ひとりぼっちの青春

マラソンダンスとは１時間５０分踊って１０分休憩し、昼夜ぶっ通しで踊り続け、数日間続けられる。そして最後に残った者に賞金が与えられるものである．．．と某誌の解説に載っている。
アメリカ不況時代の１９３２年、失業者の群れで溢れかえるハリウッドで、この想像を絶する大会が開かれる。　参加したのはグロリア（ジェーン・フォンダ）とロバート（マイケル・サラザン）、アリス（スザンナ・ヨーク）と船乗り（レッド・バトンズ）、ルビー（ボニー・ベデリア）らで、プロモーター兼司会者はロッキー（ギグ・ヤング）である。　いくら賞金目当てとはいえ、よくもまあこのマラソンダンスに挑戦したものだ。　言い換えれば、原作のホレイス・マッコイの小説「彼等は廃馬を撃つ」が何と奇抜なことか．．．ということになる。死者や狂人まで出るという、過酷なゲームを続けるＪ・フォンダの疲れた表情が圧巻で、彼女は主演女優賞にノミネート、S・ヨークは助演女優賞にノミネートされた。そして何といってもギグ・ヤング。彼は商魂丸出しのえげつない主催者に扮し、見事アカデミー賞主演男優賞を受賞した。だが本作出演の９年後、結婚（再婚）３週間目の新妻と共に心中死体となって発見される。ヤングが妻を撃ち、次いで自分も撃って自殺したらしいと警察が発表している。１９７８年１０月１９日のことである。

星★★★☆☆です！

実際に当時こんなことを行っていたのかしら。
参加費はとってないようだから、見物料が主な利益になるんだろうけど、
スタッフの人件費、参加者への食事に、バンドの生演奏と経費がかなりかかってそうで全く儲かりそうになさそう…。

この映画は僕の手に負えるような代物ではないので、このくらいのどうでもいい突っ込みしかできません。

ダンスマラソンに参加する人たちと、観客席から見ている人たち。貧しい人たちは、髪の毛を振り乱し、観客の目に晒されながら必死に残ろうとしている。でも、司会者は単なるショーとでしかとらえず、金や客にウケる事しか頭にない。

参加している人たちがそれぞれ抱えるものは、見ている側にとっては取るに足りないこと・・・。不況の時代が生み出す残酷さが描かれていました。

時折挿入される、Ｍ・サラザンの場面がラストシーンで「ああ、そういう事だったんだ」とわかって、余計に切なくなりました。

観終わった後、重苦しい気持ちになりますが、観て欲しいです。

見続けるのが苦痛。ラストが少し良かった。

人生に絶望してイライラしっぱなしのグロリア、「世の中どこでも同じ、いい役は決まっている」ことについに拳銃自殺に至る。彼女と対比的に苦しい生活の中でも子供を生み育てようとするルビー、彼女は希望を持っていた。
日本だとお金が大事、となるところだが欧米だと自由となる。本質的な違いである。
ルビーの夫役のブルース・ダ−ンは『帰郷』でジェーン・フォンダの夫で自殺する役をやっていた。面白いめぐり合わせだ。