ストーカー

なかなかエグイ作品ですね！異常行為もやりすぎると正常行為となってしまうところか怖い！俺も今でもストーカー行為モドキみたいなことしていますが、一線は越えていません！でも近所周辺では俺は要注意人物らしいです！

私はホラーが嫌いなので基本的に見ない。この作品は、最近のロビンウィリアムスは悪役を多くやっているので、その一貫として（つまりはロビンウィリアムスという俳優の名前のみで）借りた。ストーカーというタイトルがどうかなぁ。と思ったのだが、原題の「ＯＮＥ　ＨＯＵＲ　ＰＨＯＴＯ（ＤＰＥサービスの意）」の方がしっくりくるような感じがしました。

だってストーカーだと、ある女の人を追っかけているイメージが強く、今回の主人公のような倒錯した話とはちょっと違う感じになってしまうような気がします。話としては、恐ろしい話なのですが、なんか哀しい恐ろしさなんですねぇ・・・ストーリーとしては大したことはないのですが、なにやら色々考えさせる作品です。

アメリカの小売業を色々と見た人間としては、映画の舞台となっているＳＡＶＭＡＲＴというのがなかなか美しいディスカウントストアだったのか印象に残った。描かれている店長室やバックルームの様子などはいかにも！！的で楽しい。とまぁ、そういうアメリカの一般社会を感じるのにもいい作品なのでは？？

ロビン・ウィリアムズの主演作品をずっと観てきましたが、この作品でロビンの演技力が再評価されたのではないでしょうか？彼といえば情熱的な、そして人間味あふれた演技力で定評がありますが、今回の抑揚無く押さえた演技は見事でした。

また、以前他のレビューアーさんが書いておりますが、ディスカウントショップや制服の色彩も記憶に残ります。

いつも笑いを提供してくれているロビンの違った一面をみせてくれた作品でした。

「ストーカー」というタイトルに惑わされてスリルとサスペンスを期待しすぎると、拍子抜け感を味わいます。
哀れにもいじらしい犯罪の顛末でした。
天涯孤独の初老の男が、からだを張って浮気夫を懲らしめ、秘かに愛する母と子のために家庭の幸せを取り戻してやったということでしょう。駐車場でパトカーに取り囲まれ、四方から強いライトを浴びせられて立ち尽くすところなんてまるで、罪を背負って人々の犠牲になる“キリスト”の面影が…。
スーパーのＤＰＥに勤めるサイは、ニーナ一家の写真を長い間現像しているうちに、一家に自分の理想の家庭の姿を投影するようになるんですね。どうもサイ本人は悲惨この上ない家庭で育ったらしい。
魅力的なニーナに執着するのではなく、性的な動機は皆無で、「家族」をストーカーするという発想が面白い。ついには自分は一家の「守護神」だと、妄想するに至ったようです。

サイの勤務するディスカウントストアの、キューブリックもどきの白い空間が冷え冷えと冷たい。陳列棚が作る遠近法の構図も無機質でいい。職場でも浮いているサイの孤独と心の空虚が浮かび上がります。もっともサイばかりではなく、リストラにおびえる従業員たちはみな職場では分断され孤独ではありますが。
サイの自宅の寂しさはまたひときわです。変質者だなんて斬って捨てるには哀れすぎる。生涯独身の独居世帯が激増しているご時勢だもの。
ラスト、サイ一世一代の「凶行」、スーパー勤務で培った対話術と商売道具のカメラで、彼らしく決めます。
ちょっと「タクシードライバー」のトラヴィスから、熱気と精気を７０％オフしたみたいな孤独者の生き様でした。

ロビン・ウィリアムズが〜？誰がストーカーなの？と、見たけどまさか！の内容でした。心理的にもう怖いよーもの悲しいけど、やっぱり怖い。
ホラーなんかよりも、こういう映画の方が本当に怖い。
オススメです！！！「着信アリ 」〜なんかよりも、こっちの方が断然、面白く怖い。