タンポポ / 山崎努
全体の平均評価点: (5点満点)
(55)
解説・ストーリー
初監督作品「お葬式」で高い評価を受けた伊丹十三の監督第2作目。タンクローリーの運転手が、さびれたラーメン屋を経営している美しい未亡人に惹かれるまま、そのラーメン屋を町一番の店にするまでを、他に13の食べ物にまつわるエピソードを織り交ぜて描く。出演は山崎努、宮本信子、役所広司、渡辺謙。タンクローリーの運転手ゴローとガンは、ふらりと来々軒というさびれたラーメン屋に入った。彼らにラーメンの味が今一つと指摘されてから、店の女主人タンポポは様々な協力を経ながら商売繁盛を夢見てラーメン作りに没頭する。
初監督作品「お葬式」で高い評価を受けた伊丹十三の監督第2作目。タンクローリーの運転手が、さびれたラーメン屋を経営している美しい未亡人に惹かれるまま、そのラーメン屋を町一番の店にするまでを、他に13の食べ物にまつわるエピソードを織り交ぜて描く。出演は山崎努、宮本信子、役所広司、渡辺謙。タンクローリーの運転手ゴローとガンは、ふらりと来々軒というさびれたラーメン屋に入った。彼らにラーメンの味が今一つと指摘されてから、店の女主人タンポポは様々な協力を経ながら商売繁盛を夢見てラーメン作りに没頭する。
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「タンポポ」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
初監督作品「お葬式」で高い評価を受けた伊丹十三の監督第2作目。タンクローリーの運転手が、さびれたラーメン屋を経営している美しい未亡人に惹かれるまま、そのラーメン屋を町一番の店にするまでを、他に13の食べ物にまつわるエピソードを織り交ぜて描く。出演は山崎努、宮本信子、役所広司、渡辺謙。タンクローリーの運転手ゴローとガンは、ふらりと来々軒というさびれたラーメン屋に入った。彼らにラーメンの味が今一つと指摘されてから、店の女主人タンポポは様々な協力を経ながら商売繁盛を夢見てラーメン作りに没頭する。
「タンポポ」 の作品情報
「タンポポ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
タンポポの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
114分 |
日(大)日(小)英語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
GNBR1062 |
2004年12月20日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
16枚
|
6人
|
3人
|
タンポポの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
114分 |
日(大)日(小)英語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
GNBR1062 |
2004年12月20日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
16枚
|
6人
|
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ユーザーレビュー:55件
意外にカルト映画
投稿日:2012/09/26
レビュアー:港のマリー
本作について、よかった、面白かった以上の何か、を感じられた方、ムーンさん、ロキュータスさんのレビューをぜひお読みになってください。
「無法松の一生」説、「日本人のあたりまえを見直す伊丹映画」説、目からウロコ、もやもやがすっきり、映画の楽しみ方の奥深さがわかります。
レベルはちょっと落ちますが、私はこの映画の「カルト度」を取り上げたいと思います。
宮本信子を光り輝くマドンナに仕立て上げたメインストーリーに、突如闖入する食がテーマということだけでつながったコントの数々は、YouTubeにも投降されて、熱く語られていますね。
とくに役所広司と黒田福美との「卵の黄身の口うつし」これ、「ツィゴイネルワイゼン」の鰻の肝の口うつしからヒントを得たと思われますが、悶絶せんばかりに興奮する方もいるようです。一滴、血の滴った生牡蠣を食した後の海女の少女とのキス。キスも食のひとつですかね。
死に際にチャーハンを作って家族に食べさせる三田和代も、笑っていいのか、泣いていいのかと、大いに盛り上がっています。
鞄持ちの平社員が、フランス料理店で見せる堂々たる態度、ああいう人、会社の忘年会の余興に愛用のバイオリンでメンデルスゾーンでも弾きそうで、何ともおかしい。
極めつけ(個人的に)は、山芋だけを食べていたイノシシの腸の話。山芋の、これがホントの腸詰めだそうで、わけわからないのですが、大いに受けました。
サギ師とそのカモが北京ダックを食べるのも笑えます。スーパーでは刺身用マグロの柵を、バック詰めのラップの上からしきりに指で押している人が、必ずいますよ。
「タンポポのオムライス」が検索サイトにはたくさんヒットします。私はごはんをトマトピューレで炊いてからバターでいためますが。
と、語り出したらキリかがないきっかけを、無数に与え続ける映画を、カルト映画と呼ばないで何と呼びましょうや。
伊丹映画の過剰さというか、しつこくて垢抜けない感じがいまひとつ理解できませんでした。あれだけ洗練された教養を積んだ人なのに。
あれは、なんとかわかってもらいたいという必死の思いだったのですね。
孤独感の裏返しというか。千夜千冊で松岡正剛が紹介していた「やるせなさ」という日本映画の本質を継承した監督が伊丹監督だという説は、そういうことでしょうか。
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タンポポ の 花言葉
(ネタバレあり)
本作品について、伊丹十三監督自身が次のようなことを言っています。
「 食べ物のイメージというのは、われわれの視覚や聴覚だけでなく、味覚や触覚まで刺激する素晴らしい映画的素材なので、官能的な映画ができるのではないか、と私は長い間夢見てきました。」
そして、なぜ西部劇なのかと言えば
「 食べ物の映画を作ろうと思って、さまざまなディティルを集めてきたんですが、そのデイティルを納める容れ物がなかった。 ところが、ある時ふと西部劇という容れ物を思いついたのです。
西部劇を縦糸にすれば、食べ物映画ができるのではないか。とね。」
つまり、現代日本版の西部劇を作ろうとしたのが製作意図なのではなく、さまざまなディティルをつなぎ合わせるための方便としての西部劇ですね。
『シェーン』を拝借していると思っていましたが、本作品が「伊丹十三の『無法松の一生』、とのムーンさんのご指摘は正しく目からウロコであり、「食が五感を越えて第六感まで動員し、さらには欲、最後は究極のコミュニケーション、本能まで人のあらゆる感覚や営みに関わっていることを思い知らされる」というご意見には、激しく肯かされます。
なぜ、ラーメンなのか?
「食べ物の映画を作るにしても、食通が世にも珍しい食べ物を漁るような話では人々の共感を得ることは難しいでしょう。 ラーメンの話なら誰でも自分のこととして参加できるからです。 観客が感情的に映画に参加してくれれば、映画の流れは観客に預け、私は裏に廻って映画で遊ぶことができるのです。」
ラーメンを食べる多くの人はシロウトであるように、映画を観るのも多くの人はシロウトなんですよね。
そう、なんちゃって西部劇、なんちゃってフランス映画、なんちゃってマーラーなんですが、言ってみればラーメンも本格派のA級ではなくB級グルメの代表格であり、キッチュな食べ物と言えるのではないでしょうか。 だが私たちがあたりまえ、ありきたりと思っていることを新たな視点、見せ方をしたのが伊丹十三です。 なんちゃって外国文化と言われようと、日本人はそれを貪欲に取り入れているんですよね。
伊丹十三は日本映画史に残る脚本家・監督である伊丹万作の長男として生まれました。
戦時中に将来の科学者を養成するため特別学級での英才教育を受け、また父・万作の接し方も芸術家の審美眼による独特なものだったようで、NHK—BSのドキュメンタリーによると、まだ小学生の息子が作った模型飛行機をこんなものは飛ばないと言って叩き壊したりしました。
伊丹十三は自分には子どもはいらないと思っていましたが、妻・宮本信子に説得されて2人の息子をもうけ、一転子育てに熱中します。 しかし厳格で理詰めの接し方に、息子たちは自家中毒を起すほど。
「自分は一夜漬けで大人になったようなもの」と言うほど理知的で大人びた子ども時代を過ごし、一般家庭の子どものように親に十分に甘えたこともなくて、自分も子どもというものがよくわからないのですね。
ゴローの「 自分は冷たい人間かもしれない 」というのは、監督自身の告白と思えます。
英語・フランス語を原書で読むほどの教養はありますが、最終学歴は高卒で、独学で教養を獲得しキャリアを切り開いていった点、映画で人間の本質、世界観を描こうとした点などは、作風やキャラクターこそ違え、キューブリックに通じるものがあります。
また『 タンポポ 』に似た作品を探すとしたら、横糸である「一人オムニバス映画」なところが、ウディ・アレンの『誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』が挙げられると思います。
伊丹十三は若い頃『ロード・ジム』や『北京の55日』に出るなど国際俳優でした。
だからこそ 日本人同士の「言わなくてもわかるでしょ? 」という義理人情、血縁幻想が、西欧的価値観が通用しないことを痛感し、日本人とは何かを意識するようになったのでしょう。
きちんとわかるように言葉に出して言わなくては相手に伝わらないと考えていて、伊丹十三はアメリカ映画のフォーマット、ものごとの伝え方を強く意識していました。
他の日本人監督と違って、描き方が大げさに感じられるのはそうしたところかも知れません。
「 私はラーメン屋にはほとんど行ったことがありません。 行ったことがないからこそ驚くのです。
人々がなぜかくもラーメンに対して情熱的でありうるのか。 私にとっては心からの驚きなのです。」
特異な育ち方、海外経験を経た伊丹十三にとって、一般の日本人のあたりまえ、ありきたりが興味深く、驚きだったのでしょう。
ふだん気付かない別の視点を与えてくれることが、今日でも伊丹映画がぼくにとって魅力的な理由です・
なお、タンポポの花言葉は真実の愛 そして 別離です。
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6人の会員が気に入ったと投稿しています
エンタテイメント
先に『お葬式』を観たのだけれど、題材もあってあまり楽しめなかった。
こっちなら、と観始めるや、いきなりのメタ場面。そう、こっちなら私に合いそうだ(笑)。
この映画での山崎努はなんだかとっても念仏の鉄で、相棒が火野正平なら「新仕置人」現代版みたいに見られそうな楽しさがある。乱闘シーン、決闘シーンで、骨外しを披露してくれればなおよし(妄想)。
もちろん、そんな必殺ファン限定の狭いネタなどは容れてはおらず、ヒロイン・タンポポのラーメン屋を中心に、食べ物ネタのエピソードが幾つか散りばめられ、飽きずに観られるエンタテイメントに出来上がっていた。
女体絡みのエピソード場面は、恋人と観ていて不意打ちに出て来たら困るけど(笑)。
西部劇のプロットを使ったとのことなのだけど、西部劇というのを殆ど観たことがないので、あまりピンとはこない。ラストが「シェーン、カムバック!」にでもなるかと思ったけれど、それはなかったね。
単純に楽しんで観られるというのは、とてもいいことだ。
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2周速いランナー
ここ近年のテレビ番組のヒントが、一杯詰まっています。
ビックリしました。
グルメ番組のエッセンスが、詰まっているのは当たり前です。
不味い、流行らないラーメン屋を、
立て直す・・・というのがこの映画の一番のコンセプトだから・・・。
しかし、「劇的ビフォーアフター」のヒント。
「行列の出来る○○」のヒント。
変身番組の要素。「ビューティー・コロシアム」にも通じるし、
「ナインハーフ」のパクリ有り、
雰囲気的には、ロバート・アルトマン監督作「ショートカット」
に通じる食欲と性欲の融合した短編集とも思えました。
地味で暗い・・・って聞いていたのは何だったんでしょう?
オールスターキャストだし、面白いコメディだし・・・・
これって、
「宮本信子が主役でマドンナなんてのが気に入らない」
という、日本映画界の偏見だったのでしょうか?
堂々のエンターテインメントでした。
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B級グルメ三昧
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
監督第二作目の『タンポポ』。
徹底的に「食」にこだわった、日本映画でも特異な存在。
これが、非常に面白いです。
B級グルメの王様・ラーメンを主軸に、
様々な「食」というか「欲」のドラマを、
同時間に起こっているというグランドホテル形式を用いて、
母乳を赤ん坊に与える母親の乳房のアップを
延々に映すという、エンディングまで伊丹特有の
ネチッこい演出で延々と見せてくれます。
母乳こそ、食の原点とばかりのラストシーンは、
ちょっと目のやり場に困りますが、
爽やかに迎えた終演後だけに、異様に説得力があります。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
意外にカルト映画
投稿日
2012/09/26
レビュアー
港のマリー
本作について、よかった、面白かった以上の何か、を感じられた方、ムーンさん、ロキュータスさんのレビューをぜひお読みになってください。
「無法松の一生」説、「日本人のあたりまえを見直す伊丹映画」説、目からウロコ、もやもやがすっきり、映画の楽しみ方の奥深さがわかります。
レベルはちょっと落ちますが、私はこの映画の「カルト度」を取り上げたいと思います。
宮本信子を光り輝くマドンナに仕立て上げたメインストーリーに、突如闖入する食がテーマということだけでつながったコントの数々は、YouTubeにも投降されて、熱く語られていますね。
とくに役所広司と黒田福美との「卵の黄身の口うつし」これ、「ツィゴイネルワイゼン」の鰻の肝の口うつしからヒントを得たと思われますが、悶絶せんばかりに興奮する方もいるようです。一滴、血の滴った生牡蠣を食した後の海女の少女とのキス。キスも食のひとつですかね。
死に際にチャーハンを作って家族に食べさせる三田和代も、笑っていいのか、泣いていいのかと、大いに盛り上がっています。
鞄持ちの平社員が、フランス料理店で見せる堂々たる態度、ああいう人、会社の忘年会の余興に愛用のバイオリンでメンデルスゾーンでも弾きそうで、何ともおかしい。
極めつけ(個人的に)は、山芋だけを食べていたイノシシの腸の話。山芋の、これがホントの腸詰めだそうで、わけわからないのですが、大いに受けました。
サギ師とそのカモが北京ダックを食べるのも笑えます。スーパーでは刺身用マグロの柵を、バック詰めのラップの上からしきりに指で押している人が、必ずいますよ。
「タンポポのオムライス」が検索サイトにはたくさんヒットします。私はごはんをトマトピューレで炊いてからバターでいためますが。
と、語り出したらキリかがないきっかけを、無数に与え続ける映画を、カルト映画と呼ばないで何と呼びましょうや。
伊丹映画の過剰さというか、しつこくて垢抜けない感じがいまひとつ理解できませんでした。あれだけ洗練された教養を積んだ人なのに。
あれは、なんとかわかってもらいたいという必死の思いだったのですね。
孤独感の裏返しというか。千夜千冊で松岡正剛が紹介していた「やるせなさ」という日本映画の本質を継承した監督が伊丹監督だという説は、そういうことでしょうか。
タンポポ の 花言葉
投稿日
2012/04/13
レビュアー
ロキュータス
(ネタバレあり)
本作品について、伊丹十三監督自身が次のようなことを言っています。
「 食べ物のイメージというのは、われわれの視覚や聴覚だけでなく、味覚や触覚まで刺激する素晴らしい映画的素材なので、官能的な映画ができるのではないか、と私は長い間夢見てきました。」
そして、なぜ西部劇なのかと言えば
「 食べ物の映画を作ろうと思って、さまざまなディティルを集めてきたんですが、そのデイティルを納める容れ物がなかった。 ところが、ある時ふと西部劇という容れ物を思いついたのです。
西部劇を縦糸にすれば、食べ物映画ができるのではないか。とね。」
つまり、現代日本版の西部劇を作ろうとしたのが製作意図なのではなく、さまざまなディティルをつなぎ合わせるための方便としての西部劇ですね。
『シェーン』を拝借していると思っていましたが、本作品が「伊丹十三の『無法松の一生』、とのムーンさんのご指摘は正しく目からウロコであり、「食が五感を越えて第六感まで動員し、さらには欲、最後は究極のコミュニケーション、本能まで人のあらゆる感覚や営みに関わっていることを思い知らされる」というご意見には、激しく肯かされます。
なぜ、ラーメンなのか?
「食べ物の映画を作るにしても、食通が世にも珍しい食べ物を漁るような話では人々の共感を得ることは難しいでしょう。 ラーメンの話なら誰でも自分のこととして参加できるからです。 観客が感情的に映画に参加してくれれば、映画の流れは観客に預け、私は裏に廻って映画で遊ぶことができるのです。」
ラーメンを食べる多くの人はシロウトであるように、映画を観るのも多くの人はシロウトなんですよね。
そう、なんちゃって西部劇、なんちゃってフランス映画、なんちゃってマーラーなんですが、言ってみればラーメンも本格派のA級ではなくB級グルメの代表格であり、キッチュな食べ物と言えるのではないでしょうか。 だが私たちがあたりまえ、ありきたりと思っていることを新たな視点、見せ方をしたのが伊丹十三です。 なんちゃって外国文化と言われようと、日本人はそれを貪欲に取り入れているんですよね。
伊丹十三は日本映画史に残る脚本家・監督である伊丹万作の長男として生まれました。
戦時中に将来の科学者を養成するため特別学級での英才教育を受け、また父・万作の接し方も芸術家の審美眼による独特なものだったようで、NHK—BSのドキュメンタリーによると、まだ小学生の息子が作った模型飛行機をこんなものは飛ばないと言って叩き壊したりしました。
伊丹十三は自分には子どもはいらないと思っていましたが、妻・宮本信子に説得されて2人の息子をもうけ、一転子育てに熱中します。 しかし厳格で理詰めの接し方に、息子たちは自家中毒を起すほど。
「自分は一夜漬けで大人になったようなもの」と言うほど理知的で大人びた子ども時代を過ごし、一般家庭の子どものように親に十分に甘えたこともなくて、自分も子どもというものがよくわからないのですね。
ゴローの「 自分は冷たい人間かもしれない 」というのは、監督自身の告白と思えます。
英語・フランス語を原書で読むほどの教養はありますが、最終学歴は高卒で、独学で教養を獲得しキャリアを切り開いていった点、映画で人間の本質、世界観を描こうとした点などは、作風やキャラクターこそ違え、キューブリックに通じるものがあります。
また『 タンポポ 』に似た作品を探すとしたら、横糸である「一人オムニバス映画」なところが、ウディ・アレンの『誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』が挙げられると思います。
伊丹十三は若い頃『ロード・ジム』や『北京の55日』に出るなど国際俳優でした。
だからこそ 日本人同士の「言わなくてもわかるでしょ? 」という義理人情、血縁幻想が、西欧的価値観が通用しないことを痛感し、日本人とは何かを意識するようになったのでしょう。
きちんとわかるように言葉に出して言わなくては相手に伝わらないと考えていて、伊丹十三はアメリカ映画のフォーマット、ものごとの伝え方を強く意識していました。
他の日本人監督と違って、描き方が大げさに感じられるのはそうしたところかも知れません。
「 私はラーメン屋にはほとんど行ったことがありません。 行ったことがないからこそ驚くのです。
人々がなぜかくもラーメンに対して情熱的でありうるのか。 私にとっては心からの驚きなのです。」
特異な育ち方、海外経験を経た伊丹十三にとって、一般の日本人のあたりまえ、ありきたりが興味深く、驚きだったのでしょう。
ふだん気付かない別の視点を与えてくれることが、今日でも伊丹映画がぼくにとって魅力的な理由です・
なお、タンポポの花言葉は真実の愛 そして 別離です。
エンタテイメント
投稿日
2006/02/27
レビュアー
かめ
先に『お葬式』を観たのだけれど、題材もあってあまり楽しめなかった。
こっちなら、と観始めるや、いきなりのメタ場面。そう、こっちなら私に合いそうだ(笑)。
この映画での山崎努はなんだかとっても念仏の鉄で、相棒が火野正平なら「新仕置人」現代版みたいに見られそうな楽しさがある。乱闘シーン、決闘シーンで、骨外しを披露してくれればなおよし(妄想)。
もちろん、そんな必殺ファン限定の狭いネタなどは容れてはおらず、ヒロイン・タンポポのラーメン屋を中心に、食べ物ネタのエピソードが幾つか散りばめられ、飽きずに観られるエンタテイメントに出来上がっていた。
女体絡みのエピソード場面は、恋人と観ていて不意打ちに出て来たら困るけど(笑)。
西部劇のプロットを使ったとのことなのだけど、西部劇というのを殆ど観たことがないので、あまりピンとはこない。ラストが「シェーン、カムバック!」にでもなるかと思ったけれど、それはなかったね。
単純に楽しんで観られるというのは、とてもいいことだ。
2周速いランナー
投稿日
2016/10/01
レビュアー
カマンベール
ここ近年のテレビ番組のヒントが、一杯詰まっています。
ビックリしました。
グルメ番組のエッセンスが、詰まっているのは当たり前です。
不味い、流行らないラーメン屋を、
立て直す・・・というのがこの映画の一番のコンセプトだから・・・。
しかし、「劇的ビフォーアフター」のヒント。
「行列の出来る○○」のヒント。
変身番組の要素。「ビューティー・コロシアム」にも通じるし、
「ナインハーフ」のパクリ有り、
雰囲気的には、ロバート・アルトマン監督作「ショートカット」
に通じる食欲と性欲の融合した短編集とも思えました。
地味で暗い・・・って聞いていたのは何だったんでしょう?
オールスターキャストだし、面白いコメディだし・・・・
これって、
「宮本信子が主役でマドンナなんてのが気に入らない」
という、日本映画界の偏見だったのでしょうか?
堂々のエンターテインメントでした。
B級グルメ三昧
投稿日
2009/08/04
レビュアー
"
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
監督第二作目の『タンポポ』。
徹底的に「食」にこだわった、日本映画でも特異な存在。
これが、非常に面白いです。
B級グルメの王様・ラーメンを主軸に、
様々な「食」というか「欲」のドラマを、
同時間に起こっているというグランドホテル形式を用いて、
母乳を赤ん坊に与える母親の乳房のアップを
延々に映すという、エンディングまで伊丹特有の
ネチッこい演出で延々と見せてくれます。
母乳こそ、食の原点とばかりのラストシーンは、
ちょっと目のやり場に困りますが、
爽やかに迎えた終演後だけに、異様に説得力があります。
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