８ｍｍ

　亡くなった老富豪の金庫に残されていたスナッフ・フィルムらしい一巻の８ｍｍフィルムの真偽を一人の探偵が追うというストーリー。
　単純に、ニコラス・ケイジ演じる探偵トムが、くだんの８ｍｍフィルムの調査を進めていくその展開は、十分に見応えがあります。ダーク調の映像も究極のアングラともいうべきこの映画の内容によくマッチしています。このへんは、さすが職人ジョエル・シュマッカー手堅いです。
　途中からトムに協力することになるポルノ本屋の店員を演じたホアキン・フェニックスも印象的で、そういう意味からは観て損はない作品といえます。
　ただ、後半の展開、特に裏の世界に毒されたのか、トムの取る一連の行動も（気持ちは分かるが）率直には理解できるものじゃないし、やっぱり扱っているテーマがテーマなだけに観た後の後味がいいわけがなく・・・。

　この後味の悪さに立ち向かえそうな人だけどうぞ、としか言えないです。

　
　

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ニコラス・ケイジ演じる私立探偵のトム。
彼は探偵として当たり前のことながら、秘密厳守で口の堅い信頼できる人物だった。
そんな彼の人柄を伝え聞いた大富豪の未亡人から、秘密の調査依頼が来る。
それは夫の遺品である８ｍｍフィルムに映った少女の調査だった。
映像は、少女がマスクを被った男に惨殺される場面が映っており、あまりにもリアルだった。

少女はメアリー・アンという名で、ハリウッドで女優になる事を餌に、騙され殺された家出少女だった。
トムは、８ｍｍフィルムが本物の殺人シーンを撮ったものかどうか確かめるうちに、裏社会とのつながりを突き止める。

トムが、この調査から手を引くチャンスは何度かあった。
・先ず、未亡人から依頼を受けた時。
この時点でトムは、8ｍｍフィルムを焼き捨て、なかった事に出来る。と、未亡人に忠告しているが、彼女は映像の少女の安否を確かめたいと却下する。
・少女の身元がわかった時。
調査は難航しており、少女が誰かわかっただけでも報酬はもらえたと思う。
・フィルムが本物のスナッフ・フィルムだとわかった時。
この段階で、未亡人の依頼には100％応えている。少女の正体、安否ともに判明したのだから。

だが、トムは、一人で裏社会に踏み込んで行くのだ。
自分の家族さえも危険にさらして。
それは、少女の母親が、最悪の結果であっても真実が知りたい。と言った言葉の影響なのか、あるいは彼のことばどおり「決着をつけられるのは自分以外にいない」と思ったからなのか？
トムは、アダルト書店の店員マックスの協力で、映像を撮った監督とマスクの男マシーンにたどり着く。
あっけなく監督を殺し、マシーンの日常の姿も暴いて殺すのだが、観終わった後、どうもすっきりしない。
それは、このトムの向こう見ずな行動が、単に少女のための復讐、敵討ちにしか思えないこと。
裏社会を一掃するのは不可能だと、こちら側の無力さを思い知らされる。
また、この復讐劇にしても、世間の目に触れない裏側の出来事で、ますます気が滅入るのだ。

登場人物の一人、覆面でマシーンと名乗る男。
たいがいの人が”ストロングマシーン”を思い浮かべるのではないでしょうか？（思い過ごし？(・・。)ゞ）
藤波辰爾に”お前、平田だろ！”と正体をばらされてしまったストロングマシーンも、
マスクは脱いでもタオルで素顔は見せなかったように記憶しています。
この作品に登場する”マシーン”も頑なに素顔を見せるのを拒んでいました。
彼にとって、守るべきものとは素顔だったのでしょうか？

変態趣味を持つ夫を亡くした大富豪の未亡人。
ニコラス・ケイジ演じる私立探偵の妻。
少女の母親に、主人公。

それぞれ守ろうとしたものがあります。
後味が良い作品ではありませんが、”自分が大切にしたいものは何か”
考えたくなる作品と感じました。

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私の好きなノーマン・リーダスがちょっとだけ出てる。
行方不明になった女の子の彼氏役で、
刑務所ではたらく男役してたんだけど。
それをもう１回見るために、２回目の鑑賞。

私、ニコラス・ケイジがどうしても苦手。
だから、余計につまらん映画に見えて、、。
いろんな理由で、いろんな殺人事件が起こるアメリカで
「スナッフフィルム」のために殺人を起こすことが、
そうマレなことに思えなくて。
全く感情移入ができなかった。

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　長い間待って、待って、やっと借りることができました。

　この映画を観た感想は、なんと表現すればいいのでしょう。おもしろい映画だと思います。ＤＩＳＣＡＳの評価では星３つですが、４つでもいいと思います。少々都合の良い展開も有りますが、最初からグイグイと話しに惹きこまれます。が、私は途中で何度も見るのを止めようと思いました。理由は、救い難い内容に思えたからです。脚本はセブンを書いた人と同じでしょう。どうしようも無く暗く、最後はセブンみたいになるのかな、と思ったからです。でも、最後はそういうラストでなくて良かったと思います。トムが最後に家に帰って来たときに、子供が寝てるのを見て本当に安心しました。セブンほどで無いにせよ、あれで嫁さんと子供が家を出て行ってたら、かわいそう過ぎますからねえ。暴力的な内容が多すぎますが、見る価値は十分あると思います。

　それにしても、ニコラス・ケイジは良い役者さんですな。この映画での彼は、すばらしいと思いました。