ＭＷ−ムウ−

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原作で結城は巴と名づけた真っ黒で雌のマスチフを飼っていた、というより同衾してるんですねぇ。彼女は結城の優秀な手下で、主と床を同じくするし命令されれば殺人だって厭わない優秀な暗殺者。一億総愛犬家の今の日本じゃやっぱし巴はNGか、そうか（タメイキ）

原作は重さで言えば「奇子」「きりひと賛歌」「ザ・クレーター」などの社会派作品や狂気の表現者として黒手塚と囁かれるカテゴリーの中では軽めで、いわば「タブーを犯す」ための実験作だったと私は今でも思っております（勝手に）

公開直前のスペシャルドラマを見た時点で、こういう結果になるのは明らかでした＾＾；
でも玉木はかなりのめりこんで楽しんでいるようでしたし、山田の賀来も原作にかなり忠実な出来で、実写化作品の役作りとしてはそんなに悪くなかったんではないかなと。
問題のベッドシーン（こらこら）は綺麗で切なくもあり、まー暗喩っちゃ暗喩でそれなりに満足しましたｗ

ただ「同性愛の有無」で釣ったにしちゃ、それを払拭して余りあるほどのアクションもサスペンスもなかったのはどうにもｗ中でも他のレビュアーさんたちも書かれているように、玉木をせっかく綺麗な画に仕上げているのに、なぜかメタボ気味な石橋凌に尺を取りすぎてるのもイタイところ。

ちなみに原作の２人は島の出身者ではなく、結城は梨園の花形役者の実弟、賀来は新宿を根城にしていたチンピラの一味で、年齢も今作では同級生ですが、原作では賀来が１０代後半の青年、結城は小学生、故当時偶然その島に居合わせたＭＷの被害者です。

今作では単なる復讐劇になっていますが、原作は、ゲリラ、ハイジャック、汚職、金権政治、身代金目的の小児誘拐殺人事件と７０年代当時の社会問題がこれでもかと詰め込まれ、結城自身、今作で言っていた「ＭＷを殺人兵器として海外に売り飛ばし一儲け」というのを鼻で笑い、人類滅亡を野望するという重いものでした。

また、結城は美貌に加えて知性も気品もありプライドも高いんですが、もっとナイーブで脆くＭＷの後遺症に苦しみ怯えていたし、その部分があったからこそ事件当時ヤサグレていたけれど実直で芯が太い賀来にすがり、賀来も彼を突き放せなかったのです。
今作で結城は賀来がいなくても生きていけるけど、原作では真逆なんです。

もう１つ、原作では結城は賀来の命の恩人ではないので、それをネタに脅迫され共犯関係となっている今作では、賀来はいつでも結城から逃げたがっているし、終盤、結城が吐く「オモチャを落としてしまった」という台詞は今作のオリジナルで、原作の結城には賀来に対してそれほどまで冷めた感情はありえなかったし（でもこのくだりの玉木の表情は脚本を越えて良かったですよマジで）愛情などあろうはずもない。

本当の結城の怖さは、ターゲットから全てを奪い絶望の淵に追い詰めてから嬲り殺すとか、その美貌をして女を食っては残酷にさくさく殺していくところだったので、大臣の孫娘のシーンでは思わず「逃げて〜！＞＜」と思ってしまったりｗ今作では殺されるのはほとんど男性で完全スルーでしたねｗ事務所的に同性愛はいいけど女はダメだったんですかねｗ
賀来の神父もコスプレ程度で宗教思想に関してもスルーだったのも残念です。

しまった、ツッコミどころ満載だｗ・・・でも玉木がお気に入りの方には黒玉木が十分楽しめる佳作ですとだけは声を大にして言っておきたいｗ
長くなりましたが、原作にもちょっと興味があるなという貴方は今すぐコミックレンタルへｗ

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玉木宏が、悪役を演じるというところが、
ちょっと、変わった感じなことと、
始まりの、誘拐事件の顛末が、結構、残虐で、
というか、ある意味、正当で、
なかなか、面白い。

ただ、だんだん、テロ事件っぽくなってきて、
米軍の基地にまで入るところは、
現実感がなくて・・・

原作がどうなのかは、わかんないけど、
ちょっと、興ざめかな。。。

玉木宏の悪役は、、、
あんまり、凄みがないんだよね。。。
だから、アクションというより、もっと、頭脳犯であるところだけに、
集中して、駆け引きだけにするほうが、
彼をキャスティングするんだったら、よかったかな。。。

でも、、、
一番、頑張ってるのは、石橋凌さんだったりして・・・（笑）

とはいえ・・・
なんか、玉木と戦うんだったら、、、もうちょっと、若い感じの方が、いいような気もした。

評価７５点(１００点満点)
巨匠手塚治虫が１９７６年に連載していたコミックを映画化した作品で、沖縄アメリカ軍基地で実際に起きたサリン漏洩事件を題材にしたといわれている。原作はダークヒーロー結城(玉木宏)が妖しげな雰囲気で同性愛や女装というような場面が登場するので従来の手塚作品とは違う「禁断の問題作」だつたのだが、本作では単なるサスペンス・エンタテイメントに終わってしまっている。
舞台はタイで起きた邦人女性誘拐事件に端を発しているのだが、この部分が結構長く時間をとってしまつているので、全体のバランスを崩しているような感じ。１６年前に起こった沖之真船島での事件が伏線となって、その生き残りの少年結城と賀来の葛藤がもっと強調された方が原作に近くなるのだが、同性愛というテーマを封印しているのでいたしかたないところなのか。普段はシャープな銀行マンがトラウマを抱えたテロリストに変身、その行動を阻止したくてもできずに神に祈る賀来(山田孝之)、「動」と「静」の対決なのだが、賀来の存在感があまりない。ミスキャストだったのかもしれない。妙に刑事沢木との対決軸ばかりが目立つてしまって平凡なアクション作品になつてしまつている。最近外務省の密約問題が物議をかもしているところで、こんな国家の重大事は「闇から闇へと」葬ってはならないというのがラストの暗示なのか。
退屈はしないがそれほど期待して観る作品ではなかろう。

いや〜泣きそうでした。
なんか、違う意味で。
原作と映画はベツモノだから！とわかってはいたのですが、やはりキャスト以外がもうガッカリを超えたガッカリ（どんな）

結城や刑事のキャスティングはよかったです。
賀来はもっと骨太な役者さんがよかったかも。
そして、なぜ聖職者なのにロン毛なのか・・・（笑）

もっとドロドロしているのかと思って観たので肩透かしでした。
原作全部を表現するのは大変だろうけれど、今の映像技術でできないわけないと思うのですが。

慎重に作りすぎだと思ってしまいました。
もっと「ありえない」感じでよかったのになぁ。

お金をかけてる割には、あまり大作感というか、
満足感を感じなかったので、残念です。

玉木宏と山田孝之の二人の切っても切れない関係の
背景が、スポンサー・サイドの圧力で描けなかった
んだそうです。それに対して１カ所だけ、それを
におわせるシーン（ベッドに臥せっている玉木が
寄り添う山田の肩に手を差しのべてふれるところ）
を挿入して、監督はせめても抵抗をしたんだそうで
すが、これだけじゃ分かりませんよねー。

というわけで、幼なじみというだけで玉木の悪行の
数々を許してしまう山田孝之にも感情移入できず、
観客は置いてけぼり、な感じでした…。