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扉をたたく人 / リチャード・ジェンキンス
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「扉をたたく人」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

妻を亡くして以来、心を閉ざしていた孤独な大学教授が、ひょんなことから出会った移民のジャンベ(アフリンカン・ドラム)奏者との交流を通じて再び自らの人生を歩み始める姿を描いた感動ヒューマン・ドラマ。主演は本作でアカデミー主演男優賞ノミネートのリチャード・ジェンキンス。コネティカット州に暮らす62歳の大学教授ウォルター。愛する妻に先立たれて以来、すっかり生きる喜びを見失っていた。ある日、久々のニューヨーク出張で別宅のアパートを訪れてみると、そこに若い移民のカップル、タレクとゼイナブが住んでいた。詐欺に遭ったことを知り、立ち去ろうとする2人を不憫に思い、当面の間住まわせることにするウォルターだったが…。

「扉をたたく人」 の作品情報

作品情報

製作年:

2007年

製作国:

アメリカ

原題:

THE VISITOR

「扉をたたく人」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

関連作品

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トマホーク ガンマンvs食人族

スポットライト 世紀のスクープ

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迷い婚 〜すべての迷える女性たちへ〜

ユーザーレビュー:79件

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6〜 10件 / 全79件

「忙しくなんてない。忙しいふりをしていただけだ。」 ネタバレ

投稿日:2009/09/26 レビュアー:みみ

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 きっと彼はこの言葉をずっと言いたくて言えなかったのだと思う。
「忙しくなんてない。忙しいふりをしていただけだ。」
 まさに彼が心の扉を開けた瞬間でした。

 大学教授。他人が羨む立派な職業に就きながら、実態は他人に誇れる仕事など何もやっていない。という、密やかな引け目。
 年度をホワイトで修正するだけで20年間変わっていない講義概要。名前を貸しただけで実は全く執筆に関わっていない共著の著書。
 ピアノを習ったり、料理を楽しんだり、満たされない自我を満たすための試行錯誤。
 そんなウォルターの孤独な毎日に突然訪れたビジターは、彼の心の扉を開きます。

 勝手に自分のイメージを作り、それを鎧のようにまとって他人との関わりをシャットダウンしてきた彼が、それを脱ぎ捨てる。簡単そうでなかなかできることじゃない、ある種の勇気が必要なことだと思う。
 あるいは、それが簡単にできる人もいるのだろうけど、どちらかというと彼に近いタイプだと思う私には、それがどんなに困難なことか理解できるような気がしたのです。
 印象に残るラストシーン。ウォルターの傍に彼らはいない。再び一人に戻った彼だけど、もう物語の冒頭とは違い、満たされている自分に誇らしげに輝いている姿がとてもまぶしく、そして羨ましく思いました。
 私事になりますが、この映画を映画館で観て、次の一歩が踏み出せました。勇気をもらった一作です。

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怒りのドラムをうちならせ! ネタバレ

投稿日:2010/04/16 レビュアー:飛べない魔女

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また一つ良い映画に出会えたと思う。

ひょんなことから出会った全く年齢も職業も生き方も違う二人、大学教授の初老の白人男性ウォルターとシリアからの移民であるシャンぺ奏者タレク。
二人の間にシャンぺというアフリカン・ドラムを通じて生まれた友情。
人種や社会的地位を超えて結ばれた二人の友情が、シャンぺのリズムのごとく気持ちいい。
公園で躊躇いながらもシャンぺの演奏に混ざっていき、次第にそのリズムに高揚を覚えるウォルターの表情に胸が熱くなった。
あの場面が一番好き。

9.11以降ことごとくアラブ系というだけで、このタレクのようにアメリカ社会から疎外され、ささいな理由づけで追い出しをくらった人たちが多いのだろう。
彼は何をしたのか?何もしていない。何もしていないことが罪なのか?・・・ああなると理不尽にも強制送還を免れることは難しいようだ。
一個人の力では権力に立ち向かうことはままならず、その空虚な気持ちと怒りをウォルターはドラムに託す。
ドラムの響きが次第に激しさを増し、人々の視線を無視してたたき続けられるラスト。
リチャード・ジェンキンスの演技が素晴らしい。
この人のほほ笑んだときの静かな優しさが好きだ。

ウォルターがタレクの母親に言う言葉が印象的だった。
『忙しいふり、仕事しているふり、時間がないふり。何十年とふりをしてきた。そんなふりはもうしたくないんだ』
私を含め世の中の大概の人がふりをしながら自分の生活に満足しているふりをしている・・ってことに気づかされた一言だった。

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年寄りの冷や水 ネタバレ

投稿日:2010/05/30 レビュアー:忙中有閑

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いい映画だと思いました。何と言っても主人公のウォルター(リチャード・ジェンキンス)は62歳のジジイで私と殆ど同年代です。非常に身に詰まされました。しかし、私がこの作品を「いい映画」だと言い、「身に詰まされた」と言うのは、私の世代の「現実」をよく捉えているからじゃ無いんです。全く逆で、「現実」とはかけ離れた「フィクション」としてよく出来た映画だと思ったからなのですが、この映画のどこが「フィクション」なのか、若い方々にはなかなか分からんでしょうから、それをお教えしようと思ってこのレビューを書くことにしたのです。
ウォルターは妻に先立たれ、息子は独立してロンドンに行ってしまって独り暮らし。田舎大学で一応現役の教授やってますが仕事への熱意はとうの昔に失ってる。ピアニストだった妻を偲んで自分もピアノを習おうとしますが全然ヤル気が起きない。同僚の代役で行きたくも無い学会に出張する羽目になり、嫌々N.Y.に出て来る。この辺までは「現実」として十分納得感あります。自分や自分の周囲でも「ありそうな」話です。で、ウォルターは、ひょんなことからシリア人の若者タレクとセネガル人の恋人ゼイナブというカップルと知りあう。この「ひょんなこと」からこの映画の「フィクション」「ドラマ」もスタートするわけですが、「現実」ではこの「ひょんなこと」なんてまず起きないんですね。いや、実際にはこの程度のコトは幾つも、何度も起きてるのかもしれないんだけれど、それは全てただ目の前を通り過ぎて行くだけで、自分は何の「ドラマ」にも巻き込まれないのが「現実」なんです、トシを取ると。
ウォルターはタレクの演奏するアフリカン・ドラム(ジャンベル)に魅かれて、このカップルと同居することになり、ここからはもうどんどん「フィクション」「ドラマ」が勝手に展開して、ウォルターはそれにドップリ巻き込まれます。タレクの母親(ヒアム・アッバス)なんてのが登場して、これがまたなかなかイイ女で、タレクが逮捕されてるんで「同じ屋根の下」に住むことになっちゃって、遂にはデートまでしちゃいます。そこでウォルターが彼女に告白します。「忙しくなんて無い。20年もの間仕事なんてしてない。仕事してるフリをしてきただけだ」、今貴女と一緒にいるこの時間が本当に大切なんだ、ってワケですね。
そう。これが「フィクション」なんです。現実の62歳のジジイは、目の前を通り過ぎていく「ひょんなこと」に巻き込まれたりしない。「ジャンベル」なんてヘンなドラムの音色に魅かれて、シリア移民の若者と友達になったりしない。だから、その若者の母親と恋に落ちたりもしない。「ドラマ」に巻き込まれることなど無く、毎日「忙しいフリ」をして、ただ死ぬのを待つのが「現実」の人生ってもんです。
勿論若い方々はこんな「ジジイの話」に「身に詰まされ」たりしないで「いい映画だ」と素直に感動されるんでしょうから、単に「年寄りの冷や水」と受け流して戴けばよろしいのですが。

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静かにじわじわうるうる。

投稿日:2010/03/15 レビュアー:MM3

移民問題も絡めたみごたえあるヒューマンドラマでした。

妻を失ってから心を閉ざしてしまったウォルターは
あまり愛想もなくなってしまい、
ほとんど笑わないように見えましたが、
タレクに逢ってから
徐々に笑みがもどって、
ジャンベを教わってから、
まるで別人のように生き生きとしているところが
微笑ましかった〜。

結局移民問題が絡んできて
一個人としてはどうにもならない状態に・・・・

最後のジャンベを夢中で叩くシーンは
なんだかウォルターのいろんな気持ちが読み取れて・・・。


印象に残るイイ映画でした。

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★★★★ メロディを捨て、ビートを選ぶということ ネタバレ

投稿日:2010/03/15 レビュアー:ガラリーナ

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ニクソンのレビューを書いて気づきました。どうも、ここんところ立て続けに爺さんの映画ばかり観ているような気がします。何せ高齢化社会だし、爺さんの心の内側を覗くと言うのは、もはやれっきとしたした1ジャンルになっているのかも知れませんね。しかも、これくらいの年代の男性ってのは、あからさまに自分の感情を前には出しませんから、その内側を想像させるって言うことで物語は作れてしまうんだろうな。

911以降のアメリカとか移民問題などはいろんな方が良いレビューを書いていらっしゃるので、出る幕もないのだけど、ひとつ挙げるとするならば、ウォルターはメロディを捨ててビートを選んだってこと。その事実がやけに切ない。ピアノは妻の形見だよ。それを会って間もないセネガル人からもらったジャンベに乗り換えてしまうんだもの。ピアノって、とても感傷的な楽器だし、年を取ると誰でも感傷に浸りたくなるものだと思うのだけど、ウォルターはそういうメランコリックな気分に終止符を打つんだね。ジャンベというビートのチカラを借りてさ。

それは過去との決別なのか、新たな出発なのか。観る人によって感想の異なるところだろうけど、よりシンプルな生き様を選んだということは確かだよね。ラスト、地下鉄でジャンベをかき鳴らすウォルターの姿は、孤高の人みたいで感動的なんだけど、やっぱりなんか寂しくてたまらない。そう感じる私はまだまだ自分にまとわりつく、いろんなものに執着しているんだなあ、なんて思ったりするのです。

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6〜 10件 / 全79件

扉をたたく人

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「忙しくなんてない。忙しいふりをしていただけだ。」

投稿日

2009/09/26

レビュアー

みみ

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 きっと彼はこの言葉をずっと言いたくて言えなかったのだと思う。
「忙しくなんてない。忙しいふりをしていただけだ。」
 まさに彼が心の扉を開けた瞬間でした。

 大学教授。他人が羨む立派な職業に就きながら、実態は他人に誇れる仕事など何もやっていない。という、密やかな引け目。
 年度をホワイトで修正するだけで20年間変わっていない講義概要。名前を貸しただけで実は全く執筆に関わっていない共著の著書。
 ピアノを習ったり、料理を楽しんだり、満たされない自我を満たすための試行錯誤。
 そんなウォルターの孤独な毎日に突然訪れたビジターは、彼の心の扉を開きます。

 勝手に自分のイメージを作り、それを鎧のようにまとって他人との関わりをシャットダウンしてきた彼が、それを脱ぎ捨てる。簡単そうでなかなかできることじゃない、ある種の勇気が必要なことだと思う。
 あるいは、それが簡単にできる人もいるのだろうけど、どちらかというと彼に近いタイプだと思う私には、それがどんなに困難なことか理解できるような気がしたのです。
 印象に残るラストシーン。ウォルターの傍に彼らはいない。再び一人に戻った彼だけど、もう物語の冒頭とは違い、満たされている自分に誇らしげに輝いている姿がとてもまぶしく、そして羨ましく思いました。
 私事になりますが、この映画を映画館で観て、次の一歩が踏み出せました。勇気をもらった一作です。

怒りのドラムをうちならせ!

投稿日

2010/04/16

レビュアー

飛べない魔女

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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また一つ良い映画に出会えたと思う。

ひょんなことから出会った全く年齢も職業も生き方も違う二人、大学教授の初老の白人男性ウォルターとシリアからの移民であるシャンぺ奏者タレク。
二人の間にシャンぺというアフリカン・ドラムを通じて生まれた友情。
人種や社会的地位を超えて結ばれた二人の友情が、シャンぺのリズムのごとく気持ちいい。
公園で躊躇いながらもシャンぺの演奏に混ざっていき、次第にそのリズムに高揚を覚えるウォルターの表情に胸が熱くなった。
あの場面が一番好き。

9.11以降ことごとくアラブ系というだけで、このタレクのようにアメリカ社会から疎外され、ささいな理由づけで追い出しをくらった人たちが多いのだろう。
彼は何をしたのか?何もしていない。何もしていないことが罪なのか?・・・ああなると理不尽にも強制送還を免れることは難しいようだ。
一個人の力では権力に立ち向かうことはままならず、その空虚な気持ちと怒りをウォルターはドラムに託す。
ドラムの響きが次第に激しさを増し、人々の視線を無視してたたき続けられるラスト。
リチャード・ジェンキンスの演技が素晴らしい。
この人のほほ笑んだときの静かな優しさが好きだ。

ウォルターがタレクの母親に言う言葉が印象的だった。
『忙しいふり、仕事しているふり、時間がないふり。何十年とふりをしてきた。そんなふりはもうしたくないんだ』
私を含め世の中の大概の人がふりをしながら自分の生活に満足しているふりをしている・・ってことに気づかされた一言だった。

年寄りの冷や水

投稿日

2010/05/30

レビュアー

忙中有閑

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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いい映画だと思いました。何と言っても主人公のウォルター(リチャード・ジェンキンス)は62歳のジジイで私と殆ど同年代です。非常に身に詰まされました。しかし、私がこの作品を「いい映画」だと言い、「身に詰まされた」と言うのは、私の世代の「現実」をよく捉えているからじゃ無いんです。全く逆で、「現実」とはかけ離れた「フィクション」としてよく出来た映画だと思ったからなのですが、この映画のどこが「フィクション」なのか、若い方々にはなかなか分からんでしょうから、それをお教えしようと思ってこのレビューを書くことにしたのです。
ウォルターは妻に先立たれ、息子は独立してロンドンに行ってしまって独り暮らし。田舎大学で一応現役の教授やってますが仕事への熱意はとうの昔に失ってる。ピアニストだった妻を偲んで自分もピアノを習おうとしますが全然ヤル気が起きない。同僚の代役で行きたくも無い学会に出張する羽目になり、嫌々N.Y.に出て来る。この辺までは「現実」として十分納得感あります。自分や自分の周囲でも「ありそうな」話です。で、ウォルターは、ひょんなことからシリア人の若者タレクとセネガル人の恋人ゼイナブというカップルと知りあう。この「ひょんなこと」からこの映画の「フィクション」「ドラマ」もスタートするわけですが、「現実」ではこの「ひょんなこと」なんてまず起きないんですね。いや、実際にはこの程度のコトは幾つも、何度も起きてるのかもしれないんだけれど、それは全てただ目の前を通り過ぎて行くだけで、自分は何の「ドラマ」にも巻き込まれないのが「現実」なんです、トシを取ると。
ウォルターはタレクの演奏するアフリカン・ドラム(ジャンベル)に魅かれて、このカップルと同居することになり、ここからはもうどんどん「フィクション」「ドラマ」が勝手に展開して、ウォルターはそれにドップリ巻き込まれます。タレクの母親(ヒアム・アッバス)なんてのが登場して、これがまたなかなかイイ女で、タレクが逮捕されてるんで「同じ屋根の下」に住むことになっちゃって、遂にはデートまでしちゃいます。そこでウォルターが彼女に告白します。「忙しくなんて無い。20年もの間仕事なんてしてない。仕事してるフリをしてきただけだ」、今貴女と一緒にいるこの時間が本当に大切なんだ、ってワケですね。
そう。これが「フィクション」なんです。現実の62歳のジジイは、目の前を通り過ぎていく「ひょんなこと」に巻き込まれたりしない。「ジャンベル」なんてヘンなドラムの音色に魅かれて、シリア移民の若者と友達になったりしない。だから、その若者の母親と恋に落ちたりもしない。「ドラマ」に巻き込まれることなど無く、毎日「忙しいフリ」をして、ただ死ぬのを待つのが「現実」の人生ってもんです。
勿論若い方々はこんな「ジジイの話」に「身に詰まされ」たりしないで「いい映画だ」と素直に感動されるんでしょうから、単に「年寄りの冷や水」と受け流して戴けばよろしいのですが。

静かにじわじわうるうる。

投稿日

2010/03/15

レビュアー

MM3

移民問題も絡めたみごたえあるヒューマンドラマでした。

妻を失ってから心を閉ざしてしまったウォルターは
あまり愛想もなくなってしまい、
ほとんど笑わないように見えましたが、
タレクに逢ってから
徐々に笑みがもどって、
ジャンベを教わってから、
まるで別人のように生き生きとしているところが
微笑ましかった〜。

結局移民問題が絡んできて
一個人としてはどうにもならない状態に・・・・

最後のジャンベを夢中で叩くシーンは
なんだかウォルターのいろんな気持ちが読み取れて・・・。


印象に残るイイ映画でした。

★★★★ メロディを捨て、ビートを選ぶということ

投稿日

2010/03/15

レビュアー

ガラリーナ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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ニクソンのレビューを書いて気づきました。どうも、ここんところ立て続けに爺さんの映画ばかり観ているような気がします。何せ高齢化社会だし、爺さんの心の内側を覗くと言うのは、もはやれっきとしたした1ジャンルになっているのかも知れませんね。しかも、これくらいの年代の男性ってのは、あからさまに自分の感情を前には出しませんから、その内側を想像させるって言うことで物語は作れてしまうんだろうな。

911以降のアメリカとか移民問題などはいろんな方が良いレビューを書いていらっしゃるので、出る幕もないのだけど、ひとつ挙げるとするならば、ウォルターはメロディを捨ててビートを選んだってこと。その事実がやけに切ない。ピアノは妻の形見だよ。それを会って間もないセネガル人からもらったジャンベに乗り換えてしまうんだもの。ピアノって、とても感傷的な楽器だし、年を取ると誰でも感傷に浸りたくなるものだと思うのだけど、ウォルターはそういうメランコリックな気分に終止符を打つんだね。ジャンベというビートのチカラを借りてさ。

それは過去との決別なのか、新たな出発なのか。観る人によって感想の異なるところだろうけど、よりシンプルな生き様を選んだということは確かだよね。ラスト、地下鉄でジャンベをかき鳴らすウォルターの姿は、孤高の人みたいで感動的なんだけど、やっぱりなんか寂しくてたまらない。そう感じる私はまだまだ自分にまとわりつく、いろんなものに執着しているんだなあ、なんて思ったりするのです。

6〜 10件 / 全79件