ってしまうのか・・・
イタリアの片田舎から、女性が単身でロシアまで
この時代の物語を、今、観るからこそ
時間と距離の重さが果てしなく私に圧し掛かる

私が愛した夫は、もう此処にはいない・・・
荷物も写真も放り出して列車に飛び乗るジョバンナに、胸が締め付けられた

時代がどんなに移り変わっても、ひまわりは太陽に恋をしている

でも、この映画の中では
ひまわりは人間で、太陽は平和・・・そう思えて仕方がない
捜し求めていくら手を伸ばしても
永遠に手が届かない
戦争を止められない人間に対しての、これ以上ない警告のような気もした

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名作中の逸品。
何度見たことだろう。
いまさらこの名作に何を語ればいいのか・・・

一面に咲くあのひまわりは、魂のやどるひまわり。
はるかイタリアから夫を捜しにきたジョバンナ。
彼女はそのひまわりを間近でみて、アントニオが必ず生きていると確信するのだ。
アントニオの魂をそこに感じることが出来なかったのだろう。
夫に再会するものの、一言も言葉を交わすことなく汽車に飛び乗るジョバンナ。
あのシーンは、いつだって私の号泣ポイント。
戦争によって引き裂かれた二人は、今を精一杯生きていくしかないのだ。

今、改めて見てみると、ソフィア・ローレンが美しい。
時間の経過が判りづらいが、それはさほど気にはならない。
いずれにしても、悲しいかな、この長い年月は二人の距離を縮めることは出来なかったのだ。

　( ネタばれあり　)　

　先日放送の「　ボクらの時代　」での大竹まことの話で、本作のタイトルバックなどで使われているひまわり畑のロケ地がウクライナだと知りました。
実際いま本作の再上映の動きは日本全国に広がっていて、新聞によると４月１５日時点で自主上映も含め１０７か所に達したそうです。

僕も再見することにしましたが、正直に言うと本作はやや苦手な作品でした。
理由の１つは、昔の映画の宣伝や評論は、あらすじから結末まで言ってしまうネタバレなものがけっこうあって『　猿の惑星　』『　ソイレント・グリーン　』などとともに、本作も内容をあらかた事前に知って観ることになったんです。
もう１つの理由は、ストレートにエモーショナルな作品は苦手で、どちらかと言うと感情を抑えた人間の内面の演技を観るのが僕の好み。
「　涙なくしては観られない感動の作品　」などとと言われると、心のハードルが上がってしまって、過去に観た時も、たしかに感動して泣きそうにはなりましたが、一方でどこか冷静に観ていたところがありました。

今回３０年以上ぶりに観ましたが、いまのウクライナ情勢をめぐる自分の心理状態のためなのでしょう、夫の死を信じないで行動するジョバンナ( ソフィア・ローレン　)、彼女を訪ねてくる義母、敗残兵となったアントニオ( マルチェロ・マストロヤンニ　)、二人の再会、そしてマーシャ( リュドミラ・サベリーエワ )・・・など、ワンシーン、ワンシーンが刺さる、刺さる。　
途中から涙腺崩壊して泣きながら観てしまいました。

ビットリオ・デ・シーカ監督の１０年來の企画。
製作はソフィア・ローレンの夫でもあるカルロ・ポンティ( 『　道　』『　鉄道員　』『　ドクトル・ジバゴ　』などイタリア映画界を代表する大プロデューサー　)とアーサー・コーン(『　ブラック・セプテンバー　ミュンヘン・テロ事件の真実　』『　セントラル・ステーション　』
など ）。
　エグゼクティブ・プロデューサーはこれも大物製作者のジョゼフ・E・レヴィン( 『　卒業　』『　冬のライオン　』『　遠すぎた橋　』など　)
カルロ・ポンティとジョゼフ・E・レヴィンは撮影許可を得るため何度もソ連を訪れ交渉、西側の映画がソ連国内で撮影を許可された最初の作品となりました。

　映画音楽の代表作の一つとも言える名曲を作曲した音楽担当はヘンリー・マンシーニ。

　「　人は愛なくしては生きていけない　」「　戦争はつくづくイヤだ　」と強く思わせるメッセージ性。
　名画とは、作品の中に人生があるものですが、あらためて、本作はまさしくそういう作品でした。