バルトの楽園

第二次大戦モノと毛色が違い、ピースフル！
ただし押しつけがましい個々のエピソードなど日本人感情に立った分、ドイツ人に申し訳ない気がする。っていうか気恥ずかしさ全開！だｗ

この映画がドイツで公開されたのか知らないが、ドイツ人が見ても情けをかけられた恩恵を疎ましく思うだろう。
逆にこの題材でドイツ人がこんな映画を撮ったら素敵だっただろうけどね。
ベルリンの壁題材で事欠かない彼らには古すぎる題材か...。

この映画であの ひげは、アートネイチャーの技術が使われており、公開当時マツケンが出演でコラボCMとして紹介された。
あんた頭頂部のが薄いだろｗ

舞台は第一次世界大戦時の徳島県坂東の捕虜収容所です。ここの所長松江を演じたのがご存知松平健です。会津藩士の実直で暖かな人柄から人望厚い役どころを見事に演じています。
文部科学省推薦で，文化庁の芸術文化振興基金からも支援を受けて制作された作品ですから，小学生の子どもたちが見ても十分に理解できるような組み立てになっています。保護者皆さんはが当時の時代背景などを少し勉強しておかれると子どもさんに尊敬されると思いますよ。
捕虜収容所でベートーベンの第九を演奏したという実話がベースとなっていますが,それだけではなく，地元民とドイツさんとの技術・文化の交流も描かれていて感心させられます。
ただ，音楽が非常にきれい（現代的な音色）で，とても当時の楽器を使った演奏とは思えません。出来れば当時の楽器が奏でた音色の再現を試みてほしかったです。（星一つ減の理由）
いつの世も「音楽に国境は無い」というのを感じさせてくれるいい映画でした。
おまけ：当時のドイツさんが残したものは，知識や技術，文化ばかりではなく，外来種としてコスモスの花を残しました。今では日本中で秋を彩っていますが，日本のコスモスの起源は坂東にあったのです。ご存知でしたか。

第二次大戦について、有る事無い事騒いでる人達が増えましたが、これからは第一次大戦、そしてもっとスパンの長い、本当の「歴史の流れ」を、世界中の人達が勉強して欲しいと感じた映画でした。
つまり常識ですが、物事は全て一方向、一点からだけでは見てはいけ無い、と云う事です。
特に、争い事（戦争）に関しては。
人間が、永続して「平和」と云う、互いに「折り合いを付けながら共存する」と云う事には、互いの立場、意見を尊重しなければ、実践出来る訳は有りません。
自分の事は勿論主張していい「権利」ですが、それには、相手の主張も聞かなければいけ無い「義務」も生じると理解しなければなりません。
この映画で、日本軍人と捕虜収容所周辺の住民とドイツ兵捕虜の３年近い、本当に有った交流は、もっともっと両国が忘れ無いように語り続けて欲しいと思いながら観ました。
「ドイツさん」と云う言い方が、日本人らしくてほのぼのしました。

史実に基づいた感動物語。
戦中戦後の捕虜収容所で起きた出来事を、マツケンやら阿部寛やら豪華スタッフが演じている。

とりわけベタ演技の坂東英治が出演している理由は、徳島出身てことと、『坂東地区の捕虜収容所』というのがあるのかな？という、ほわ〜んとしたストーリー展開の中に、戦争の狂気や厳しさもしっかりと描かれており、また戦争という狂気に振り回されること無く、自分をしっかりと持って生きた人も描いている。

見終わってあったかい気持ちになる『戦争映画』だった。

良い映画でした。素晴らしい第九でした。誇り高く演奏し歌う音楽家たちに感動しつつ、エンドロールの最後までしっかりと観、聴きました。
私、この映画を観る前日に出先で四千円を落としたか、すられたかしたので「あー、くやしい！バカバカ」と、一日中ドアや机に当たり散らしていたのですが、この映画を観た後は「あの四千円は、この寒空にご飯を食べるお金もない気の毒な人の手に入っていればいいな」と思えました。それくらい気持ちが穏やかに、優しくなれる映画です。家族で観てほしいな。