ジパング

ようやく９巻まで見終えました。
しかし、今回のシリーズは原作コミックスの７巻分に過ぎません。
現在、コミックスでは２８巻、連載は更にその先まで進んでいます。
ある意味、今回のシリーズは「ジパング」の壮大なストーリーの中のプロローグに過ぎません。
せっかく良くできているアニメなので、是非とも同じ制作陣で続編の制作を期待します。
このような物語はアニメーションだからこそ自由に描けるものだと思います。
内容的にもこれからどんどん深まり、「ジパング」というタイトルの本当の意味も明らかになります。
動く「みらい」や角松副長たちももっと見たい！是非とも続編を作ってください！！

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【第２２話　警告】ワスプの艦載機の特攻を直撃で受けた「みらい」は砲雷長である菊池の判断によりトマホークミサイルをワスプに向けて発射する。菊池の心境や如何に・・・。
【第２３話　ワスプ撃沈】「みらい」から発射されたトマホークミサイルの直撃を受けた米空母「ワスプ」。何の抵抗も出来ず総員退艦となってしまう。
【第２４話　死者と生者】角松らは伊号から生還した。一方ガナルカナル島の辻参謀と岡村少佐は追い詰められていた・・。

今巻は「みらい」ｖｓ「ワスプ」に決着がつく。ここで描かれる砲雷長菊池の苦悩や過去のエピソードは見所の一つであろう。また。ガ島のその後も描かれる。

最終回までもう秒読み段階となったこの作品、予想通りというかやはり中途半端に終わってしまいそうだ。現在も連載中のこの作品、しようがないことだとは思うのだがやはり納得出来ないものがある。おもしろい題材なだけにキッチリ最後までアニメ化して欲しかった。結局このアニメは何を描きたかったのだろう？という疑問が沸々と沸いてくる。

【第１６話　岡村少佐の意志】角松の悪夢からスタート。角松・津田らはガ島に再上陸し日本兵の救出に向かう。そこで角松は岡村少佐と出会う。そしてタカ派の辻政信が登場する。

【第１７話　ジパング胎動】山本長官の依頼により「みらい」はトラック諸島へ向かう。そこで久しぶりに「みらい」搭乗員に上陸許可が出る。そして本来の目的である山本長官と梅津艦長の会談が始まった。その時、草加は辻に銃を向けある場所へ連れて行く。

【第１８話　再会】角松は津田と共に草加を捜し始めようとしたその時、草加を発見し後を追う。しかし、草加は飛行機で東京に向かう！そして「みらい」は横須賀へ寄港することを決意する。東京に着いた草加はある人物の講演を聴いていた。

今巻も色々アニメならではの演出が色々あった。劇画の足りない部分を見事に描いている。角松の悪夢も原作よりもとてもインパクトのあるものになっていたし、再上陸する船での角松と津田の会話はアニメオリジナルだ。また、角松が再上陸中の時、「みらい」甲板上で会話する菊池と尾栗による角松に関して論じるシーンもそうだ。難しい原作をわかり易く誰にでも理解出来るようにとの配慮だと思うがとても好感が持てる。今巻でトラック諸島に上陸することになるが、山本長官が「みらい」搭乗員を慰労するとなっている。しかしこれは「慰労」ではなく明らかに「慰安」だろう。原作も「慰安」となっている。この点はテレビアニメならではの配慮かもしれない。

今巻では２人の登場人物がいる。辻と石原だ。辻は明らかにこの時代の陸軍を象徴するようなタカ派であるが、驚きなのはこの石原である。この劇中で描かれたことに間違いがないならば、当時の現状をとても冷静に見つめていた人物だと言える。当時この様な人物もいたのだという事実にとても驚いた。僕はこの時代にあって「制空権が勝敗の鍵を握る」などという人物は考えられなし、いないと思っていたこともあってとても驚いた。この様な人物が沢山いたなら戦争もそしてその結果も変わっていたのかもしれない。事実、日本帝国はアメリカに制空権を握られ敗北する。戦艦「大和」の例がまさしくそれだ。大艦巨砲主義は過去のものだったのだ。それに気がつかない海軍と陸軍。負けるべくして負けたと言えるのかもしれない。

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【第１９話　もうひとつの参謀本部】「みらい」の横須賀帰港。連合艦隊司令部は「みらい」の護衛に駆逐艦をさくわけにはいかないと紛糾する。そこへ滝少佐が潜水艦でついていくことを提案し、受け入れられる。しかし、この滝少佐の思惑は別の所にあった。一方草加は石原莞爾と会い色々情報を与える。その頃、アメリカ軍空母「ワスプ」ではハットン中佐ら第六爆撃飛行隊が徴集されていた。

【第２０話　伊−２１号】滝少佐が乗る潜水艦「伊−２１号」は「みらい」の後を付けてくる。その時、「みらい」のレーダーは未確認の機影をとらえていた。伊−２１号に確認すると日本軍機だとの返答があったが、角松はその返答に疑念を抱き、自ら直接滝少佐に会う為、柳と共に潜水艦に乗り込んだ。そこで滝少佐の本当の狙いが判明する。「みらい」撃沈・・これが滝少佐の目的だったのだ。そして米軍４０機の大編隊が「みらい」に迫っていた。

【第２１話　１対４０】滝少佐の策略で戦闘せざる終えなくなった「みらい」。砲雷長の菊池は弾薬の節約を考えて（本当は言い訳）自動発射管制モードではなく手動で主砲などで攻撃し、相手の戦意をくじく作戦を採った。戦闘開始１分で２０機ほど撃墜に成功したが、菊池の予想は外れ、敵部隊は退かず、ハットンは特攻ばりの作戦で「みらい」に損害を与えることに成功する。「みらい」の乗組員にも数名の犠牲者が出た。菊池は自分のミスを認め、敵空母「ワスプ」に対してトマホークを使用した撃沈を決断し、艦長に進言するのだった。

今まで避けてきた戦闘だったが、一人の男によって米軍と戦わなければならない状態に陥ってしまう。出来れば今巻で２２話まで見たかった。そうすれば砲雷長である菊池の苦悩もわかるというものだ。しかし、今回は策士滝少佐の策略にまんまとはまった「みらい」の素早い対応は見所だ。かなり傷ついてしまうが、これは現代人とその時代の人間との戦時下に於ける判断の差が出たものだと思う。菊池をはじめとする「みらい」側の戦闘意識が曖昧、中途半端だったと言うことに他ならないが、これは致し方ないのではないだろうか。タイムスリップものの問題として、燃料や弾薬の補給が出来ないというのがネックになる。燃料は何とかなるとしてもこの作品ではどう対処していくか楽しみなところだ。ま、弾薬尽きるまで戦うのかわからないが・・。

第１０話「交流」第１１話「ガダルカナル島」第１２話「サジタリウスの矢」を収録しています。

角松の活躍で何とか補給を済ませた「みらい」は草加、津田を相談役に作戦会議を開きます。その前にいつも体当たりな行動力でお馴染みの尾栗が東進丸に乗り込み帝国海軍兵士達と酒を酌み交わします。この辺は尾栗の真骨頂ともいうべきエピソードです。そして「みらい」はガダルカナル島を巡る日米の戦闘回避と日米兵２万余の犠牲者の減少を目的とする作戦を立てます。まずは草加が佐竹操縦のジャイロに乗り山本五十六長官のいる戦艦「大和」に乗り込み、戦闘のきっかけとなる第八艦隊の行動中止を呼びかけるはずでしたが、角松や菊池の予想に反して草加は独自の行動を取り始めます。

その頃、角松、尾栗、柳、榎本の４人はガダルカナル島に上陸していました。「サジタリウスの矢」を放つ準備の為です。その時、本来草加の説得で戦闘を避けるであろうと思われていた第八艦隊は「みらい」の予想に反して歴史通りにアメリカ艦隊に攻撃を加え大打撃を与えます。それを見て草加の真意を知った菊池は角松に対してオペレーション「サジタリウス」の発動を伝えます。そして「みらい」はガダルカナル島に上陸した米軍の「小麦粉」に対して「ハープーン」ミサイルを正確に発射させ、米軍兵を驚愕させます。草加の野望により史実と違った歴史がハッキリと動き始めます。またその草加の野望に「みらい」は振り回されていきます。この後、ガダルカナル島での死闘はどの様な展開を見せるのでしょうか、楽しみな所です。

この作品を見ていると非常に原作に忠実なのは良くわかるのですが、原作にはないセリフやシーンが追加されており、原作よりも非常にわかり易い内容になっているのには驚嘆させられます。当然、原作に出てくるような差別発言や下品なセリフは全てカットされています。その代わり、わかりにくいであろうセリフはわかり易く、新しいセリフを追加するなどしてストーリーになめらかさを与えています。原作を凌駕するようなアニメはこの作品が初めてです。全く素晴らしいことです。これは製作スタッフがこの作品の真意をしっかりと理解していなければ出来ないことだと思います。今後も充分に期待出来そうですね。