恥<特別編>

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恥<特別編> / リヴ・ウルマン

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「恥<特別編>」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

数々の問題作を世に送り出しているイングマール・ベルイマン監督がマックス・フォン・シドーを主演に迎えて贈る問題作。戦争を避けるように離れ小島で静かに生活を送る元バイオリニストの夫婦。しかし、戦争はふたりの関係にも溝を深め始める。

「恥<特別編>」 の作品情報

作品情報

製作年: 1966年
製作国: スウェーデン
原題: SKAMMEN/SHAME

「恥<特別編>」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

関連作品

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ヒマラヤ杉に降る雪

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ハンナとその姉妹

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6〜 10件 / 全14件

海の向こうで戦争が始まった ネタバレ

投稿日:2009/08/23 レビュアー:ひろぼう

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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名も知らぬ島で始まる戦争。この島で暮らす元楽団員の夫婦の頭上にも、その暗雲が垂れこめ始める。夫婦の理解者であるかに振舞う市長が統治するこの島では、彼が唯一無二の絶大な権限を持つのだろうか。
政府軍、反政府軍、民間の反政府組織の三者が行う闘いの末路は、場所も時代も関係なく同じ、破壊と死と恐怖と狂気でしかない。
名も知らぬ孤島での戦争と、自身に危害が及ばない対岸の火事と安心することなかれ、この物語は戦争で狂わされる人の精神の脆さを描いている。それは、人類よ、恥を知れということなのだろうか。

物語は中盤までは、ただひたすら戦争という暴力になぶられ続ける夫婦を描く。戦争とは極度に効率化された破壊行為であり、政府という組織が関与することによって滑稽さを伴う几帳面さも持ち得、残忍性という人の性を露わにする。それは夫婦へのインタビューとか、取り調べの拷問直後の食事とか、掌を返したように屋外に連れ出され銃弾にさらされるかと思わされるシーンに端的に示される。効率を追求はするが部署は的確に動かず空回り、しかし任務を果たそうと、仕事だからと人間性を無視した行為を正当化する描写には、恐ろしさを通り越して可笑しさを感じてしまう。

そして迎えるのは夫の変化。楽団員の頃の夢を見ては泣き不平不満を言えば妻に頬を張られる攻撃性のない男が、ある出来事を通じて劇的に変化する。それは支配欲で人が普遍性として持つ感情で、引金が戦争であるだけだった。

その後、物語の展開はがらりと変わり、夫の残忍性を、ひいては人の浅ましさを暴露していく。気にいらなけらば妻の頬を張り、自身を守るためであれば平然と犠牲を求める。

死屍累々たる海原を漕ぐ夫は疲れ果て眠り、以前は聞こえていた声を、それを良心と呼ぶのが適当なのかは分からないが、聞こえなくなったと嘆く妻の夢がせつなさを呼ぶ。

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一生、黙ったまま過ごしてみる?

投稿日:2008/07/10 レビュアー:mayumi


他人の悪夢に出演してるみたい。
その人が目覚めたらどうなるの?

撃たないでくれ、こっちは丸腰なんだ。
おなかすいてる?
食べ物をあげる。待ってて。


極限の状況にたたされた自分はどうするか?
エッジに立った時。

日常の私は、まったく別な人。
いくら装っても。
正直ぶっても。
全て、はぎすてられる。

この作品は、戦争という状況を借りましたが、ベルイマンの凄さは、そのエッジを日常として描くところ。
言葉を替えればリアルとして。
そのところが、ハネケとの差。

状況でなく、人そのものに、問いただそうとしています。

最後、ホワイトアウトで終われない。

そこがベルイマンの作品たるところ。


「沈黙」(1963年)・「叫びとささやき」(1973年)に衝撃を受けました。

私の三大スゲ〜映画監督の一人、ベルイマンの作品をもっと多くの人に見てもらたい。






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人間の本質は戦争によって蝕まれるのか?それとも露になるのか?

投稿日:2014/03/27 レビュアー:飛べない魔女

小心者のように見える夫
気丈で生活力がありそうに見える妻
バイオリニストであった二人は、戦争によって職を奪われ、小島で農業をしながら細々と暮らしています。
その生活は決して楽なものではなく、日々食べることがやっとではありますが
二人でいることにささやかな幸せをかみしめているように思われます。
ところが、この島にもやがて戦車が入ってきて、戦地と化して行きます。
いったい誰と誰が戦っているのかもよく判りません。
政治とは全く無関係で、普通に暮らしていた平凡な夫婦があっという間に巻き込まれていくのです。
お粗末な小屋ではあっても安らかな暮らしの出来る我が家の崩壊ぶりをみて
やがて小心者だったはずの夫の心は壊れていきます。
いや、これが彼の本質だったのかもしれません。
彼の本性がむき出しになった結果なのかもしれません。
かつての栄光を懐かしんではメソメソとしていた夫の姿はもうそこにはありません。
戦争は大地だけでなく人の心をも蝕み、もてあそび、絶望とともに変貌させるものだということでしょう。

この二人の行く末は?
それは見ている人たちに託されたような結末でした。
”恥”とは、いつの時代も争いをやめようとしない人間全体の恥を言っているのかもしれません。

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静かで淡々と ネタバレ

投稿日:2006/10/15 レビュアー:イケナイコ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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きれいで寂れたモノクロ映像。夫婦互いの厭世観、互いへのあきらめなどが描かれつつ、どうしようもない人生などというものを淡々と描く。一番気を引かれたのは、妻が市長と二人で温室に行くシーン。それから最後に、船で何人かの難民と流れていくシーン。静かで美しい。

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人間の本質に迫る!

投稿日:2015/03/12 レビュアー:趣味は洋画

この映画、音楽は一切使っていないんですね。まさに生(ナマ)の音だけです。 爆撃機の轟音、砲弾や銃声の音、海に漂うボートによって揺れる波音、そしてもの哀しそうな人々の言葉...
白黒映像と相まって、ベルイマンの作品はいつも臨場感で溢れています。

冒頭は夫のヤーン(マックス・フォン・シドー)が‘夢を見た...’と言って、妻のエーヴァ(リブ・ウルマン)とバッハの協奏曲を演奏した夢を語るのですが、最後は妻が‘夢を見た...’と言って、語ります。 ...
...きれいな通りを歩いていた。片側には白い建物、アーチや円柱のある建物よ。反対側には緑の公園、生い茂る木々の足元に小川が流れているの。高い壁があった。バラに覆われた壁。突然戦闘機が来て火を放った。炎に包まれたバラはとても美しかったわ。燃え盛るバラが小川に映ってた。私は赤ん坊を抱いてた。私たちの娘よ。抱きしめると娘は唇をギュッと押しつけた。私の頬に。私は必死で何かを思い出そうとしてた。誰かの言葉を。でも思い出せない...’そう言ってエーヴァは目を閉じ、映画は終わります。
子どものいない夫婦の設定ですが、2人の会話がかみ合わず、なにかギクシャクした感じの場面がしょっちゅうでてきます。
情けない夫に、妻は苛立ち、口げんかが絶えない...それでもすぐ仲直りする。どこかの国にもよくある光景ですね。
そんな2人が‘夢’を語るのですが、現実とのギャップに苦悩しているゆえか...とも思えてくるのです。
戦争を背景としていますが、テーマは「人間の闇」を見つめ、問うているのではないでしょうか。

57年「第七の封印」、57年「野いちご」、73年「叫びとささやき」、78年「秋のソナタ」、ベルイマン作品を観たのは本作が5本目なのですが、どれも「人間の本質に迫る」素晴らしい作品ばかり。
今、「狼の時刻」を登録済で、今後、「処女の泉」、「鏡の中にある如く」が観られたらいいなと思っています。

ベルイマンは5度の結婚歴があるそうですが、L・ウルマンは愛人だったとか...その彼女を本作同様、「叫びとささやき」、「秋のソナタ」に抜擢してますね。
東京生まれのL・ウルマンは本作出演時28歳、M・V・シドーは37歳です。
それにしてもシドーの57年「第七の封印」から、2011年「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」まで、いやはや半世紀以上にわたる出演は凄いとしかいいようがありません。
まだまだ活躍してほしいです。

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恥<特別編>

ユーザーレビュー

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海の向こうで戦争が始まった

投稿日

2009/08/23

レビュアー

ひろぼう

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名も知らぬ島で始まる戦争。この島で暮らす元楽団員の夫婦の頭上にも、その暗雲が垂れこめ始める。夫婦の理解者であるかに振舞う市長が統治するこの島では、彼が唯一無二の絶大な権限を持つのだろうか。
政府軍、反政府軍、民間の反政府組織の三者が行う闘いの末路は、場所も時代も関係なく同じ、破壊と死と恐怖と狂気でしかない。
名も知らぬ孤島での戦争と、自身に危害が及ばない対岸の火事と安心することなかれ、この物語は戦争で狂わされる人の精神の脆さを描いている。それは、人類よ、恥を知れということなのだろうか。

物語は中盤までは、ただひたすら戦争という暴力になぶられ続ける夫婦を描く。戦争とは極度に効率化された破壊行為であり、政府という組織が関与することによって滑稽さを伴う几帳面さも持ち得、残忍性という人の性を露わにする。それは夫婦へのインタビューとか、取り調べの拷問直後の食事とか、掌を返したように屋外に連れ出され銃弾にさらされるかと思わされるシーンに端的に示される。効率を追求はするが部署は的確に動かず空回り、しかし任務を果たそうと、仕事だからと人間性を無視した行為を正当化する描写には、恐ろしさを通り越して可笑しさを感じてしまう。

そして迎えるのは夫の変化。楽団員の頃の夢を見ては泣き不平不満を言えば妻に頬を張られる攻撃性のない男が、ある出来事を通じて劇的に変化する。それは支配欲で人が普遍性として持つ感情で、引金が戦争であるだけだった。

その後、物語の展開はがらりと変わり、夫の残忍性を、ひいては人の浅ましさを暴露していく。気にいらなけらば妻の頬を張り、自身を守るためであれば平然と犠牲を求める。

死屍累々たる海原を漕ぐ夫は疲れ果て眠り、以前は聞こえていた声を、それを良心と呼ぶのが適当なのかは分からないが、聞こえなくなったと嘆く妻の夢がせつなさを呼ぶ。

一生、黙ったまま過ごしてみる?

投稿日

2008/07/10

レビュアー

mayumi


他人の悪夢に出演してるみたい。
その人が目覚めたらどうなるの?

撃たないでくれ、こっちは丸腰なんだ。
おなかすいてる?
食べ物をあげる。待ってて。


極限の状況にたたされた自分はどうするか?
エッジに立った時。

日常の私は、まったく別な人。
いくら装っても。
正直ぶっても。
全て、はぎすてられる。

この作品は、戦争という状況を借りましたが、ベルイマンの凄さは、そのエッジを日常として描くところ。
言葉を替えればリアルとして。
そのところが、ハネケとの差。

状況でなく、人そのものに、問いただそうとしています。

最後、ホワイトアウトで終われない。

そこがベルイマンの作品たるところ。


「沈黙」(1963年)・「叫びとささやき」(1973年)に衝撃を受けました。

私の三大スゲ〜映画監督の一人、ベルイマンの作品をもっと多くの人に見てもらたい。






人間の本質は戦争によって蝕まれるのか?それとも露になるのか?

投稿日

2014/03/27

レビュアー

飛べない魔女

小心者のように見える夫
気丈で生活力がありそうに見える妻
バイオリニストであった二人は、戦争によって職を奪われ、小島で農業をしながら細々と暮らしています。
その生活は決して楽なものではなく、日々食べることがやっとではありますが
二人でいることにささやかな幸せをかみしめているように思われます。
ところが、この島にもやがて戦車が入ってきて、戦地と化して行きます。
いったい誰と誰が戦っているのかもよく判りません。
政治とは全く無関係で、普通に暮らしていた平凡な夫婦があっという間に巻き込まれていくのです。
お粗末な小屋ではあっても安らかな暮らしの出来る我が家の崩壊ぶりをみて
やがて小心者だったはずの夫の心は壊れていきます。
いや、これが彼の本質だったのかもしれません。
彼の本性がむき出しになった結果なのかもしれません。
かつての栄光を懐かしんではメソメソとしていた夫の姿はもうそこにはありません。
戦争は大地だけでなく人の心をも蝕み、もてあそび、絶望とともに変貌させるものだということでしょう。

この二人の行く末は?
それは見ている人たちに託されたような結末でした。
”恥”とは、いつの時代も争いをやめようとしない人間全体の恥を言っているのかもしれません。

静かで淡々と

投稿日

2006/10/15

レビュアー

イケナイコ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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きれいで寂れたモノクロ映像。夫婦互いの厭世観、互いへのあきらめなどが描かれつつ、どうしようもない人生などというものを淡々と描く。一番気を引かれたのは、妻が市長と二人で温室に行くシーン。それから最後に、船で何人かの難民と流れていくシーン。静かで美しい。

人間の本質に迫る!

投稿日

2015/03/12

レビュアー

趣味は洋画

この映画、音楽は一切使っていないんですね。まさに生(ナマ)の音だけです。 爆撃機の轟音、砲弾や銃声の音、海に漂うボートによって揺れる波音、そしてもの哀しそうな人々の言葉...
白黒映像と相まって、ベルイマンの作品はいつも臨場感で溢れています。

冒頭は夫のヤーン(マックス・フォン・シドー)が‘夢を見た...’と言って、妻のエーヴァ(リブ・ウルマン)とバッハの協奏曲を演奏した夢を語るのですが、最後は妻が‘夢を見た...’と言って、語ります。 ...
...きれいな通りを歩いていた。片側には白い建物、アーチや円柱のある建物よ。反対側には緑の公園、生い茂る木々の足元に小川が流れているの。高い壁があった。バラに覆われた壁。突然戦闘機が来て火を放った。炎に包まれたバラはとても美しかったわ。燃え盛るバラが小川に映ってた。私は赤ん坊を抱いてた。私たちの娘よ。抱きしめると娘は唇をギュッと押しつけた。私の頬に。私は必死で何かを思い出そうとしてた。誰かの言葉を。でも思い出せない...’そう言ってエーヴァは目を閉じ、映画は終わります。
子どものいない夫婦の設定ですが、2人の会話がかみ合わず、なにかギクシャクした感じの場面がしょっちゅうでてきます。
情けない夫に、妻は苛立ち、口げんかが絶えない...それでもすぐ仲直りする。どこかの国にもよくある光景ですね。
そんな2人が‘夢’を語るのですが、現実とのギャップに苦悩しているゆえか...とも思えてくるのです。
戦争を背景としていますが、テーマは「人間の闇」を見つめ、問うているのではないでしょうか。

57年「第七の封印」、57年「野いちご」、73年「叫びとささやき」、78年「秋のソナタ」、ベルイマン作品を観たのは本作が5本目なのですが、どれも「人間の本質に迫る」素晴らしい作品ばかり。
今、「狼の時刻」を登録済で、今後、「処女の泉」、「鏡の中にある如く」が観られたらいいなと思っています。

ベルイマンは5度の結婚歴があるそうですが、L・ウルマンは愛人だったとか...その彼女を本作同様、「叫びとささやき」、「秋のソナタ」に抜擢してますね。
東京生まれのL・ウルマンは本作出演時28歳、M・V・シドーは37歳です。
それにしてもシドーの57年「第七の封印」から、2011年「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」まで、いやはや半世紀以上にわたる出演は凄いとしかいいようがありません。
まだまだ活躍してほしいです。

6〜 10件 / 全14件