三十九夜 / ロバート・ドーナット
三十九夜
/アルフレッド・ヒッチコック
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全体の平均評価点: (5点満点)
(24)
解説・ストーリー
ヒッチコックが最も敬愛する作家という(・バカンの小説の映画化。カナダから帰国したばかりの外交官ハネイは寄席で記憶術師・Mr.メモリーのショーを見て、謎の女に救いを求められ自室へ連れ帰るが、彼女は何者かによって殺され、彼は逃亡を余儀なくされる。真犯人追及にわずかな手がかりだけを頼りにスコットランドへ列車で向かう彼は、車内検閲の急場を同席した女へのキスで逃れようとするが……。尚、59年の「三十九階段」は本作のリメイク。
ヒッチコックが最も敬愛する作家という(・バカンの小説の映画化。カナダから帰国したばかりの外交官ハネイは寄席で記憶術師・Mr.メモリーのショーを見て、謎の女に救いを求められ自室へ連れ帰るが、彼女は何者かによって殺され、彼は逃亡を余儀なくされる。真犯人追及にわずかな手がかりだけを頼りにスコットランドへ列車で向かう彼は、車内検閲の急場を同席した女へのキスで逃れようとするが……。尚、59年の「三十九階段」は本作のリメイク。
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「三十九夜」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
ヒッチコックが最も敬愛する作家という(・バカンの小説の映画化。カナダから帰国したばかりの外交官ハネイは寄席で記憶術師・Mr.メモリーのショーを見て、謎の女に救いを求められ自室へ連れ帰るが、彼女は何者かによって殺され、彼は逃亡を余儀なくされる。真犯人追及にわずかな手がかりだけを頼りにスコットランドへ列車で向かう彼は、車内検閲の急場を同席した女へのキスで逃れようとするが……。尚、59年の「三十九階段」は本作のリメイク。
「三十九夜」 の作品情報
「三十九夜」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
世界名作映画全集 13 三十九夜の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
83分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DMIP5873 |
2004年11月25日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
8枚
|
0人
|
0人
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世界名作映画全集 13 三十九夜の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
83分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DMIP5873 |
2004年11月25日
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在庫枚数 |
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ユーザーレビュー:24件
すべて記憶に留める男
投稿日:2022/02/20
レビュアー:趣味は洋画
三十九夜(1935年・イギリス、モノクロ、83分)
世界一有名な映画監督は誰ですか?
この問いに ‘アルフレッド・ヒッチコック’ と答える人は年々少なくなってきているような気がします。
それでも「サスペンスの神様」として、映画界に大きな影響を与えたことは紛れもない事実でしょう。
さて、「三十九夜」は8年ぶりに2度目の鑑賞、2度目のレビューです。
ストーリーの詳細を追いながら、ヒッチコックの独創性に迫りたかったのです。
カナダの外交官ハネイ(ロバート・ドーナット)は休暇を利用し、ロンドンを訪れた。ある小劇場に入ると、舞台では ‘記憶の達人’ と称するMr.メモリー氏(ウィリー・ワトソン)が観客のあらゆる質問に答えている。ふざけた質問をする客もいるが、ハネイが ‘ウィニペグとは?’ と訊いてみると、即座に正確な回答が帰ってくる。とその時、一発の銃声が響く。出口に殺到する観客達。ハネイは自分に身体を摺り寄せてくる女性(ルーシー・マンハイム)に助けを求められ、せかされるように自分の住まいに連れ帰った。最初はスミスと名乗っていた女性は、‘本当の名はアナベラで、英国の国防機密を某国に売ろうとしているスパイを追跡中だが、小劇場まで後をつけたところで感づかれた’ と云う。銃を発射し、混乱に紛れて逃走したのだ。アナベラは更に続けて、‘事件の首謀者はスコットランドにおり、小指の無い男だ’ と。
やがてひと眠りしたハネイに、アナベラが倒れてきた。背中にナイフが刺さっている。‘私の代わりにスコットランドへ行って...39階段のある...’彼女は絶命した。自分に殺人の疑いがかかることを危惧したハネイは、真実を知るため、未明のスコットランド行き列車に乗った...。
初回のレビューでも書いたのですが、冒頭に出てくる「記憶術師Mr.メモリー」の存在が、ラストシーで効いてくること、あらためて実感しました。そして、得体の知れぬ犯人像をはじめ、観客に不安感を与える特殊効果や、小道具の使い方、さすがヒッチコック、上手いですね。
列車内の逃走シーンや、農場での小作人夫婦とのやりとりも、小気味よいサスペンスに引き込まれました。小作人夫婦の妻を演じていたのがペギー・アシュクロフトですが、彼女にはどうしても84年「インドへの道」のムーア夫人を演じた77歳の彼女が脳裏にあります。
なので本作出演時の彼女が28歳(又は27歳)なのを知ると、感慨深いものがあります。でも微かに面影が感じられ、イギリスを代表する淑女女優の雰囲気が、画面を通しても伝わってきました。
主演のロバート・ドーナットは出演作品そのものが少ないですが、オスカーを獲った39年「チップス先生さようなら」が彼の代表作でしょう。そしてマデリーン・キャロルは36年「間諜最後の日」で女スパイを演じていますし、ルーシー・マンハイムは65年「バニー・レイクは行方不明」で料理婦を演じていました。
はて、「三十九夜」(本編中のセリフでは ‘39ステップス’ )とは何なのでしょう。
未見の方は本編の最終シーンでお確かめ下さい。
83分というコンパクトな時間のなか、ヒッチコックの独創性に少しは迫ることが出来ました。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
これも巻き込まれ型 スパイ・アクションの名作
「三十九夜」(1935、英国、白黒、83分)。ヒッチコックの英国時代・後期作品。
原題は「The 39 Steps(39階段/39段)」。原作は英国の小説家ジョン・バカン(1875〜1940)の同名原作(1915)で、第一次世界大戦直前の欧州の諜報戦を描き、勃興期スパイ小説の古典と言われています。原作と映画では発表年に20年の差があり、映画では「第一次世界大戦」が終結(1919年11月)し、「第二次世界大戦」が勃発(1939年9月)する間の後期に時代を変えています。主人公の「リチャード・ハネイ」は、原作では「南アフリカから帰国した自由人」、映画では「カナダから帰国した外交官」。「三十九階段」という謎の言葉は、原作では「スカダー(ディグビー大尉)」という男性の黒い手帳、映画では「謎の美女」の今わの伝言で託されます。「ミスター・メモリー」は映画だけに登場する重要キャラです。それにしても、邦題が「三十九夜」と変更された理由がわかりません。三十九日どころか、1週間以内の出来事なのですから……。
以下、映画のあらすじです。
ロンドンのイーストエンドの寄席で、「ハネイ」(ロバート・ドーナット)は「ミスター・メモリー」(ワイリー・ワトソン)の「記憶芸」を見ていた。銃声が起こり、混乱の中、彼は「謎の美女『アナベラ』」(ルーシー・マンハイム)をアパートで匿うことに……女は「国際スパイ」で、英国の国防機密を某国に某国に売ろうと企む「スパイ団」(スコットランドに本拠があり、首領には小指がない)を追跡していると語る。銃は虎口を脱するために彼女が撃ったものだった。深夜、女はナイフで刺され、「三十九階段…」という謎の言葉を残して息絶える。彼女の持っていた地図には「アル・ナ・シェラ」地帯に印がついていた。女殺しの冤罪で警察に追われ、「スパイ団」からは命を狙われながら、「ハネイ」のスコットランド彷徨(鉄道から徒歩へ)が始まる。この高原・田園の場面が原作・映画に共通する主体的な魅力。大都市ロンドンとは全く異なる自然の描写、そこで出会う人々との邂逅。小作人の夫婦「ジョン」(ジョン・ローリー)と「マーガレット」(ペギー・アシュクロフト)に匿われ、食事とコートを貰う。次に「ジョーダン教授」(ゴッドフリー・タール)宅を訪ねるが、怪しいと直感して逃げるが、列車の中で会っていた女性「パメラ」(マデリーン・キャロル)の通報で「警官」に逮捕された。「ハネイ」と同じ手錠で繋がれたのを不審に思った「パメラ」は、「警官」が偽物であることを悟る。二人は手錠のまま脱走。……舞台は再びロンドンの寄席へ、「ミスター・メモリー」の登場となる。
ヒッチコックの意図を反映したチャールズ・ベネット、アルマ・レヴィルの脚本は、原作を大胆に刈り込み、設定変更し、新人物を投入、83分の娯楽作に作り替えています。横道、枝葉が多いのが原作(文庫で200P弱と短い)の魅力ですが、映画の場合は、本筋を突進することが大切なのだと改めて思いました。ペギー・アシュクロフト(1907〜1991)はD・リーン「インドへの道」(1984)の「ムーア夫人」役の女優さんですね。
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ちょっとなあ・・って感じ
面白そうな雰囲気は感じた。
なにかの機密を外国に持ち出すために記憶力抜群の男を使うってところは面白かった。
けど、脚本がザツ。
話は、主人公が見せ物小屋のようなところで知り合った女性を自宅に連れていくところからはじまるのだが、セックスするために連れて行ったようでもなく、なんでやねん? となってしまう。で、その女性が何者かにナイフで刺されて「次はあなたの番よ」と言って死ぬわけだが、暗殺者がなんで主人公をほったらかして出て行ったのかわからない。犯人はアパートの外で待ち伏せしていたようだが、待ち伏せするくらいなら女性を殺しに侵入したときに主人公のおっさんも一緒に殺すだろう。
その後の展開もなんだかよくわからないところが多く、列車の中で知り合った女性と手錠でつながれてしまって、そのまま逃げてホテルに泊まるのだが、ホテルにやってきた追っ手の殺し屋らしき者たちは主人公と女性が宿泊してることを確認しただけで出て行ってしまう。また玄関の外で待ち伏せしてるのかなと思ったが、それはなく、その件はそれで終わり。
まあ、昔の映画だから仕方がないのだろうけど、ヒッチコックも初期の作品はけっこうザツにつくってたんだなと思った。
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国家機密情報の行方
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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1935年 イギリス映画
原題:THE 39 STEPS
監督:アルフレッド・ヒッチコック
「チップス先生さようなら」でチップス先生を演じたロバート・ドーナットに魅了され、その流れでこちらも観ました。ヒッチコックが監督だというのは勿論ですが、ジョン・バカンという方の小説『三十九階段』が元になっているそうで、スリルがあって面白かったです!
ロンドンが舞台で国家機密を奪おうと企む者、それを阻止する者の駆け引きに巻き込まれリチャード・ハネイ(ロバート・ドーナット)は、工作員だと名乗ったアナベラという女性の殺人事件の犯人として警察に追われる羽目になり、自ら無実を晴らすため事件解決へ向かう役どころを演じますが、行く先々で波乱が待っています。
逃亡中のスコットランド行きの列車の中や農家での人物描写も見事でした。列車内で会うパメラ(マデリーン・キャロル)という女性との絡み方も飽きさせない展開でした。それにしてもこのパメラ、無実を訴えるハネイの事を一切信じず、気の強い跳ねっかえり。きっとこういう女性は扱いにくいだろうなぁ、と想像します。ハネイとパメラは手錠を付けたまま逃走することになり、夫婦だと偽ってホテルに泊まる事になるも、部屋では言い争う始末。思い込みというのは怖いもので、目の前の人が殺人犯だと思い込むと、そう見えるのかもしれないですね。けれど夜中にパメラの思い込みを覆す事になる男2人が電話を掛けに現れ、男達の話を盗み聞きした事でハネイの話が真実だと知るのです。夜が明け目を覚ましたハネイに、男達が話していた電話の内容を伝え、ロンドンのパラディアム座に事件の鍵があると察し2人は舞台へ向かう。
小指の先が無い首謀者ジョーダン教授を演じたゴッドフリー・タールという俳優さん、短い登場シーンながら存在感抜群でした。調べてみたら1908年にロミオとジュリエットでロミオを演じた方なのですね(へぇー)!
ロバート・ドーナットの逃亡しながらも自ら事件の解決に向かう攻めの演技には見入るものがありました。また、一夜だけ身を寄せる農家で自分が殺人犯とし掲載された新聞記事を見つけるシーンや、その記事を妻マーガレットに悟られてしまう事が発端となり農夫に浮気していると勘違いされたり、国家機密情報を奪おうとするスパイの首謀者ジョーダン教授に出くわした際等、それぞれのシーンごとに程よいスピード感と緊迫感が漂っていました。ラストではこの国家機密情報がどこにあったのか分かりますが、なるほど〜!と思いました。
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映画は1935年で既にこのレベル
ヒッチコックの最高傑作の一つです。1935年、日本で言えば昭和10年の製作、そんな昔なのにカメラワークも息を呑むようなストーリー展開も、現代の秀作に一つも引けを取りません。ラストもビックリ、脇役男優ワイリー・ワトソンの名演でラストシーンも忘れられない名場面になっています。
主人公のハネイを演じているロバート・ドーナットは「チップス先生さようなら」の旧作(1939)でチップス先生を演じて見事にアカデミー主演男優賞を獲得した英国の名優ですが、生涯ぜんそくの発作に悩まされ主演男優の貫録を十分に持ちながらも出演作品数が限られ、各作品で印象に残る名演と存在感を発揮しているのに知名度はイマイチ。しかし、本作ではその本来の魅力を十分に発揮して、ハンサムで洒脱、身のこなしがスマートで決してあきらめない主人公を演じ切っています。相手役パメラを演じているのは、1930年代は「スクリーンで最も美しい女優」と言われた英国女優マデリーン・キャロルです。確かに汽車で登場して以来、現れる場面、現れる場面、どの角度から撮っても美しい、まさに映画女優になるために生まれて来たような人。さて、途中で主人公のハネイをかくまう農夫の夫婦が登場しますが、この農夫の妻が短い登場時間の割に妙に存在感があって印象を残すのですが、何と若き日の英国の大舞台女優ペギー・アシュクロフトです。映画出演本数は限られていますが、デビッド・リーン監督の「インドへの道」(1984)で英国淑女ムーア夫人を演じてアカデミー助演女優賞を77歳で受賞した記録保持者です。
とにかく始まってからラストまでハラハラドキドキ、息もつかせぬ展開で楽しませてくれます。サスペンス映画の英国ランキングではベスト5に入るというのもうなずける、ヒッチコック初期の名作、そして彼の生涯の全作品の中でベスト3に入る作品なので、古い!と思わずぜひぜひご覧ください。
このレビューは気に入りましたか?
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ユーザーレビュー
すべて記憶に留める男
投稿日
2022/02/20
レビュアー
趣味は洋画
三十九夜(1935年・イギリス、モノクロ、83分)
世界一有名な映画監督は誰ですか?
この問いに ‘アルフレッド・ヒッチコック’ と答える人は年々少なくなってきているような気がします。
それでも「サスペンスの神様」として、映画界に大きな影響を与えたことは紛れもない事実でしょう。
さて、「三十九夜」は8年ぶりに2度目の鑑賞、2度目のレビューです。
ストーリーの詳細を追いながら、ヒッチコックの独創性に迫りたかったのです。
カナダの外交官ハネイ(ロバート・ドーナット)は休暇を利用し、ロンドンを訪れた。ある小劇場に入ると、舞台では ‘記憶の達人’ と称するMr.メモリー氏(ウィリー・ワトソン)が観客のあらゆる質問に答えている。ふざけた質問をする客もいるが、ハネイが ‘ウィニペグとは?’ と訊いてみると、即座に正確な回答が帰ってくる。とその時、一発の銃声が響く。出口に殺到する観客達。ハネイは自分に身体を摺り寄せてくる女性(ルーシー・マンハイム)に助けを求められ、せかされるように自分の住まいに連れ帰った。最初はスミスと名乗っていた女性は、‘本当の名はアナベラで、英国の国防機密を某国に売ろうとしているスパイを追跡中だが、小劇場まで後をつけたところで感づかれた’ と云う。銃を発射し、混乱に紛れて逃走したのだ。アナベラは更に続けて、‘事件の首謀者はスコットランドにおり、小指の無い男だ’ と。
やがてひと眠りしたハネイに、アナベラが倒れてきた。背中にナイフが刺さっている。‘私の代わりにスコットランドへ行って...39階段のある...’彼女は絶命した。自分に殺人の疑いがかかることを危惧したハネイは、真実を知るため、未明のスコットランド行き列車に乗った...。
初回のレビューでも書いたのですが、冒頭に出てくる「記憶術師Mr.メモリー」の存在が、ラストシーで効いてくること、あらためて実感しました。そして、得体の知れぬ犯人像をはじめ、観客に不安感を与える特殊効果や、小道具の使い方、さすがヒッチコック、上手いですね。
列車内の逃走シーンや、農場での小作人夫婦とのやりとりも、小気味よいサスペンスに引き込まれました。小作人夫婦の妻を演じていたのがペギー・アシュクロフトですが、彼女にはどうしても84年「インドへの道」のムーア夫人を演じた77歳の彼女が脳裏にあります。
なので本作出演時の彼女が28歳(又は27歳)なのを知ると、感慨深いものがあります。でも微かに面影が感じられ、イギリスを代表する淑女女優の雰囲気が、画面を通しても伝わってきました。
主演のロバート・ドーナットは出演作品そのものが少ないですが、オスカーを獲った39年「チップス先生さようなら」が彼の代表作でしょう。そしてマデリーン・キャロルは36年「間諜最後の日」で女スパイを演じていますし、ルーシー・マンハイムは65年「バニー・レイクは行方不明」で料理婦を演じていました。
はて、「三十九夜」(本編中のセリフでは ‘39ステップス’ )とは何なのでしょう。
未見の方は本編の最終シーンでお確かめ下さい。
83分というコンパクトな時間のなか、ヒッチコックの独創性に少しは迫ることが出来ました。
これも巻き込まれ型 スパイ・アクションの名作
投稿日
2022/02/12
レビュアー
ちゅく
「三十九夜」(1935、英国、白黒、83分)。ヒッチコックの英国時代・後期作品。
原題は「The 39 Steps(39階段/39段)」。原作は英国の小説家ジョン・バカン(1875〜1940)の同名原作(1915)で、第一次世界大戦直前の欧州の諜報戦を描き、勃興期スパイ小説の古典と言われています。原作と映画では発表年に20年の差があり、映画では「第一次世界大戦」が終結(1919年11月)し、「第二次世界大戦」が勃発(1939年9月)する間の後期に時代を変えています。主人公の「リチャード・ハネイ」は、原作では「南アフリカから帰国した自由人」、映画では「カナダから帰国した外交官」。「三十九階段」という謎の言葉は、原作では「スカダー(ディグビー大尉)」という男性の黒い手帳、映画では「謎の美女」の今わの伝言で託されます。「ミスター・メモリー」は映画だけに登場する重要キャラです。それにしても、邦題が「三十九夜」と変更された理由がわかりません。三十九日どころか、1週間以内の出来事なのですから……。
以下、映画のあらすじです。
ロンドンのイーストエンドの寄席で、「ハネイ」(ロバート・ドーナット)は「ミスター・メモリー」(ワイリー・ワトソン)の「記憶芸」を見ていた。銃声が起こり、混乱の中、彼は「謎の美女『アナベラ』」(ルーシー・マンハイム)をアパートで匿うことに……女は「国際スパイ」で、英国の国防機密を某国に某国に売ろうと企む「スパイ団」(スコットランドに本拠があり、首領には小指がない)を追跡していると語る。銃は虎口を脱するために彼女が撃ったものだった。深夜、女はナイフで刺され、「三十九階段…」という謎の言葉を残して息絶える。彼女の持っていた地図には「アル・ナ・シェラ」地帯に印がついていた。女殺しの冤罪で警察に追われ、「スパイ団」からは命を狙われながら、「ハネイ」のスコットランド彷徨(鉄道から徒歩へ)が始まる。この高原・田園の場面が原作・映画に共通する主体的な魅力。大都市ロンドンとは全く異なる自然の描写、そこで出会う人々との邂逅。小作人の夫婦「ジョン」(ジョン・ローリー)と「マーガレット」(ペギー・アシュクロフト)に匿われ、食事とコートを貰う。次に「ジョーダン教授」(ゴッドフリー・タール)宅を訪ねるが、怪しいと直感して逃げるが、列車の中で会っていた女性「パメラ」(マデリーン・キャロル)の通報で「警官」に逮捕された。「ハネイ」と同じ手錠で繋がれたのを不審に思った「パメラ」は、「警官」が偽物であることを悟る。二人は手錠のまま脱走。……舞台は再びロンドンの寄席へ、「ミスター・メモリー」の登場となる。
ヒッチコックの意図を反映したチャールズ・ベネット、アルマ・レヴィルの脚本は、原作を大胆に刈り込み、設定変更し、新人物を投入、83分の娯楽作に作り替えています。横道、枝葉が多いのが原作(文庫で200P弱と短い)の魅力ですが、映画の場合は、本筋を突進することが大切なのだと改めて思いました。ペギー・アシュクロフト(1907〜1991)はD・リーン「インドへの道」(1984)の「ムーア夫人」役の女優さんですね。
ちょっとなあ・・って感じ
投稿日
2022/03/12
レビュアー
勇光
面白そうな雰囲気は感じた。
なにかの機密を外国に持ち出すために記憶力抜群の男を使うってところは面白かった。
けど、脚本がザツ。
話は、主人公が見せ物小屋のようなところで知り合った女性を自宅に連れていくところからはじまるのだが、セックスするために連れて行ったようでもなく、なんでやねん? となってしまう。で、その女性が何者かにナイフで刺されて「次はあなたの番よ」と言って死ぬわけだが、暗殺者がなんで主人公をほったらかして出て行ったのかわからない。犯人はアパートの外で待ち伏せしていたようだが、待ち伏せするくらいなら女性を殺しに侵入したときに主人公のおっさんも一緒に殺すだろう。
その後の展開もなんだかよくわからないところが多く、列車の中で知り合った女性と手錠でつながれてしまって、そのまま逃げてホテルに泊まるのだが、ホテルにやってきた追っ手の殺し屋らしき者たちは主人公と女性が宿泊してることを確認しただけで出て行ってしまう。また玄関の外で待ち伏せしてるのかなと思ったが、それはなく、その件はそれで終わり。
まあ、昔の映画だから仕方がないのだろうけど、ヒッチコックも初期の作品はけっこうザツにつくってたんだなと思った。
国家機密情報の行方
投稿日
2021/09/29
レビュアー
かつ
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1935年 イギリス映画
原題:THE 39 STEPS
監督:アルフレッド・ヒッチコック
「チップス先生さようなら」でチップス先生を演じたロバート・ドーナットに魅了され、その流れでこちらも観ました。ヒッチコックが監督だというのは勿論ですが、ジョン・バカンという方の小説『三十九階段』が元になっているそうで、スリルがあって面白かったです!
ロンドンが舞台で国家機密を奪おうと企む者、それを阻止する者の駆け引きに巻き込まれリチャード・ハネイ(ロバート・ドーナット)は、工作員だと名乗ったアナベラという女性の殺人事件の犯人として警察に追われる羽目になり、自ら無実を晴らすため事件解決へ向かう役どころを演じますが、行く先々で波乱が待っています。
逃亡中のスコットランド行きの列車の中や農家での人物描写も見事でした。列車内で会うパメラ(マデリーン・キャロル)という女性との絡み方も飽きさせない展開でした。それにしてもこのパメラ、無実を訴えるハネイの事を一切信じず、気の強い跳ねっかえり。きっとこういう女性は扱いにくいだろうなぁ、と想像します。ハネイとパメラは手錠を付けたまま逃走することになり、夫婦だと偽ってホテルに泊まる事になるも、部屋では言い争う始末。思い込みというのは怖いもので、目の前の人が殺人犯だと思い込むと、そう見えるのかもしれないですね。けれど夜中にパメラの思い込みを覆す事になる男2人が電話を掛けに現れ、男達の話を盗み聞きした事でハネイの話が真実だと知るのです。夜が明け目を覚ましたハネイに、男達が話していた電話の内容を伝え、ロンドンのパラディアム座に事件の鍵があると察し2人は舞台へ向かう。
小指の先が無い首謀者ジョーダン教授を演じたゴッドフリー・タールという俳優さん、短い登場シーンながら存在感抜群でした。調べてみたら1908年にロミオとジュリエットでロミオを演じた方なのですね(へぇー)!
ロバート・ドーナットの逃亡しながらも自ら事件の解決に向かう攻めの演技には見入るものがありました。また、一夜だけ身を寄せる農家で自分が殺人犯とし掲載された新聞記事を見つけるシーンや、その記事を妻マーガレットに悟られてしまう事が発端となり農夫に浮気していると勘違いされたり、国家機密情報を奪おうとするスパイの首謀者ジョーダン教授に出くわした際等、それぞれのシーンごとに程よいスピード感と緊迫感が漂っていました。ラストではこの国家機密情報がどこにあったのか分かりますが、なるほど〜!と思いました。
映画は1935年で既にこのレベル
投稿日
2014/10/22
レビュアー
レイモンド・ウダ
ヒッチコックの最高傑作の一つです。1935年、日本で言えば昭和10年の製作、そんな昔なのにカメラワークも息を呑むようなストーリー展開も、現代の秀作に一つも引けを取りません。ラストもビックリ、脇役男優ワイリー・ワトソンの名演でラストシーンも忘れられない名場面になっています。
主人公のハネイを演じているロバート・ドーナットは「チップス先生さようなら」の旧作(1939)でチップス先生を演じて見事にアカデミー主演男優賞を獲得した英国の名優ですが、生涯ぜんそくの発作に悩まされ主演男優の貫録を十分に持ちながらも出演作品数が限られ、各作品で印象に残る名演と存在感を発揮しているのに知名度はイマイチ。しかし、本作ではその本来の魅力を十分に発揮して、ハンサムで洒脱、身のこなしがスマートで決してあきらめない主人公を演じ切っています。相手役パメラを演じているのは、1930年代は「スクリーンで最も美しい女優」と言われた英国女優マデリーン・キャロルです。確かに汽車で登場して以来、現れる場面、現れる場面、どの角度から撮っても美しい、まさに映画女優になるために生まれて来たような人。さて、途中で主人公のハネイをかくまう農夫の夫婦が登場しますが、この農夫の妻が短い登場時間の割に妙に存在感があって印象を残すのですが、何と若き日の英国の大舞台女優ペギー・アシュクロフトです。映画出演本数は限られていますが、デビッド・リーン監督の「インドへの道」(1984)で英国淑女ムーア夫人を演じてアカデミー助演女優賞を77歳で受賞した記録保持者です。
とにかく始まってからラストまでハラハラドキドキ、息もつかせぬ展開で楽しませてくれます。サスペンス映画の英国ランキングではベスト5に入るというのもうなずける、ヒッチコック初期の名作、そして彼の生涯の全作品の中でベスト3に入る作品なので、古い!と思わずぜひぜひご覧ください。
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- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
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- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
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※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。
※2 借り放題はDVD「旧作」、CD「新作・準新作・旧作」が対象です。
三十九夜
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