ルックアウト／見張り

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レビューを読んだ人しかこの作品に出会わない。
とでも云うほど、地味なタイトルとカバー写真。
こんなに在庫があるのに・・・。

スコット・フランク初監督作品と言われても分かりませんよね。
でも彼が書いた脚本の作品は、1本や２本観た方は多いはず。
面白い作品を書く脚本家が監督した作品は当たり、そういうじゃないですか。
そうなんですよ。これ。

不注意で起した事故の罪と、事故の後遺症に苦しむ青年（クリス）が巻き込まれる犯罪。前半は彼の日常を繰り返し見せる事で、彼の過去と彼の現在をつなげ、何故に未来に向かう前で立ち止まったままなのかを知らせます。
彼が犯罪に巻き込まれるのは事実なのですが、現在のクリスを知ることで、自ら犯罪に引き込まれていく、足を踏み入れていく彼の危うさが見えます。

巧みな伏線をはめ込み、思いもよらないアクションへと流れを変えるスピーディーな後半。犯罪を挟んでクリスの過去と未来を見せていく手腕はお見事ですが、甘すぎるラストにはちょっと残念。

それと、
警官をなんであんな死なせ方にするんだ。
悪党とはいえなんで吸入器が必要な持病持ちにするんだ。
（後味の悪いあの最後はねー。）
何のための残酷な設定、そのキレの悪さが引っかかる。

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おっと軽めのアクションかと思って気軽にレンタルしたら全く予想を裏切られました。でも、この繊細なテイストは好きですね。できるだけ予備知識なしで見た方がおもしろいかもしれません。

脚本家出身の監督だけあって、一歩間違うと重くなりそうな難しいテーマを、ウェットに流れすぎないようコントロールしつつ、サスペンスの要素もうまく盛り込んでドラマとしてきっちり組み立てていることにまず感心します。

また、初めて目にする主人公役のジョセフ・ゴードン＝レヴィットがこれまた良いのですが、彼以外も端役に至るまで登場人物が丁寧に描かれているために、ひとつひとつのシーンや台詞が味わい深く、後になってじんわりと効いてきます。悪い奴らも単なるワルとしてではなく、ちょっとした台詞や仕草の裏に彼ら自身の人生が垣間見えるような描き方をされているんですよね。

主人公は外見上はわからない障害と、その原因となった自らの過ちに対する罪の意識の両方に苦しんでいて、そのどちらも解決できないまま、毎日ほとんど変化のないパターン化した生活を繰り返しています。そんな彼に訪れた、いつもとは違う一日…それは彼自身と、彼を取り巻く人々の運命を大きく変えることになります。

彼の障害は回復するものではないし、「事件」後も表面上の生活にはさほど大きな変化はありません。でも事件を通じて過去と今の自分を肯定し、同時に自分以外の人々を肯定することを学んだ彼の人生は180度変わったのだと思います。いたずらに感動的に盛り上げるのではなく、ごく淡々と描かれるシーンの端々に、人間に対する監督の暖かな眼差しが感じ取れます。

拾いものの秀作。

2007年インディペンデント・スピリット新人作品賞受賞作なので借りてみた映画。「新人」作品賞ですが、スコット・フランク監督は、脚本家として1998年から10作もメジャー脚本を手がけ、11本目のこの作品が初監督です。
（私の持論「脚本家の初監督作品にハズレなし」が、また大当たり！）

冒頭、カンザス州ノエルの田舎。夜中の旧道を、４人の若者が乗る赤いオープンカー。
暗闇をライトつけずに猛スピードで走る。
（あー！ぶつかる）
いきなり手足バラバラのスプラッターか…と思ったらのシーン展開…
（ツカミ最高！）

そこから、抑えられた色調と細かいカット割で、主人公クリス（ジョセフ・ゴードン＝レヴィット）の心身の葛藤の深さに焦点を当てた良質なドラマとして楽しめ、後半は伏線脚本が見事に完結するテンポの良いインディーズ系サスペンスとしてドキドキの感情移入でした。

イントロダクションに書かれている「後遺症」ですが、この後遺症の設定を書くとネタバレになってしまう。
で、その「後遺症」の症状が、充分すぎるほどリサーチされていて、後半のサスペンス事件を、観ている私たちに納得させるだけのリアリティがあります。

脇のキャスティングもピタっとはまった好演。
主人公クリスの親友ルイスに『カイロの紫のバラ』『イカとクジラ』のジェフ・ダニエルズ、悪役が『敬愛なるベートーヴェン』 『マッチポイント』のマシュー・グード（この2作品とは全く別人）、多分初観のアイラ・フィッシャーの愚直な女役も良かった。
その他、からみの少ない登場人物たちも、脚本に手を抜かない人物描写を感じました。

しかも、レンタルDVDでありながら、特典映像も充実しています。その特典映像の中で、主演レヴィットが、脚本について語っていた言葉、
「役者は賞賛の嵐だが、脚本家は陰が薄い。でも、いい演技ができるのは何よりも脚本のおかげだ。セリフもシーンも全部そこにある」
（脚本好きの私は、この言葉にも感動）

後半、登場人物の一人の退席描写に粗さがありますが、それ以上に素晴らしい脚本の作品と感じました。

日本劇場未公開が信じられない佳作です。
インディーズ系サスペンスアクションが好きな方に、オススメの１本！

（またまた長文レビュー。観た後に映画を忘れず楽しみたい私。新機能コメント欄に＜ネタバレ＞記載）

この映画は、『アウト・オブ・サイト』『マイノリティ・レポート』『ゲットショーティ』の脚本家、スコット・フランクによる脚本、そして初監督作品です。
『銀行強盗』を扱った物語で、このような描き方をした映画は未だかつて観たことがありませんでした。
というよりも、これは四年前の交通事故により、短時間しか記憶が保てないばかりか、釣り銭の勘定もできなくなってしまった主人公クリス・プラット（ジョセフ・ゴードン・レヴィット）が、自分が運転する車で、仲間を二人死なせ、恋人までをも義足にしてしまった事故の後遺症と罪を、どう克服しようとしているかの過程に、『銀行強盗』という事件が絡んでいるあくまで『ヒューマンドラマ』なのではないかとも感じました。
そういう意味では四つ星★★★★でした。

見かけはC級映画ですが、ちょっと奥が深い、ひと味違う物語展開となっています。

レビット君の過去作で、なんだか面白そうだったので観てみました♪

この人、出る映画で全く顔が違いますね！
ホント、観ていて飽きないです♪

事故で記憶障害を負った主人公
彼が一つの事件に加担せざるを得なくなっていくサスペンス調ドラマ
家族、恋人、私生活
事故で全てを無くしてしまった喪失と
それでも前を向いて力強く生きようとする衝動、野望
そういった葛藤をレビット君は凄く上手く好演♪
パーカーの上にジャケット
勿論フードは外に出す♪
レビット君、この役柄とこの服装、合い過ぎ♪

メモ帳
靴の中の鍵
部屋中のメモ
事故で無くしたものの大きさをそれとなく示唆する小物たち

そしてドーナツ警官のエピソード

盲目の同居人(ジェフ・ダニエルズ)

サスペンスだけど、ドラマ性も重視した一味違う感じで、良かったです♪

オープニングの蛍も、ロマンティックで印象的な幕開けでした☆素敵！！