天と地

オリバーストーンのベトナム戦争シリーズの第3作

オリバーストーンのベトナム映画3作を見ましたが、世間の注目は低いですが、この作品が当方は一番の「秀作」だと思います
はっきり言って「7月4日に生まれて」「プラトーン」は誰でも作れる作品だと思います

でも、この作品のようにアメリカ人にとってベトナム戦争の真っ只中に居た女性の視点で、ベトナム戦争を描くというのは、ものすごく大変だったと思います
（この作品以外で、アメリカ資本制作の映画では、この設定は見たことがありません）

しかも、この映画は、フィクションでは無く実話だと言うのですから驚きです
この女性が最後で事業で成功した事で見る者の心は救われますが、そうでなければ暗澹たる結末だったでしょう

映画のラストが「東洋の神秘」みたいに変に誤魔化して終わりますが、これは、映画の元となる現実の話（実話）が現在進行形なので、話の結末を無理につけずに、このようにしたのだと解釈しました

この映画を見ると、アメリカメジャー映画の懐の深さが分かると思います
日本制作映画では、絶対メジャー配給はされないでしょう

　天と地の間・・・祖国とアメリカの間、南と北の間、平和と戦争の間・・・。
とにかく理屈ではありえない理不尽な状況下で強く真っ直ぐに生きるレ・リー、事実に基づく映画で非情に重みがある。。。
“感謝とは何か？生きてるだけで幸せなんだ”平和ボケしてるものには判らないが現場に行ったスティーブ（Ｔ・リー・ジョーンズ）だからこそ言い切れる！
　まさに言葉の重み、平和の有り難さ、Ｏ・ストーン監督らしさがあって、親子の再会時には判っていながら不覚にも泣いてしまった・・・。

　映像の美しさといい、戦争のリアルさといい、素晴らしい。

アメリカに渡ると、髪型がいかついソバージュ？へと変わる。ここから彼女の意志の変化が見られる気がします。

ベトナムの壮大な自然をバックに流れる音楽がとても印象的です。

時代に翻弄されながらもたくましく生きてゆくレ・リー。純粋無垢な少女時代から、したたかな大人の女性になるまでを、ヘップ・ティー・リーが見事に演じています。

・・ただそのヘップ・ティー・リーの顔が、なんとなく三田寛子に見えてしかたないのですが。

Ｔ・Ｌ・ジョーンズ主演の戦争ヒューマンタイトル。
東南アジアの地、ベトナムは古くは中国から、20世紀には日本、フランスから次々に侵略を受け国土は荒廃していた。
だが人々は、この美しい大地で懸命に田畑を守り、生計を立てていた。
ベトナム戦争が始まり、今度はアメリカが乗り込んできた。農民たちは南ベトナム傀儡政権・ベトコン双方からスパイ容疑をかけられ過酷な運命をたどることになる。
拷問・レイプ・奉公先での妊娠…つらい境遇でもリーは健気に生きていく。
戦争体験からアメリカ人との恋を経て描く、感動のヒューマンドラマです。