レナードの朝

日本語で言うと、「目覚め」「覚醒」という意味になる「ＡＷＡＫＥＮＩＮＧＳ」が原題です。しかし、「レナードの朝」というこの邦題は秀逸です。
まさにレナード（ロバート・デ・ニーロ）にきたその「時」は、まさに新しい朝が、まぶしい光にあふれた朝がやってきたようでした。
原作はノンフィクション。
３０年も昏睡状態である難病があるという現実に心底びっくりし、彼らに「目覚め」の瞬間にまた驚かされました。
まさに、「事実は小説より奇なり」（息子の通う保育園の牧師先生の言い方で表現するならば、「神さまがなさることは、人智のはかりしれないところ」といったところでしょうか）。

それにしても、演じる俳優の方のみなさますばらしいこと。
難病の患者レナードを演じたロバート・デ・ニーロはや医師セイヤーを演じたロビン・ウィリアムズなど主演級のふたりだけでなく、
出演者みなさんすごいな・・・としみじみ感じ入りました。役者の力を思い知りました。
監督ペニー・マーシャルも好きな監督で、「ビッグ」も「プリティーリーグ」も大好きです。
もうすでに、７０歳をむかえていらっしゃる彼女ですが、もう一作品つくってみてはいかがでしょう。
この映画が作られて２０年以上寝ても、色褪せていないのですから。

レナードが眠り続けた３０年。
目覚めが１９６９年の夏ですから、３０年前は１９３９年。
ドイツのポーランド侵攻の頃に、長い眠りに入り、第二次世界大戦の終結も、赤狩りも、キューバ危機も、
彼の上を通り過ぎてしまったのです。
事実はどうであれ、また彼に朝が来たらんことを願ってしまいます。

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ずっと気になっていたけど見過ごしてました。
なんだか有名すぎて見た気になっていたけど、やはり映画は見なければわからないものですね。

レナードが初めて笑顔を見せた時、ものすごく嬉しかった。
母との再会なんて思わず涙が・・。

しかし、どんどんハッピーな方向に向かうと思いこんでいたのでショックは大きかった。
あの時間が奇跡と思って喜ぶべきだったのか、それなら与えなければよかったのか・・。
戻ってこれるということは、魂はどこかに旅立ったわけじゃなく、体の中にいるということ。
ただ帰り方がわからない。

気になったのが、ああいう状態になった時の説明を、レナードが「ただ、なにもないんだ」というようなことを言っていたこと。
そしたらやっぱり死んだあとは「無」なのかな。
ぱちんと電気が消えるように何もなくなってしまうのかな。
死んだ後も見守るなんてこと無理なのかな。

でも、患者さんたちは元の状態になってしまったけど、周囲の人々は以前とはきっと変わって、より人間的な扱いをするようになったことと思う。

この頃のロビン・ウィリアムズ、とても素敵です。
最近は同じような演技が続いたりで低迷している感じが。
好きな俳優さんなので、また本領を発揮できる作品が見たいです。

脚本も、キャストも、その演技力も、全てにおいて、
超名作です。

何度も観ました。
何度も観るたびに、色々考えさせられます。
何度も観るたびに、涙します。
そういう作品です。

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とにもかくにもデニーロの演技が凄かった。
人生で一度は観ておきたい映画。
おまけに何度みても飽きない。
デニーロの演技の確かに凄いんだけど、他の役者たちの演技も
本当に凄い！
こういう映画はあんまり観ない。
私としては、カッコー（ニコルソンがでてるやつ）とジャンルが似てるけど、
その映画より、こっちがすき。

最後、女性とあの音楽にあわせてダンスをするとき、
震えが止まったデニーロをみたときは思わず涙をこらえました。

でも、このサントラ、、、、。
廃盤なんですよね、、、、。再度作って欲しいなぁ、、、。
中古で、yahooオークションとかいけばあるかもだけど。。。。

とりあえず観て損しない！！

1990年　アメリカ映画
監督：ペニー・マーシャル
原題：AWKENIGS

ロビン・ウィリアムズとロバート・デニーロのW主演作。

無骨ながら誠実なロビン・ウィリアムズのセイヤー医師にとても温かみを感じ、内側も外側もレナードに成り切ったロバート・デニーロの演技（デニーロアプローチ）に圧倒されました。医師であるオリバー・サックスの実話を元に監督のペニー・マーシャルが再構成した作品で、難病の脳炎患者を救おうと尽力する医師とその医師の治療によって回復した患者のひと夏の触れ合いを描いた。私はてっきり病気が回復する話だと思っていたので、観終わった後は感動というより複雑な心境に陥ってしまった。

1969年、人付き合いが苦手なマルコム・セイヤー医師（ロビン・ウィリアムズ）が、ブロンクスの慢性神経病患者専門の長期療養病院に赴任するところから始まる。
入院している患者の多くが治療はしているものの、回復が見込めない人達ばかり。
そんな中、セイヤー医師がルーシーという患者に接した時のこと、落ちたメガネを掴んだことから全く反応を示さなかったルーシーに反射神経が残っていることに気付く。
他の患者に対してもボールや音楽を用いて何とか快方へとリハビリを重ねて行く。
セイヤーは中でも３０年昏睡状態に陥っていた重度のレナード（ロバート・デニーロ）にパーキンソン病向けの新薬L-ドーパを投与する事を思い付き上司のカウマン医師（ジョン・ハード）と、レナードの母親（ルース・ネルソン）に同意してもらう。

嗜眠性脳炎の患者ばかりを集めた病棟でセイヤーの成果が現れる夜、レナードは自力でベッドから起き上がり、30年間昏睡状態だったレナードの口から「とても静かだ」とセイヤーを見て言うのです。レナードが覚醒した瞬間です。この時のレナードの表情を思い出すと今でも胸が熱くなる。
身体の機能を回復したレナードにとって30年ぶりに見る世界は新鮮であり歓喜だった。
そしてレナードとセイヤーは患者と医師との関係を超えた友情を育む。
すっかり回復したレナードは「病院から出て1人で散歩をしたい」と医師団に願い出るが、あくまで治験者であるため経過を慎重に観察したいと反対されてしまう。
これに怒ったレナードは暴れ出し変貌してしまう。
この後は病状が悪くなる一方のレナードが、セイヤーに言います。”自分の姿を残してくれ！”と。無力感を抱きながらレナードの姿をビデオに収めるセイヤー。
病状が悪化した時の母親の気持ちを思うととても辛いし、セイヤー医師の”命を与えてまた奪う事が親切なのか？”と自身を問う気持ちにも同意します。
でもレナードは目覚めて、セイヤーと友情も育む事ができ、恋もした。母親と「再会」も出来た。作中でも何が正しく何が間違っていたのかはわからないと言っています。
それよりも、”魂は薬より強い”という言葉が印象的だった。