ＳＰＬ　狼よ静かに死ね

　裏社会のドン、ポー逮捕に執念を燃やす４人の刑事。リーダーのチャン刑事は頭に悪性腫瘍を患い、余命いくばくもない。新たなリーダーを新任のマー刑事に譲って引退を決意した最後の日。何としても、その日のうちにポーを逮捕しようと、暴走を始めてしまう４人と、その姿に戸惑うマー・・・。
　まさに香港ノワールの匂いがぷんぷん。この日が父の日であることもスパイスとして効いている。父としての想い、息子としての想いまでもが渾然となって展開する非情なる男の世界。

　だが、ポーはサモハン、マー刑事はドニー・イェンだ！ここに、銃撃戦のほとんどない“香港ノワール”が展開。
　彼らの、見事な体技にはただただ圧倒される。アクション監督も務めたドニー・イェン、絶好調！キレキレ！素晴らしい！カッコよすぎる！
　さらに、サモハン。今何歳？５０は超えてるよな。なんだ、あの動きのキレは。そして、あの冷酷な雰囲気は。『プロジェクトＡ』のイメージが大きすぎるオレは、こんな裏の顔も出来るのかと感心するのみ。
　とにかく、クライマックスの両者の一騎打ちはそれだけでも必見。
　さらに、そこまで行ってしまうか〜！という決着も非情。
　ラストを観ると、邦題の『狼よ静かに眠れ』がいかに上手いタイトルかが実感できる。
　
　武闘派、必見！

　監督はウィルソン・ウィップ。くしくも、『香港ゾンビ』の監督だ。意外と多彩やないですか。
　

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映画ってたった数日間の出来事なんですね。
アクションをみせることに関しては特にいうことありません。欲をいえば、総合格闘技的な動きは、映画やカンフーアクションにはあわない。寝技、関節技の見せ方自体はプロレス（UWF時代の藤原喜明）がうまいです。殺し屋の手首を決めながら、相手をいたぶり殺すのは、中国拳法的で映画の雰囲気にはあっていましたが、サモハンvsドニーのマウントからごろごろ地面を転がるのはリアルではありません。はやりの動きをいれたということでしょうけど。でも特殊警棒であれだけのアクションをみせられるとはビックリ。スポーツチャンバラはじめようかな。
デブゴンのサモハンしかしらないので、とても怖かったです。アメリカのTVドラマでもそうだったけど、サモハンは元々怖い人ではないのでしょうか？
いいものをみさせてもらいました。

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どいつもこいつもかわいいオヤジっぷり満載で嬉しいっちゃない１本。
サモハンが、こんなにくるりんとした目をしてるなんて初めて知りました。

アクションに関してはもう、名だたるレビュアーさんがおっしゃってるとおり申し分なし。特にウー・ジンの陸橋下のシーン、ビルの谷間でのドニー・イェン対ウー・ジン戦、サモハン対ドニーのラストバトルは感涙もの。神業を心ゆくまで堪能できます。

申しわけない、ウー・ジンはこれが初見だったんですがあまりの童顔悪魔っぷり全開で一目惚れ。そうですか、悪役はお初だったんですか。その童顔悪魔が陸橋下で血塗れのちょっと羽鳥アナ似の若い刑事の首を暗闇からぬっと出て掻っ切るシーンはため息が出るほど綺麗でした。ひぃやぁ！って悪魔笑いでアクションに入る瞬間もいいけど、台詞が最後の最後までほとんど無いのがいいねぇ。他ではよく喋る役なのかしら？

ストーリーには賛否両論あるようですが、先にジョニー・トーを何本か見てあまりの終わり方にうああありえね〜！と頭抱えちゃった私的にはぜんぜん有りでした。
要の電話シーンがいくつかあるんですがどれも泣きそうでしたよマジで。父の日ってどのオヤジもそんッなにロマンを感じてたんかーと妙な意味で反省したりもして。

さて。アクション担当以外の見どころについても少しだけ。

冒頭、あの子はどうした！と迫るシーンとその直後茫然自失するシーンと、オトナ気なくゴルフのクラブでサモハンと「やるか？！」ってなっちゃうシーンと、スパゲッティーを食いつつ展望食堂で悪性腫瘍を長年の相方に打ち明けるシーンと、スーツ羽織ながら廊下を歩くシーンと、密かに血反吐吐くシーンと、ドニーに大声でまくし立てるシーンと、何より吊られシーンのサイモン・ヤムがいいです。
でもアクションに関しては神揃いの今作ではサモハンに相当イタイ目に合わせられる以外出番なし。あとー、なんだかんだ言ってコーヒーにはミルク入れる人なんだーと確認。てへ。一応主人公なのにクレジットでは３番目でかなり後ーの方になって登場するドニー・イェンの次。がんばれ、超がんばれ。

んで、ドニーはそれまで近々に部下となる刑事仲間に「だっておまえら誰も俺のこと仲間だと思っちゃいないんだろう？！！殺すか？ん？殺すか？」ってなってたのが逆ギレしたサイモンにまくされ、え？あ、と言いはぐれて、そのままぐっと黙っちゃうシーンが最高。いや、ドニー、そこは暴論だ！って言い返してもいいと思うぞ？何度見てもかわいくてちょっとぷぷっとします。

いやー、女性が見ていい作品だと思うけどなぁ。綺麗だし。
横領とかいろいろあるけど、みんないいオヤジだし。

あれだけ熱く燃え盛った日々も今は昔、衰退の一途を辿る香港映画（そう言えば西麻布の香港ガーデンもなくなりましたね。全然関係ないけど^^;）に見切りをつけ、ここ数年は韓流やらタイ製のエスニック・アクションに傾倒しておりました。確かにトッポギやトムヤンクンも悪くはないけど、やっぱりなんちゅーか、本中華の味は捨て難し！

こっちもワル、向こうはもっとワル、そんな奴らの血で血を洗う報復合戦は感情移入できません？　そうですか、意見が合いませんなあ。悪党の金を盗んで孤児を育てようとし、殺し屋になぶり殺しにされながら「俺はクズだ」とつぶやくワル刑事。いやあ、俺はこういうシーンにシビレまっせ。目の前で仲間が殺されようというのにフェンス越しにしか撃てないシチュエーションの作り方なんかもうまいじゃないですか？　「そうくるか？」と２回思わせるクライマックス〜エンディングまで、あれこれ詰め込んで１時間半というコンパクトな長さにまとめている点も評価できます。ラストは涙が浮かびました、マジで。（でもカッコ悪いから家族には内緒^^;）

しかし、街でたむろするチンピラの数がやたら多くないですか？
いくらなんでもあんなに大勢いたら一般人は怖くて店に近づけないですよ。ハハハ。

映画館で見て、良かったので改めてレンタルしようと思います。
もうしょっぱなから男泣き全開で哀愁漂いまくり。
ストーリーもわかりやすくて良いです。
でもって、なんといってもドニー・イェンのアクションでしょう！
かっちょえぇ〜！
そして、やっぱりすごいぞサモハン！
若いモンには負けてまへん！あの巨体で本当によく動く〜。
サモハンはどうしてもコミカルなイメージがあるけど、今回の暗黒街のボス役はハマリ過ぎてて怖かった。
もう水島裕さんの声じゃ合わないかもね〜。
破滅に向かって暴走する男たちの優しさ、切なさに触れたい！男泣きしたい！という方にはぜひぜひおすすめですよん！