ドア・イン・ザ・フロア

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　それはかつて愛情でたっぷり満たされていたコップのようなもの。息子の死によって、コナゴナに割れてしまったコップを、この夫婦は何とか元に戻して、また以前のように愛情で満たしたかった。なぜなら、２人ともそのコップが大好きで、愛着があったから。
　でも、一度壊れてしまったものを修復するのはむずかしい。
　結局２人が選んだのは、高校生エディの力を借りて、そのコップを壊し、捨ててしまうことでした。
　夫のテッドは、この話をいつかエディが書いてくれることを初めから望んでいたのかもしれません。「ディテールが大事だ。息子の靴はエア・ジョーダンだった。」と、別れ際にその思いを彼に託します。
　残念ながらこんな形でしか前に進めなかった夫婦の話。暗くて破滅型のストーリーではありますが、ラストは悲しくも、希望が垣間見られます。
　悲しみはまだ消えません。こっそり彼は床の上のドアを開きます。強く生きるために。そしていつか開かなくてもいい時がくるまで。

息子を失って、娘の子育てさえ放棄してしまう・・・
「マリアの輝く星」と重なりました。

でも、やってる事が無茶苦茶だよ！そんなことしても何にもならないよ！って叫びたくなりました。

これは、期待してた映画なんですが、ダメでした。
もっと、感動したかったなあ・・・暗いだけで終わってしまった。見て良かったって思えなかったんです。

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どうしても乗り越えられない喪失の苦しみ。この夫婦はこの４年間、なんとか立ち直ろう、再生しようと必死に努力してきたのだろう。

それは、映画の中で詳しくは語られていないが、全体的にそう匂わせている。引っ越しをしてみる。新しい子供を作る。生活環境を変えて、新たな人生をスタートさせるが、亡くなった息子たちの空白を埋めることができない。

喪失感と共に家族関係を維持できない哀しさが画面にあふれ出ている。

何気にピックアップして観た作品

ジェフ・ブリッジズの、こういったシリアスな役はあまり見たことがなかったのですが
心の奥底にズシリときました・・・

左折のウィンカー、点滅

写真に囲まれた一家、バラバラ

奥の奥の真っ暗な部分で、二度と再生できない淵で繋がった夫婦

そんな夫婦である男女が
罪悪へ堕ちてしまうその前に
なんとか、その堕落の壁にしがみついて
現実を逃避しながら、現実を生きようとする・・・

母親(キム・ベイシンガー)が最後にとった行動は、私には一つも理解できない

だけど、それは、彼女を襲った喪失が、私の想像を遥かに超えているから・・・なのかもしれない


ボヤっと抽象的な部分もあれば、具体的な細部もあって
全体的にアーティスティックな雰囲気もあり
とても、とても、重いテーマですが、それだけ見応えはありました

三人称で語られた真相が
その真相の内容云々よりも、その語り口が印象的
その時の、ジェフの表情も・・・

少年の処女作
絵画の数々
タイトルにもなっている児童書
キム・ベイシンガーの空気

どれを取っても、私の好きな香りで包まれていた

「靴は脚に履かれていた・・・」のだ

まずはあっぱれアラウンドフィフティーズ！
キム・ベイシンガー----映画公開当時49歳
ミミ・ロジャース------映画公開当時52歳
この二人が大胆なヌードやセックスシーンを惜しげもなく見せてくれる。
特に、ミミ。　
すっかり垂れ下がってしまったおっぱいだけでなく、下の三角地帯を堂々と披露してくれちゃったりして・・・おー！おばさん、がんばってるよー！
キムの方は少し恥じらいがあったのか、そこまで堂々たる裸体披露にはならずとも、円熟した大人の悲しいセックスシーンを演じている。
泣きながら30歳年下とするシーンは、悲しくも美しく切ないシーンだった。（遠めに写した彼女の裸体は芸術的に綺麗だった！）

幸せそうに見えた家庭も、本当はガラスのお城。
ちょっとしたひびで、もろくも崩れ去り、大人たちはそれぞれの心の逃げ場所を求めさ迷う。
心の傷を隠しながら・・・
時々傷が這い出てきてまた自分を傷付けるのを防ぐ方法を模索しながら・・・
それでも人生は否応なしに続いていく・・・


でも、逃げ場所がある人は幸せだと思う。
私も長い間心の逃げ場所を必要としているときがあった。
でも今は正面から立ち向かう勇気を我が子からもらうことが出来たと感じている。

うーん、ＪＵＣＥさんのレビューを改めて読んで、ラストに納得！
確かに、あとからじわじわと感無量になる作品かと・・・