七人の侍 / 三船敏郎
全体の平均評価点: (5点満点)
(152)
解説・ストーリー
戦国時代の貧しい農村を舞台に、野盗と化した野武士に立ち向かうべく農民に雇われた侍たちの闘いを描いた作品。黒澤明監督による日本映画の傑作。麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。<br>●ご注意下さい●<BR>【記番】TDV2796Rと【記番】TDV2796RPの収録内容は同じです。
戦国時代の貧しい農村を舞台に、野盗と化した野武士に立ち向かうべく農民に雇われた侍たちの闘いを描いた作品。黒澤明監督による日本映画の傑作。麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。<br>●ご注意下さい●<BR>【記番】TDV2796Rと【記番】TDV2796RPの収録内容は同じです。
もっと見る▼
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@Aのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
「七人の侍」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
戦国時代の貧しい農村を舞台に、野盗と化した野武士に立ち向かうべく農民に雇われた侍たちの闘いを描いた作品。黒澤明監督による日本映画の傑作。麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。<br>●ご注意下さい●<BR>【記番】TDV2796Rと【記番】TDV2796RPの収録内容は同じです。
「七人の侍」 の作品情報
「七人の侍」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
七人の侍の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
207分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語 2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語 3:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
TDV2796R |
2004年07月28日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
10枚
|
13人
|
7人
|
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
3:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
七人の侍の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
207分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語 2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語 3:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
TDV2796R |
2004年07月28日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
10枚
|
13人
|
7人
|
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
3:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!
洋画・邦画
約35,500
タイトル以上
国内ドラマも一部含まれております
※2022年2月 現在のタイトル数
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@Aのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ユーザーレビュー:152件
若い方は字幕表示して観ましょう
黒澤監督の作品は劇中人物のリアルさが辛子明太子で飲む日本酒のようにしみじみと良いのですが、それゆえともすると台詞が聞きづらいことが多いと感じます。DVDで映像は明瞭になりましたが、音声に関してはデジタルになっても、元の発生が日常の言い回しなので、早口あり、口ごもりありで、特に時代劇では古語、人名で聞き取れない部分があるのではないでしょうか。私は45歳ですが、予備知識なく初めてこの映画を観た青年時代には侍たちの名前が聞き取りづら買った思い出があります。
字幕が画面に出ると当然うざいと感じる方もいるかもしれませんが、10代20代の方はぜひ字幕を出してご覧ください。映像だけでも間違いなく心震わすほど面白いこの作品ですから、きっと2倍楽しめますよ。
傍らにポップコーンなどのスナックもお忘れなく(雑音がしても字幕で大丈夫!)
このレビューは気に入りましたか?
10人の会員が気に入ったと投稿しています
世界のクロサワ、世界のミフネ
監督:黒澤明(1954年・207分・モノクロ)
海外でも評価の高い「七人の侍」を、今回初めてちゃんと観た。
久々にインターミッションのある映画を観たが、途中休憩など必要ないと感じるくらい、207分はあっという間に過ぎた。
一度観たくらいでは、本作の魅力をひとに伝えられるほど、自分の中で整理も何も出来ていないが、初見の感想は記しておきたいと思った。
戦国時代末期の山間部にある農村が舞台。
収穫期になると野武士たちが略奪にやって来る。
春の季節の今は、じきに実る麦を奪いにやって来るだろう。
野武士の襲撃に怯える村人たちだが、若い百姓の一人、利吉(土屋義男)は、野武士と戦うことを提案する。
村の知恵袋でもある長老の儀作に相談すると、ある村での成功例を知っていて、「食べるにも事欠いている」ような侍を雇うのが良いだろうと助言する。
利吉たちは町に出て浪人を探し、これぞと目を付けた浪人に野武士退治を依頼するのだった。
侍集めの様子や声を掛けられた侍の反応も様々で、一人、二人と利吉らの依頼に応じる侍たちの個性溢れる面々も興味深い。
途中からは、(後に侍たちのリーダーとなる)島田勘兵衛(志村喬)や七郎次(加藤大介)らがスカウトを買って出る。
さて、集まった七人(前出の二人以外)は、
林田平八(千秋実)、久蔵(宮口精二)、岡本勝四郎(木村功)、片山五郎兵衛(稲葉義男)、菊千代(三船敏郎)である。
村に帰った百姓と侍たちは、来たるべき戦(対する野武士の数は40騎)に備えて、策を練り、村人たちにも最低限の戦闘訓練をする。
そして、麦刈りの時期となり、偵察の野武士が姿を現した。
撮影時、黒澤監督44歳、三船敏郎33歳、志村喬49歳。
私が予想していたような重厚感のある映画ではなく、特に菊千代役の三船が画面を縦横に飛び回っているような印象。
若々しく粗削りながら、菊千代が登場すると一瞬にして画面を独占してしまう。
菊千代が武士の出ではないことは誰の目にも明らかで、戦いが始まって直ぐに野武士に親を殺され孤児となった赤ん坊を抱いて「こいつは俺だ」と泣く姿が、彼の生い立ちを想像させる。
志村喬と三船とのW主演と聞いていたが、本作視聴中は、どう見ても志村が主役だろうと感じていた。
しかし、観終わってから思い出すのは、三船が演じた菊千代のシーンの方が多いのだった。
かつて、村人たちが落ち武者狩りによって手に入れた戦利品(刀、鎧など)を侍たちの目の前に広げ、菊千代は村人たちのしたたかさを暴いて見せる。
野武士の最初の犠牲となった平八(千秋実)を埋葬し、その土の上に菊千代が刀を突き立てるシーンも印象に残る。
7対40という多勢に無勢の戦いを誘導していくのは、勘兵衛である。
いつも温厚で冷静な智将ぶりは、演じる志村喬そのものに見えた。
ラストシーンで勘兵衛が七郎次へ言った言葉。
「今度もまた負け戦だったな。」
野武士を一人残らず壊滅させたにも関わらず、である。
怪訝な表情の七郎次に、「勝ったのはあの百姓たちだ。わしたちではない。」
最終決戦を控えた前夜、若い侍の勝四郎の前に身を投げ出した村娘の志乃は、今はもう田植歌を歌いながら、何事もなかったように田植に精を出している。
地に這いつくばるように生き、その土地から離れることも出来ない百姓たちだが、その変わり身の早さと逞しさ、生命力に、侍は形無しである。
世界のクロサワ、世界のミフネと呼ばれるきっかけになったのは、本作の4年前の作品『羅生門』らしいが、本作で更にその名を世界に馳せたのだろう。
このレビューは気に入りましたか?
9人の会員が気に入ったと投稿しています
馬、旗、男 これが世界のクロサワ
ロキュの69日連続レビュー その8
(ネタバレあり)
黒澤明という人は、「黒澤天皇」とか「世界のクロサワ」と呼ばれ、日本映画監督の第一人者、代表のように言われますが、考えてみると個性が飛びぬけていて、実は邦画の中ではむしろ異端児と言えるかもしれません。
日本文化の大きな流れの一つが省略・簡潔の美学「引き算」だとすれば、徹底して「足し算」「掛け算」の芸術です。
料理で言えばソースから作りこむフランス料理、絵画にたとえれば油絵、文体にたとえると主語と述語が明確で、主張がはっきりしています。
これは普遍性があり世界的にわかりやすい。 それだけに逆に日本的には異色。
日本映画のオールタイム・ベストテンを選ぶとなると、『東京物語』と常に1位を争う作品ですが、そうなる理由は作品そのものの力はもちろんですが、異色で他に類をみないだけに、むしろ日本映画を考える上での一つの軸をなすからですね。 一番高い山だからこそ、風景全体を見渡す目印となるように。
『もののけ姫』の宮崎駿をはじめ、後続の作家たちが意識なり対抗なりをせざるを得ません。
時代劇の中心地は京都でしたが、歌舞伎以来の伝統にも挑戦しました。
上方歌舞伎が「和事」「世話物」だとすれば江戸歌舞伎は「荒事」、しかし黒澤明はさらに従来の様式美のチャンバラではなく、よりリアルなアクションを目指したため、東映をはじめとする旧来の京都制作の時代劇は後退を迫られていくことになりました。
ハリウッド大作じゃあるまいし、間にインターミッションが入るボリューム、スケール感は他の邦画ではなかなか感じられない。
率直なところ、録音保存状態が悪く、セリフがいくつか聞き取りにくい。
それを差し引いても、圧倒的な人間ドラマ、アクションの描写力です。
黒澤明といえば「馬」「旗」ですね。土ほこりと雨がとても映画的です。
ぼくがこの映画でまず思い浮かべるのは、竹やりをかついで百姓たちと疾走する七郎次(加東大介)の姿で、イメージが鮮烈なのです。
「やるべし!」「この飯おろそかに食わんぞ」「こいつは俺なんだ」などの名セリフ。
侍たち以外の登場人物では鈍重な百姓・与平(左ト全)にもっとも感情移入してしまいます。
馬鹿にしながらも菊千代がもっとも気にかける人物も彼ですね。
リバイバル上映を劇場で初めて観たときの感激と興奮は格別でした。
これが黒澤明なんだ。 これが『七人の侍』なんだ。
このレビューは気に入りましたか?
9人の会員が気に入ったと投稿しています
桃李もの言わざれども。。。
いや、まいった、おもしろい!!
1954年の、白黒の、アナログのと理由をつけて、
避けていたのが、本当に馬鹿らしい!
今の邦画のCGやらセットの豪華さやらの小手先で、
うまくごまかされた「感動巨編」なんかめじゃない!!
長さを感じさせない起承転結のあるストーリー、
百姓の踏まれても立ち上がる根性や、
侍の虚しさも根底にありますが、
全体的には底抜けの明るさがあり、難しいこと抜きに見られる。
今の時代劇が好きな人よりも、そういうのが嫌いな人のほうが
見て楽しめるのではないのでしょうか?
ちなみに、このDVDは2枚組ですが、
1枚目の終わりに「休憩」と出て、音楽が流れますが、
これは地道に見ても、1枚目が終わるだけです(笑)
ムキにならずに適当に流して、2枚目に進みましょう♪
このレビューは気に入りましたか?
9人の会員が気に入ったと投稿しています
勝ったのは百姓たちだ
投稿日:2020/06/16
レビュアー:趣味は洋画
七人の侍(1954年、日本・東宝、モノクロ、207分)
‘今度もまた 負け戦(いくさ)だったな。 勝ったのは百姓たちだ。俺たちではない’
この名ゼリフが観終わってジーンと効いてくる。
不動の人気と評価を併せ持つ黒澤明の最高傑作で、「クロサワ」の名を世界に響かせた作品。
戦国時代末期。野武士の集団襲撃に苦悩している寒村の農民たちは、玉砕覚悟で戦うことを決意するが、その術を知らず、村の長老の意見に従い、侍を雇うことにする。だが、米を腹いっぱい食わせるという条件で命を懸ける侍はなかなか見つからない。そんな折、ある騒動が発端で勘兵衛(志村喬)という侍を見つけた村人は、困窮な状況を話して拝み倒し、勘兵衛は農民のために戦う決心をする。そして勘兵衛の魅力に惹かれ、次々と6人の武士が集まった。彼らはまず野盗・野武士に奇襲をかけた。次に敵をおびき寄せながら1人、また1人と倒していく。最後は雨中での激しい戦いを繰り広げるが、自軍の侍や百姓たちにも犠牲が出る...。
まず、百姓が侍を雇うという奇抜なアイデアに驚かされる。
そして、時代劇の戦いという考え方が1対1から、集団での戦いに変化していった礎となった作品であろう。敵味方入り乱れての殺陣シーンの迫力はすばらしく、特に雨中の決戦のすさまじさは日本映画史上に残る名場面といえる。泥が撥ね、しぶきとなる。血が飛び交う。馬が跳ね、嘶く。走る、ただひたすら走る侍。斬り込む侍と、もんどりうって倒れ込む侍。まさに地獄の戦場だ。
本作が60年「荒野の七人」(ジョン・スタージェス監督)の元版であることは有名だが、ここで「七人の侍」について記しておこう。年齢は出演時のもの。
島田勘兵衛(志村喬/49歳) 冷静沈着なリーダーで策士でもある。普段は温厚だが、戦いになると眼光鋭く、厳しい姿勢を貫く。「荒野の七人」ではユル・ブリンナーに該当。
七郎治(加東大介/43歳) 勘兵衛とは旧知の間柄で、心持ちをよく理解している。長槍の使い手で、百姓たちを常に励ます。「荒野の七人」ではスティーヴ・マックィーンに該当。
久蔵(宮口清二/41歳) 凄腕の剣客で独特の雰囲気をもった武士。無口だが根は優しい。「荒野の七人」ではジェームズ・コバーンに該当。
林田平八(千秋実/37歳) 武士の腕前は今一つだが、村の子供たちを可愛がる。野武士軍団との戦いに際し、象徴的な「旗」を作る。「荒野の七人」ではチャールズ・ブロンソンに該当。
岡本勝四郎(木村功/31歳) 7人の中で最年少。実戦経験はないが一途に勘兵衛に憧れ、久蔵を慕う。「荒野の七人」ではホルスト・ブッフホルツに該当。
片山五郎兵衛(稲葉義男/34歳) 常に朗らかな表情だが軍学に長けた策士でもある。
菊千代(三船敏郎/34歳) 百姓出身であることを勘兵衛に見破られる。豪放で腕っぷしが強い。村の子供たちに慕われる。粗野だが人間的魅力に溢れている。
片山五郎兵衛と菊千代は、「荒野の七人」における該当の決め手が見当たらない。ロバート・ヴォーンとブラッド・デクスターが残っているが、役柄もイメージも合致しない。菊千代は子供を可愛がる点ではチャールズ・ブロンソンにも共通する部分はあるが、やはり活躍度合いが違う。
久蔵とロバート・ヴォーン(己自身を追求するガンマン)の共通項も見えたが、‘最期の一投げ’ のシーンでジェームズ・コバーンとした。
他の共演陣も演技派・個性派揃いで、百姓のリーダー利吉(土屋嘉男/意外と出番多い)、村の娘・志乃(津島恵子)、志乃の父親(藤原釜足)、百姓・与平(左卜全)、さらに短い出演時間ながら東野英治郎、山形勲、上田吉二郎、多々良純、千石規子らの面々。そして利吉の妻役の島崎雪子の登場シーンには息を呑んだ。あの凍り付いたような驚愕の表情、クレジット2位(津島恵子と同列)は頷ける。
戦(いくさ)に向けての戦略と戦術が見どころではあるが、農民たちの生活の辛さ、恋愛模様といった要素も加味されているのが、作品を感動的で奥深いものにしている。
撮影年数1年、徹底した時代考証と美術設定、驚異的なカメラアングル、まさに本物の時代劇だ。
一定のリズムの太鼓の音が響く。ただただ小さく響く。
冒頭の出演者の紹介場面だ。
このレビューは気に入りましたか?
7人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
若い方は字幕表示して観ましょう
投稿日
2005/10/22
レビュアー
KUBOCHIN
黒澤監督の作品は劇中人物のリアルさが辛子明太子で飲む日本酒のようにしみじみと良いのですが、それゆえともすると台詞が聞きづらいことが多いと感じます。DVDで映像は明瞭になりましたが、音声に関してはデジタルになっても、元の発生が日常の言い回しなので、早口あり、口ごもりありで、特に時代劇では古語、人名で聞き取れない部分があるのではないでしょうか。私は45歳ですが、予備知識なく初めてこの映画を観た青年時代には侍たちの名前が聞き取りづら買った思い出があります。
字幕が画面に出ると当然うざいと感じる方もいるかもしれませんが、10代20代の方はぜひ字幕を出してご覧ください。映像だけでも間違いなく心震わすほど面白いこの作品ですから、きっと2倍楽しめますよ。
傍らにポップコーンなどのスナックもお忘れなく(雑音がしても字幕で大丈夫!)
世界のクロサワ、世界のミフネ
投稿日
2020/05/22
レビュアー
kazupon
監督:黒澤明(1954年・207分・モノクロ)
海外でも評価の高い「七人の侍」を、今回初めてちゃんと観た。
久々にインターミッションのある映画を観たが、途中休憩など必要ないと感じるくらい、207分はあっという間に過ぎた。
一度観たくらいでは、本作の魅力をひとに伝えられるほど、自分の中で整理も何も出来ていないが、初見の感想は記しておきたいと思った。
戦国時代末期の山間部にある農村が舞台。
収穫期になると野武士たちが略奪にやって来る。
春の季節の今は、じきに実る麦を奪いにやって来るだろう。
野武士の襲撃に怯える村人たちだが、若い百姓の一人、利吉(土屋義男)は、野武士と戦うことを提案する。
村の知恵袋でもある長老の儀作に相談すると、ある村での成功例を知っていて、「食べるにも事欠いている」ような侍を雇うのが良いだろうと助言する。
利吉たちは町に出て浪人を探し、これぞと目を付けた浪人に野武士退治を依頼するのだった。
侍集めの様子や声を掛けられた侍の反応も様々で、一人、二人と利吉らの依頼に応じる侍たちの個性溢れる面々も興味深い。
途中からは、(後に侍たちのリーダーとなる)島田勘兵衛(志村喬)や七郎次(加藤大介)らがスカウトを買って出る。
さて、集まった七人(前出の二人以外)は、
林田平八(千秋実)、久蔵(宮口精二)、岡本勝四郎(木村功)、片山五郎兵衛(稲葉義男)、菊千代(三船敏郎)である。
村に帰った百姓と侍たちは、来たるべき戦(対する野武士の数は40騎)に備えて、策を練り、村人たちにも最低限の戦闘訓練をする。
そして、麦刈りの時期となり、偵察の野武士が姿を現した。
撮影時、黒澤監督44歳、三船敏郎33歳、志村喬49歳。
私が予想していたような重厚感のある映画ではなく、特に菊千代役の三船が画面を縦横に飛び回っているような印象。
若々しく粗削りながら、菊千代が登場すると一瞬にして画面を独占してしまう。
菊千代が武士の出ではないことは誰の目にも明らかで、戦いが始まって直ぐに野武士に親を殺され孤児となった赤ん坊を抱いて「こいつは俺だ」と泣く姿が、彼の生い立ちを想像させる。
志村喬と三船とのW主演と聞いていたが、本作視聴中は、どう見ても志村が主役だろうと感じていた。
しかし、観終わってから思い出すのは、三船が演じた菊千代のシーンの方が多いのだった。
かつて、村人たちが落ち武者狩りによって手に入れた戦利品(刀、鎧など)を侍たちの目の前に広げ、菊千代は村人たちのしたたかさを暴いて見せる。
野武士の最初の犠牲となった平八(千秋実)を埋葬し、その土の上に菊千代が刀を突き立てるシーンも印象に残る。
7対40という多勢に無勢の戦いを誘導していくのは、勘兵衛である。
いつも温厚で冷静な智将ぶりは、演じる志村喬そのものに見えた。
ラストシーンで勘兵衛が七郎次へ言った言葉。
「今度もまた負け戦だったな。」
野武士を一人残らず壊滅させたにも関わらず、である。
怪訝な表情の七郎次に、「勝ったのはあの百姓たちだ。わしたちではない。」
最終決戦を控えた前夜、若い侍の勝四郎の前に身を投げ出した村娘の志乃は、今はもう田植歌を歌いながら、何事もなかったように田植に精を出している。
地に這いつくばるように生き、その土地から離れることも出来ない百姓たちだが、その変わり身の早さと逞しさ、生命力に、侍は形無しである。
世界のクロサワ、世界のミフネと呼ばれるきっかけになったのは、本作の4年前の作品『羅生門』らしいが、本作で更にその名を世界に馳せたのだろう。
馬、旗、男 これが世界のクロサワ
投稿日
2011/06/16
レビュアー
ロキュータス
ロキュの69日連続レビュー その8
(ネタバレあり)
黒澤明という人は、「黒澤天皇」とか「世界のクロサワ」と呼ばれ、日本映画監督の第一人者、代表のように言われますが、考えてみると個性が飛びぬけていて、実は邦画の中ではむしろ異端児と言えるかもしれません。
日本文化の大きな流れの一つが省略・簡潔の美学「引き算」だとすれば、徹底して「足し算」「掛け算」の芸術です。
料理で言えばソースから作りこむフランス料理、絵画にたとえれば油絵、文体にたとえると主語と述語が明確で、主張がはっきりしています。
これは普遍性があり世界的にわかりやすい。 それだけに逆に日本的には異色。
日本映画のオールタイム・ベストテンを選ぶとなると、『東京物語』と常に1位を争う作品ですが、そうなる理由は作品そのものの力はもちろんですが、異色で他に類をみないだけに、むしろ日本映画を考える上での一つの軸をなすからですね。 一番高い山だからこそ、風景全体を見渡す目印となるように。
『もののけ姫』の宮崎駿をはじめ、後続の作家たちが意識なり対抗なりをせざるを得ません。
時代劇の中心地は京都でしたが、歌舞伎以来の伝統にも挑戦しました。
上方歌舞伎が「和事」「世話物」だとすれば江戸歌舞伎は「荒事」、しかし黒澤明はさらに従来の様式美のチャンバラではなく、よりリアルなアクションを目指したため、東映をはじめとする旧来の京都制作の時代劇は後退を迫られていくことになりました。
ハリウッド大作じゃあるまいし、間にインターミッションが入るボリューム、スケール感は他の邦画ではなかなか感じられない。
率直なところ、録音保存状態が悪く、セリフがいくつか聞き取りにくい。
それを差し引いても、圧倒的な人間ドラマ、アクションの描写力です。
黒澤明といえば「馬」「旗」ですね。土ほこりと雨がとても映画的です。
ぼくがこの映画でまず思い浮かべるのは、竹やりをかついで百姓たちと疾走する七郎次(加東大介)の姿で、イメージが鮮烈なのです。
「やるべし!」「この飯おろそかに食わんぞ」「こいつは俺なんだ」などの名セリフ。
侍たち以外の登場人物では鈍重な百姓・与平(左ト全)にもっとも感情移入してしまいます。
馬鹿にしながらも菊千代がもっとも気にかける人物も彼ですね。
リバイバル上映を劇場で初めて観たときの感激と興奮は格別でした。
これが黒澤明なんだ。 これが『七人の侍』なんだ。
桃李もの言わざれども。。。
投稿日
2006/03/01
レビュアー
伊予山さくら
いや、まいった、おもしろい!!
1954年の、白黒の、アナログのと理由をつけて、
避けていたのが、本当に馬鹿らしい!
今の邦画のCGやらセットの豪華さやらの小手先で、
うまくごまかされた「感動巨編」なんかめじゃない!!
長さを感じさせない起承転結のあるストーリー、
百姓の踏まれても立ち上がる根性や、
侍の虚しさも根底にありますが、
全体的には底抜けの明るさがあり、難しいこと抜きに見られる。
今の時代劇が好きな人よりも、そういうのが嫌いな人のほうが
見て楽しめるのではないのでしょうか?
ちなみに、このDVDは2枚組ですが、
1枚目の終わりに「休憩」と出て、音楽が流れますが、
これは地道に見ても、1枚目が終わるだけです(笑)
ムキにならずに適当に流して、2枚目に進みましょう♪
勝ったのは百姓たちだ
投稿日
2020/06/16
レビュアー
趣味は洋画
七人の侍(1954年、日本・東宝、モノクロ、207分)
‘今度もまた 負け戦(いくさ)だったな。 勝ったのは百姓たちだ。俺たちではない’
この名ゼリフが観終わってジーンと効いてくる。
不動の人気と評価を併せ持つ黒澤明の最高傑作で、「クロサワ」の名を世界に響かせた作品。
戦国時代末期。野武士の集団襲撃に苦悩している寒村の農民たちは、玉砕覚悟で戦うことを決意するが、その術を知らず、村の長老の意見に従い、侍を雇うことにする。だが、米を腹いっぱい食わせるという条件で命を懸ける侍はなかなか見つからない。そんな折、ある騒動が発端で勘兵衛(志村喬)という侍を見つけた村人は、困窮な状況を話して拝み倒し、勘兵衛は農民のために戦う決心をする。そして勘兵衛の魅力に惹かれ、次々と6人の武士が集まった。彼らはまず野盗・野武士に奇襲をかけた。次に敵をおびき寄せながら1人、また1人と倒していく。最後は雨中での激しい戦いを繰り広げるが、自軍の侍や百姓たちにも犠牲が出る...。
まず、百姓が侍を雇うという奇抜なアイデアに驚かされる。
そして、時代劇の戦いという考え方が1対1から、集団での戦いに変化していった礎となった作品であろう。敵味方入り乱れての殺陣シーンの迫力はすばらしく、特に雨中の決戦のすさまじさは日本映画史上に残る名場面といえる。泥が撥ね、しぶきとなる。血が飛び交う。馬が跳ね、嘶く。走る、ただひたすら走る侍。斬り込む侍と、もんどりうって倒れ込む侍。まさに地獄の戦場だ。
本作が60年「荒野の七人」(ジョン・スタージェス監督)の元版であることは有名だが、ここで「七人の侍」について記しておこう。年齢は出演時のもの。
島田勘兵衛(志村喬/49歳) 冷静沈着なリーダーで策士でもある。普段は温厚だが、戦いになると眼光鋭く、厳しい姿勢を貫く。「荒野の七人」ではユル・ブリンナーに該当。
七郎治(加東大介/43歳) 勘兵衛とは旧知の間柄で、心持ちをよく理解している。長槍の使い手で、百姓たちを常に励ます。「荒野の七人」ではスティーヴ・マックィーンに該当。
久蔵(宮口清二/41歳) 凄腕の剣客で独特の雰囲気をもった武士。無口だが根は優しい。「荒野の七人」ではジェームズ・コバーンに該当。
林田平八(千秋実/37歳) 武士の腕前は今一つだが、村の子供たちを可愛がる。野武士軍団との戦いに際し、象徴的な「旗」を作る。「荒野の七人」ではチャールズ・ブロンソンに該当。
岡本勝四郎(木村功/31歳) 7人の中で最年少。実戦経験はないが一途に勘兵衛に憧れ、久蔵を慕う。「荒野の七人」ではホルスト・ブッフホルツに該当。
片山五郎兵衛(稲葉義男/34歳) 常に朗らかな表情だが軍学に長けた策士でもある。
菊千代(三船敏郎/34歳) 百姓出身であることを勘兵衛に見破られる。豪放で腕っぷしが強い。村の子供たちに慕われる。粗野だが人間的魅力に溢れている。
片山五郎兵衛と菊千代は、「荒野の七人」における該当の決め手が見当たらない。ロバート・ヴォーンとブラッド・デクスターが残っているが、役柄もイメージも合致しない。菊千代は子供を可愛がる点ではチャールズ・ブロンソンにも共通する部分はあるが、やはり活躍度合いが違う。
久蔵とロバート・ヴォーン(己自身を追求するガンマン)の共通項も見えたが、‘最期の一投げ’ のシーンでジェームズ・コバーンとした。
他の共演陣も演技派・個性派揃いで、百姓のリーダー利吉(土屋嘉男/意外と出番多い)、村の娘・志乃(津島恵子)、志乃の父親(藤原釜足)、百姓・与平(左卜全)、さらに短い出演時間ながら東野英治郎、山形勲、上田吉二郎、多々良純、千石規子らの面々。そして利吉の妻役の島崎雪子の登場シーンには息を呑んだ。あの凍り付いたような驚愕の表情、クレジット2位(津島恵子と同列)は頷ける。
戦(いくさ)に向けての戦略と戦術が見どころではあるが、農民たちの生活の辛さ、恋愛模様といった要素も加味されているのが、作品を感動的で奥深いものにしている。
撮影年数1年、徹底した時代考証と美術設定、驚異的なカメラアングル、まさに本物の時代劇だ。
一定のリズムの太鼓の音が響く。ただただ小さく響く。
冒頭の出演者の紹介場面だ。
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@Aのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ご利用の流れ
@ 会員登録
申し込みフォームへ記入したら登録完了!
A 作品をレンタル
借りたい作品をリストアップするだけ!
発送可能な商品を自宅にお届けします。
B ポストに返却
商品をポストに投函すればOK!
各プランはこちら
-
- 宅配レンタル 定額8プラン

-
- 「新作・準新作」が定額で月8枚レンタルできる!※1借り放題付き※2
- 新規登録する
-
- 宅配レンタル 定額4プラン

-
- 新規登録する
-
- 都度課金 プラン

-
- 新規登録する
※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。
※2 借り放題はDVD「旧作」、CD「新作・準新作・旧作」が対象です。
七人の侍